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同時に圧着し て止水する。使用するゴムは、歴史的には ケーソンゴム が多い が、 この例は ダブルヶ 一ソンであ り、止水力は扉体及び戸当たり側と も一定外力型 である 。扉体圧着式 では大き な水圧に抗し て大き なゲ ート を前面に押し 出す 為、そ の機構が大がかり で複雑 な ものとなる のに対し、 この方 式では容易に変形し 得るゴ ムに圧力を加えて圧着する為にエ ネル ギー的 に有効 であ り、 その機構も 簡単なも のと なる 。ゴムの圧着には上 流側の水圧エ ネル ギーが使 用でき る点も有利 であ る。扉体を操 作するとき にはゴ ムの圧着 を解除するの で、ゴムに 摩擦抵抗 は作用し ない。適用水頭は40〜100 m であ る。

コ ム チ ュ ーブ に 圧 力 を 加 え 圧 若

戸 当 た り

水 圧

図2.1 −5

(2 ) ゴム 圧着式 止水機構

前項で高圧 ゲート の止水方式 につき論じ、ゴム圧着式 止水 機構が潜 在的に 有利 であ る点 を明かにし た。筆者等 はこの形式 をより高い水圧力に耐 えられ る完成さ れた技術 とする為 に、永年、技術開 発に取り組 んで来た。本項では。先ず 、技術開発の 経過と技術的 な間題 点を整理し、 次にゴ ムの発熱現 象と疲労の問題に焦点 を絞っ てその詳細を論じる。

2.1‑ 25

1 ) 開 発 経 過 と 技 術 的 間 題 点

ゴ ム 圧 着 式 の 施 工 歴 は 古 く 、 昭 和3  8 年 に 室 牧 ダ ム ( ア ー チ ) の 主 放 流 設 備 ( ロ ー ラ ゲ ー ト ) に 採 用 さ れ て い る 。 そ の 後 川 俣 ダ ム ( ア ー チ ) の 主 放 流 設 備 (3  8 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー

ト ) 、BOUNDARY DAM  ( 米 国 ・ ア ー チ ) の 主 放 流 設 備 ( 昭 和4  1 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー ト ) 、PORTAGE MOUNTAIN  発 電 所 ( カ ナ ダ ) の 取 水 口 ( 昭 和4  2 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー ト ) 、MICA ダ ム ( カ

ナ ダ ) の 主 放 流 設 備 ( 昭 和4  5 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー ト ) 、 新 豊 根 ダ ム ( ア ー チ ) の 主 放 流 設 備

( 昭 和4  7 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー ト ) 、 早 出 川 ダ ム ( 重 力 式 ) の 主 放 流 設 備 ( 昭 和5  3 年 ・ ラ ジ ア ル ゲ ー ト ) 。 川 治 ダ ム ( ア ー チ ) の 主 放 流 設 備 ( 昭 和5  6 年 ・ ロ ー ラ ゲ ー ト ) な ど と 続 く 。 ロ ー ラ ゲ ー ト を 対 象 と し て 開 発 さ れ た 技 術 で あ る が 、 後 に 、 ラ ジ ア ル ゲ ー ト に そ の 適 用 範 囲 が 広 げ ら れ た 。 初 号 機 の 施 工 に 先 立 ち 水 理 実 験 始 め 数 々 の 検 証 試 験 を 行 い 、 そ の 後 ゲ ー ト 形 式 。 水 圧 力 、 操 作 頻 度 な ど 止 水 条 件 的 に 適 用 範 囲 が 広 が る 度 に 多 種 の 検 証 試 験 を 行 っ て 問 題 点 の 先 取 り に 努 め て 来 た が 、 現 実 は 施 エ ー4問 題 発 生4 再 検 証り 再 施 工 の 泥 縄 サ

ー イ ク ル の 連 続 で あ り 、 そ の 詳 細 の 一 部 は 既 に 公 表 し た 通 り で あ る ゛1.

2.卜 26

技術開発の内容事例を以下に示す。図2  .1 −6 は初期の形である川俣ダムゲート(ケ ーソンゴム)の不凍液の漏洩状況を示し、図2.    1 −12 は現在の形であるダブルケーソ ンゴムを示す。図2.1 −7 及び8 はダブルケーソンの場合の上流水圧と止水限界ゴム背 圧の関係を示す実験結果で、図7 がにローラゲート、図8 がラジアルゲートを対象として いる。これらはゴム背圧を最初にセットし、次に上流水圧を上げて漏水点を計測した結果 で、いわば、静的止水実験であった。これに対し図2.1 −9 〜11 は先ず上流水圧をセ ットし、次にゴムの背圧を上げて止水点を計測した動的止水実験の様子を示す。図9 は実 験装置の全体、図10 は実験模型(ラジアルゲート)、図1  1 は実験結果を示す。実験結 果の詳細は上述の文献に示されているが、その要点は以下の通りである。

