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H 体育理論

ドキュメント内 保健体育 (ページ 194-200)

[第1学年及び第2学年]

 体育理論の内容は,体育分野における運動の実践や保健分野との関連を図りつ つ,豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成するため,第1学 年では,運動やスポーツの多様性を,第2学年では,運動やスポーツの効果と学 び方を,第3学年では文化としてのスポーツの意義を中心に構成されている。

 また,これらの内容は,主に,中学校期における運動やスポーツの合理的な実 践や生涯にわたる豊かなスポーツライフを送る上で必要となる運動やスポーツに 関する科学的知識等を中心に示している。

 これらの内容について学習したことを基に,思考し,判断し,表現する活動を 通して,体育の見方・考え方を育み,現在及び将来における自己の適性等に応じ た運動やスポーツとの多様な関わり方を見付けることができるようにすることが 大切である。

 なお,運動に関する領域との関連で指導することが効果的な内容については,各 運動に関する領域の「知識及び技能」で扱うこととしている。また,体育理論は 各学年で3単位時間程度としていることから,体育分野の他の運動に関する領域 との関連を図りつつ,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性 等」を育成するものとする。

○ 運動やスポーツの多様性 ア 知識

(1)運動やスポーツが多様であることについて,課題を発見し,その解決を 目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 運動やスポーツが多様であることについて理解すること。

 (ア)運動やスポーツは,体を動かしたり健康を維持したりするなどの必要 性及び競い合うことや課題を達成することなどの楽しさから生みだされ 発展してきたこと。

 (イ)運動やスポーツには,行うこと,見ること,支えること及び知ること などの多様な関わり方があること。

 (ウ)世代や機会に応じて,生涯にわたって運動やスポーツを楽しむために は,自己に適した多様な楽しみ方を見付けたり,工夫したりすることが 大切であること。

第2章保健体育科の 目標及び内容

 運動やスポーツの合理的な実践を通して,楽しさや喜びを味わい,それらを 生涯にわたる豊かに実践できるようにするとともに,見る,支える,知るなど の多様な関わり方を通して,生きがいや身近な文化と捉えることができるよう にするためには,人はなぜ運動やスポーツを行うのかといった必要性や楽しさ,

運動やスポーツを通した多様な関わり方や楽しみ方について理解するとともに,

運動やスポーツの多様性に関心をもち,自分と運動やスポーツとの関わり方に ついて,思考し,判断し,表現できるようにする必要がある。

 このため,本内容では,運動やスポーツは人々の多様な必要性や独自の楽し さによって支えられ発展してきたこと,運動やスポーツには,する,みる,支 える及び知るなどの多様な関わり方があること,体を動かす楽しさ,運動やス ポーツの特性や魅力に応じた楽しさ,人々と協働する楽しさなどを味わう多様 な楽しみ方があることなどを中心として構成している。

運動やスポーツの多様性

(ア)運動やスポーツの必要性と楽しさ

(イ)運動やスポーツへの多様な関わり方

(ウ)運動やスポーツの多様な楽しみ方

(ア)運動やスポーツの必要性と楽しさ

 運動やスポーツは,体を動かしたり,健康を維持したりする必要性や,競 技に応じた力を試したり,記録等を達成したり,自然と親しんだり,仲間と 交流したり,感情を表現したりするなどの多様な楽しさから生みだされてき たことを理解できるようにする。

 運動やスポーツは,人々の生活と深く関わりながら,いろいろな欲求や必 要性を満たしつつ発展し,その時々の社会の変化とともに,その捉え方が,競 技としてのスポーツから,誰もが生涯にわたって楽しめるスポーツへと変容 してきたことを理解できるようにする。

