2
−5
−10
フ00 一20
h6ig11t(μm〕
LongitudinaI Direction
l・10riZO11tal
Direc也。n
500
400
300E 3
200一
100
300 400 10n武I1(μm)
Ra(μm)
1.067
4.632
図3−17 典型的なHemp繊維東の表面粗さ(内側)
10 5?
3 0
!
一5
−10 700
一20 一10 0 10
h6ig11t(μm)
Longitudinal Oirection 1Hlorizontal
Direction
20 500
400
300E 3 竜 200一
100
300 400 10ng11h(μm)
Ra(μm)
0.838
2.647
図3−18 典型的なHemp繊維東の表面粗さ(表皮側)
3−3グリーンコンポジット溶融圧縮成形装置の改良型の概要 33.1グリーンコンポジット溶融圧縮成形装置の諸性能
本研究で改造したGC製造用の溶融圧縮成形装置 Agricove町皿 の構成と諸性能を 表3−1に,概略図とプレス機の概観写真を図3−19に示す.Agricove町皿は繊維束を固定す る機構を成形金型に新しく備えさせ,それを基に従来のAgricov町■同様の加熱・冷却を実 現させるように改造しており,制御系には従来用いられていたものを流用している.Agricovery 皿は下部プレスに差し込まれた2本のカートリッジヒーターにより加熱,均熱が可能となってい る.また,上部プレスおよび下部プレスに冷却水路が設けられており,一定流量の冷却水によ る急速冷却が可能となっている.通常は成形体の温度は成形体近傍の成形金型に取り付ける 熱電対によって測定されるが,成形金型は試験片右向に開放しているため,図3−20に示した ように成形体に直接熱電対を差して内部温度を測ることも可能である、プレス機断面と熱電対 の測定位置の概略図を図3−21に,設定温度190℃における熱電対と成形体内部温度との昇 温および水冷による降温過程の温度変化曲線を図3−22に示す.図3−22より成形体内部の温 度は均熱時間を30min取ることで成形金型の温度と同調させることが可能であると言える.
表3−1Agricovery皿の構成と諸性能
形 式 テーブル型
寸 法 上部プレス168×150×30mm,
本体
下部ブレス台168×150×52
(ブレス機)
最高使用圧力
15MPa
最高使用温度
3000C
最高使用圧力
16MPa
油圧 圧力シリンダーストローク
300mm
装置
出力 170kN
形 式 カートリッジヒーター式
加熱 最高使用温度
3000C
冷却 発 熱 体 ニクロム線
装置 温度調節機,表示装置
冷却水路設置箇所 上部ブレス,下部プレス 成形 寸 法
上部金型168×92×29mm,
金型 下部金型168×150×2g mm
Control Pane1
Hy auliC Pr sure Sy em
Cooli㎎
Flume
図3−19 改良された溶融圧縮成形装置Agricovery皿の概略図とプレス成形機の概観写真
図3−20 成形体内部の温度測定(左:開口状態右=閉口状態)
熱電対による温度測定位置
Coo1ing Flume
Thermocouple
図3−21
Carl;ridge Heater Cooling Flume
250
200
[ 9
] 150 8
ミ
£ 0.
E100
50
_Mo1d−ing SectiOn
−Mo1d−ed−Specimen
0 0
図3−22
20 40 60 80 100
Time[min]
金型内装熱電対と成形体内部温度の温度変化曲線
3.3.2とうもろこし長繊維積層プロセス
GCはとうもろこし長繊維束とPLAフィルムを交互に積層させ溶融することで製造される.ま た,溶融圧縮成形直後の厚み方向のGC側面概観写真を図3−23に,金型と積層の概略図を 図3−24に示す.金型が長手方向に開口しているため,繊維束は金型の外から引っ張ることが でき,金型の両端でスペーサーと交互に積層させて固定することにより圧縮時に繊維が片寄 ることなく成形することが可能となった.
