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ドキュメント内 水門扉の大型化と高圧化に関する研究 (ページ 83-97)

4 ) 下 降 流 の 流 出 方 向

コンジットコーナに近い位置の止水ゴムの損傷過程を理解する為に、コンジットコーナ 端壁と扉板リップの間から流れ出る水流の方向を知る必要がある。対象は下降流だけでな く。遷移流の一部が含まれる。下降流は、その定義から、2 次元的流れであるが、遷移流 はゲートリップとコンジットリップが交差する点に近づくほど3 次元的になる。方向はコ ンジットのリップ形状と扉体開度の影響を大きく受ける。流れの方向は、一般的には、実 験的に求める方法と理論的に求める方法がある。理論的なとり扱いとし て典型的な方法は 理想流体としての理論であり、状態方程式、連続方程式、及びEulerの運動方程式を境界条 件に合う様に解くことにより流れを位置と時間の関数として捉える方法であるが。最も単 純な定常的2 次元ポテンシャル流に限定しても、実際の境界条件に合った解を得ることは 至難である。そこで、主目標を定性的情報を得ることに置き、流れ方向の算出を可能とす る様な拘束条件を流れに設定する方法を採用した。図2  .   1−27 は2 次元コーナ水路の 計算模型である。コンジット端壁面と扉板に挟まれ。側部止水ゴムに相当する辺は水密で あり、下辺が流出口。他の2 辺が流入口である。この中に、流れを拘束する単位区分とし て、部分水路b  d g e を考える。辺b  d 及びe  g は下辺の流出口に平行であり、水路長さd

 g は辺b  d に比較して短い。辺b  d 及びb  e が部分水路への流入口であり辺e  g が流出

水路入 り□ 削

臣回回二l

| ψ 竃Ξ匹 四 →

冰 胞 出口 剣

止木 コムH

g

図2  .   1−272.1‑ 64

ロである。流入速 度と流出速度は、それぞれ、部分水路の中 で一定 であるとする。 そし て、a 点より流入し、c 点 に達し た水 粒子がf 点から流出するとし た場合のf 点の位置は次の 水路面積に関する条件から定 まると考 える。h 路は水路高さ、d  s は積分経路に沿った微小

χjl路dS : χぷ 略dS ニJfh  路d s

、y

fか 陪dS ‥ ‥(30)

長さ であ る。h 路d s を積分した値は積分路の断面積であ る。この式 は流入 及び流出速度 の 分布を拘 束し た流 れの連続条件と考えることができ る。a 点よ り流 入する水粒 子の軌跡は、

計算模型 全体を幾つ かの部 分水路に分割し、この関係を順次適 用す るこ とにより近似的に 得られる。 遷移流と下 降流 の境界を明かにするこ とができれ ば、水流振動の解明に有効 で ある。飛翔流 の方向 を与え る式(14) からこ の境界を近似的に算 出することが できる。式(14)

の流れ方 向の変化量 βが θ÷2 に達し た時に流れは完全な下 降流となる。その時 の△x を△X 限とし、図2.    1 一2  7 に示さ れる計算模型 の流線長さをL 流とするとると、3 次元 的流れの範 囲は次の式 で与 えられる。こ の式で定義される流れは熱劣化現象の詳しい

L 流< △X 限 (31)

原因区分と対応し ているので。こ れを三次元流と呼称す る。三次元流は2) の[ 遷移流]

の項で述べ た直撃流部分を含ん でいる。(30)式が与える 結果 は2 次元流であ り。又。水平 断面を横切る流速が一定であ る。これに対し実機は3  次元的 な流れを含み、水平断面を横 切る流速も一定では有り得ない。 しかし 、式(30) 及び(31) から得られる情報は、 考え方 の 単純さにもかかわらず、コーナ部に発生 する複雑な現象を理 解する上 で有力 な足がかりと なる。

2.卜 65

(2 リップ形状 の影響

前項(1 )でゴム周辺の水の流れにつき、水理学的な面より、更に詳しく論じ、飛翔流 及び下降流の方向、及び。飛翔流の安定条件を算出する式について述べた。本項では、こ の結果を利用して、2.1 .3 で示し た実機試験及び模型実験の結果を再解析し、(1 ) の1 )で示した3 種のコンジットリップの形状と水流振動の関係をより具体的に論じる。

結果は次の4 項目に要約される。

①リップ タイプの水理的比較

損 傷 部 位

水 理 的 原 因 関 与 す る 水 流

不安定流 キ ヤ ビ 流 直 撃 流 飛 翔 流 遷 移 流 下 降 流

その他三 次 元 流

中 央 中 心

]‑

中 心

表層

コi

中 心 ≧6cm*

*=lcra

表層 開 度 ≧9cni

a.

