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(DCD)

ドキュメント内 発達障害を知る (ページ 155-179)

発達性協調性運動障害

発達性協調性運動障害(DCD)

(Developmental Coordination Disorder)

・運動発達の著明な遅れ(不器用)

・学業や日常生活に影響を及ぼす程度である

・神経学的微徴候(ソフトサイン)の存在

・身体疾患や神経疾患(脳性まひや筋ジス)

広汎性発達障害を除く

・精神遅滞との合併は一部認める

・学童の6%と推定(Palatajko, 1999)

ソフトサイン(神経学的微徴候)

• 感覚運動統合障害的な脳の機能不全を示唆す る敏感な指標である。

• 軽度発達障害においては普遍的な症状であり、

加齢に沿って発達していき、9歳を過ぎて健

常者に追いつくが、一部にはソフトサインが

存続する器質的な障害が存在する。

器質的な障害が示唆される例では幼児期から

の専門的な療育が必要とされる。

神経学的ソフトサイン陽性率

(児童精神科臨床における不器用さの問題 杉山登志郎)

5 6 7 8 9 10 11 12

100 80 60 40 20

年齢

不器用な子どもたちの特徴

(OTR 金田 実)

• 子どもたちの中に、異常とは言い切れないが正常

では絶対にない不器用さをもつグループが存在す

る。

• このグループの子どもたちは、専門的な評価を行 えば、PDD、AD/HD、LD、知的障害、非

常に軽微な脳性麻痺と診断がつくかもしれない。

• 症状の特徴として、体幹の筋肉の低緊張、手足を

使う際に過度に力が必要、ボディーイメージの弱

さ、眼球運動の調整の遅さ、耐久力・集中力の乏

しさが挙げされる。

体幹の低緊張が起因となる症状

(OTR 金田 実)

不器用さ・落ちつきなさ

全身が伸ばしにくい 円背・寝転がる 運動に時間がかかる 動き・スピードの遅さ 手足に過度に力が入る 不器用さ・手足の固さ 触覚・運動核が鈍くなる 身体図式の乏しさ

ALAAHFA(アラーファ)

Adults with Learning disabilities, Adhd

Asperger and High Functioning Autism

学習障害(LD)/注意欠陥多動性障害(ADH D)/アスペルガー症候群(AS)/ 高機能自閉 症(HFA)の特性を持つ成人

<性格特性としての問題>

・低い自己評価 ・自信喪失 ・感情不安定

・不安 ・緊張しやすさ ・敏感さ ・頑固

・融通がきかない

具体的就労支援(梅永雄二)

① 職場のマナーやソーシャルスキルを教えて欲しい

心理検査や職業適性検査をして欲しい

③ 困っている時に相談する人が欲しい

自助グループや友人が欲しい

自分の障害を理解してくれる相談相手が欲しい

差別禁止法があって欲しい

具体的でわかりやすい指示をして欲しい

人間関係をわかりやすくして欲しい

⑨ 仕事を教えてくれるコーチが欲しい

⑩ 第3者に説明してくれる人が欲しい

将来の働く意欲を育てるために(梅永雄二)

トップダウンによる教育(目的指向)

(目的達成のための補助具や援助の利用)

作業体験・労働経験を積み重ねる

(地域でのボランティアやアルバイト経験)

地域の情報を知る

(生活の場は、学校・施設・病院だけではない)

小児期からの職業教育

学校卒業後の教育の保障

専門家の養成

(LD教育士、臨床発達心理士、自閉症支援士)

特別支援教育

特別支援教育のキーワード

(文部科学省・柘植雅義、2003)

① 教育大改革(明治5年、戦後、以来の大改革)

② 部分最適ではなく全体最適へ

(LD/ADHD/PDDだけではない)

Plan-Do-See方式の強力な導入(大胆な取り組み)

④ 時代背景を受けての教育の変革

(国家財政の危機、少子高齢化、地方分権型国家へ)

⑤ 緊急かつ重要な課題

(H19年までに全ての学校で実施する)

⑥ ネットワークつくり(校内委員会、専門化チーム、

巡回相談、コーディネーター、連携協議会)

⑦ 参画(特別な場、特別な人が行うのではなく、

多様な人材が協力して総合的全体的に実施)

特別支援教育のキーワード

(LD学会会長・上野一彦、2003)

1%の特殊教育から1割の特別支援教育へ

(限定された特殊教育からの脱却)

ユーザー(こども)の視点を持つ

多様な選択肢を用意する

(既製服から注文服へ)

これまでの特殊教育

ここれからの特別支援教育 障害の山全体を捉えましょう

環境調整(構造化)

わかりやすい環境作り

環境調整(空間的配慮)

わかりやすい「かかわり」

(1)伝え方の手段

・身体で ・具体物で ・図、絵、写真で

・身ぶり、指さしで ・言葉で ・文字で

(2)伝え方の方法

・名前を呼ぶ、目を合わせる、近くに立つ,肩に触る

・声かけは、穏やかに、ゆっくりと、弱めで、ハッキリと

・今とるべき行動を、具体的にしめす

Jpn.J.Learn.Disabilit, 2002, 11(2), 118-122

環境調整(空間的配慮)

わかりやすい「場」

・静かで刺激の少ない休み場所を(カームダウン・エリア)

・刺激を少なくし、座る場所を工夫する

・一つの場所では一つの活動を行う

・視覚的な手がかりを与える(図、絵、写真、マーク、文字)

