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(641

糖の高張液に浸漬 して

,原

形質分離 を促す とともに

,ブ

ロックは冷蔵保存 しておいた。 ブロックか ら 新 らしいかみそ りの刃 を用いて早材分化帯 を含 むま さ目切片 を切 り出 し

,切

り出 された切片 は水洗 し た後

,溶

媒置換乾 燥 して レプ リカ観察に供 した。 この場合新生 された仮道管 内表面の ミクロフ ィブ リ ルの配列を明瞭に見 えるよ うにす るため

,切

片 の表面 を

5%の KOH水

溶液で軽 く処理 した。

3)超

薄切片観須用試料の作製

R―

T壁

子しの断面の観察 には

,ス

ギの幼 苗の幹材部およびスギ,ヒ ノキ,エゾマツ各気乾材の成熟材 部 を用 いた。

幼 苗は根元で伐採後直 ちに

3%グ

ルタルアルデ ヒ ドで灌流固定 した後

,小

(約

0.5(T)×

0.5(R)

×

2(L)π

π)を 切 り出 し

,常

法 に したが って脱水処理後

,エ

ポキシ樹脂に包埋 した。

また各気乾材の早材部か ら小片 を切 り出 し,これ を

2%KMn04水

溶液で染色 した後

,常

法 に した が って脱水処理後

,エ

ポキシ樹脂で包埋 した。

3.2.2.2  観 察 法

1)レ

プ リカ観察法

レプ リカ観察は C6Tと らの開発 した

Direct CarbOn ttplica法 (1964)に

準拠 して行 った。すなわ ち試料表面 を繊維軸方向か ら白金 ―パ ラジュウムで シ ャ ドウ ィング した後

,炭

素 を真空蒸着 した。試 料表面 をポ リステ レン板で補強 した後

,試

料 を

72%H2S04水

溶液 と

10%JEFFREY氏

液で完全に溶脱 し

,つ

づいてポ リステ レンを トルエンで溶解 した。 こうして得 られた レプ リカ膜 をグ リッ ドにす くい あげて検鏡 した。観察は主 として早材部 について行 った。

2)超

薄切片観察法

K

h04染

色 した試料は ウル トラ ミクロ トームで薄切 した後

,グ

リッ ドにす くいあげ

,そ

の ま まか もし くは クエン酸鉛で後染色 して検鏡 した。一方

,固

定包埋 した試料 は ウル トラ ミクロ トー ムで薄切 した後

,グ

リッ ドにす くいあげ,さ らにその上か ら白金 ―パ ラジ ュウムで シ ャドウ ィングしてか ら検 鏡 した。観察は主に早材部について行 った。

(65)

層倶」か ら見たところを示す。この写真で両壁子と間の壁表面は交差構造をもつ Slの ところで割裂が生 じ ている。

 

そしてこの場合 Slの ミクロフィブリルの配列は

,分

野のところも分野以外のところも同じで あ り

,Slの

ミクロフィブリノ嚇ゞ分野域 もしくは分野の端付近でとくに変異 して配列することは認められなしЪ さらにこの写真か ら

,T― T壁

子ととR―

T壁

孔では壁孔縁の大 きさやその形状,さ らに壁 子と縁の外

表面上でのい

│ま

の分布などの点において相違が認められる。とくに壁子し 縁の張り出し方は両壁孔で著

しく異な っている。すなわ ちT―

T壁

孔では壁子L縁が均等に張 り出 しているのに対 して

,R― T壁

子し では楕 円形 をした孔 国の長径方向では張 り出 しが少な く

,短

径方 向では張 り出 しが顕著で ある。 この よ うな相違 は壁了し縁の壁層構成 に起因す るものであるが,この点については後で述べ る。

写真

111は

スギの分野 を内 こう倶」か らみた ところを甫 。

 