 ― ナ 表 層

三 次 元 流 及 び そ の

近 傍

注1.  * 印は開度の意味。

②良いリップの条件

2 。原因及び 水流で該当項 目が2 個あ る場合はo  r の意味。

番 号 小 開 度 時 の 水 理 的 条 件 番 号 左 欄 を 実 現 す る 構 造 的 条 件 1 飛 翔 角 度 が 大 き い 1 扉 板 と リ ッ プ の 間 隙 が 狭 い

2 飛 翔 流 厚 さ が 薄 い 2 リ ッ プ 端 が ゴ ム 押 さ え の 表 面 と 同 一 面 3 キ ヤ ビ テーシ3ン が 発 生 し な い 3 キ ャ ビ テ ー シ ョ ン 係 数 が 大 き い

③リ ップ タイプの評 価(水理的条件)

リ ッ プ 形 状 飛 翔 角 度 流 れ の 薄 さ キ ャ ビ 係 数

切 り 上 げ ○

角 型 ○ ○

充 填 ○ ○ ○

2.1 66

④前項(1 )で導いた不安定領域の計算方法及びコーナ流の計算方法は模型/実機での検 証を頼りにして水理的な改善を進める上で大変有効な手がかりとなる。

1 )切上げリップ

[ 飛翔流の形状]

図2.    1 −28 は図2.    1 −19 のa に示すリップ形状( 実 機) に対する飛翔流の形状 を、一連の公称開 度に対し て、示し ている。飛翔流の方向算出には式(14) を適用し た。コ ンジット底面 と扉板 の交差角度d  =48° で、これに対する縮流率はCc =0.75とした。縮流 率は、1. 工節 で引用し た名川f 1の実験によれば、 θ及び扉体開度の影響を受 けるが、作 業を容易にす る為 に、 実験結果か ら9  =45 °、開度=0 の値を近似値とし て用いた。△x 、hi

、及び、L は図面上 の寸法であ る。△x 及びhi の読 み取りでは扉板のリップ( 小円弧 部) は無いもの考 えた。L は流水支配断面に於ける開度 で、 リップを 考慮し た値 であり、

従って、公称開度と必ずしも一 致しない。式(14) の導出過 程ではL は 公称開度と一 致し た 定義がなされ てい たが( 図2.    1 −2  5) 、算式の中ではL ・Cc が流 量を代 表する量とし て扱われているだけな ので、 公称開度と 一致する必要はない。 流出方 向説明図 に示 されるEH

はθの2 等分線の方 向を示し、EG が飛翔 流の方向を示す。∠HEG が式(14) から算 出さ れた βである。飛翔流の形状はEG の方 向及びCc の値に従って描い た。縮流が 起こ る範囲は流水 支配断面か らL に等しい距離 迄とし た。即 ち、扉 体開度と等しい距離 で縮流 が完了 すると した。 0 =180 °の歯形状 オリフ ィス流 では縮流距離はこれと一致し、0  =48° の場 合はこ れより若干延びるものと考え られる。図は公称開度 が増加する方向に並べられている。0cm

開度では飛 翔流 がゴム押さ えを 直撃し、2ciii開度以上ではゴム押さえから外れる。しか し、模型 試験‑3 の結果からも推定される様に、ゴムを直撃することはない。開度が大き く なるに従い飛 翔流は更に上向きとなりコンジット底面の方向に近づく。扉体開度が2cin よ り大きな範 囲で飛 翔流が不安定となる可能性が示唆される。

1 .   1 15 文 献(  56

2.1‑ 67

a りi げ リ ッ プ

コン ソ ッ ト ≫ ●

伺■・OC

グートリップ

 ・  、

関 皿 −Eo  頂

月 座‑  4 a  n

ゴ ム CC & 碑)

貸 出 方 向 浅 明・

G

図2.    1 −28    (1 /2 )2.

卜68

同 ≪‑  5c  i≫

同≪‑eo  n

KM 一 了oa

Q

a りよ げ リッ プ 同 量 −Bsn

n 量‑g  on

二言 ……

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……… c 卜 雨

士 尚 へ ]

図2.    1 −28    (2 /2 )2.