図3−23圧縮成形直後の厚み方向のGC側面概観写真
◎ ◎
C.L.25mm
◎ ◎
自 一1
国Fiber Bundle
[コPLA冊m
■Spacer
図3−24 成形金型と積層体の概略図
3.3.3グリーンコンポジットの成形と性能検証
Agricove町皿を用いて成形した繊維含有量の異なるGCの平行部断面の顕微鏡写真を図 3−25と3−26に示す.いずれの繊維含有量においても繊維束は片寄ることなくGC内部に一様 に分布していることが確認できた.また繊維束の繊維体積率は,GC断面内に存在する繊維の 断面積に基づいて算出でき,繊維束を10,20枚使用したGCではそれぞれ繊維体積率が28,
51%であった.また,繊維含有量は図3−27に示す先行研究のGCの繊維含有量と繊維体積 率の関係性より繊維束を10,20枚使用したGCはそれぞれ繊維含有量が26,41wt%に相当 することがわかった.また,図3−28に示す試験片の表裏にひずみゲージを貼り測定した応力 ひずみ曲線図からも,試験片の表裏による差異は微小であるため,先行研究よりも対称性の 高いGCの製造に成功したものと判断できる.
図3−25GC断面写真(繊維東魏10枚)
図3−26GC断面写真(繊維東数20枚)
( 80
5
=
; 60
;≡;
士
。 40 E
一三
> 200
き
さ
0
u■0
〃
〃
〃〃
!
!
〃
〃
〃
!
、6
〃〃〃
〃
O
〃
〃
!
〃!
〃
〃
20 40 60
Fiber Content(mass%)
80
図3−27 繊維体積率と繊維含有量の関係
200
150
(0一o
Σ
)
100
ωωo
一」
ω
50
0
図3−28
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
Strain(%)
試験片の2表面に装着したひずみゲージによる引張試脚こおける 応カーひずみ線図の相違
3−4緒言
先行研究において技術課題として表面化したGCの製造方法を圧縮成形機だけでなく繊 維の抽出方法も含め抜本的に改善するために,繊維抽出用器具の開発と新しい圧縮成形機 の設計を行った.得られた結果は以下のように要約できる.
(1)麻挽き機械を参考に作製した繊維抽出用器具を用いて製造した積層用とうもろこし長繊 維束は典型的なHemp繊維束と同等の繊維の整列 性を有することが確認できた.
(2)積層用とうもろこし長繊維束の表面構造は,表皮側は非常に小さな線粗さを有し,内側 は典型的なHemp繊維束と同等の線粗さを持つ繊維が波状に配列していることがわかっ た.
(3)積層用とうもろこし長繊維束を用いて,改良型圧縮成形機により製造したGCは繊維束 をスペーサーと交互に積層・固定することにより圧縮時に繊維束が片寄ることなく均一な 成形に成功した.
(4)製造したGCの断面観察により,繊維束を10,20枚使用したGCは体積含有率がそれ それ28,51%であり,これに対応して質量含有率はそれぞれ26,41wt%に相当すること がわかった.
第4章とうもろこし長繊維積層グリーンコンポジットの機械的特性に及ぼす プロセス諸条件の影響
4.1緒言
天然繊維を強化繊維材とし,ポリ乳酸系の生分解性ポリマーをマトリックス材とするGCは,
低環境負荷性や生分解一性等の性質から,GFRPの代替材料として大きな期待が寄せられてお り,これの機械的特性をはじめとする諸性質に関する研究が最近活発に展開されている.しか しながら,GCの構成要素であるポリ乳酸の機械的特性に及ぼす製造プロセス諸条件の影響 に関する基礎的研究例は十分ではなく,さらに麻糸繊維をはじめとする栽培集約型の天然繊 維に比べて優れた持続可能 性を有するとうもろこし繊維を強化繊維材とするGCの研究例は,
短繊維においてはチップ状に細かくした上で射出成形をするA.Ashori13)らの研究など次第に 進展しているが,長繊維のままの利用においてはM.Daudaらによって本研究室で行われた
「スイートコーン」種の長繊維を強化繊維材とするGCの報告以外にはみられない14).