①静的止水実験におけるローラゲートとラジアルゲートの結果はほぼ一致している。

②動的止水実験( ラジアルゲート)における結果は静的止水実験におけるローラゲート及 びラジアルゲートの結果とほぼ一致している。

③上流水圧が2kg/cm2 以上であれば上流水圧より低いゴム背圧で止水を行うことができる、

文 献(2 )

Ikg/ciii2の上流水圧に対 して、ゴム背圧l ㎏/ciii2での漏水は局部的で量も僅少 であ る。

更に、図2 . 1−12 に示さ れるゴム押さ え切 り上げ面 の切り上げ角度∂を変え て止水性 能などに及ぼ す影 響を調べた。下表はその結果を 順位 で示し たものであ る。止水性能の良 さは止水 が破 れる限 界のゴ ム頭と扉板の距離(無圧 着時) で判定し た。傾斜角 度と順位 が

単純な関 係とならない点 がゴムの取扱 いの難しさを示す。

ゴム 押さ えの切り上げ角(公称)と性能順位

切り上げ角度

12.7 ° 25 ° 30 ° 38 ° 45 °

自由突出量 3 4 3 2 1

止水性能 2 4 2 3 1

復元性能 1 4 3 2 3

図2.1 −6

水 止め ゴ ムJVS 一 上 流厦I3X.3K 圧 °−'5 ゲー ト

⊇ 挙 万‑つ

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stQ14IIiIIls55550505c5050500505c53322110a99a8776651J443322110

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2.1‑ 27

M t{ き j 図2.1

(〜)8

問 I f    き ( ∽ )

図2.1 −7

*  恥

r

1 卜. . _

押 さえ ボル ト

図2.1 −9

n i l '

− ・ f ・−   ・‑ 1

止 水 ゴ ム

㎜ W W

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図2.    1 −10

ゴ ム 押 さ え

1

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よ*  *  £ P     {&<  't。' ) (U 本 グ ラ フは,    £ 木点 で の 上 沈 氷圧 と ゴ ふ 茸 圧 と の詞 採t

承しt2i,n.   n えli  lOki.'cm'n 上気 木圧4 こ月 し 、i'i  9 ke/cni  の ゴ ム 曾圧・こて 止 木 で きる 。

(2)    づ ム と止 木 脈と の 初 期T きt  II ひヽ{ .5 ram

0  20  止 水 限 界 ゴ ム 背 圧 一 上 流 水 圧 関係 図Curve of rubber pressure to 

dam pressure on sealing:

ゴ ム外 控

'

■Aルブi '■

…………

| 

図2  .   1−122.1‑ 28

図2.1‑1 工

ゴム圧着式止 水機構を 開発する 為に解決し た技術的間題点 バ 原  因

べ ①

定 量 変 位 型 止 水 力(

戸 当 り 側)

技 術 的 問 題 と 原 因 解 析 対  策

ゴム背面からの漏水:戸当たり側の止水力が定量変位型

で あ る こ と が 潜 在 的 要 因 で あ る 。 高 い 止 水 面 圧 が 必 要 で あ る の で 与 え る 変 位 量 も 大 き い 。 従 っ て 、 パ ー マ ネ ン ト セ ッ ト 量 が 大 き く 、 止 水 面 圧 の 低 下 も 大 き い 。 即 ち 、 高 い 止 水 圧 力 に 対 し 定 量 変 位 型 の 止 水 力 を 選 定 し た 点 に 問 題 発 生 の 潜 在 的 な 要 因 が あ っ た 。

ダブ ル ケ ー ソ ン の 採 用 に よ り 一 定 外 力 型 に 改 め た 。

ゴム背圧解除後の復元不良:ゴム支持部にスリップが生

じ . 摩 擦 力 に よ り そ れ が ロ ッ ク さ れ た こ と に よ る 。 戸 当 た り 側 に 定 量 変 位 型 の 止 水 力 を 選 定 し た こ と が 問 題 発 生 の 潜 在 的 要 因 で あ る 。

支持部の締め付けによるゴム頭変位:ゴム支持部におい

て ゴ ム 押 さ え 側 と 戸 当 た り 側 の ス リ ッ プ 量 が 異 な る こ と が 原 因 で あ る 。 戸 当 た り 側 に 定 量 変 位 型 の 止 水 力 を 選 定 し た こ と が 問 題 発 生 の 潜 在 的 要 因 で あ る 。

