実施期間は,2012 年 4 月~6 月を予定した.
4)実施方法
(1) 全国の通所介護事業所
①施設への協力依頼
ⅰ)協力依頼施設数の算定
通所介護事業者の規模にもよるが,各施設に認知症高齢者が最低 10~15 名登録されれて いると仮定した.したがって,667 名に協力を依頼するには,45~67 施設への協力を得る 必要がある.さらに予備調査への協力に同意が得られる施設が 30%と見積もると,45~67 施設への協力を得るためには 150~230 施設へ協力を依頼する必要があると算定した.
ⅱ)協力依頼施設の抽出
協力依頼施設は,平成 24 年度時点で,インタ-ネット上の全国介護サ-ビス情報公表サイ トで公開されている全国 47 都道府県の「介護予防認知症対応型通所介護事業所」,「認知症 対応型通所介護事業所」それぞれの事業所に分けて依頼施設の名簿を作成した.
平成 24 年度時点で「介護予防認知症対応型通所介護事業所」はおよそ 2900 ヶ所,およ び「認知症対応型通所介護事業所」は 3100 ヶ所,合計 6000 ヶ所で約 29 対 31 の比率で存 在する.よって,それぞれ 29 対 31 の比率で介護予防認知症対応型通所介護事業所を 111 ヶ所,認知症対応型通所介護事業所を 119 ヶ所,合計 230 ヶ所を研究協力を打診する事業 所数として無作為抽出した.
ⅲ)対象施設の決定
施設責任者宛に研究の主旨および実施手順について説明した文書(資料 12)を送付し,研 究協力を依頼した.予備調査への参加協力に対する諾否は,同封の葉書に保護シ-ルを貼付 し返送し回答してもらった.研究協力が得られる場合には,質問紙の送付先,対象となり 得る認知症高齢者の家族の人数(質問紙送付数)を明記してもらった(資料 12).なお,ここ で承諾の回答が得られた施設が予備調査の対象施設となった.
ⅳ)質問紙の配布
予備調査の承諾が得られた施設の管理者宛に,「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の配布依頼状と,予め情報提供された対象人数分の「予備調査版在宅 認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」,返信用封筒を送付した.対象となる認知症高
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齢者家族に対しては,管理者の協力を得て,管理者から配布してもらうこととした.
また,協力を依頼する認知症高齢者家族に対しては,それぞれ研究協力依頼文(資料 13),
「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」,返信用封筒を封筒に同封し た.回答終了後は,解答用紙は各自で厳封し,投函してもらった.依頼文には,質問紙の 回答および返送は任意によるものであることを明記した.
(2)病院の物忘れ外来
①協力依頼施設の選択・依頼
研究内容について協力の得られる,研究者と関係性のある病院・施設を選択した.病院 施設の責任者に研究の目的や方法,依頼内容,デメリットとメリット,倫理的配慮につい て書面を用いて説明し,病院規定の研究倫理審査委員会の承諾を得ることを約束した.研 究協力についての同意が得られた場合には,病院の看護部長,物忘れ外来の医師から同意 書を得ることとした.
③ 研究対象者の選定
外来開始前に.もの忘れ外来医師から,本研究において対象となる「認知症もしくは MCI と診断された 65 歳以上の者」とし,本研究においては,認知症発生初期の患者家族が社会的 に孤立している現状も踏まえ,今後認知症に進行しうる前駆段階といわれる軽度認知機能 障害(mild cognitive impairment;以下 MCI)を含む)の家族介護者を紹介してもらった.
④ 質問紙の配布
物忘れ外来に.本研究ご協力のお願いに関するポスタ-(資料 12)を貼付しておき.外来 終了時に物忘れ外来医師から家族介護者へ質問紙を配布してもらった.協力を依頼する認 知症高齢者家族に対しては,それぞれ研究協力依頼文(資料 13),「予備調査版在宅認知症 高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」,返信用封筒を封筒に同封した.回答終了後,解答用 紙は各自で厳封し,投函してもらった.返送は.対象者個人で依頼文には,質問紙の回答 および返送は任意によるものであることを明記した.
(3)国内の家族会
① 協力依頼施設の選択・依頼
研究内容について協力の得られる,地域包括支援センタ-の責任者に研究の目的や方
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法,依頼内容,デメリットとメリット,倫理的配慮について書面を用いて説明し,研 究協力についての同意が得られた場合には,地域包括支援センタ-責任者から対象の家 族会にまずは電話で研究対象者となる依頼が来ている旨を,事前に説明してもらった.
家族会責任者から研究協力の同意が口頭で得られた場合.地域包括支援センタ-責任者 から研究者へ家族会および家族会責任者を紹介してもらった.
③ 研究対象者の選定
研究者から家族会責任者に電話連絡をとり.家族会の開催日時を確認し.家族会に 研究者が出席した.家族会終了後,研究者から研究の目的や方法・依頼内容・デメリ ットとメリット・倫理的配慮について書面(資料 12)を用いて説明した.研究協力に ついての同意が得られた場合には研究者から質問紙を配布した.
