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28 ※ 虐 待者とされたこと
28 動きだすことを見 への 疑念
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図1 「折り合い」のプロセスとその構造
1 見通し
2 支えら れる
3 担当者 との関係 4 話し合
いの場 5 子ども
への思い
6 期待
1喪失と混乱
2関係機関不信
3選択肢なき選 択
1自分から動く
2虐待者とされた 自分への対峙 3これからの
子育て
C 「引き取る」
A 「失う」 B-3 様々な課題・困難に対しての
「折り合い」
B 「折り合い」
B-2(子どもの安全という目標を共有し) 「折り合い」
を展開させるための 「協働」関係 B-1「折り合い」を促す6要件
保護者 児童相談所
図1 「折り合い」のプロセスとその構造
図2 「つなげる」支援ののプロセスとその構造
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図2『「つなげる」支援のプロセスと構造』(鈴木 2017)は,保護者支援のプロセスと構造 がまとめられたものである.通告に始まる出会いは保護者と児童相談所が対峙することか ら,関わりが始まっていくことが多い.「つなげる」支援は,3 つの支援ステージの連動に よって展開していく.それぞれのステージにはカテゴリーによって構成されたサークルが あり,その中心にはそのステージの中核的支援テーマとなるカテゴリーがある.そして,
その周囲にはその中核的支援テーマを実現するための構成要因となるカテゴリーが囲んで いる.支援者はそれぞれのカテゴリーにある支援テーマに取り組み,それらの支援が展開 することを通して,中核的な支援テーマにアクセスし,その実現を促進させていく.一方 で中核的支援テーマの進展が,周囲にあるそれぞれのカテゴリーの支援テーマを活性化さ せ,そこに持続的な交互作用を生じさせる.さらに,それぞれのカテゴリーの活性化によ って,ステージにあるカテゴリー間の交互作用を生じさせる.各ステージのカテゴリー間 の交互作用が活性化されることによって,ステージは次のステージに展開していくとされ ている.
以上を踏まえ「つなげる」支援を定義し「不本意な一時保護を体験し,児童相談所と対 峙的な関係にある保護者に対して,対話を構築し,支援者が保護者等に対して,人,時間,
場所,対話,思いなどをつなげることによって,主体者となろうとする保護者に寄り添い 子どもの安全という目標に向かって児童相談所と協働していくプロセスを創ること」(鈴木 2017)とした.
2. 2つのグラウンデッド・セオリーの統合
以上の通り,「折り合い」は保護者の側からの「協働」関係構築のためのコンテキストで あり「つなげる」は支援者側からの「協働」関係構築のためのコンテキストである.
表 1 の真ん中は,二つのグラウンデッド・セオリーがシンクロするところである.ステ ージはともに3つあり,それぞれが対応している.保護者の「折り合い」のプロセスの「失 う」ステージは,支援者の「つなげる」支援の「対話ができる関係を創る」ステージに対 応している.職権の一時保護によって傷つき,様々なものを「失う」ことで,その裏腹の 態度として攻撃的にもなっている保護者に,支援者はまずは話し合える関係を構築するた めのエンパワメントにより「対話ができる関係を創る」ことをしている.このステージを 統合することで「Ⅰ対話ができる関係を創っていく」とした.そして,話し合える関係が できていく中で,保護者は現実を受け止めていくための様々な取り組みをしていくが,保 護者がこの局面で,児童相談所と対峙し困難な現実を受け止めていくためには 6 つの要件 があることが「折り合い」のグラウンデッド・セオリーによって示唆された.そのカテゴ リーは「支えられる」「担当者との関係」「話し合いの場」「子どもへの思い」「期待」「見通 し」である.そして,支援者はこの 6 つの領域に人,時間,場所,対話,思いなどをつな げることによって働きかけていく.支援者による「つなげる」支援のやはり 6 つのカテゴ リーは「折り合い」の6領域に符合している.つまり,保護者の「折り合い」における「支
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えられる」は,支援者の「つなげる」支援の「親族と友人との再会」に,同じく「担当者 との関係」は,「リフレイムを探す」,「話し合いの場」は「新たな対話が生まれる」,「子ど もへの思い」は「親子の思いの伝え合い」,「期待」は「希望につなげる」,「見通し」は「見 通しを立てる」である.そして,6領域それぞれのカテゴリーごとに統合され「周りから支 えられる」「共に動こうとする関係を創る」「対話が作られていく」「子どもの思いを知る」
「希望につながっていく」「見通しが見えてくる」とした.これらの,6 領域にわたって行 われる保護者と,支援者の交互作用こそが「協働」関係を構築していく核となっている.
