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5.3.2.3 ì整流培養を利用した肝臓シミュレータの性能評価

Fig.5-3-6にアセトアミノフェンの濃度変化 Fig.5-3-5に木シミュレータによるリドカイン濃度変化を,

シミュレー 生体に投与される場合を考慮したものである。

モデル薬物の初期濃度は,

を示す。 ここで,

タ内に投与されたモデル薬物は, n寺問の経過に伴って減少した。 リドカインの代謝反応では, 構造変換 反応後3H寺問 目から構造変換産物であるアセトアミノフェンのグルクロン酸と硫酸抱合休の生成が見られた。

アセ トアミノフェンの千℃司tでは , 産物として得られるMEGXは検出されなかった 。 また,

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モデル薬物の濃度変化をもとに5.3.1.4(2)を参考にして薬物の消失速度を算出した(Table 5-3-2)。 この 結果, モジュール当りのリドカインのクリアランスは, アセ トアミノフェンのクリアランスの約8.6併 であった。 これは, それぞれの薬物を含んだ培地がモジュール内を一回通過する際に 肝細胞によって 抽出される率が異なるためであり, リドカインはアセトアミノフェンよりも肝細胞によってすばやく代 謝される薬物であることを示している。

Table 5-3-2 肝臓シミュレーターによるモデル薬物の消失動態の評価

モデル薬物

消失速度定数(min-1)

クリアランス(ml/min/module) 抽出率(!g-liver)

リドカイン アセトアミノフェン

1.46::i:0.13X 10-3 1.47X 10-4 0.120::i:0.028 0.014 0.074 ::i:0.009 0.011

一方, Nybergら67)とStudenbergら76)は, 摘出ラット肝臓を用いて行った肝瀧流実験に より, 肝臓内のリ ドカインとアセト アミノフェン消失速度を報告している。 これは, Fig.5-3-7に示すょっに, 外科的に摘 出した肝臓に人工的な循環ラインを設け, 薬物の消失速度を評価する方法である。 この方法は正確には 生体内肝臓とは言えないが 最も生体肝臓を反映できる実験系であり, 数時間の測定であれば生休肝臓 の消失速度を評価できる実験系である。 そこで, この実験から報告された結果を生体肝臓の値とした。

再循環ライン

ガス交換槽

Fig. 5-3-7 摘出ラット肝臓による肝濯流実験の方法

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Table 5-3-3に, NybergらとStudenbergらの実験条件およびリドカインとアセトアミノフェンの消失速度 を評価した結果を示す。 Ig-1iver(l08 cells)当りの抽出率をそれぞれの薬物で比較すると, リドカインは肝 臓を一回通過する際に除去されやすい薬物であり アセトアミノフェンは除去される率が小さい薬物で あることが示される。

Table 5-3-3 肝濯流実験によるモデル薬物の反応条件と消失動態の評価

モデル薬物 リドカイン アセトアミノフェン

肝重量(g) -EEA nu 7.5�10

j墓流流量(ml/min/g-liver) 2 2.2土0.13

モデル薬物の初期濃度(μM) 35 380 肝クリアランス(ml/min/liver) 19.4 3.22::t0.66 肝抽出率(/g-liver) 0.097 0.016::t 0.005

Table 5-3-4に木シミュレータと摘出肝 臓のリドカインおよびアセトアミノフェンの肝抽出率の比較を 示す。 その結果, 本シミュレータの1.0X 108 cells(g-liver) 当りの薬物の肝抽出率は, 摘出肝臓の値に比較 的近いことが示される。

Table 5-3-4 肝臓シミュレーターと摘出肝臓のモデル薬物抽出率の比較

摘出肝臓

(Rat) 肝臓シミュレーター

(Rat)