・区域を分ける(ツイタテ、カーペット、テープなど)

・スケジュールを中継地に掲示する

Jpn.J.Learn.Disabilit, 2002, 11(2), 118-122

環境調整(時間的配慮)

わかりやすい「計画」

・こどもの注意の持続時間に合わせる

・どんな活動を、どれくらいするか示す(時計、図、絵)

・いつ始めて、いつ終わるかを示す(時計、図、絵)

・一日の活動内容をわかりやすく表示する

・長期的な活動内容をわかりやすく表示する

Jpn.J.Learn.Disabilit, 2002, 11(2), 118-122

環境調整(時間的・空間的配慮)

わかりやすい「手順」

・こどものやり方を生かして(活動の種類と時間)

・活動ごとに、こどもに合った方法を示す

(図、絵、写真、色、数字、記号、文字)

・まず初めに、一通りの活動例や完成品を示す

・活動内容を区分して、順番に示す

・手順は、左から右、上から下を原則にする

・一人一人にあった補助具を工夫する

Jpn.J.Learn.Disabilit, 2002, 11(2), 118-122

成長の要件(松本 元)

脳と発達35:121(2003)

1、誕生から幼児期にかけて十分に甘やかし、生きることに対する確信 を得させること。

甘やかせるのは、子どもの側からの要求に親が応答することであっ て、子どもの側からの要求がないにも拘わらず、親が過度の世話をす る「甘やかし」とは異なる。

2、脳が自律的に目標を設定し、その目標の達成のために出力している 状態そのもの(その子の存在)を受容すること。

親が子にできることは、子どものいる環境をさりげなく整えること と、子どもにこうなって欲しいという姿を示すことであろう

3、人の生きる目的は、目標の達成ではなく成長すること。

目標はあくまで成長のための指標であり、高く成長していくための 手段である。成長の過程で失敗・挫折に遭遇し、愛にふれて挑戦のエ ネルギーを燃え上がらせることで人は輝き、結果として愛の人として 品格を向上させ、高い目標をも達成することに至る。

薬について

軽度発達障害の薬物療法

・薬物療法は「溺れそうな人を緊急に助ける浮き輪」である。

・脳高次機能障害が特定の神経伝達物質系に生じている可能性があり、

その機能低下には刺激薬剤を、機能亢進には抑制薬剤を選択する。

・軽度発達障害をもつ大人や子どもは、薬剤への感受性が高い人が多く、

使用量は標準量の1/2〜1/4くらいの量で十分な場合が多い。

(過剰投与は副作用をもたらす)

・薬剤を1/2〜1/4分割して1/2錠から開始し1/4錠づつ増や しながら効果と副作用を確認していくのがよい。

・副作用があれば、1回量を減らし副作用がなくなってから再び少量づ つ増やすか、分割服用するか、拮抗する性質の薬(リタリン vs SSR I)を服用する。

・服用薬についての説明を十分に受け、資料やチェックリストなどを入 手して、効果と副作用を的確に判断する。

・中枢神経作用薬どうしは拮抗・相乗作用が起るので注意する。

リタリン (中枢神経刺激剤)

・作用起序:神経シナプスでのアドレナリン・ドーパミン濃度を上昇させる。

・効果症状:苦手なことでの注意集中を可能にする。注意集中力を高めて作 業能率がアップする。運動機能を向上させる。感情表現が豊かになり、

会話がスムーズになる。

・効果時間:服用1時間で効果のピークがあり、3〜5時間は効果が持続す る(個人差あり)

・服用量:1回量で57.51012.515mg(個人差あり)1日に朝1回

(または朝、昼1回づつ)学校がある平日に服用し、土日は服用しない

(ドラッグホリデー)

・副作用:①食欲不振・吐気・腹痛などの消化器症状 ②頭痛・不眠・振 戦・動機など交感神経刺激症状 ③過剰鎮静・リバウンド・イライラ感

(過剰効果と離脱症状) ④不安・こだわり(強迫のある人)⑤興奮

(側頭葉異常のある人)

・併用薬:気管支拡張剤は交感神経刺激症状を強める。抗ヒスタミン剤・抗 アレルギー剤は覚醒作用を打ち消す。

てんかんがあっても使用できる。チックを誘発することあり。

SSRI(選択的セロトニン再吸収阻害剤)

ルボックス (25mg) ・パキシル (10mg)

・作用起序:神経シナプスでのセロトニン濃度を上昇させる。

・標的症状:① 抗うつ作用(元気がでない、イライラす る)② 抗強迫作用(やらないと気がすまない)③ 抗パ ニック作用(不安でどうしてよいかわからなくなる)④ 抗過食作用(食べないと気がすまない)⑤ 月経前症候群

(うつ・激怒・過敏・不安・頭痛)

・服用量:夕食後または寝る前に1回、ルボックス12.5~25mg、 パキシル2.5~5~10mg、(朝がよい場合がある)

・効果時間:早ければ服用翌日から効果が現れることがある。

通常は4〜7日頃から効果が確認できる。

・副作用:服用初期に一過性に現れる軽いもの(不安・焦 燥・神経過敏・気分高揚・眠気・頭痛/めまい・口渇・無 気力・倦怠感)まれに重度の不安や焦燥。消化器症状(悪 心・嘔気・便秘・下痢)

ドキュメント内 発達障害を知る (ページ 155-179)

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