• 検索結果がありません。

.24 ぢ

ドキュメント内 修士学位論文 (ページ 55-68)

u」0

0

20 40 60

Aspect Ratio(一)

?16

0.

)12

ω

ー…

、8

.24

u」0 010203040

Shrinkage Ratio(%)

図2−31ヤング率と茎のパラメーターとの相関

24緒言

GCの強化繊維材に用いるとうもろこし茎部からの抽出繊維に関する引張強度特性を把握す るために,rおおぞら」種のとうもろこし茎部から抽出した繊維の引張強度特性を評価し,抽出 箇所による影響を解析するとともに,強度特性分布に関する統計的解析を試みた.得られた 結果は以下のように要約できる.

(1)とうもろこし繊維の引張強度特性は,他の天然繊維と同様に著しいぱらつきを伴うが,茎   からの繊維抽出部位毎に一定の分布関数に従うこと,さらに雌穂以下において茎上・中   部より抽出した繊維の引張強度特性レベルは,茎最下部より抽出した繊維に比べ明ら   かに優れていることが実証された.

(2)根から雄穂までの茎全体において繊維抽出部位毎に引張強度特性の統計学的評価を   行った結果,雌穂以上の部位は抽出できる繊維量は少ないものの引張強度特性は雌   種以下の部位にほぼ匹敵することが確認された.

(3)茎最下部や,雌穂直下の茎部から抽出した繊維に比べて,雌穂より下部の茎中央部分   より抽出した繊維が最も優れた引張強度特性を有すること,それゆえこの中央部から抽   出した繊維がコンポジットの強化繊維材として最適であることを明らかにした

(4)茎内繊維の微小変化の挙動は乾燥を経た収縮による弱体化の影響は少なく,むしろ茎   の太さ,アスペクト比といった生来のパラメーターに依存する傾向があることが確認され   た.

第3章とうもろこし長繊維の積層プロセスの合理化とグリーンコンポジット溶融圧縮成形装 置の改良

3.1緒言

 天然繊維を長繊維束のままGCの強化繊維材として利用する方法としては圧縮成形法が有 効であり,長繊維束を一方向に配向させたGCを研究することは将来的に応用されるであろう 多方向に配向させたGCや,繊維同士を分けて撚り糸状にさせた一般的に繊維と呼ばれる材 料を用いたGCの基本性質を決める上で重要である.

 先行研究において,GC試験片はとうもろこし繊維束とPLAシートとを交互に積層させ溶融圧 縮成形装置 Agricov町r によって製造していたが,積層させる繊維束の固定(拘束)が不可 能な構造であったため,圧縮荷重が掛かると内部で繊維束が3次元的に動く結果,繊維束が試 験片平行部に整列しない,一方に片寄る,傾く,マトリックス材から露出するという幾何学的な欠 陥(制御不能)により,個々の材料本来の引張強度特性が正確にデータに反映されていない可 能性がある.また,従来はGC用の茎抽出繊維束は特定の器具を使わず手作業による製造で あったため,製造者の技量により繊維の厚みや整列の程度が一定ではないことからも,GCの製 造方法を圧縮成形機だけでなく繊維の抽出方法も含め合理的に改善する必要がある.

 そこで本章では,積層用とうもろこし繊維束の抽出用器具の作製により,再現性が高く整列 性に優れた繊維束を製造した上で,麻挽き機械により製造される典型的なHemp繊維東の表 面状態と比較することで,繊維束としての精度を評価する.そして新たに設計した圧縮成形装 置 Agricovery皿 の性能を,追加された繊維束を固定する機構を踏まえて検証する.

3.2積層用とうもろこし長繊維の概要 3.2.1積層用とうもろこし長繊維の製造方法

 とうもろこしの茎を苛性処理し十分に流水洗浄すると全体的に柔らかくなるので手で曲げや 引張りを加えるとすぐに切れてしまうため,手作業で茎から繊維質だけ残し,髄や表皮を取り 除くには今までピンセット等で徐々にこそぐ様に抽出するしかなかった.安定した繊維抽出を 実現するために,本研究ではとうもろこしと同様に靭皮を繊維として用いるHempの繊維抽出 機械を参考にした.

