O-deethylation
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7-Ethoxycoumarin 7・Hydroxycoumarin
Fig. 4-3・3 ラット肝細胞による7-ECの構造変換過程
(II)初代ラット肝細胞の単層培養とPUF/スフエロイド培養による7-EC代謝活性の比較
Fig.4-3-4 �こ培養後]4日間におけるラットの単層培養とスフエロイド培養肝細胞の7-EC代謝の 減少量の 比較を示す。 代謝減少量の変化から, 両培養系の肝細胞とも培養後5日目以降の代謝減少量の減少が見
られた。
Fig.4-3-5で、示す生細胞当りの7-EC代謝速度の経時変 化から, 両培養細胞とも代謝速度に大きな差はな く, 培養後約2週間にわたって6� 12μg/105 vi able cel1s/dayの7-EC 代謝速度を一定に保つことが可能であ る。 しかし, 培養後5日目以降のスフエロイド 培養肝細胞の代 謝速度は単層培養肝細胞の代謝速度を上 回ることから
れた。
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Fig. 4-3-4 ラット肝細胞による7-ECの代謝
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単層培養とスフエロイド培養ラット肝細胞による7・EC代謝速度の比較
一・- Monolayer culture
一-0- PUF(R-l)/spheroid culture
4.3.3.2 3-MC処理による薬物代謝酵素誘導後の初代ラット肝細胞による7-EC代謝反応
日)代謝過程
Fig.4-3-6に3-MC無処理の単層培養およびスフエロイド培養ラット肝細胞の7・EC代謝のHPLCクロマト グラムを示す。 また, 3-MC処理した単層培養およびスフエロイド培養ラット肝細胞の7-EC代謝のHPLC クロマトグラムをFig.4-3-7に示すO この結果, 単層培養肝細胞で、は7-ECの構造変換産物として発現する 7-HCがほとんど検出されなかったが, スフエロイド培養肝細胞では高いレベルで検出されている。
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Fig. 4-3-6 3-MC無処理のラット肝細胞による7・EC代謝のHPLCクロマトグラム
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Fig. 4-3-7 3-MC処理のラット肝細胞による7-EC代謝のHPLCクロマトグラム
A ; Monolayer culture B ; PUF(R-l )jspheroid culture
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(II)初代ラット肝細胞の単層培養とPUF/スフエロイド培養による7・EC代謝活性の比較
Fig.4-3-8に培養後5, 10, 14日目における3-MC処理の単層培養とスフエロイド培養肝細胞の7-EC代 謝 の減少量の 比較を示す。 3-MC処理に よる単層培 養肝細胞の代謝減少量の 変化は, 培 養経過に伴って減 少傾向を示したが, スフエロイド培養肝細胞で、は培養後14日目でもほぼ一定の代謝減少量を示した。
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Fig. 4-3-8 3-MC処理したラット肝細胞による7-ECの代謝
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一一0- PUF(R-1 )/spheroid culture
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そこで, 3-MC処理の有無による生細胞当りの 7-EC代謝速度の変化をFig.4-3-9に示す 。 この結果, 単 層培養肝細胞は 3-MC処理に よって3�4倍の代 謝活性の増加 が見られた のに対 し, スフエロイド 培養肝 細胞では4�7倍の増加が見られ, その機能は培養後2週間目でも十分に維持されていることがわかる。
また, 3-MC処理の有無による生細胞当りの7-HC の発現速度の変化をFig.4-3-10に示す。 そ の結果, 単 層培養肝細胞では2�3倍の増加であるのに対し, スフエロイド培養月干細胞では30�60倍の増加が見られ,
スフエロイド培養と単層培養では大きな違いがあることを確認した。
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3-MC処理の有無による7-EC代謝活性の比較
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3-MC処理の有無による7-HC発現活性の比較
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83 Fig.4-3-10
4.3.4考察
4.3.4.1 構造変換過程
ラット肝臓には約30種類の 第一相反応の酵素群であるP-450系の アイソザイムが存在し, 7-ECは1Al タイプと呼ばれるP-450によって7-HCに変換され, その後第二相反応の酵素に よって水溶化さ れること が判明している。 このため, 培 養肝細胞がこ のアイソザイムの活性維持が行えるな らば, 7-ECは7-HC に変換することが可能なはずである。 Fig.4-3-3で、示す懸濁状態(単離直後)の肝細胞では7-HCの発 現が見 られているものの, Fig.4-3-4や4-3-5に示す単層培養やスフエロイド培養の肝細胞では7・HCの発現が僅く 微量しか確認でき なかった。 しかし, 懸濁状態の肝細胞では細胞生存の維持が不可能であ るため,
7-HCからさ らに進行する第二相反応の酵素活性が維持できず, 結果として7-HCが残存すると考えられ る。 一方, 単層培養 やスフエロイド培養肝細胞では, 7-HCは発現するもの の, 速やかに第二相反応の 変換を受けるため, 結果として7-HCの発現は見られないと考えられる。
