す。
帰還モジュール 2. 20 m 機器/推進モジュール 2.72 m
搭乗員数 2~3名
搭載ペイロード重量 200kg以下(3名搭乗時)
回収ペイロード重量 65kg以下(3名搭乗時)
飛行可能期間 200日間
(過去最長はソユーズTMA-9の215日間)
飛行可能高度 最大460km (ドッキング時は最大425km)
使用ロケット ソユーズFG
着陸速度 主パラシュート使用時 最大6.8m/s、ノミナル1.5m/s
(注:ノミナルとは衝撃緩和用ロケット噴射時) 予備パラシュート使用時 最大9.6m/s、ノミナル2.5m/s
推進薬 燃料 非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)
酸化剤 四酸化二窒素(NTO)
太陽電池 パドル
翼端までの長さ 10.7 m
面積 従来型より1.1m2増加
(RSC Energia社 HP)
https://www.energia.ru/en/iss/soyuz-ms/soyuz-ms.html
1.5 ソユーズ宇宙船の改良
(1)ソユーズTMA
ソユーズTMA宇宙船は、1986年から2002年までの約16年間にわたり、宇宙飛行士をミール宇 宙ステーションやISSに運んでいたソユーズTMに改良を加えたもので、2002年から使用を開始し、
2012年4月に後継機のTMA-Mと交替して退役しました。
ソユーズTMAでは安全性、特に帰還/着陸時の安全面が格段に向上しました。搭載コンピュータ の小型化、コンピュータ/ディスプレイ画面の機能向上に加え、ソユーズTM時代には、身長182cm、
体重85kg以上または、身長164cm、体重56kg以下の宇宙飛行士は搭乗することができません でしたが、ソユーズTMAでは米国人の搭乗を考慮して制限が緩和されました(以下の表を参照)。
帰還モジュールの構造的な改良としては、衝撃緩和用ロケットを改良したことで、搭乗クルーが着 陸時に体感する速度と負荷が約15~30%低減されました。また新しい再突入制御システムと3軸 加速度計を採用したことで、着陸精度が向上しました。
コックピットは、搭乗クルーの飛行データ/情報取得などの運用性を考慮して設計変更されました。
また、シートおよびシート衝撃吸収材もさらなる安全性を追及して改良されました。
図1.5-1 ソユーズTMA帰還カプセルの落下衝撃試験の様子 表1.5-1 主な改良点 搭乗クルー1名あたりの身長・体重制限
項目 ソユーズTM ソユーズTMA
身長(cm) 上限 182 cm 190 cm
下限 164 cm 150 cm
座高(cm) 上限 94 cm 99 cm
胸囲(cm) 上限 112 cm 制限無し
下限 96 cm 制限無し
体重(kg) 上限 85 kg 95 kg
下限 56 kg 50 kg
足のサイズ(cm) 上限 - 29.5 cm
(RSC Energia社HP)
http://www.energia.ru/eng/iss/soyuz-tma/soyuz-tma_02.html
(2)ソユーズTMA-M
ソユーズTMAの改良型であるソユーズTMA-Mは、2010年10月8日に初飛行しました。
ソユーズTMA-Mは、外観は従来型から変化していませんが、30年以上前の1974年から使わ れていた古いアナログ方式のアルゴン-16コンピュータを新しいデジタル方式のTsVM-101コンピュ ータ(計算能力は30倍に向上)に換装したり、テレメトリシステムのデジタル化が行わるなど、旧式 化した36基の機器を19基の新しい機器に換装する改良が行われ、計70kg軽量化されました。
その分、搭載ペイロードも50kgから120kgへ70kg増やせるようになりました。また、消費電力の 削減や、打上げ準備段階での試験の簡素化が可能になりました。
座席の前の「ネプチューン」表示ディスプレイもカラー化されました(ソユーズTMAの後期タイプか ら一部を導入開始)。
図1.5-2 ソユーズTMA-Mで改良した制御機器 (Roscosmos/RSC Energia) (計36基の古い機器を19基の新しい機器で更新)