 また,我が国のスポーツ基本法などを適宜取り上げ,現代におけるスポー ツの理念についても触れるようにする。

(イ)運動やスポーツへの多様な関わり方

 運動やスポーツには,「する,見る,支える,知る」などの多様な関わり方 があることを理解できるようにする。

 運動やスポーツには,直接「行うこと」に加えて,「見ること」には,例え ば,テレビなどのメディアや競技場等での観戦を通して一体感を味わったり,

2      各分野の目標 及び内容  

研ぎ澄まされた質の高い動きに感動したりするなどの多様な関わり方がある こと,「支えること」には,運動の学習で仲間の学習を支援したり,大会や競 技会の企画をしたりするなどの関わり方があること,「知ること」には,例え ば,運動やスポーツの歴史や記録などを書物やインターネットなどを通して 調べる関わり方があること,などの多様な関わり方があることを理解できる ようにする。

(ウ)運動やスポーツの多様な楽しみ方

 世代や機会に応じて,生涯にわたって運動を楽しむためには,自己に適し た運動やスポーツの多様な楽しみ方を見付けたり,工夫したりすることが大 切であることを理解できるようにする。

 健康を維持したりする必要性に応じて運動を実践する際には,体つくり運 動の学習を例に,体を動かすことの心地よさを楽しんだり,体の動きを高め ることを楽しんだりする行い方があることを理解できるようにする。

 競技に応じた力を試す際には,ルールやマナーを守りフェアに競うこと,世 代や機会に応じてルールを工夫すること,勝敗にかかわらず健闘を称え合う 等の行い方があることなどを理解できるようにする。

 自然と親しんだり,仲間と交流したり,感情を表現したりする際には,互 いの違いやよさを肯定的に捉えて自己やグループの課題の達成を楽しむ等の 仲間と協働して楽しむ行い方があることを理解できるようにする。

 その際,生涯にわたる豊かなスポーツライフを実現するためには,目的や 年齢,性の違いを超えて運動やスポーツを楽しむことができる能力を高めて おくことが有用であること,運動やスポーツを継続しやすくするためには,自 己が意欲的に取り組むことに加えて,仲間,空間及び時間を確保することが 有効であることについても必要に応じて取り上げるようにする。

イ 思考力,判断力,表現力等

(1)運動やスポーツが多様であることについて,課題を発見し,その解決を 目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

イ 運動やスポーツが多様であることについて,自己の課題を発見し,より よい解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝えること。

 運動やスポーツの必要性と楽しさ,運動やスポーツへの多様な関わり方,運 動やスポーツの多様な楽しみ方について,習得した知識を活用して,運動やス

第2章保健体育科の 目標及び内容

ポーツとの多様な関わり方や楽しみ方についての自己の課題を発見し,よりよ い解決に向けて,思考し判断するとともに,自己の意見を言語や記述を通して 他者に伝えられるようにする。

ウ 学びに向かう力,人間性等

(1)運動やスポーツが多様であることについて,課題を発見し,その解決を 目指した活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ウ 運動やスポーツが多様であることについての学習に積極的に取り組むこ と。

 運動やスポーツが多様であることを理解することや,意見交換や学習ノート の記述などの,思考し判断するとともにそれらを表現する活動及び学習を振り 返る活動などに積極的に取り組むことを示している。

○ 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方 ア 知識

(2)運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方について,課題を 発見し,その解決を目指した活動を通して,次の事項を身に付けることが できるよう指導する。

ア 運動やスポーツの意義や効果と学び方や安全な行い方について理解する こと。

 (ア)運動やスポーツは,身体の発達やその機能の維持,体力の向上などの 効果や自信の獲得,ストレスの解消などの心理的効果及びルールやマナ ーについて合意したり,適切な人間関係を築いたりするなどの社会性を 高める効果が期待できること。

 (イ)運動やスポーツには,特有の技術があり,その学び方には,運動の課 題を合理的に解決するための一定の方法があること。

 (ウ)運動やスポーツを行う際は,その特性や目的,発達の段階や体調など を踏まえて運動を選ぶなど,健康・安全に留意する必要があること。

 運動やスポーツの合理的な実践を通して,生涯にわたり豊かに運動やスポー ツに親しむ資質・能力を育てるとともに健康の保持増進を図るためには,その 意義や効果,学び方,安全に運動やスポーツを行う必要性やその方法について

ドキュメント内 保健体育 (ページ 194-200)