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E 球技

ドキュメント内 保健体育 (ページ 126-148)

[第1学年及び第2学年]

 球技は,ゴール型,ネット型及びベースボール型などから構成され,個人やチ ームの能力に応じた作戦を立て,集団対集団,個人対個人で勝敗を競うことに楽 しさや喜びを味わうことのできる運動である。

 小学校では,「ゲーム」と「ボール運動」で簡易化されたゲームでルールを工夫 したり,チームの特徴に応じた作戦を立てたりして攻防を展開できるようにする ことをねらいとした学習に取り組んでいる。

 中学校では,これらの学習を受けて,基本的な技能や仲間と連携した動きを発 展させて,作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームが展開できるようにすること が求められる。

 したがって,第1学年及び第2学年では,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,球 技の特性や成り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力など を理解するとともに,基本的なボールや用具,バット操作と仲間と連携した動き で攻防を展開できるようにする。その際,攻防などの自己の課題を発見し,合理 的な解決に向けて運動の取り組み方を工夫するとともに,自己や仲間の考えたこ とを他者に伝えることができるようにすることが大切である。また,球技の学習 に積極的に取り組み,作戦などについての話合いに参加することや一人一人の違 いに応じたプレイなどを認めることなどに意欲をもち,健康や安全に気を配るこ とができるようにすることが大切である。

 なお,指導に際しては,知識の理解を基に運動の技能を身に付けたり,運動の 技能を身に付けることで一層知識を深めたりするなど,知識と技能を関連させて 学習させることや,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向か う力,人間性等」の内容をバランスよく学習させるようにすることが大切である。

(1)知識及び技能

 球技について,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

(1)次の運動について,勝敗を競う楽しさや喜びを味わい,球技の特性や成 り立ち,技術の名称や行い方,その運動に関連して高まる体力などを理解 するとともに,基本的な技能や仲間と連携した動きでゲームを展開するこ と。

 ア ゴール型では,ボール操作と空間に走り込むなどの動きによってゴー

第2章保健体育科の 目標及び内容

ル前での攻防をすること。

 イ ネット型では,ボールや用具の操作と定位置に戻るなどの動きによっ て空いた場所をめぐる攻防をすること。

 ウ ベースボール型では,基本的なバット操作と走塁での攻撃,ボール操 作と定位置での守備などによって攻防をすること。

○ 知識

 球技の特性や成り立ちでは,球技は,個人やチームの能力に応じた作戦を 立て,集団対集団,個人対個人で得失点をめぐる攻防を展開し,勝敗を競う 楽しさや喜びを味わうことのできる運動であること,ゲームの行い方の特徴 から,ゴール型,ネット型及びベースボール型などに大別できることを理解 できるようにする。

 また,古代より世界各地で様々な球技が行われてきたこと,近代に入り学 校で行う球技が開発され,普及してきたこと,今日ではオリンピック・パラ リンピック競技大会においても主要な競技として行われているといった成り 立ちがあることを理解できるようにする。

 技術の名称や行い方では,球技の各型の各種目において用いられる技術や 戦術,作戦には名称があり,これらの具体的な行い方や活用方法を理解でき るようにする。

 その運動に関連して高まる体力では,球技は,それぞれの型や運動種目で 主として高まる体力要素が異なることを理解できるようにする。例えば,球 技を継続することで,ゴール型では,主として巧緻性,敏捷性,スピード,全 身持久力などが,ネット型では,巧緻性,敏捷性,スピード,筋持久力など が,ベースボール型では,巧緻性,敏捷性,瞬発力,筋力などが型に求めら れる動きに関連して高められることを理解できるようにする。

 などの例には,試合の行い方がある。簡易な試合におけるルール,審判や 運営の仕方があることを理解できるようにする。

 指導に際しては,動きの獲得を通して一層知識の大切さを実感できるよう にすることや知識を活用し課題を発見・解決するなどの「思考力,判断力,表 現力等」を育む学習につながるよう,汎用性のある知識を精選した上で,知 識を基盤とした学習の充実を図ることが大切である。