写真 には R―

T壁

子L周辺の

S2の

ミクロフ ィブ リルの走向状態が示 されている。 S2の ミクロフィブ リルの配列について もSlのそれ と同様 に,

子し国の近傍 におけるわずかな変異を除けば

,分

野以外の壁のS2の ミクロフ ィブ リル配列 とほとんど同 じで あ る。

これ らの観察か ら分野の壁構造は

,壁

を構成す る主な壁層であるSlと S21こ ついて見 る限 り

,分

野 以外の壁構造 とほぼ同 じであると考 えて差 しつか えないであろう。

3.2.3.2 R― T壁 孔 の壁孔縁 にお ける各壁層 の ミク ロフィブ リル配列 と層 構成

1)形

成 を完了 した 呉―

T壁

孔の レプ リカ観察

写真

112は

スギの典型的な R―

T壁

孔 を内こう側か ら観察 した ところを示す。写真の左上半分では

S2か

ら内側の壁層が剥 ぎ取 られSIが露 出 してい る。 このよ うに R―

T壁

孔 を含む分野の ところで も,

分野界外の壁の場合 と同様 に SlとS2の境界付近で剥離 しやす く

,し

か も

S2が

取 り除かれた後に見 ら れ るR―

T壁

孔の開口部 の形状は本来の孔 国の形状 とかな り異なることが特徴である。これはR―

T壁

孔の壁孔縁の層構成がT―

T壁

孔のそれ とはかな り異な っていることを示唆す る ものであろ う。

写真

113は

スギの R―

T壁

子との子と口近傍におけるS2の ミクロフ ィブ リルの走行状態 を内 こう側 か ら見 た ところを示す。S″の ミクロフ ィブ リルはその走行方向に沿 って孔国の縁にまわ り込 むようにし て配列 しているのが見 られ る。 これはInIAMtJRAと

HARADA(1973)が

指摘 しているよ うに

,T― T壁

孔の壁孔縁の拡大の際にみ られ る

Slの

ミクロフ ィブ リルの配列様式 と同様の もの と思 われ る。したが つてR―

T壁

孔の壁子し縁ではS2がその拡大 に寄与 しているもの と推定 され る。

写真

114は

S2とSlの境界付近で割裂 したエゾマツの R―

T壁

子とを内こ う側か ら見た ところである。

スギの場合 と同様 に

S2が

取 り除かれることによ って孔日の形が大 きく変化す るのが認め られ る。すな わ ちスギゃ ェゾマッの R―

T壁

子との本来の孔国の形は長楕円形でその長径方向がS2の ミク ロフィブリ ルの配列方向 とほぼ 一致 している(実際は写真

113か

らも明 らかなよ うに多少ずれている )が

,S2が

取 り除かれた後のSlだけによ って形づ くられ る孔国の形 はSlの ミクロフ ィブ リルの 配列方向に長径 を有す る広楕円形 を呈す る。 この ことは R―