リドカイン抽出率

[/g-liver (1.0 X I08cells)] 0.097 0.074::t0.009

アセトアミノフェン抽出率

[!g-liver (1.0 X I08cells)] 0.016::t0.005 0.011

5.3.3考察

5.3.3.1培養条件の違いによる薬物構造変換活性の変化

スフエロイド培養肝細胞の培養条件を静置培養から海流培養にすることで, 薬物構造変換活性に向上 がみられた。irlf流培養を行うことによって, PUF孔内に固定化されているスフエロイド肝細胞と培養暗­

地問の物質交換が良好となり, *Illn包への酸素および栄養物質の十分な供給がなされ, 機能発現を促進し ていることが考えられる。 薬物の消失速度は定量的な評価であり 培養細胞レベルでこれを評価する場 合には, 静置培養よりも濯流培養を利用することが有効である。

5.3.3.2 i蓮流培養を利用した肝臓シミュレータによるモデル薬物消失速度の評価

肝クリアランスは, 生体に投与された薬物の薬効 が維持されるための期間を評価する指標となるもの であり, 薬剤治療にはかかせない数値である。 今回の結果から, 本シミュレータを利用することで, 細 胞レベルで肝臓内の薬物抽出率がある程度予測できることが示された。 ここで ラット肝臓内の血液流 量が約20ml/min, JJ干重量が約1Og( 1.0 X 109 cells)で、あることを考えると, 本シミュレータによって肝臓内 の肝クリアランスを算出することは可 能であり, リドカインクリアランスは 14.8:t1.8ml/min/liver, ア セトアミノフェンクリアランスは2.2ml/min/liverとなる。このように濯流培 養を利用し たシミュ レータ によって, 肝臓内の消失速度が予測できるものと思われる。

また, Nyberg67)やtudenberg 76)が報告している摘出ラット肝臓を用いた肝濯 流実験では, 約10gの全肝臓 を使用しなければならない。 これに対し, 本シミュレータでは約O.4gの肝臓に相当する細胞量で評価を 行うことが可能であり, 実験動物数の削減として有効な方法である。 さらに, 本研究で用いた肝細胞は ラット全肝の約1/25量であったが, 利用する細胞数を少なくすることによって一度の細胞調製により作 製できるモジュール数が増やすことが可能である。

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5.4本章のまとめ

ラット/スフエロイド培養肝細胞の湛流培養を利用した肝臓シミュレータを開発した。

リドカインとアセトアミノフェンをモデル薬物とした研究から得られた本肝臓シミュレータの特徴を以 下に示す。

( 1 )静置培養に比べ, ?甚流培養を行うことで, ラット/スフエロイド培養肝細胞のモデル薬物 の構造変換活性が約2倍ほど向上した。

静置培養肝細胞のリドカイン代謝活性 ; 36.21μg/l 05 viable cells/day 濯流培養肝細胞のリドカイン代謝活性 ; 58.19μg/105 viable cells/day

静置培養肝細胞のアセトアミノフェン代謝活性 ; 50.16μg/l 05 viable cells/day 漉流培養肝細胞のアセトアミノフェン代謝活性 ; 97.90μg/l 05 viable cells/day

( 2 )ラット肝臓の約1/25量の肝細胞を固定化した肝臓シミュレータによる細胞レベルでのモデ ル薬物抽出率は, 摘出肝臓の値と比較して近い値であり 本シミュレータから肝臓内の薬 物消失動態を予測することが可能である。

肝臓シミュレータのリドカイン抽出率 ; 0.074:t0.009 /g-liver 摘出肝臓のリドカイン抽出率 ; 0.097 /g-liver

肝臓シミュレータのアセトアミノフェン抽出率 ; 0.011 /g-liver 摘出肝臓のアセトアミノフェン抽出率 ; 0.016:t 0.005 /g-liver

本研究に使用したモデル薬物の代謝研究により, i産流培養によるスフエロイド培養法を利用すること で, 生体肝臓に比較的近い薬物消失速度を予測することが可能であり, r薬物の消失速度」を評価する ための動物実験代替法として有望であることが示された。

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