④ 質問紙の配布
協力を依頼する認知症高齢者家族に対しては,それぞれ研究協力依頼文(資料 13),
「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」,返信用封筒を封筒に 同封し研究者から質問紙を配布した.回答終了後,解答用紙は各自で厳封し,投函し てもらった.依頼文には,質問紙の回答および返送は任意によるものであることを明 記した.また.研究協力の同意が得られた場合でも.感覚器障害などの問題で質問内 容について回答することが困難だと家族が考えた場合には.研究者が口頭と文書で説 明しながら質問紙に回答することも可能であることを伝えた,
5)「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の信頼性・妥当性の検討 回収された「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」は,SPSS19.0 および AMOS19.0 を使用し統計解析を行い,以下の項目について確認および検討を行った.
l
有効回答率(=計算可能な回答のある質問紙/送付数)を算出した.l
変数ごとに記述統計値(度数,範囲,平均,標準偏差,分散など)を算出した.l
回答の偏り,項目間相関係数(Pearson の積率相関係数)の確認により項目分析を 行った.l
「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の信頼性Ø
内的一貫性:信頼性クロンバックα(α値)の確認と各質問項目を削除した場合 α値の確認75
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「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の妥当性Ø
因子構造の確認:探索的因子分析「予備調査版在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の因子構造を確認 するために,因子分析を行う.因子構造を確認し,各項目の因子負荷量から,最終 的な尺度における選定項目を決定した.
6)倫理的配慮
実施にあたり,対象者に対して以下のような倫理的配慮を行った.
(1)本研究の主旨について口頭もしくは,文書で説明を行い,十分な理解を得られた場合 協力を依頼した.
(2) 口頭もしくは文書により承諾が得られた場合においても,文書により,本研究参加が 自由意思にもとづくものであること,回答は任意によって行うものであることを保証 した.
(3)回答は無記名であり,任意により回答および結果の返送を行うこと,さらに郵送法に より回答者個人が特定できないことを保証した.
(4) 対象者が研究協力の途中で負担を感じたり,時間的余裕がない場合においても,協力 を拒否したり,中断できることを保証した.
(5) プライバシ-,個人情報の保護として,認知症高齢者家族は,質問紙を無記名で記載し,
個人で厳封し投函してもらった.
(6)通所介護事業所では,管理者から認知症高齢者家族へ質問紙が渡されることで,強制に ならないようにするため,通所介護日記などと一緒に家族に渡してもらい,管理者から 家族に直接手渡さなくてもよい方法をとるよう依頼した.
(7) 病院の物忘れ外来に貼付するポスタ-は.不特定多数の患者や家族,面会者の目に触れ ることを考慮し,不快な感情を持たれないような記述やデザインとし,認知症高齢者 の家族介護者のみを対象とした研究であることがわかるような言葉を選択した(資料 12).
(8)病院の物忘れ外来に貼付するポスタ-には,研究の同意は回答された質問紙の返送をも って研究協力の承諾とすること,調査結果は研究以外の目的では使用しないことを記 載した(資料 12).
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(9)研究協力の同意は,回答された質問紙の返送をもって研究協力の承諾とすることを質 問紙調査の依頼用紙(資料 12)に記載した.
(10) 調査結果は,研究以外の目的で使用しないことを質問紙調査の依頼用紙(資料 12) に記載した.
(11) 本調査は,協力者の介護を批判したり,評価したりするものではないことを質問 紙調査の依頼用紙(資料 12)に記載した.
(12) 研究結果を博士論文としてまとめ,学会や学術雑誌において公表する可能性があ ること,その場合も匿名性は保持されることを質問紙調査の依頼用紙(資料 12)に記載 した.
(13) 調査デ-タは,通所介護事業所や個人が特定されないように記号に置き換えて管理 した.
(14) 回収した質問紙,調査デ-タを保存した電子記憶媒体は,鍵のかかる場所に保管し,
不用意に持ち歩かず,情報漏洩や紛失がないように厳重に注意して取り扱った.
(15) 研究機関の査察や,結果を公表する学術雑誌の規定などのため,回収した質問紙,
匿名化した研究日誌,分析記録は,学術雑誌などに公表してから少なくとも 3 年は保 管した.その後,回収した質問紙は,細断して破棄した.
4.「在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の信頼性・妥当性の検討
予備調査の結果,「在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」を作成した.ここ では,最終的に提案する尺度の作成に向け「在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺 度」の信頼性と妥当性の検討を行った.
1)対象
予備調査の 1)対象を参照のこと.
2)対象者の算定
高木ら(2006)によれば,探索的研究で必要とされるサンプル・サイズは,調査項目数の 2 倍程度である.また,村上(2006)によれば,尺度の試作版における被験者数は,200 名程 度になると誤差が減少するので,最低で 200 名は必要であった.さらに,石井(2005)によ れば,尺度を開発する場合,最低必要な被験者数の目安は,項目数の 5~10 倍の値となる.
予備調査を終えた段階で,「在宅認知症高齢者家族のソ-シャルサポ-ト尺度」の質問項目