卜69

[ 飛翔流の不安定 領域]

図2.    1 −29 は、 図2  .   1 −19 のa に示すリ ップ形状( 実機)につい て、飛 翔流の 不安定 領域を示す 為の グラフ で、飛翔 流の限界距離yb 及び飛 翔流 からゴム押さ え迄の最 短距 離a の算 出結果 を公称開度の 横軸 の上にプ ロットし たも のである 。飛翔流が不安定と なる 領域は、yb とa に関 する条件式(15) が示 す様に、0 ≦a ≦yb の範 囲である。 グラフ には実機試 験‑1の 結果 も、x (発熱し た開 度) と○(発熱しない開度) て、示し た。Ox 判定 の対 象は飛翔流 が直接影 響する範囲 にある ゴムに限定し た。a の算 出は式(16) によっ たが、式 中のa 心(飛翔流中心 線迄の最短 距離) は図2.    1 −28 に示し た飛 翔流を計測し た値を用い た。 a 差は。コン ジットリップを現地 で成形し たケ ースであるの で、I4mniとした、

こ れは、(1 )で述べ た様に、 仮定値であ るが、 計算値 が実験結果を良 く説明し 得る値 で あ る。y  b の算出は式(29 )によっ た。式中のL 、Cc 、s は図2. エー2  8 で用い た値を 使 用し た。上流水頭Hd は56.122niであ る。飛翔流に作用する圧 力差P は上面を大気圧(1 気 圧)、下面 を室温15° に於け る飽和蒸気 圧として算出し た。

ja 3 10

9

‑10

S J 

一 ﹄ 

一EO 一63

飛同 流とゴ ム.押さえ の訟

実見 、1 =13;  、H  d =6o.lil:m

発一熱一実一冊結f;i

| ノ   :

j −

l      l‑30        −‑10 ふ      L      re      10

公称同 度"*‑' 一 限 界 距届yb  ・■ 嬢短距尨a

図2  .   1 −29

図2 .1 −30 は模型実験‑3 で用いた模型(添付資料2 .1‑1 の図2.    1 −13  7 )に つ いて図 一2  9 と同様 の計 算をし た結果 である。 模型は コーナ部を想定したもの で、リッ プ 下の壁面高さが中央断面よ り大きいが、2 次元 模型であ るので、1  =150mDi のリ ップと 考 えて解析を行っ た(中央 では1  =80mni、但し、実 機の 中央 は1  =105rini  )。一緒に示し た実験結果は流況 の観察結果 で、x が振動 が存 在し ている状 態、 ○がし ない状態を示す。

実 験範囲では飛翔流はゴムに 当たることは無く、x 印の開度 で飛翔 流がゴム押さえに接触2.1‑

 70

する限界状 態にあっ て不安定 現象を呈し ていたこ とが確認さ れ ている。限界距離yb は最 短距離a よ りはる かに高い位 置にあり、 実験結果を 説明 でき ない。こ の原因は実験設備の 能力限界か ら実験 がHd =25iiiの水頭で行われたことによる のではない かと考 えれられる。

即ち、飛翔流 の流速 が小さく なると空気 の連行力が急激に低下し、飛翔流下面の圧力を 飽 和蒸気圧と設定することに無理 が出て来る のではないかと考えれる。これについ ての検証 はなされていない。a の算出 で用いたa  差は、コン ジット リップを工場で成形した ケースで あるので、7niniとし た。実験 結果 はこの値が採用し 得る最 大限度に近いことを示し ている。

:ca sa 60

司 

a

‑aa

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‑ ぞ‑a

一司

飛 月硫 と ゴ ム、押 さ え の 距 雌( 切上 げ リッ プ) 模 型 、 ド 托0mm 、H  d  =i5ra

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○‑○‑○‑0 ‑ i a 4   1 4   m

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岫           ふ     ・      ム    

公称開度"/

一 限界距超y  b 一 最短距雌a 図2,    1 −30

[ 遷移流の不安 定領域]

遷移流 は飛 翔す る流れであ る。下降流の近くを除いた完全に飛翔し ている部分 では飛 翔 流に見られる 不安定現 象が 存在する。こ れを理論的に解明するには3 次元的取扱い がより 適切であると 考えられるが 、定 性的な傾向は飛翔流に適用した前述の手法で把握すること ができる。図2.    1 −34 は図2.    1 −3  1 で示すG  1 断面におけ る流れの形状である。

リップ形状は図2  .   1‑19 のa    (実機) であ る。G  1 断面に於ける流れが断面内の2 次 元流であると みなし て、飛翔流と同じ手法と条件で算出し た。コンジット底面 の傾斜は中 央断面と近似的に等しいとし た。 従っ て。流れの形状は飛 翔流の開度O に於け る形状( 図2

 8 )と同一 であ り、止水ゴムの位置が開度が増すに従っ て下方向にずれている。 図中に は飛翔流の形状も点線で示した。仮定した2 次元 流は飛翔 流に比較し方 向が下向き で飛 翔 距離h が長く、飛翔する遷移流が不安定状態に入り易い状 態にあること を示し てい る。図2.

1‑32 はG  i 断面の流れの不安定 領域を示す。計算方 法と条件は飛翔流の場 合と 全2.1‑

71

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