生体肝臓内では, 3-MC処理するこ とによって7-ECから7-HCへの構造変換反応が促進されることが報 告されている川。 単層培 養肝細胞を3-MCで処理 しても無処理 の場合と比べ て有意な7-HCの発現が兄ら れないが, スフエロイド培養肝細胞は3-MC処理することで明らかな7・HCの発現がみられた。 これより,
スフエロイド肝細胞は単層培養系に比べ, 薬物に対する酵素誘導応答機能を十分に保持していることが 明らかとなった。
4.3.4.2 生体肝臓と培養肝細胞の薬物代謝誘導機能の比較
3-MCによっ て処理を行った単層培養とスフエロイ ド培養肝細胞が7・ECを代謝した速度を, [3-MC処 理の7-EC代謝速度]/[3-MC無処理の7-EC代謝速度]で、定義で、きる誘導比としてFig.4-3-] 1に示す。 その結 果, 単層培 養肝細胞では3�4倍まで7-ECの代謝が促進されたのに対し , スフエロイド培養 肝細胞では4 ---7倍まで代謝促進がみられ, その機能は培養後2週間でも維持された。 一方, 同様の実験をラット個体 を利用して行うと, その酵素活 性は約6.7倍に促進されることがEdwardsら71 )によ って報告されてい るこ とから, スフエロイド培養肝細胞の方が単層培養肝 細胞よりも生体肝臓内の酵素活性の変化を反映でき
ることが示される。
また, 単層培養とスフエロイド培養肝細胞が7-ECの0-脱エチル化反応によって生成した7-HCの発現 速度を[3-MC処理の7-HC発現速度]/[3-MC無処理の7-HC発現速度]で定義される発現比としてFig.4-3-12 に示す。 その結果, 単層培養肝細胞ではこの発現比が2---3倍の増加であるのに対 し スフエロイド府養 肝細胞では30---60倍もの培加が見られ, その傾向は培養後2週間で も維持された。 この現象は明らかに 薬物代謝活性の誘導を示すものであるが, これが酵素レベルで増加しているのか, それとも酵素の分解 機能が減少しているのか, また既存の酵素が活性化されたものなのか, あるいはこれらの組み合わせの 結果として生じているもか検討が必要である。 しか しながら, スフエロイド培養肝細胞は単層府養肝細 胞に比べ, 明らかに薬物代謝活性の誘導機能を維持できることから, 薬物による生体肝臓内の醇素活性 の変化を評価できる肝臓シミュレータとして有望であると考えられる。
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単層培養とスフエロイド培養肝細胞の7-EC代謝誘導比の比較
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単層培養とスフエロイド培養肝細胞の7-HC発現誘導比の比較
• Monolayer culture 口PUF(R-l)/spheroid cul ture
85 Fig. 4-3-1 2
4.3.5本節のまとめ
3-MC処理による培養肝細胞内の薬物代謝酵素活性の誘導を行い, その酵素の活性を7-EC代謝速度と 7-HCの発現速度によって 評価した 結果をまとめると, 以下のようになる。
( 1 )培養肝細胞による7-EC構造変換過程は, 生体肝臓と同様であったO
(2) 3-MC処理によって, 培養肝細胞内の7-EC代謝速度は促進された。
単層培 養肝細胞の誘導比 ; 3-4倍 スフエロイド肝細胞の誘導比;4-7倍
(3) 3-MC処理による培養肝細胞内の7-HC発現速度には, 以下の違いがみられたO 単層培養肝細胞の7-HC発現比 ;2-3倍
スフエロイド肝細胞の7-HC発現比;30-60倍
誘導物質によってラット生体肝臓内の 7・EC代謝速度は約6.7倍に促進されることが報告されている71) ことから, スフエロイド培養肝細胞によってin vivoの結果をある程度反映できることが示された。 また,
7石C構造変換産物である7・HC の発現比から, 単層培養肝細胞に比べスフエロイド培養肝細胞の明らか な薬物代謝酵素活性の誘導を確認できた。 以上より, 薬物による肝臓内の酵素活性の変化を評価する肝 臓シミュレータとして, PUF/スフエロイド培養肝細胞が有望であることが示されたO
4.4本章のまとめ
静置培養の培養肝細胞を利用した肝臓シミュレータは, 本研究で使用したモデル薬物の代謝機能に関 して以下に示す特徴を有している。
( 1 )生体肝臓内の薬物構造変換過程を再現できる。
(2 )生体肝臓内の薬物による酵素活性の変化を再現できる。
(3) PUF/スフエロイド培養肝細胞は, 培養経過とともに機能低下がみられる単層培養肝細胞 に比べ, (1)および(2 )の機能を培養後約10-14日間維持できる。
静置培養下の培養肝細胞では, 生体肝臓の薬物消失速度を反映できるレベルまでには至らないが ス フエロイド培養法を利用することで, 肝細胞の薬物構造変換過程と薬物代謝酵素活性の変化の機能は単 層培養に比べ維持されることが示された。 ここで, 医薬品開発分野の薬物代謝研究において最も重要な 機能は「新規化合物が肝臓によって, どのような化合物に変換されるか」という定性的な評価である。
薬物構造変換過程は, 動物種によっても異なる場合があり, 培養肝細胞レベルでこの評価ができること は大幅な動物実験の削減につながる。 さらに, 薬物代謝機能を長期間維持できることは大型動物の肝細 胞を使用する場合, 一回の細胞調製で大量の細胞を得ることができるため細胞の有効利用につながる。
また, ヒトの肝細胞を使用する場合には, 細胞を入手できる機会が少ないため少量の細胞で多種類の反 応を評価することを可能にする。 これらの点から, 薬物代謝研究においてスフエロイド培養肝細胞は単 層培養肝細胞のよりも有効な肝臓シミュレータであり, 動物実験代替法として可能性が高いと考えられ
る。
以上をまとめると, 静置下のPUF/スフエロイド培養肝細胞を利用した肝臓シミュレータは, 以下に 示す薬物代謝研究の動物実験代替法として有望であることが示されたO
( 1 )新規医薬品として可能性をもっ化合物の肝臓による構造変換産物やその過程の予測。
( 2 )新規医薬品として可能性をもっ化合物が薬物代謝酵素活性に与える変化の評価。
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