このステージの統合を「Ⅱ『折り合い』への『つなげる』支援」とした.そして,3つ目の ステージは保護者が,虐待者とされた自分自身への疑念や,これからの新たな子育てを前 にしての不安,葛藤を引き受け,現実に子どもと子どもの未来を「引き取る」ことに対し て,支援者が「寄り添う」ステージであり統合したステージとして「Ⅲ折り合おうとする 保護者に寄り添う」とした.
図 3「『折り合い』と『つなげる』支援の交互作用」は「折り合い」と「つなげる」支援 を融合したモデルを示している.「Ⅰ対話ができる関係を創っていく」では,保護者の「失 う」ステージにある「(1)喪失と傷つき」「(2)関係機関不信」「(3)選択肢なき選択」に対して 支援者は「①成し遂げてきた子育てを聴く」「②言葉と態度にチューニングする」「③不安 に触れる」「④意味のある時間を創る」「⑤安全の対話」による働きかけによって,まずは 話し合える関係を創っていった.話し合える関係ができていくと,「Ⅱ『折り合い』への『つ なげる』支援」のステージに「協働」関係は展開していく.折り合いの6つの要件は,「つ なげる」支援の6つのテーマと図3のように交互作用を形成している. 6つの統合カテゴ リーによって「『折り合い』に対する『つなげる』支援」が展開していくが,そのサークル の中心にあるのは「5 見通しが見えてくる」「6 希望につながっていく」である.つまり,
児童相談所と保護者の対峙から始まり,話し合える関係を創っていく中で,「折り合い」と
「つなげる」支援によって「協働」が展開していく中で,保護者の中に生まれていく,あ るいは保護者と児童相談所の「協働」の取り組みの中で生まれていくのは,「見通し」の先 に「希望」が見えてくることである.このことがまさに,保護者と支援者の「協働」を推 し進めていく原動力になっているのである.
これらの「協働」が展開していくとステージは「Ⅲ折り合おうとする保護者に寄り添う」
のステージに展開していく.ここでは,保護者が虐待者とされた自己に対する疑念と,子 育てアイデンティティーの混乱を抱えながらも,児童相談所との「協働」関係が進む中で,
子どもを引き取るという現実的な課題や目標を実現するために主体者として,動き出そう とすることに対して,支援者が「寄り添う」ことでステージが展開する.ここまでの 3 つ のステージの展開が保護者と支援者による「協働」関係の構築のプロセスとその構造であ る.
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図3 「折り合い」と「つなげる」支援の交互作用理論
(1)喪失と混乱
(2) 関係機関不信 (3) 選択肢なき選択 (1)自分から動く
(2)虐待者とされた
自分への対峙 (3)これからの子育て
⑤安全の対話
①新たな対話が生まれる ④意味のある時間を創る ①成し遂げてき
た子育てを聴く
③不安に触れる ③寄り添う ①親子の思いの伝
②主体者であることを支える ①りフレイムを探す
②言葉と態度に
チューニングする
①動き出すことを見守る①希望につなげる
職 権 に よ る 不 本 意 な 一 時 保 護 子 ど も の 安 全 を 創 っ て い く
①見通しを立てる ①親族や友人との再会(1) 見通し (1)支えられる
(1)担当者との関係
(1)話し合いの場 (1)子どもへの思い
(1)期待 Ⅱ「折り合い」への「つなげる」支援
5見通しが見えてくる
4子どもの思いを知る 1 周りから支えられる
3 対話が作られていく 2 共に動こうとする関係をつくる Ⅰ対話ができる関係を創っていくⅢ折り合おうとする保護者に寄り添う
①支援者カテゴリー(1)※保護者カテゴリー1 保護者・支援者カテゴリーの統合Ⅰ協働のステージ 6希望につながっていく