ディスレクシア(読み書き障害)
加藤醇子(2)
・単語を音に分解したり、言葉の「音」と「文字」
という記号をうまく対応させられない。
子どもの仮名単語の音読障害
(斎藤 真善、2002)
意味
形態 音韻
意識的処理過程
自動的処理過程
意識的処理過程
自動的処理過程
意識的処理過程
自動的処理過程
×
△
○
○
△
×
読み障害児の検査所見
(斎藤 真善、2002)
① WISC−Ⅲ
・「数唱」が低い
→「音韻ストア」か「リハーサル過程」の問題である
・「順唱」と「逆唱」の比較が重要
・「単語」「理解」は高く、言語表現はある程度可能
・「符号」「絵画配列」も言語的符号化方略を用いている 場合には影響される
② K−ABC
・継次処理課題はどれも低い
・「絵の統合」が高く、ゲシュタルトの崩壊は大きくない
・「なぞなぞ」が高く、言語的な概念はほぼ年齢相当
・「ことばの読み」「文の理解」は2SD以下
・「数唱」と「語の配列」の比較が重要
ディスレクシア(読み障害)対策
① 教科書やテストの拡大コピー(行間をあける)
② 教科書やテストの漢字にルビ(ふり仮名)をふる
③ 重要な文字や単語をラインマーカーでマークする
(カラーコーディネーション)
④ 重要な文字や単語に印(○、下線、斜線など)をつける
⑤ テストや問題文を区切る(四角で囲う、切り分ける)
⑥ あらかじめ文章を読んであげたり、内容の大意を教える
⑦ 文章題を逐字に読ませてから問題を解かせる
⑧ 試験の問題文を読んであげたり、口頭試問を行う
⑨ 本人が興味を持てる文章や内容を選ぶ
⑩ DAISY(パソコンによる文章音読プログラム)
⑪ 授業をテープにとって後で速聴で聞く
ディスグラフィア(書き障害)対策
① 書くことより読めることを優先させる
自分から読みたい気持ちを育てるため
② 大枠から小枠、なぞりから書写、左横から前方書写へ
③ 枠や中線のある枡目ノートを用いる
④ 拡大コピーなどして、大きな枠に書かせる
⑤ 書く文字数や問題数を減らす
⑥ 平仮名でよいから文章を書く
⑦ 口頭で言わせて書き取ってあげ、それを書写させる
⑧ 口頭でのテストを行う
⑨ パソコンや携帯電話を使用する
高機能自閉症の学習上の問題
① 書いてある事実をそのとうり読み取れることが できても、内容を解釈したり推理したりすること
が苦手である。
② 複雑な計算ができても、お金の両替ができない。
③ アイディア豊かで構文力を持っていても、
作文が苦手であり、宿題をやらなかったりする。
④ 朗読が上手でも、読んだ内容を理解できない。
高機能自閉症の学習上の修正点
考えをまとめたり、注意集中したり、
字を書くうえで問題があるならば
① テストでは延長時間を設ける。
② 書くことを課すような宿題を減らす。
③ 大人に宿題を書き取ってもらう
④ テストの方法を変える。
1、別の部屋で行う 2、口頭で行う
3、問題用紙に書かせる
4、選択方式にする
HFPDD/LD障害
(1) 教師にできること
・環境の構造化 ・休み場所の確保 ・いじめ対策
・学習への配慮 ・視覚的
/具体的
/肯定的な指示
・穏やかな声かけ ・積極的援助(目・手・足・声)
(2) 親にできること
・自閉症の特性理解 ・愛情不足や偏りを防ぐ
・友達作りの援助 ・地域資源の活用 ・学習援助
(3) 医療機関にできること
・発達診断と告知 ・親への説明 ・個別
/集団セラ ピー
・医学的検査 ・投薬治療 ・学校訪問
/懇談
ADHD/LD障害
(1) 教師にできること
・席の位置 ・友達の配置 ・集中時間への配慮
・行動範囲の約束 ・逃げ場所の確保 ・ケンカ対策
・活躍の場 ・LDへの配慮 ・共感的
/受容的言動
(2) 親にできること
・多動症の特性理解 ・過剰叱責や放任を防ぐ
・手伝いをさせて褒める ・学習習慣の確保
・行動療法を学ぶ ・親の会の活用 ・医療受診