そこで本章では,最も優れた引張強度特性を有するとうもろこし「おおぞら」種の雌穂より下 部の茎中央部分より抽出した繊維を強化繊維材とし,前章で改良設計した成形機を用いてと うもろこし長繊維強化GCの機械的特性に及ぼす積層プロセス諸条件の影響について検討し た.そして,溶融成形後に空冷固化させたGCを基準として異なる冷却条件で製造したGC,
マトリックスとの接触面積を増加させたGCに対して引張強度特性評価を行い,これらの損傷 解析を実施して,機械的特性へのプロセス諸条件の影響について検討した.
4.2供試材および実験方法 4.2.1ポリ乳酸の諸特性
マトリックス材に供したポリ乳酸には,(株)島津製作所で開発された結晶性のLACTY#9010 を用いた60).LACTY#9010の諸性質をその他のLACTYシリーズと対比させて表4−1に,ま たペレットの概観写真を図4−1に示す.結晶性のLACTY#5000,#5400,#9010の中で,#5000 は樹脂の流動性(MFR:Me1t F1ow Rate)が著しく低く,GC製造時の繊維/マトリックス界面の 密着性の低下をもたらすと考えられ,また先行研究の確からしさを調査する上からも,本研究 ではマトリックス材にLACTY#9010を用いることとした.
LACTY#9010に関してはX線回折,示差走査熱量測定により,試験片製造前のペレット状 態における結晶化度は約30.1%と高い結晶性を有し,融点とガラス転移温度はそれぞれ約 168.7℃と約66.4℃であり,表4−1に示した(株)島津製作所の物性データにほぼ等しい値を示 していることがわかっている.
表4−1 リCTY#9010の諸性質
Prop6町 #5000 #5400 #9010※ #9800
Average Molecular Weight(一) 200,000 135,000 158,000 120,000
Me1tingPoint(oC) 172.6 177 166.6 一
Melt Flow Rate(g/10min) 0.9 5.0 2.5 70.0
G1ass Translation Temperature(0C) 60.7 61.9 62.2 50.O
※本研究供試材
図4−1 リCπ#9010ペレットの概観写真
4−2.2積層用とうもろこし長繊維の諸特性
第2章の結果を踏まえて,最も優れた引張強度特性を有するとうもろこし「おおぞら」種の雌 穂より下部の茎中央部分より抽出した繊維を強化繊維材とした.積層用とうもろこし長繊維の 諸特性を表4−2に示す.
表4−2積層用とうもろこし長繊維の引張強度諸特性(母集団200本)
Maize Fiber(L2−L5)
Average Max Min Tensile Strengu1(MPa) 328 645 53 Elongation at break(%) 2,36 4,27 0.67
E1astic Modulus(GPa) 10.25 25,45 1.82
4.2.3グリーンコンポジットの製造方法
先ず,第3章で設計した成形金型を用いて繊維束とPLAフィルムの積層体を,金型両端の スペーサーにより繊維束の高さ位置を制御しながら作製し,成形金型を溶融圧縮成形装置 Agricov町皿に装着して積層体を覆うように充填用のポリ乳酸ペレットを均等に敷き詰めた後,
Sequentia1Mo1ding−Forming Processi㎎法14)に基づいてGCを製造した.積層用とうもろこし 繊維束は,抽出・乾燥させた状態のものを基準として,平行部にのみ繊維方向に針で約O.5m m間隔のスリットを入れることで擬似的に単繊維の状態を再現した繊維束も用意した.GCの製 造プロセス諸条件は表4−3に示すように青木の見出した条件を用いた15).すなわち,まず炉を 一定速度で加熱し,熱電対が設定温度に達してから30minの溶融・均熱化を行った.次に冷 却を開始し,熱電対が150℃に降下した時点で10MPaの成形圧力を負荷した.冷却には急冷 と空冷の2種類を採用し,急冷の場合は上部プレスおよび下部プレスに設置された水路に一 定流量の冷却水を流し,空冷は自然冷却とした.急冷と空冷の冷却速度はそれぞれ18.4℃
/min,O.9℃/minであった.また,冷却過程における成形圧力の負荷は熱電対がガラス転移 温度以下に達するまで保持し,その後に成形金型から試験片を取り出して室温まで自然冷却 した.一連のGC製造方法の手順を図4−2に,熱電対に基づくGC製造プロセス条件を図4−3
に示す.