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文化事業局 局長・安永義郎氏に聞く (注-61) ㈱博報堂にて、音楽事業などを経 験し、1995年より映画事業に取り組む。現

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ーソナリティをどう把握しているか。ハッタリ性がなく実直さが魅力の場 合もあれば、劇的なパフォーマンスとトークで魅了するキャラクター勝負 の方もいる。自分自身を生かせるスタイルを見つけることが大切でしょう ね。

インディペンデントプロデューサーの強み

では、いったいどういう持ち込まれ方をすると成立に結び付くかという ことですが、まず、最も大きな要素は、企画そのもの、素材自体の重要性 だと思います。

原作があるなら原作の権利とか、オリジナルならオリジナルの何かをつ かんでいるとかであれば企画は成立する。つまり素材をどうつかんでいる かということなんです。

僕自身の経験で言うと、おもしろいと思った素材は、個人の立場のプロ デューサーであっても、映画化権を取得した方がいいでしょう。口頭でも

「君に任せるよ」という言葉をもらってから、外に提案を始めるべきです。

インディペンデントのプロデューサーが、素材と共に自らも起用してもら うためには、そういう 根幹の鍵 を握っていないと、アイディアだけ持 っていかれてしまうケースだってあるんですよ。

一般の映画会社やテレビ局などの企業が「素材」に対してアプローチす るのと比べると、個人で動くのは自由で融通が利く点があります。例えば、

何かしらの人脈を辿って、原作者に辿り着けることもあるでしょう。一般 の企業では行けないルートからアプローチするのは、インディペンデント の方法論であり、強みだと考えていいのではないでしょうか。

私の知っている某プロデューサーは、原作の権利こそ持っていなかった けれど、見つけた素材の料理の仕方まで提案することで、皆を巻き込むこ とに成功しました。彼が見つけた素材は、なんと「詩集」でした。そこか らインスパイアされ、彼は自らストーリーを組み立て、シナリオまで作っ て提案してくれたんです。そこには、下手な 能書き などは必要ありま せんでした。

何が「鍵」であるかを見極め、その「鍵」をいかに握るかが、インディ ペンデントの勝負どころだと思います。その人独自の切り込み方、料理の 仕方があってこそ、その人に原作がついていくだろうし、その人自身のク リエイティビティにもなります。

「鍵を握れ」と言うことは簡単だけど、実際はスピードも必要だし、誰に も注目されてないうちから原石を見極める力も必要です。でも、まさにそ れこそが突破口なのではないでしょうか。

こういった積み重ねをしていくと、自分が仕掛けているものだけじゃな く、次第に声がかかるようにもなってくるものです。

㈱博報堂DYメディアパートナーズ エンタテインメント・文化事業局 局長 安永義郎(やすなが・よしろう)(注-61)

その企画がビジネスとして成り立つことを 総合的にプレゼンテーションすること

映画製作や、洋画の権利買付など、国内外問わず、数多くの映画コンテ ンツにかかわっている博報堂DYメディアパートナーズ。参画した作品を劇 場公開するだけでなく、その後、ビデオ販売を展開したり、テレビ等へ放 送権を売るなどして、投資した資金を回収するのはもちろんのこと、その コンテンツを世に広めるためのプロモーションやタイアップなど、総合 的・包括的にコンテンツ・ビジネスを展開している。

そうした中で、昨年、同社が製作の主導を握り、ビッグヒットさせた例 として、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『いま、会いにゆきます』が注目を 集めたのは記憶に新しい。展開を読むことが難しいとされている映画ビジ ネスにおいて成功を重ねている同社に、社外からのピッチの可能性やポイ ントについてお聞きした。お話してくださるのは、同社エンタテインメン ト・文化事業局 局長、安永義郎氏である。

社外からの企画提案

プロデューサーだけでなく、いろんな人が映画を作りたがっていますか ら、当社に対して、様々な形の持ち込みがあります。誰かの紹介で飛び込 み的にインディーズ系のプロデューサーにお会いすることもありますが、

