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[第3学年]

ドキュメント内 保健体育 (ページ 38-49)

2      各分野の目標 及び内容  

うとする意思をもつことが大切であることを示している。

 互いに協力するとは,技能の向上や安全に学習を行うために,仲間の学習を援 助するなど仲間や組んだ相手と積極的に関わろうとする意思をもつことが大切で あることを示している。

 自己の役割を果たすとは,学習を円滑に進めるための準備や後片付けなどの分 担した役割に積極的に取り組もうとする意思をもつことが大切であることを示し ている。

 一人一人の違いを認めようとするとは,体力や技能,性別や障害の有無等によ る,動きや課題及び挑戦などに違いがあることに気付き,その違いを可能性とし て捉え,積極的に互いを認めようとする意思をもつことが大切であることを示し ている。

 健康・安全に留意しとは,運動による事故,けがなどを防止するためには,健 康・安全に対しては,意欲をもつだけでなく,自己の健康とともに,自己や仲間 の安全に対して,その行動化が求められることを示したものである。

 運動を行う際は,事故などが起こることもあるため,練習や試合を行うに当た っては,自己の健康状態や体力を十分に理解し,体育施設・用具等の安全を確か めるとともに,運動の難易度や自己の技能の程度を把握して行う必要がある。そ のためには,学習した健康・安全に関する知識を運動場面に当てはめ,場の安全 を確かめたり,安全な行動を選択できるようにしたりすることが大切であること を示している。

 自己の最善を尽くして運動をする態度を養うとは,体育理論や各領域で学習す る知識との関連を重視した運動の学習で,生徒が課題の解決に向けて,全力を出 して積極的に運動に取り組むという運動への愛好的な態度を育成することを目指 したものである。

 こうした自己の最善を尽くして運動をするなどの運動への愛好的な態度は,公 正に取り組む,互いに協力する,自己の役割を果たす,一人一人の違いを認めよ うとするなどの意欲や,健康・安全に留意する態度などの具体的な学習を通して 育成されるものである。

第2章保健体育科の 目標及び内容

(1)運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わい,生涯にわ たって運動を豊かに実践することができるようにするため,運動,体力の 必要性について理解するとともに,基本的な技能を身に付けるようにする。

(2)運動についての自己や仲間の課題を発見し,合理的な解決に向けて思考 し判断するとともに,自己や仲間の考えたことを他者に伝える力を養う。

(3)運動における競争や協働の経験を通して,公正に取り組む,互いに協力 する,自己の責任を果たす,参画する,一人一人の違いを大切にしようと するなどの意欲を育てるとともに,健康・安全を確保して,生涯にわたっ て運動に親しむ態度を養う。

 この目標は,中学校第3学年における「知識及び技能」,「思考力,判断力,表 現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の育成を目指す資質・能力を示したもの であるが,生徒が運動の合理的な実践を通して,運動の楽しさや喜びを味わうと ともに,これまで学習した知識や技能を身に付け,義務教育の修了段階において,

生涯にわたって運動を豊かに実践することができるようにすることを目指したも のである。

 次に,第3学年の体育分野の目標で新たに示された部分を解説すると次のとお りである。

 (1)の運動の楽しさや喜びを味わいとは,それぞれの運動が有する特性や魅力 に応じて,運動を楽しんだり,その運動の特性や魅力に触れたりすることが大切 であることを示したものである。第3学年では,第1学年及び第2学年での全て の領域の学習の経験を踏まえ,更に追求したい領域,新たに挑戦したい領域,課 題を克服したい領域など,選択した領域に応じて運動の楽しさや喜びを味わうこ とが大切であることを示している。

 生涯にわたって運動を豊かに実践することができるようにするとは,高等学校 との発達の段階のまとまりを踏まえて,卒業後も運動やスポーツに多様な形で関 わることができるようにすることを目指し,第3学年では,自己に適した運動の 経験を通して,義務教育の修了段階においての「生涯にわたって運動を豊かに実 践する」ための基礎となる知識や技能を身に付け,選択した運動種目等での運動 実践を深めることができるようにすることを示している。

 体力の必要性について理解するとは,第3学年では,興味,関心,運動習慣等 の個人差を踏まえ,運動に積極的に取り組む者とそうでない者,それぞれに応じ て体力の向上を図る能力を育てることの大切さを示したものである。義務教育の 修了段階においては,体力の向上を図る能力として,運動に関連して高まる体力

