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A 体つくり運動

ドキュメント内 保健体育 (ページ 49-68)

[第1学年及び第2学年]

 体つくり運動は,体ほぐしの運動と体の動きを高める運動及び実生活に生かす 運動の計画で構成され,自他の心と体に向き合って,体を動かす楽しさや心地よ さを味わい,心と体をほぐしたり,体の動きを高める方法を学んだりすることが できる領域である。

 小学校では,体つくり運動で学んだことを授業以外でも行うことをねらいとし た学習をしている。

 中学校では,これらの学習を受けて,より具体的なねらいをもった運動を行い,

学校の教育活動全体や実生活で生かすことが求められる。

 したがって,第1学年及び第2学年では,体を動かす楽しさや心地よさを味わ い,体つくり運動の意義と行い方,体の動きを高める方法などを理解するととも に,目的に適した運動を身に付け,組み合わせることができるようにする。その 際,自己の課題を発見し,合理的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫すると ともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにすることが 大切である。また,体つくり運動の学習に積極的に取り組み,仲間の学習を援助 することや一人一人の違いに応じた動きなどを認めることなどに意欲をもち,健 康や安全に気を配ることができるようにすることが大切である。

 なお,指導に際しては,知識の理解を基に運動を組み合わせたり,運動を組み 合わせることで一層知識を深めたりするなど,知識と運動を関連させて学習させ ることや,「知識及び運動」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人 間性等」の内容をバランスよく学習させるようにすることが大切である。

(1)知識及び運動

 体つくり運動について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(1)次の運動を通して,体を動かす楽しさや心地よさを味わい,体つくり運 動の意義と行い方,体の動きを高める方法などを理解し,目的に適した運 動を身に付け,組み合わせること。

 ア 体ほぐしの運動では,手軽な運動を行い,心と体との関係や心身の状 態に気付き,仲間と積極的に関わり合うこと。

 イ 体の動きを高める運動では,ねらいに応じて,体の柔らかさ,巧みな 動き,力強い動き,動きを持続する能力を高めるための運動を行うとと もに,それらを組み合わせること。

2      各分野の目標 及び内容  

○ 知識

 体つくり運動の意義では,自他の心と体に向き合って心と体をほぐし,体 を動かす楽しさや心地よさを味わい,進んで運動に取り組む気持ちを高めた り,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動きを持続する能力を高めた りするといった意義があることを理解できるようにする。

 体つくり運動の行い方では,体ほぐしの運動においては,心と体の関係や 心身の状態に気付く,仲間と積極的に関わり合うといったねらいに応じた行 い方があることを理解できるようにする。その際,一つの行い方においても,

複数のねらいが関連していることを併せて理解できるようにする。また,体 の動きを高める運動においては,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動 きを持続する能力などを,それぞれ安全で合理的に高めることのできる適切 な運動の行い方があることを理解できるようにする。

 体の動きを高める方法では,ねらいや体力の程度に応じて,適切な強度,時 間,回数,頻度などを考慮した運動の組合せが大切であることを理解できる ようにする。

 などの例には,運動の組合せ方がある。これは,自己の健康や体力の状態 に応じて,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動きを持続する能力を,

それぞれ効率よく高めることができる組合せ方や,これらの体の動きをバラ ンスよく高めることができる組合せ方があることを理解できるようにする。

 指導に際しては,動きの獲得を通して一層知識の大切さを実感できるよう にすることや知識を活用し課題を発見・解決するなどの「思考力,判断力,表 現力等」を育む学習につながるよう,汎用性のある知識を精選した上で,知 識を基盤とした学習の充実を図ることが大切である。

〈例示〉

・体つくり運動の意義には,心と体をほぐし,体を動かす楽しさや心地よ さを味わう意義があること。

・体つくり運動の意義には,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,動 きを持続する能力を高める意義があること。