 Hempは、茎の全長が約4m,茎の直径が約3cmのアサ科の1年草であり,茎は靭皮と内部 のオカラと呼ばれる硬い芯との間に中間物質を含んでいる.Hempは収穫されてすぐに乾燥さ せ,その後発酵させることにより靭皮を柔らかくして「麻はぎ」という工程においてオカラから完 全に分離させる.その後機械を用いて「麻挽き」をすることで表皮の汚れや中間物質を取り除 いて,棚に吊るして天目に曝すことで精麻という繊維束を製造することができる.従来は,図 3−1のように麻挽きは台の上に靭皮を広げて麻包丁と呼ばれる金属板で挽いていた.図3−2 に麻挽きに用いる機械を示す.麻包丁に代わるのが木軸にはめる歯車状のゴムの先端に取り 付けてある鉄製の板の部分であり,銅製のドラムの上に柔らかい靭皮を乗せて挟み,それぞれ 逆回転させることで挽くことが出来る.種類によっては図3−2の下の写真のようにゴムが一部分 にのみ使用されているものもあり,ゴムを介すことで靭皮に加わる荷重を一定にして挽かれた 後の繊維束の厚みが一定になるように調整している.また金属板は,余分な中間物質等を取 り除き易くするために靭皮に対してある程度の傾斜をかけている.

 これらの麻挽き機械のメカニズムを踏まえて作製した積層用とうもろこし長繊維束の抽出用器 具を図3−3に示す.抽出台の長さはとうもろこしの一節の長さより若干短い25cmを採用し,抽出 台のレール部に抽出包丁を接地させると台と包丁の間に約150μmのクリアランスができ様にし た.これは典型的なHemp繊維束の厚さに相当しており,とうもろこしの茎を設置して抽出包丁 で数回挽くことにより適度な厚さの繊維束の抽出を可能にしている.抽出した繊維束が乾燥に より元の形状に戻る様に茎の中心に向かって丸まることを防ぐため,図3−4のようにアルミ板に 並べて繊維束の上に寒冷紗,鉄製の網の順に覆うことで拘束を与えながら乾燥させた.

図3−1麻包丁の使用風景

図3−2 麻挽き用機械概観と一部にゴムを使用した金属製の部品

図3−3積層用とうもろこし繊維東の抽出器具概観

図3−4抽出直後,乾燥時のとうもろこし繊維東の概観

3.2.2積層用とうもろこし長繊維の幾何学的特性

 とうもろこし茎部から抽出した種々の繊維束の外観写真を図3−5に示す.従来の抽出方法 によるとうもろこし繊維束は挽き方にはむらがあるため,繊維同士の結合が所々解けて長手方 向に整列していないが,新しい抽出方法のとうもろこしは典型的なHemp繊維束と同等に繊維 が長手方向に揃っていた.このため,新しい抽出方法のとうもろこし繊維束は積層用とうもろこ し長繊維として利用可能であるものとみられる.

 抽出した種々の繊維束のSEM写真を図3−6〜3−8に示す.従来の抽出方法によるとうもろ こし繊維束は,表皮の光沢が完全になくなるまで挽いているため表裏の区別が無く,全体的に 湾曲しているが,新しい抽出方法のとうもろこしは,典型的なHemp繊維束と同様に,表皮側と 内側で異なる様相を呈していた.また新しい抽出方法のとうもろこし繊維束は厚みを制御して 人力によって作製したため,繊維が乾燥する時に元の形状に戻る様に内側に波打った一方,

機械加工したHemp繊維束は強い圧力に挽かれたため平面形状を保っていた.図3−9〜

3−18には,レーザー顕微鏡により観測した種々の繊維束の表面形状と繊維束の表面粗さ評 価データを示す.図3−9と3−11に見られる細胞状の組織はとうもろこしの茎の単繊維であり,

元来図3−11中に見られるような楕円形状を呈している.しかし,図3−9において単繊維は多 方向からランダムに傷つけられているため波打った形状で観測され,一方,図3−11において 写真中央部の単繊維は抽出包丁により長手方向にのみ傷つけられており,Hemp繊維束同様 の抽出が再現されたことを示している.従来の抽出方法によるとうもろこし繊維は長手方向から 反れている単繊維もあり,長手方向,垂直方向共に線粗さが最大であった.新しい抽出方法 のとうもろこし繊維束の内側は典型的なHemp繊維束と同程度の線粗さを有していた.しかし ながら,表皮側は非常に線粗さが小さいことから,抽出の過程において表皮側はほとんど損傷 を受けなかったものとみられる.

図3−5 繊維東外観(上段:既往の抽出方法のとうもろこし

中段:新しい抽出方法のとうもろこし下段:典型的なHemp)

図3−6

800μm

既往の抽出方法のとうもろこし繊維東のSEM写真

200μm

ドキュメント内 修士学位論文 (ページ 55-68)

関連したドキュメント