第 1 章Ⅳ.用語の定義を参照のこと
Ⅳ.研究デザイン
本研究は,質的記述的研究である.
Ⅴ.研究方法 1 .研究協力者
在宅で生活する認知症高齢者を主に介護している家族で,血縁・同居の有無に関わらず,
家族の一員であると認識している者を協力者とした.
2 研究協力者のリクル-トからインタビュ-開始までの過程
1)関東の地域包括支援センタ-へ電話をし,保健師に研究協力者の紹介を依頼した.研 究協力のお願い(資料 1)と口頭にて,研究についての説明を行い,研究協力の候補者 が得られた場合,保健師から研究協力の候補者にインタビュ-を受けることができる 可能性があるかを確認してもらった.可能性がある場合,研究者に連絡先を教えてよ いかの承諾をとってもらった.
2)研究協力の候補者に電話をし,オリエンテ-ションの日時と場所を相談した.
3)研究協力の候補者へのオリエンテ-ションでは,研究への参加のお願い(資料 2)と口頭 にて研究の主旨と内容の説明をし,同意が得られた場合,研究協力の候補者と研究者 の両者が研究参加への同意書(資料 3)に署名をした上で,インタビュ-の予定日を設定 した.研究協力者が研究参加への同意を撤回する場合,研究参加の中止を文書で研究 者に知らせることを説明し,その際に利用できるように,研究参加の中止のお知らせ (資料 4),研究者の連絡先を記載し,切手を貼った送付用封筒を渡した.
3.デ-タ収集方法
2010 年 11 月から 2012 年 2 月の期間に半構成的な面接調査を行った.面接は,プライバ シ-が保たれる研究協力者の都合のよい時間と場所で,60 分程度の面接を 1 人 1~2 回行う.
面接内容は研究協力者の同意を得た上で IC レコ-ダ-に録音した.
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面接では,家族の属性などの基礎情報(資料 5)をはじめ,Gottlieb,Benjamin H.(2005) ら(Gottlieb,B.,2005)のソ-シャルサポ-トの 5 分類である 1)情緒的サポ-ト,2)道具的サ ポ-ト,3)情報的サポ-ト,4)コンパニオンシップサポ-ト,5)承認,をもとにして研究者が作 成したインタビュ-ガイド(資料 6)を用い,主に認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-トの具 体的な対象,内容とに焦点をあて聴いた.
同時に,以下 1)から 4)のソ-シャルネットワ-ク(Gottlieb,B.,2005)についても情報を 収集した.その際,家族員情報に関しては,家族の内部構造を可視化できるジェノグラム を用い,家族外部環境システム情報に関しては,家族のシステムユニットと家族外部環境 との関係性を質的・量的な側面から明らかにできるエコマップを用いて(小林奈美:2009) 介護開始前後の情報を収集した(資料 7).
1) ネットワ-クの範囲 2) ネットワ-クの密度 3) ネットワ-クの程度 4) ネットワ-クの構成要素
4.デ-タ分析方法
面接により得られたデ-タを逐語録にし,質的記述的研究方法を用いて分析を行った.
質的記述的研究方法とは,出来事の包括的な要約であり,それらの出来事を日常的な用 語で記述するものである.また,質的記述的研究方法が適している研究とは,研究したい現 象について,初歩的な現象の記述をすることで,その現象に対する理解を促すことができる 場合であるといわれている(グレッグら,2007).以上の理由から本研究では,認知症高齢者 家族のソ-シャルサポ-トの内容を記述することで,家族に対する理解を促すことができる と考え,この分析方法を採用した.
まず,家族が認知症高齢者を介護していく日常生活の中で,ソ-シャルサポ-トに関する ことを話している部分を文脈単位で抽出した.その後,抽出された記述部分を家族のソ-シ ャ ル サ ポ - ト の 内 容 は 何 か と い う 視 点 で コ - ド 化 し た . 次 に コ - ド の 意 味 内 容 か ら , Gottlieb,Benjamin H.(2005)ら(Gottlieb,B.,2005)のソ-シャルサポ-トの 5 分類に分け た.5 分類にあてはまらないコ-ドは,意味内容を吟味し,新たに分類名を作成する.これ ら,コ-ドの意味内容が類似するものを集めて小カテゴリ-とした.さらに意味内容の類似
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する小カテゴリ-を集めて中カテゴリ-とし,さらに意味内容の類似する中カテゴリ-を集め て大カテゴリ-とし,家族のソ-シャルサポ-トの内容を明らかにした.
5. 倫理的配慮
本研究は,認知症高齢者の介護家族のソ-シャルサポ-トについてのインタビュ-であり,
家族の関係性を表現する場合に苦痛な体験を想起する可能性があり,インタビュ-は,研究 協力者の反応を見て,無理がないように質問などを行った.特に,研究協力者が話したく ないことは話さなくてよいように前もって伝え,質問にも配慮した.なお,研究者はこれま でも認知症高齢者や家族の看護に携わった経験があり,看護師,研究者としての専門的立 場から,研究協力者の心情に十分配慮して研究を行うよう努めた.
以下に具体的な倫理的配慮を記した.
1. 地域包括支援センタ-保健師に研究協力者の紹介を依頼し(資料 1),研究協力の候補 者が得られた場合,保健師から研究協力の候補者にインタビュ-を受けることができ る可能性があるかを確認してもらい,可能性がある場合,研究者に連絡先を教えて よいかの承諾をとってもらった.
2. 研究協力の候補者に電話をし,オリエンテ-ションの日時と場所を相談した.
3. 研究協力の候補者に参加を依頼する際には,研究への参加のお願い(資料 2)と口頭に て,研究目的,内容,時間,回数,期間,参加の任意性,匿名性,秘密保持,結果 公表についてなどを具体的に説明した.
4. 研究協力者から同意が得られた場合,研究協力の候補者と研究者の両者が研究参加 への同意書(資料 3)に署名をした上で,インタビュ-の予定日を設定した.同意書は,
研究協力者用と研究者用の 2 部作成し,それぞれが保管した.
5. 研究への参加は,自由意志で判断し決定できること,参加しない場合でも不利益は 生じないことを保証した.一度,参加を承諾し同意書に署名した後でも,途中で協 力を撤回すること,インタビュ-を中断,中止できることを保証した.
6. 研究協力者が研究参加への同意を撤回する場合,研究参加の中止を文書で研究者に 知らせることを説明し,その際に利用できるように,研究参加の中止のお知らせ(資 料 4),研究者の連絡先を記載し,切手を貼った送付用封筒を渡した.
7. インタビュ-は研究協力者の希望する場所で行うが,個人情報の漏洩がないよう周囲