・「体ほぐしの運動」には,「心と体の関係や心身の状態に気付く」,「仲間 と積極的に関わり合う」というねらいに応じた行い方があること。

・体の動きを高めるには,安全で合理的に高める行い方があること。

・体の動きを高めるには,適切な強度,時間,回数,頻度などを考慮して 組み合わせる方法があること。

・運動の組合せ方には,効率のよい組合せとバランスのよい組合せがある こと。

第2章保健体育科の 目標及び内容

○ 運動

ア 体ほぐしの運動

 手軽な運動とは,誰もが簡単に取り組むことができる運動,仲間と協力し て楽しくできる運動,心や体が弾むような軽快な運動を示している。

 心と体の関係や心身の状態に気付きとは,運動を通して,体がほぐれると 心がほぐれたり,心がほぐれると体がほぐれたりするように,自己の心と体 は互いに関係していること,さらに,他者の心と体とも関わり合っているこ とに気付くことである。また,自らの心が軽くて解放された状態なのか重く 沈んだ状態なのかを自覚したり,体の動かし方には個人差があることなどに 気付いたりすることである。

 仲間と積極的に関わり合うとは,共に運動する仲間と進んで協力したり助 け合ったりすることで,楽しさや心地よさが増すように関わりをもつことで ある。

 このように体ほぐしの運動は,心と体の関係や心身の状態に気付くこと,仲 間と積極的に関わり合うことをねらいとして行われる運動である。

 指導に際しては,これらのねらいを関わり合わせながら,運動を経験する だけでなく,心や体の状態を軽やかにし,ストレスの軽減にも役立つなど,自 他の心と体の関係や心身の状態を確かめながら学ぶことができるように留意 することが大切である。

〈行い方の例〉

・のびのびとした動作で用具などを用いた運動を行うことを通して,気付 いたり関わり合ったりすること。

・リズムに乗って心が弾むような運動を行うことを通して,気付いたり関 わり合ったりすること。

・緊張したり緊張を解いて脱力したりする運動を行うことを通して,気付 いたり関わり合ったりすること。

・いろいろな条件で,歩いたり走ったり跳びはねたりする運動を行うこと を通して,気付いたり関わり合ったりすること。

・仲間と動きを合わせたり,対応したりする運動を行うことを通して,気 付いたり関わり合ったりすること。

・仲間と協力して課題を達成するなど,集団で挑戦するような運動を行う ことを通して,気付いたり関わり合ったりすること。

イ 体の動きを高める運動

 体の動きを高める運動の体の動きとは,体の柔らかさ,巧みな動き,力強

2      各分野の目標 及び内容  

い動き,動きを持続する能力の総称を示している。それぞれの動きを高める ための運動を行い,調和のとれた体力を高めることが大切である。

 ねらいに応じて運動を行うとは,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き,

動きを持続する能力を高めるためのねらいを設定して,自己の健康や体力の 状態に応じて,体の動きを高める運動を行ったり組み合わせたりすることを 示している。

 体の柔らかさを高めるための運動とは,全身や体の各部位を振ったり回し たりすることや,曲げたり伸ばしたりすることによって体の各部位の可動範 囲を広げることをねらいとして行われる運動である。

 指導に際しては,体のどの部位が伸展や収縮をしているのかを意識できる ようにすることが大切である。また,可動範囲を徐々に広げたり,負荷の少 ない動的な運動から始めたりして行うようにすることが大切である。

〈行い方の例〉

・大きくリズミカルに全身や体の各部位を振ったり,回したり,ねじった り,曲げ伸ばしたりすること。

・体の各部位をゆっくり伸展し,そのままの状態で約 10 秒間維持すること。

 巧みな動きを高めるための運動とは,自分自身で,あるいは人や物の動き に対応してタイミングよく動くこと,力を調整して動くこと,バランスをと って動くこと,リズミカルに動くこと,素早く動くことができる能力を高め ることをねらいとして行われる運動である。

 指導に際しては,ゆっくりした動きから素早い動き,小さい動きから大き い動き,弱い動きから強い動き,易しい動きから難しい動きへと運動を発展 させるようにすることが大切である。

〈行い方の例〉

・いろいろなフォームで様々な用具を用いて,タイミングよく跳んだり転 がしたりすること。

・大きな動作で,ボールなどの用具を,力を調整して投げたり受けたりす ること。

・人と組んだり,用具を利用したりしてバランスを保持すること。

・床やグラウンドに設定した様々な空間をリズミカルに歩いたり,走った り,跳んだり,素早く移動したりすること。

 力強い動きを高めるための運動とは,自己の体重,人や物などの抵抗を負 荷として,それらを動かしたり,移動したりすることによって,力強い動き

ドキュメント内 保健体育 (ページ 49-68)