② 残 留 永 久 歪(

扉 体 側)

ゴ ム 背 圧 解 除 後 の ゴ ム の 復 元 遅 れ : 扉 体 側 止 水 部 の ゴ ム の パ ー マ ネ ン ト セ ッ ト が 原 因 で あ る 。 短 時 間 の 放 流 後 ゴ ム 背 圧 を 解 除 し た 時 に パ ー マ ネ ン ト セ ッ ト に 似 た 変 位 が 残 り 、 ゴ ム 形 状 の 速 や か な 復 元 を 妨 げ て い た 。

ス テ ム に10%

の 余 歪 を 与 え て 復 元 速 度 を 大 き く し た 。

③ ゴ ム 摩 擦 力

ゴ ム 頭 の 突 出 不 良 : ゴ ム 押 さ え と ゴ ム 頭 の 間 の 摩 擦 力 が 原 因 で あ る 。 両 者 の 形 状 が 適 合 し て い な か っ た 。

ゴ ム 押 さ え の 形 状 を 工 夫 。

④ ゴ ム 周 り の 水 流

ゴ ム の 憤 破 現 象 : ゴ ム 周 り の 水 流 の 振 動 が 原 因 で あ る 。 振 動 流 が ゴ ム を 直 撃 す る ケ ー ス と 空 気 の 圧 力 変 動 を 介 し て ゴ ム が 加 振 さ れ る ケ ー ス が あ る 。

コ ン ジ ッ ト リ ッ プ 形 状 を 変 更 し ゴ ム 表 面 を 補 強 し た 。

⑤ ゴ ム 歪 量

ゴ ム の 疲 労 亀 裂 : 部 分 放 流 に お け る 圧 着 ・ 解 除 の 操 作 頻 度 が 高 い こ と が 直 接 原 因 で あ る が 、 ゴ ム の 歪 量 が 大 き す ぎ る こ と が 潜 在 的 要 因 で あ る 。

ゴ ム の 剛 性 を 高 め 、 形 状 を 変 更 し た 。

表2.1‑7

2.卜29

泥縄サイクルの発生原因は注意力の欠如に帰するべきものが少なくなかったが、その時 点で未解決な技術的問題を含んでいるものがあった。表2.1‑7 は問題点を2.    1 .    2 節で明かにした止水技術の基本的考え方に照らして原因別に整理し、対策を示したもので ある。①〜○はケーソンゴムについての問題であり、ダブルケーソンを採用する中で解決 されている。

2 )ゴムの発熱現象と疲労

前項においてゴム圧着式止水機構の開発過程で遭遇した技術的問題点を整理した(表2.1

−7 )。その中の①〜③については既に詳細が公表されているので、本項では④及び⑤ のゴムの発熱現象と疲労に関する損傷状況と原因につき論じ、次節における水理学的面か らの発熱機構解明の導入ステップとする。

損傷状況:図2.    1−13 〜1  5 は止水ゴムの憤破損傷の例(断面)である。図1  3 は 憤破後の状態、図1  4 は憤破前のゴム内の空洞、図1  5 は変形損傷を示す。発生位置はゴ ム額縁の底部であり、コンジットリップの形状により、全長に渡って散在することもあれ ばコーナ部付近のみのこともある。一箇所の損傷長さは数十〜数百mmである。憤破と空洞 発生はバルブ中央から起こる場合と表面近くの場合があり、前者は額縁底部の中央寄りに 多く発生し、後者は端部寄りである。空洞はゴム質がガス化してでき、壁面は溶解ゴムの 流出により粘着性を帯びている。変形は写真で見る様な空洞発生を伴わないこともある。

損傷部が大きく変形し、ゴム圧を解除してもゴムが復元できない場合は扉体によりその部 分が強制的に切断される。損傷が発生する操作条件は‑20〜lOOmm程度の小開度放流が行わ れていること及び ダムの上流水頭が50m を越えていることである。図2.    1−16 及び17 は疲労による亀裂損傷の例である。図1  6 はゴムの直線部、図1  7 は曲線部を示す。こ の例ではゴムの使用開始後約1 ヵ年を経過して亀裂がゴムを貫通した。亀裂は常にバルブ の根元に発生し、平行部では両方の根元に同様に発生するが、曲線部では内側が常に進行 が早い。発生箇所はゴム額縁の底部全般及び側部の低い位置であるが、操作履歴次第で。

側部ゴムの下半分のかなり高い位置迄肌あれなどの前兆が現れる。

2.卜 30

ドキュメント内 水門扉の大型化と高圧化に関する研究 (ページ 44-53)

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