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3-ピッチとスペックのデータ

ドキュメント内 vol4.qxd (ページ 59-62)

【資料6】スペックとピッチの是非

スペック・ 

ピッチ 

ピュア・ 

ピッチ 

短所 

自分のアイディアに関心があるか  どうかわからないままでスクリプ  トを書かなければならない。 

 

最後にスクリプトが売れなければ、 

全く収入が入らない。 

長所 

スクリプトを書いているので、ピ  ッチで要求されるストーリー、人  物などの要素をよく理解している。 

 

スクリプトが出来上がっているので、 

関心があった場合すぐに売れる。 

 

スクリプトを書いているので、映  画業界で重視されている所有権を  持つことができる。 

 

スクリプトが出来上がっていると、 

ピュア・ピッチに比較してピッチ  する機会が多くなる。 

スクリプトをまだ書いていないの  で、十分にはストーリーや人物が  理解できていない。 

 

自分のアイディアに関心があると  しても、スクリプトができていな  いので機会を逃す可能性がある。 

 

アイディアを売ったりスクリプト  を書くために他人が雇われたりす  ると、所有権を失うことが多い。 

 

強力なコネやトラック・レコード  がないと、スペック・ピッチより  ピッチする機会が遥かに少ない。 

スクリプトを書くための時間をと  る前に、関心があるかどうかを把  握できる。 

 

スクリプトを書く前に報酬がもらえ  たり、スクリプトを書くためにも報  酬がもらえたりすることがある。 

(注-56)Josh  Spector,  "Pitches,  yuks attract  bucks,"  The  Hollywood  Reporter, December 26, 2001, p. 9.

う。本テキストの読者にとってそれより注目すべきことは出版物の購入で ある。おもしろいアイディアがあれば、記事でも本でも出版してから、そ の映画権などをピッチする方法もある。

金額はどうなっているだろうか。2001年の283本の文芸作品の売買の中、

1億円台を超えたケースは12本だけである。そのトップ3を言うと、(1)デ ィズニーはスペックでM・ナイト・シャラマン氏の『サイン』のスクリプト を10億円以上で購入し、(2)Miramaxは『グリーン・ホーネット』という小 説の権利を3億円ぐらいで購入し、(3)ディズニーはスペックでSFコメディ である"The  Superconducting  Supercollider  of  Sparkle  Creek,  Wisconsin"と いうスクリプトを2.5億円ぐらいで購入した。

スペック・ピッチにしてもピュア・ピッチにしても、ピッチという活動 はハリウッドをはじめとする世界のコンテンツ・ビジネスで不可欠である。

効果的にピッチできるようになるため、練習と経験を重ねるしかない。そ して、もう一つ欠かせないことがある。それは情熱である。そもそも自分 自身に情熱がなければ、作品を買ってくれる候補者を感動させることは相 当難しい。そこで、ピッチの紹介を締め括るにあたって、『マイノリティ・

リポート』、『アウト・オブ・サイト』、『ゲット・ショーティ』などの作品 でアカデミー賞、アメリカ脚本家協会賞、ゴールデングローブ賞などの脚 本部門にノミネートされたスコット・フランク氏のコメントに触れたい。

あたなが優れたライターなら、この業界がきっとあなたを見つけ出すだ ろう。いつの間にか天国のドアが開き、仕事の依頼が来ることだろう…

…。私の知っているライター達……彼らに仕事の依頼があるのは、彼ら が優れたライターだからだ……。彼らは自分のしていること、書いてい ることに情熱的だ……。このような人こそが「本物」のライターで、キ ャリアを持つ人なのである(注-57)……。

Section 8

おわりに

(注-57)Nikki  Reed,  "Scott's  Honor,"  Fade In, 1999, p.34.

日本映画エンジェル大賞運営事務局 株式会社プロデューサーズアカデミア 上住曜子(うえずみ・ようこ)

プロデューサー自身と直接会話し、

市場性と作品の質を両立させられる企画を選ぶ

新しい才能を持った映画プロデューサーの発掘と育成を目的に、2002年 に創設された「日本映画エンジェル大賞」。完成した作品や脚本に対して与 える賞やコンテストは多数存在するが、同賞は、まだこの世に生まれていな い映画の「企画」に賞を与えるというもの。しかも、大賞受賞者には賞金 100万円の他、企画を推し進めるためのビジネスプラン開発費として500万 円、さらには劇場公開を目指し最大3億円(総製作費の50%)の製作費の出 資も受けられる。「企画」段階で、どう作品を選別していくのか、気になる ところだ。以下、事務局の上住曜子氏の話を参考にしてほしい。

日本映画エンジェル大賞が求める人材

日本には優れたクリエイターはいても、マーケットと作品を結び付けられ るプロデューサーが不足しているということから、角川歴彦会長の強いご意 向もあり、角川出版事業振興基金信託にて、プロデューサーマインドとスキ ルを持った人材を発掘・育成しようと、「日本映画エンジェル大賞」が生ま れました。

2002年9月に1回目の募集を行って以来、2005年の第5回にいたるまで、

業界紙に広報したり、時には業界外に対しても宣伝するなど、毎回、試行錯

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