5.4 BVP 発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析
5.4.3 バースト発生機序にみられる分岐と応答の変化
5.4.3.2 高調波同期化領域周辺にみられるバースト発振
2〜5-高調波同期化領域周辺における分岐図と主な位相平面図と時間波形図を図5.4.14,5.4.15, 主な領域にみられる図に対応する回路実験結果を図5.4.16,5.4.17に示す.まず,G12−1で囲まれ る領域では,巻き数2の1周期解がみられ,NS分岐より上部においても同様の解がみられる.こ れら領域は,2-高調波同期化領域と呼ばれ,この領域内では,正弦波と発振器の周波数が1:2で同 期している.また,基本調波同期化領域とは異なり,同期化領域内にG12−2で囲まれる領域が存 在する.このG12−2で囲まれる領域内では,2つの安定した巻き数2の1周期解が観測される.さ
5.4. BVP発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析 69
i
Ci
Gi
rC G
L
R v
E
1
i
E
1R
22
図5.4.8: 電池を加えたBVP発振器.
らに,同期化領域を形成する分岐の1つであるN S41がG12−2で囲まれる領域内を横断している.
このN S41分岐曲線により,2つに領域分割されており,上記した2つの安定した巻き数2の1周 期解が観測されるのは,右半分であり,左半分では,図5.4.14-(h)にあたる周期解がNS分岐によ りカオスとなる.また,I21において,N S51,N S61と接している点より上部のI21分岐曲線内では,
様々な分数調波解,または,カオスが観測される.一例として,I21分岐を経た直後の2周期解を 図5.4.14-(i)に示す.これらの図から,2-高調波同期化領域内でみられる1周期解,I21分岐曲線内 の2周期解は,巻き数が2であり,領域内でみられるすべての安定した周期解は,バースト様に なっていることが分かった.次に図5.4.15においては,接線分岐,周期倍分岐がNS分岐の前後 に連続して存在している.各接線分岐で囲まれる領域にはそれぞれ,G13内には正弦波と発振器の 周波数が1:3,G14内には1:4,G15内には1:5で同期している解がみられる.また,各解が周期倍 分岐により2周期解になっていることが図fig:fig13より分かる.これらの高調波解は,時間波形 図をみると前節で述べた分数調波解と同様にバースト発振となっている.しかし,G12−2,G13,G14
,G15で囲まれる領域にみられる解は,外力1に対して回路の発振周波数が1ずつ増加する.それ に対して,分数調波解は各周期の接線分岐により発生する周期解の周期に対して外力の周期が1 つずつ増加している.このことから,高調波解,分数調波解ともに同じ巻き数でスパイク本数が 同じ現象がみられても入力刺激に対する応答の観点ではまったく異なっていることが分かる.
-0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
B
0→
a →
G I
III
II h
図5.4.9: 平衡点と周期解の分岐図.
-1 0 1
0 100 200 300 400
x →
τ →
図5.4.10: 時間波形図(計算結果).
5.4. BVP発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析 71
図5.4.11: 時間波形図(回路実験).
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
B →
Ω → G
11NS
13G
3G
4G
11G
11NS
12NS
11NS
21
I
1I
2G
2G
3-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → Ω B
(f) : = 0.487, = 0.28 Ω= 0.55, = 0.30B (a) : Ω= 0.78, = 0.05B
Ω B
(c) : = 0.90, = 0.15
Ω B
(b) : = 0.85, = 0.05
Ω B
(h) : = 0.61, = 0.14 Ω B
(g) : = 0.574, = 0.134 Ω B
(e) : = 0.51, = 0.21
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
(d) :
図5.4.12: 系(5.4.9)における周期解の分岐図.
5.4. BVP発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析 73
(a)
(d) (b)
(c)
(g) (h)
図5.4.13: 図5.4.12中の(a)–(d),(g),(h)に対応する実験結果.
Ω B
(j) : = 0.355, = 0.355 (k) : Ω= 0.355, = 0.355B
Ω B
(l) : = 0.314, = 0.35 (i) : Ω= 0.39, = 0.25B
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
0.28 0.32 0.36 0.4 0.44
B →
Ω →
NS
13NS
14NS
151
I
2NS
16G
12-1G
12-1G
12-1G
12-2-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
図5.4.14: 系(5.4.9)における周期解の分岐図.
5.4. BVP発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析 75
Ω B
(n) : = 0.23, = 0.40 Ω B
(p) : = 0.174, = 0.42 Ω B
(r) : = 0.149, = 0.40
Ω B
(m) : = 0.257, = 0.257 Ω B
(o) : = 0.195, = 0.33 Ω B
(q) : = 0.155, = 0.32
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ → -2
-1 0 1 2
-2 -1 0 1 2
y →
x →
-2 -1 0 1 2
0 100 200 300 400
x →
τ →
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
0.12 0.16 0.2 0.24 0.28
B →
Ω →
G
13G
13G
14G
14G
15G
151
I
1NS
16NS
17NS
18NS
19NS
110NS
111図5.4.15: 系(5.4.9)における周期解の分岐図.
(i) (m)
(n) (o)
図5.4.16: 図5.4.12中の(a)–(d),(g),(h)に対応する実験結果.
5.4. BVP発振器を用いたバースト発振モデルの構築と解析 77
(p) (q)
(r)
図5.4.17: 図5.4.12中の(a)–(d),(g),(h)に対応する実験結果.