〈例示〉

・球技には,集団対集団,個人対個人で攻防を展開し,勝敗を競う楽しさ や喜びを味わえる特性があること。

2      各分野の目標 及び内容  

・学校で行う球技は近代になって開発され,今日では,オリンピック・パ ラリンピック競技大会においても主要な競技として行われていること。

・球技の各型の各種目において用いられる技術には名称があり,それらを 身に付けるためのポイントがあること。

・対戦相手との競争において,技能の程度に応じた作戦や戦術を選ぶこと が有効であること。

・球技は,それぞれの型や運動種目によって主として高まる体力要素が異 なること。

○ 技能 ア ゴール型

 ゴール型とは,ドリブルやパスなどのボール操作で相手コートに侵入し,

シュートを放ち,一定時間内に相手チームより多くの得点を競い合うゲー ムである。ゴール型の学習においては,ゴール型の種目に共通する動きを 身に付けることが大切である。

 第1学年及び第2学年では攻撃を重視し,空間に仲間と連携して走り込 み,マークをかわしてゴール前での攻防を展開できるようにする。

 指導に際しては,ゴール前の空間をめぐる攻防についての学習課題を追 究しやすいようにプレイヤーの人数,コートの広さ,用具,プレイ上の制 限を工夫したゲームを取り入れ,ボール操作とボールを持たないときの動 きに着目させ,学習に取り組ませることが大切である。

 ボール操作とは,手や足などを使ってシュートやパスをしたり,ボール をキープしたりすることなどである。シュートは,ドリブルで運び込んだ ボールや味方から受けたボールを,得点をねらって相手ゴールに放つこと である。パスは,マークされていない味方にボールをつなぐことである。キ ープは,相手にボールを奪われないように保持することである。

 指導に際しては,ボール操作では相手や味方の動きを捉えることが重要 となるため,周囲を見ながらプレイさせることが大切である。

〈例示〉

・ゴール方向に守備者がいない位置でシュートをすること。

・マークされていない味方にパスを出すこと。

・得点しやすい空間にいる味方にパスを出すこと。

・パスやドリブルなどでボールをキープすること。

  空間に走り込むなどの動きとは,攻撃の際のボールを持たないときに,得

第2章保健体育科の 目標及び内容

点をねらってゴール前の空いている場所に走り込む動きや,守備の際に,シ ュートやパスをされないように,ボールを持っている相手をマークする動 きのことである。

〈例示〉

・ボールとゴールが同時に見える場所に立つこと。

・パスを受けるために,ゴール前の空いている場所に動くこと。

・ボールを持っている相手をマークすること。

イ ネット型

 ネット型とは,コート上でネットを挟んで相対し,身体や用具を操作し てボールを空いている場所に返球し,一定の得点に早く到達することを競 い合うゲームである。ネット型の学習においては,ネット型の種目に共通 する動きを身に付けることが大切である。

 第1学年及び第2学年ではラリーを続けることを重視し,ボールや用具 の操作と定位置に戻るなどの動きによって空いた場所をめぐる攻防を展開 できるようにする。

 指導に際しては,空いた場所への攻撃を中心としたラリーの継続につい ての学習課題を追究しやすいように,プレイヤーの人数,コートの広さ,用 具,プレイ上の制限を工夫したゲームを取り入れ,ボールや用具の操作と ボールを持たないときの動きに着目させ,学習に取り組ませることが大切 である。

  ボールや用具の操作とは,基本となる用具の握り方(グリップ),ボール を受ける前の身体や用具の構え方(準備姿勢)から,ボールを捉える位置 への移動の仕方(ステップ),腕や用具の振り方(テイクバックやスイン グ),ボールの捉え方(インパクト),ボールを捉えた後の身体や用具の操 作(フォロースルー)などで,身体や用具を操作してボールを味方につな いだり,相手側のコートに打ち返したりすることである。

〈例示〉

・サービスでは,ボールやラケットの中心付近で捉えること。

・ボールを返す方向にラケット面を向けて打つこと。

・味方が操作しやすい位置にボールをつなぐこと。

・相手側のコートの空いた場所にボールを返すこと。

・テイクバックをとって肩より高い位置からボールを打ち込むこと。

ドキュメント内 保健体育 (ページ 126-148)