(3) 医療機関にできること
・発達診断と告知 ・特性の説明 ・個別
/集団セラピー
・医学的検査 ・投薬治療 ・学校訪問
/懇談
ADD/LD障害
(1) 教師にできること
・席の位置 ・友達の配置 ・LDへの気づき
・認知特性への配慮 ・読み書き対策
・積極的援助(目手足声) ・発表
/提出の配慮
(2) 親にできること
・LDの特性理解 ・過剰な学習指導を防ぐ
・教育資源の活用 ・個別的な学習援助
(3) 医療機関にできること
・発達診断と告知 ・親への説明 ・個別
/集団セラ ピー
・医学的検査 ・投薬治療 ・学校訪問
/懇談
チック障害
① こころの病ではなく生物学的要因が基盤にあるもの
② やるつもりがなくてもやってしまう反復運動
③ 4つの種類がある (運動、音声、単純、複雑)
④ 一過性と慢性がある
⑤ 10人に1〜2人、4〜11歳ころに発症しやすい
⑥
周囲の状況やこころの状態で変動する
⑦ 原因は神経伝達物質(ドーパミンなど)の偏り
⑧ 治療(家族ガイダンス、心理教育、環境調整)
⑨ ほとんどは年齢と共に軽くなる
チック症状の種類
単純チック(素早くて明らかに無目的)
① 単純運動チック (まばたき、横目、目をまわす、白目 をむく、口をゆがめる、鼻をひくひくする、首をグイッとひく、
肩をすくめる)
② 単純音声チック (せきをする、ブタのようにうなる、
「アッ、アッ」と声をだす、ほえる)
複雑チック(ややゆっくりで一見すると目的性がある)
③ 複雑運動チック (顔の表情をかえる、人や物にさわ る、とびはねる、たたく、においをかぐ)
④ 複雑音声チック (汚い言葉を発する、他人の言った
言葉を繰り返す、自分の話した音声や単語を繰り返す)
トウレット症候群
運動性チックと音声チックの両方が多様に現れ、
それが一年以上つづくチック症
① 汚言症(コプロラリア)の頻度は3分の1以下
② 強迫症状は30%くらいに10歳くらいから出現
③ 注意欠陥・多動性障害(AD/HD)は50%くらい
④ 不安や抑うつ傾向の頻度が高い
⑤ 学習障害(LD)を伴うことがある
⑥ 攻撃性や怒りのコントロールが困難である
⑦ 睡眠障害が少なくない
・
精神遅滞・境界性知能
知能とは
• 標準化された個別的な知能検査は、基本的に言語的
知能、論理的知能、空間的知能を測定している。
•
音楽的能力、運動的能力、対人的能力(他人の気持
ちや動機、精神状態を察知できる能力)、個人内の能力(自分自身の感情を認知し、行動をコントロー
ルする能力)などを測っていない。• これらの能力の発達には個人差がある。
知能検査(2)
(国語であれば、読む・書く・聴く・覚える・話す・想像 するなどの要素がある)
• 学校の成績は、学習達成状況を調べるためのもので、本 来持っている能力と同じとはいえない
• 学校で行われている集団式の知能検査の場合、注意集中 や手先の不器さに問題のある子どもの場合には妥当な数 字が出ないため、個別の知能検査を受ける必要がある。
• 子どもが持っている能力は、一つの教科にいろいろな要 素が含まれているために測りにくい
• 個別の知能検査では、ビネー式とウェクスラー式の検査 がよく使用されるが、前者の方がIQが高くでる傾向に ある。
精神遅滞の診断(第9版)
アメリカ精神遅滞学会(1992)
【知的な制約】
(IQ<70〜75)
【適応上の制限】
① 社会性知能
② 実用的知能
【年齢的な制限】
(18歳以下)
理解力などの知的な遅れ
(知的発達障害と境界性知能)
・知能指数(IQ)が70ということの意味
14歳(中2)の子どもが10歳(小4)程度の知能を持つ 10歳(小4)の子どもが 7歳(小1)程度の知能を持つ 7歳(小1)の子どもが 5歳(年中)程度の知能を持つ
・親は「勉強はわからなくても社会性を伸ばしたい」
と期待する
・援助がなければ、自分に与えられた課題を解決して