2      各分野の目標 及び内容  

やその高め方を理解するとともに,目的に適した運動の計画を立て取り組むこと ができるようにすることが大切である。

 (2)の運動についての自己や仲間の課題を発見しとは,各領域特有の特性や魅 力に応じた自己や仲間の課題を発見することを示している。第3学年では,よい 動きやつまずきのある動きの事例と自己の動きを比較して課題を発見したり,活 動を振り返るなどして課題を発見したりすることなどができるようにする。

 合理的な解決に向けて思考し判断するとは,運動の行い方や練習の仕方,仲間 との関わり方,健康・安全の確保の仕方,運動の継続の仕方など,これまで学習 した運動に関わる一般原則や運動に伴う事故の防止等の科学的な知識や技能を,

自己や仲間の課題に応じて,学習場面に適用したり,応用したりすることを示し ている。第3学年では,これまで学習した知識や技能を活用して,自己や仲間の 課題に応じた運動の取り組み方を工夫することができるようにする。

 (3)の公正に取り組むとは,運動独自のルールや仲間を称賛するなどのマナー を大切にしようとする意思をもつことが大切であることを示している。

 互いに協力するとは,自主的な学習を進めるため,仲間と助け合ったり教え合 ったりするなど仲間や組んだ相手と自主的に関わり合おうとする意思をもつこと が大切であることを示している。

 自己の責任を果たすとは,記録会や試合,発表会などを自主的に進める上で,仲 間と合意した役割に責任をもって自主的に取り組もうとする意思が大切であるこ とを示している。

 参画するとは,グループの課題などの話合いなどで,自らの意思を伝えたり,仲 間の意見を聞き入れたりすることを通して,仲間の感情に配慮して合意形成を図 ろうとするなどの意思をもつことが大切であることを示している。

 一人一人の違いを大切にしようとするとは,体力や技能の程度,性別や障害の 有無等にかかわらず,人には違いがあることに配慮し,よりよい環境づくりや活 動につなげようとすることに自主的に取り組もうとする意思をもつことが大切で あることを示したものである。

 健康・安全を確保してとは,自主的に取り組む生涯スポーツの実践場面を想定 して,体調に応じて運動量を調整したり,仲間や相手の技能・体力の程度に配慮 したり,用具や場の安全を確認するなどして,自己や仲間のけがや事故の危険性 を最小限にとどめるなど自ら健康・安全を確保できるようにする態度の育成が重 要であることを示したものである。

 生涯にわたって運動に親しむ態度を養うとは,第3学年で義務教育段階が修了

第2章保健体育科の 目標及び内容

となることから,これまでの学習を踏まえて身に付けさせたい運動への愛好的な 態度を示したものである。

 こうした,生涯にわたって運動に親しむなどの運動への愛好的な態度は,公正 に取り組む,互いに協力する,自己の責任を果たす,参画する,一人一人の違い を大切にしようとするなどの意欲や,健康・安全を確保する態度などの具体的な 学習を通して育成されるものである。

2 内 容

 体育分野の内容は,運動に関する領域及び知識に関する領域で構成されている。

運動に関する領域は,「A体つくり運動」,「B器械運動」,「C陸上競技」,「D水 泳」,「E球技」,「F武道」及び「Gダンス」であり,知識に関する領域は,「H体 育理論」である。

 運動に関する領域では,(1)知識及び技能(「体つくり運動」は知識及び運動),

(2)思考力,判断力,表現力等,(3)学びに向かう力,人間性等を内容として示 している。

 知識に関する領域では,「ア 知識」として,内容のまとまりごとの指導内容を 示した上で,(ア),(イ),(ウ)に具体的な指導内容を示している。また,「イ 思考力,

判断力,表現力等」,「ウ 学びに向かう力,人間性等」を内容として示している。

 さらに,内容の取扱いにおいて,学校や地域の実態に応じて,スキー,スケー トや水辺活動(野外活動)を加えて指導するとともに,能率的で安全な集団とし ての行動の仕方(集団行動)を各領域において適切に行うこととしている。

 運動に関する領域について,その内容構成及び共通する事項は,次のとおりで ある。

(1)知識及び技能(「体つくり運動」は知識及び運動)

○ 知識

 知識については,体の動かし方や用具の操作方法などの具体的な知識と,運 動の実践や生涯スポーツにつながる概念や法則などの汎用的な知識で示して いる。これは,生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けては,特定 の運動種目等の具体的な知識を理解することが学習の最終的な目的ではなく,

学習する運動種目等における具体的な知識と汎用的な知識との往還を図った り,運動に関する領域と体育理論等との関連を図る中で,各領域の特性や魅 力を理解したり,運動やスポーツの価値等を理解したりすることができるよ う,知識に関する学習指導の更なる充実が求められるためである。

ドキュメント内 保健体育 (ページ 38-49)