表 2.7.6.2.7-2 薬物動態評価対象例の背景因子の分布
項目 カテゴリー 例数
性 男 4
女 6
年齢 20歳以上30歳未満 6
30歳以上40歳未満 3
40歳以上50歳未満 0
50歳以上60歳未満 1
平均値 (歳) 29.7 標準偏差 (歳) 9.6 最小値 (歳) 20.0
中央値 (歳) 26.5
最大値 (歳) 54.0
体重 40kg以上50kg未満 4
50kg以上60kg未満 3
60kg以上70kg未満 3
平均値 (kg) 53.3
標準偏差 (kg) 9.6
最小値 (kg) 40.0
中央値 (kg) 51.5
最大値 (kg) 68.0
入院・外来の区分 外来 10
基礎疾患・合併症の有無 無 9
有 1
治験薬投与開始前7日 無 9
以内の抗菌化学療法 有 1
3) 薬物動態
歯科・口腔外科領域患者に対して DRPM 250 mg を 30 分かけて単回点滴静注したとき,点 滴静注開始後 70〜105 分の歯肉中濃度は 0.34〜2.19 µg/g (7 例),ほぼ同時期の血漿中濃度は 2.55〜5.60 µg/mL (6 例) であり,歯肉中/血漿中濃度比は 14.3〜47.9% (6 例) であった.また,
点滴静注開始後 60〜75 分の嚢胞中濃度は 0.36〜1.10 µg/g (3 例),ほぼ同時期の血漿中濃度は 4.08〜5.15 µg/mL (3 例) であり,嚢胞中/血漿中濃度比は 7.7〜21.4% (3 例) であった.
(2.7.2.2.5.10 項)
4) 安全性
A) 副作用 (症状) 及び有害症状
有害症状は評価症例 10 例全例に認められなかった.
2.7 臨床概要
本剤による副作用 (臨床検査値) と判定されたのは 3 例 (発現率 30.0%),3 件であった.その 内訳は血清ビリルビン上昇 2 件,尿蛋白増加 1 件であった.異常変動の程度はいずれも軽度 であり,治療することなくいずれも正常化した.
5) 結論
DRPM 250 mg,30 分間点滴静注により,歯肉及び嚢胞組織へ既存のカルバペネム系抗生物
質
19-20)と同程度の満足な移行性が確認されたことから,歯科・口腔外科領域感染症に対し良
好な臨床成績を示すものと考えられた.
2.7 臨床概要
2.7.6.2.8 体液・組織中濃度測定試験 (外科領域)
添付資料 5.3.3-Report13 試験方法の概略を表 2.7.6.2.8-1 に示した.
表 2.7.6.2.8-1 試験方法
項目 内容
目的 外科領域感染症に対するDRPMの効果を裏付けるために,外科手術施行例における腹腔内 浸出液への本剤の移行性の検討を行う.
治験方法 多施設共同による非盲検,非対照,非無作為化試験 単回投与試験 (投与量250 mg,30分間点滴静注) 症例数 目標症例数:5例
集積症例数:6例
投与症例数〔登録症例数〕:5例 薬物動態評価対象症例数:5例 副作用 (症状) 評価対象症例数:5例 副作用 (臨床検査値) 評価対象症例数:3例 対象及び主要な組
み入れ基準
対象:
腹腔内手術後,腹腔内浸出液の採取が可能で,抗菌薬の投与が必要と考えられる患者 選択基準:
1) 同意取得時の年齢が20歳以上79歳以下の患者,2) 性別は問わない,3) 入院患者 除外基準:
1) 肝機能検査値であるASTが100 IU/L以上,ALTが100 IU/L以上の患者 2) 腎機能障害を有する患者
3) てんかんの既往のある患者,あるいは痙攣を伴う中枢神経系の疾患を治験開始時に有 している患者
4) β-ラクタム系薬に起因すると考えられる薬剤アレルギー又は重篤な副作用の既往のあ る患者
5) 妊婦及び妊娠している可能性のある患者,授乳中の患者 6) 併用禁止薬の併用を必要とする患者
7) DRPMの治験に一度組み入れられたことのある患者
8) 過去6ヵ月以内に他の治験薬が投与された患者
9) 治験責任医師又は治験分担医師が正当な臨床評価ならびに十分な経過の追跡が不可 能と判断した患者
被験薬,用量及び 投与方法,ロット 番号
被験薬:DRPM
用量及び投与方法:DRPMの皮内反応が陰性であることを確認した後,1回 250 mg (力価) 点滴静注 (30分間)した.
ロット番号:250 mgバイアル ,皮内反応検査薬 投与期間 単回投与
併用禁止薬 1) バルプロ酸ナトリウム,2) 他の抗菌薬,3) ループ利尿薬,4) 他の治験薬
検体採取時期 腹腔内浸出液と同時期に血液も採取した.なお,採取時期は治験薬投与開始 30 分後 (点 滴終了直前),2.5,4.5,6.5時間後とした.
評価基準 薬物動態:
HPLC法で測定した.
安全性:
1) 有害事象
①有害症状
有害症状の程度は,日本化学療法学会『「抗菌薬による治験症例における副作用,臨 床検査値異常の判定基準」の一部変更について』5) に準じて軽度,中等度,重度の 3 段階で判定した.発現した有害症状と本剤との因果関係は5段階で判定した.
1.関係がある 2.多分関係がある 3.関係があるかもしれない
2.7 臨床概要
表 2.7.6.2.8-1 試験方法 (続き)
項目 内容
評価基準 (続き)
②臨床検査値異常変動
異常変動の有無は,日本化学療法学会「抗菌薬による治験症例における副作用,臨 床検査値異常の判定基準」6) に準じて判定した.程度については有害症状と同様に判 定した.発現した臨床検査値異常変動と本剤との因果関係は5段階で判定した.
1.関係がある 2.多分関係がある 3.関係があるかもしれない 4.多分関係がない 5.関係がない
因果関係が上記の1,2あるいは3と判定されたものを副作用 (臨床検査値) として 取り扱った.
医学専門家*
治験実施医療機関 他 計2施設
治験期間 20 年 月 日 (最初の被験者の投与開始日)
〜20 年 月 日 (最後の被験者の投与終了日)
*:所属・役職は治験を実施した当時のもの