http://www.nasa.gov/images/content/485546main_Soyuz_TMA01-M.jpg
なお、ソユーズTMA-M宇宙船の改良はその後も続けられており、発電能力増強のための太陽電 池の改良、デブリ防護能力強化のためのデブリシールドの追加や、航法装置の改良などが2012年か ら徐々に導入されています。
(3)ソユーズMS
ソユーズMSは2016年7月7日に初飛行しました。主に以下のような改良が行われています。
-ウクライナ製だったランデブーアンテナKurs-Aをロシア製のKurs-NAに更新(アンテナの数を削減、
重量と電力消費量も削減。)
-無線通信装置の更新(データ中継衛星経由での通信が可能となり、通信可能範囲が大幅に 増加。従来はロシア地上局上空でしか通信ができませんでした。)
-航法システムの強化(衛星航法システムを搭載し、測位精度も向上)
-太陽電池パネルの発電能力の強化
-大型と小型の2種類があった姿勢制御スラスタのサイズを大型1種類にまとめ、配置も変えるなど、
信頼性を向上。
-その他、旧式化していた機器を更新。
・ソユーズMSの改良箇所を紹介した参考URL
http://www.energia.ru/en/news/news-2016/news_05-24.html https://www.energia.ru/en/iss/soyuz-ms/soyuz-ms.html
2. ソユーズ宇宙船のシステム概要 2.1 環境制御/生命維持に関わる装置類
ソユーズ宇宙船の軌道モジュールと帰還モジュール内は、1気圧に維持されており、打上げ時と ISSとのドッキング時、帰還時を除けば、普段着で過ごせます。
(ただし、2013年からは6時間でISSにドッキングする特急フライト(急速ランデブー方式)が 導入されたため、特急フライト適用時は軌道投入後に与圧服を脱ぐことは止めました。上半身の みスーツを脱いでトイレを使えるようにする程度となっています。)
人が居住できる環境を保つために、酸素タンク、二酸化炭素除去装置、エアコン装置、飲料 水供給装置、トイレなどが装備されています。
トイレは、12人日の保管能力がある小型のものが、軌道モジュールに設置されています(使用 しない時はカバーで覆っているため、見た目はどこにあるか分からないようになっています)。
2.2 通信(アンテナ)に関わる装置類
ソユーズ宇宙船は、地上及び、ISSとの通信が可能です。新型のMS型機からはロシアのデータ 中継衛星を介した通信もできるようになったため、ロシアの地上局の上空でしか地上との通信がで きなかった問題が解消されました。
2.3 電力に関わる装置類
ソユーズ宇宙船は、軌道上を単独飛行している間は、太陽電池パネルで発電した電力と搭載
バッテリからの電力を使用します。ISSとドッキングしている間は、ISSからの電力供給のみで電力
はまかなわれます。
2.4 Kurs自動ランデブ/ドッキングシステム
ソユーズ宇宙船は、無人のプログレス補給船でも使われている無線を使用したKurs「クルス」ラ ンデブ/ドッキングシステムを使用しての自動ランデブ/ドッキングが可能です。通常はこのシステム を使用して自動でドッキングを行いますが、異常を感知した場合は直ちに手動操縦に切り替えて ドッキングを行います。
なお、手動操縦に切り替えてのドッキングは珍しいトラブルではないため、ソユーズ宇宙船に搭 乗する宇宙飛行士たちは、手動操縦でのドッキングの訓練を十分に実施しています。ソユーズMS 及び、プログレスMSからはロシア製で新型のKurs-NAに機種更新され、精度も向上しました。
図2.4-1 ドッキング時の映像(カメラ映像にKursからのデータを重ねて表示)
(接近速度、ISSとの距離、姿勢の変化、時刻などを表示。中心線がドッキングポートの中心からずれるのは、そこ
にドッキングターゲットがあるためであり異常ではありません)
ドキュメント内
金井宇宙飛行士プレスキット A改訂版
(ページ 138-143)