多くの場合は、これまでのお付き合いのある企業(映画会社、テレビ局、

制作会社など)からご提案を受ける形です。

持ち込まれる企画書のスタイルとしては、展開するビジネスのスタイル がイメージできるようなものが好ましいですが、中には、「私の人生を映画 にしませんか?」と、ご自分のエッセイを持ってくるような、企画以前の 形のご提案をされる方もいらっしゃり、幅はありますね。

それぞれに対して、当社のスタッフがそれぞれ会ってお話をお聞きして います。

ビジネスとしての視点があるか

企画書に求める基本としては、ビジネスフレームをきっちり組んで、宣 伝費なども含めた製作費が計算されていて、ビジネスとして成立するシナ リオがきちんと考えられていること。

「こんな映画が作りたい。製作費はいくらです」だけじゃダメですね。と いって、全国何十館の劇場で公開するとか、ビデオの販売の見込みが何億 もあるなど、根拠もなく夢のような数字が企画書に書いてあったりする場 合も、全く現実的なビジネスがわかっていない印象が強くなって、検討対 象外ということになります。

映画というものは芸術であり、全てがお金になるとは限らないし、そう いう世界もよくわかります。ですが、少なくとも、同社が映画にかかわる 以上は、ビジネスとして取り組んでいるわけです。芸術性や娯楽性といっ た映画の持っている本来の意味はもちろんですが、それだけでなく、同時 にビジネスとして成立するかどうかまで考えていただかないと、プロデュ

ーサーからの持ち込みとしては、話になりませんね。

これは、「プロデューサーって何なのか」ということにもなっていくでし ょう。プロデューサーであるなら、これについて考えることは、価値のあ ることだと思います。

では、さらに具体的にどんな点を見ていくのか、お話しましょう。

具体的なチェックポイントは?

持ち込まれたものは、その後、社内の会議にかけられ、その場でほぼ全 てが決まります。

会議に参加するのは、映画担当部署の全員。20代から50代までの14、5名 です。中には、映画の仕事を専門にしているメンバーだけでなく、普通の 観客の感覚も参考にしたいので、管理やデスクワークをしているメンバー も含めています。

映画というのは多数決で決めるものではないと思います。メンバーの中 に、「どうしても自分がやりたい」と思っている人がいる作品であるかどう かは、大きな要素ですね。熱い思いがないと、映画は当たらない。と言っ ても、思いだけは当然ダメで、ビジネスとしてきちんと定着させられる能 力は必須ですが……。

持ち込まれた企画の見極めに、セオリーやマニュアルがあるわけではあ りませんが、どんなポイントで我々が企画を選定していくかについて考え てみると、次のようなことになるのではないでしょうか。

まず第一は、「企画として、そのストーリーが世の中にウケるかどうか」。

当然ですが、これがないとだめですよね。さらに、「ターゲットとなる客層 はどこで、本当にちゃんと受け入れられる目論見があるのか」。また、「キ ャスティングや、監督などのスタッフ」も大事です。どんな人にお願いす るのか、そのバックアップはどの程度とれているのかも重要です。

もう一つ、大きなチェックポイントがあります。我々は 出口 と呼ん でいるのですが、「どんな規模の劇場で、どれくらいの期間公開するのか」、

さらに、「その後のビデオ展開などについて、どう確保されているのか」な どです。

こういった様々な観点からチェックし、既に決まっている当社の公開予 定のラインナップを考えたうえで、集客能力と製作費のバランスを見て、

結論を出します。

プロデューサーとしての人物評価

当たり前のことですが、プロデューサー自身を信頼できるかどうかは大 事なことです。

時々、ハッタリを言うような人もいるのですが、業界は狭いので、だい たい嘘はバレます。そういった形で信用を失ってしまったら、先はないで しょう。

また、「映画を作りたいからお金を出して」というような言われ方をされ ても、その話は受けないでしょうね。プレゼンテーションの仕方としては、

「一緒にビジネスしましょう」とか「一緒にプロデュースしましょう」とい う言い方で提案をしてくださったうえで、「自分達はこういうやり方をすれ

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