T壁

孔の壁 孔縁の張 り出 した部分はほ とん ど

S2に

よって

(60

構成 されてい ることを示唆す る もので あろ う。

写真

115は

SIのところで割裂 した ヒノキの

,ま

た写真

116は

細胞 間層付近で割裂 したスギのR―

T

壁孔 を肉こう側か ら見た ところを示す。壁 孔壁 の輪 郭 はほぼ 円形(写真

116)で

あ るのに対 し,SI によ って形づ くられ る孔 国の形が広楕円形

(写

115)で

あ ることか ら

,Slも

わずかなが ら壁 子し縁 の構成に関与 している もの と思われ る。

写真

117は

Pと Slの境界付近で

,写

118は

Sl内で

,ま

た写真

9は

Slと S2の境界付近で,

写真

120は

S2内でそれぞれ割裂 した スギのR―

T壁

子とを細胞 間層側か ら見 た ところを示す。これ ら の一連の写真か らR―

T壁

孔の壁 孔縁に関す るい くつかの知見 を得 ることがで きる。 まず第11よ

,細

胞 間層 倶1からS2に向 ってSIが逐次取 り除かれ るに したが って

,壁

子し縁の うち上 縁 と下縁の部分(す わ ち子し国の上端 と下端に接す る部分)が消失す ることで ある。 この こ とは R―

T壁

子との壁子し縁ではSl は壁孔縁の上縁部 と下縁部に口唇形状に存在す ることを示唆す るものである。第

2は

壁孔縁のまわ り のSlがほ とん ど取 り除かれて も壁孔縁の外表面上には依然 としていぼ状層が存在 し

,壁

孔 縁 の 大 部 分 は元の形の まま残 り

,し

か も孔 国の形 もほ とん ど変化 しない ことである。 この ことはR―

T壁

孔の 壁 孔縁の構造 にはSlは1まとん ど関与せず

,し

か もT―

T壁

孔で見 られるよ うな

BTも

存在 しないこ と

を示す ものである。伺故な らR―

T壁

子しの壁子し縁中のSIがT―

T壁

子しのそれのよ うに壁孔縁の先端 に まで入 り込んで壁子し縁 を構成 してい るとすれ ば

,壁

孔のまわ りのSlがなん らかの 外 力 に よ って引 き 剥が され るよ うな場合 には壁孔縁中の Slも これ と一緒 に引 き剥が され ると考 え られ

,そ

の際当然Sl よ り壁孔室側に存在す る (も し存在すれば)いぼ状層 や

BTは

Slの剥離 とともに取 り除かれ る可能性 が大 きい と考 え られ るか らである。

 

実際

,写

121(ス

)に

み られ るよ うに

T― T壁

孔 の壁 孔 縁では壁孔の周囲のSlの剥離 とともに壁 孔縁上のい│と状層 や

BTが

剥 ぎ取 られ ることが多 し、 第

3は

孔 回の最終的な形状 はほとん どS2によ って決定 され るであろ うとい うことである。すなわち写真 120 に示 されているよ うに

,ほ

とん どS2のみか ら成 ると思われ るR―

T壁

孔の壁 子し縁の開 口部 の形状は,

壁 子との細胞間層側の開 口部ではSlによ って形づ くられた と思 われ る広橋 円形 (長 径方向は繊維軸に対 してほぼ直角方向で ある )を 呈す るのに対 して

,内

こう側の開 田部(すなわ ら最終孔 口)は長楕円形 (長径方向はほぼS2の ミク ロフ ィブ リルの走行方向である )を 呈する。 この ことは

SIの

形づ くった 孔 国の上 にS2が堆積す ることによ って孔 口が次第 に狭 め られ最終的な孔口に達す る もの と思われ る。

しか もS2はSlよ り量的に多 いことか らS2の堆積 によ ってつ くられ る張 り出 し部 の方が

Slの

それ よ り大 きい もの と推定 され る。そ して この場合のS2の張 り出 し方はSlの場合 と同様 に

,slの

形づ くっ た孔口上に左右か ら覆いかぶ さるよ うな形 (口 唇形状)で張 り出す もの と推定 され る。 ところで壁子し 縁の このよ うな張 り出 し方 はT―

T壁

孔の

Sl堆

積 によ ってみ られ る もの とはかな り様相 を異にするが,

これ らの張 り出 し方の うちどちらが本来の有縁壁孔の壁孔縁の拡大の仕方 なのかは

,今

後更に検討 を 必要 とす る。

以上

,形

成 を完了 した R―

T壁

子しの レプ リカ観察か ら

,壁

孔縁を構成す る主たる壁層であるSlと S2 につ いて

,Slは

壁 孔縁の付 け根付近 にやや肥厚 して局在 し

,張

り出 し部 は少 ないの に対 して

,S2は

(6の

張 り出 した壁孔縁の主体 をなす ものであろ う。 したが ってR―

T壁

孔の最終的な子し国の形状は早材仮 道 管であ って もS2の堆積 に大 き く依存 していると思われ

,し

か も壁孔縁 に

BTは

存在 しない。

2)形

成途上の R―

T壁

孔の レプ リカ観察

写真

122は

一次壁

(P)形

成 段階の R―

T壁

子とを細胞間層側か ら見 た ところを示す。この段階では 壁子と縁は形成 されてお らず

,壁

孔壁(一次壁 孔域 pr ary pit fiem)の輪郭は円形に近い広橋円形 を 呈す ることが多い。

写真

123は

Sl塩積 中の R―

T壁

子とを内 こう側か ら見た ところを示す。Slは今村 ら

(1972b)の

指 摘 してい るよ うに

,交

差 ラメラとして堪積 し

,壁

孔の ところではSIの ミクロフ ィブ リルは 本 来 の走 行方向か らほとん ど変異す ることな く

,開

田部の縁に接す るよ うに配列す る。写真

124は

Slの堆積

が完了 した画後 と思われ るR―

T壁

孔 を内こう側か ら見た ところである。 Slは 壁孔の開 口部の上縁 と 下縁の ところ

(矢

印)にやや厚 く堆積 し

,し

か もこの ときの開口部の大 きさは一次壁子と域の大 きさに 比べて相以的にやや小 さくな ってぃるのが認 め られ る。この ことか らR―

T壁

子しの場合 もわずかでは あ るがSlの堆積によ って壁孔縁が形成 され るもの と思われる。

写真

125は

S2堆積 中の R―

T壁

孔 を内こう側か ら観察 した ところを示す。S2は Slで形づ くられ た開口部の上か ら

,S2本

来の ミクロフ ィブ リルの走行方向をほ とん ど維持 した状態で堆積することに よ って開口部 を次第に狭 め

,最

終的な孔 口を形づ くる。 したが って この場合

,S2の

ミクロフィブリル

配列方向 と直角方向にのみ壁孔縁 は張 り出 し

,配

列方 向に沿 った方向では壁孔縁の張 り出 しはほ とん ど認め られない。そのため最終的な子L日の形状は平行四辺形 に近い独特の形状 を呈する

(写

112

参照)。

3)R― T壁

孔の超薄切片観察

次に これまでの レプ リカ観察によ って推定 された R―

T壁

孔の壁孔縁の構造 につ いて,さ らに壁 子と 縁中の各壁層の層構成および

BTの

有無につ いてよ り明確な知見 を得 るために壁孔縁の 断面形態につ いて調べた。

写真 η

26は

エゾマツ

,写

127は

ヒノキ各材の R―

T壁

孔の木 口面の超薄切片像である。

 

これ ら の写真か ら明 らかなよ うに

,張

り出 した壁孔縁はほとん どS2のみで構成 されてお り

,Slは

壁子し縁の 付 け根の ところで壁孔以外の壁部分のそれよ りやや厚 く堆積 している程度で

,T― T壁

子とのSlのよう に張 り出 した壁孔縁の先端 にまで入 り込んでい るとい うよ うなことはなしち

 

壁子し縁 にお ける Slと S2 の このよ うな層構成 はこれまで に示 した レプ リカ像 とも一致す る。 さらに壁子と縁の外表面側で,こ

らのSIやS2と 区別 され るよ うな壁層(すなわ ち

BT)は

認 め られ ない。 これ らの ことか ら

R― T壁

孔の壁子し縁 における各壁層の堆積の仕方 (層 構成 )は 壁孔の存在 しない壁部分

(unphted wall)の

そ れ と同様 に

,各

壁眉 が順次単純 に堆積 した構造であることが分か る。

写真

128は

スギの R―

T壁

孔 を繊維軸方 向に沿 って上か ら下 に向 って連続 して薄切 した本 国面 の 超薄切片像 を示す。すなわち写真①は孔 国の上端近 くで

,②

は上端 と中央部の中間で

,①

は子と国の中 央部 で

,④

は下端近 くで薄切 した断面像を甫

G壁

孔縁中にお ける Slと

S2の

層 構 成 は前 掲 の写 真