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バースト発振モデルにおける分岐解析

5.2 FHN モデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析

5.2.2 バースト発振モデルにおける分岐解析

系(5.2.1)において,a= 0.7,b= 0.8,c= 2.0,B0 =0.45 と固定する.このとき,正弦波 が加わっていない自律系では,それぞれ一つずつ安定なリミットサイクルと不安定平衡点が存在 し,系の状態は発振状態である.この状態において,正弦波の周波数ω と振幅 B の領域におい て分岐図を求めた.以下,B の範囲を0.0≤B 0.1とした場合の解析を行なう.

5.2.3 0.4≤ω≤1.0 の領域

0.4≤ω 1.0の領域における分岐図を図5.2.3に示す.図中Gは接線分岐,I は周期倍分岐を 表し,右上添字は周期を表す.また,図5.2.3の各点における位相平面図と時間波形図を図5.2.4 に示す.時間波形図において,応答は実線,外力は破線で表している.これらの図から,点eh を含む接線分岐で形成される同期化領域内において連続的に発火している 1 周期解が観測され,

また,同期化領域内に存在する周期倍分岐の連鎖により,点 h 1 周期解だったものが点 i は2周期解,点jでは カオスが観測される.一方,同期化領域外の振幅B の小さいところでは,

点f のような準周期解が観測され,振幅の値を上昇させると 点 gにおいてカオスが観測される.

これらの結果から,0.4≤ω 1.0 の領域内では,連続発火している周期解,準周期解,または,

バーストタイプのカオスが観測されることが分かった.

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

0.4 0.6 0.8 1

B

ω → G

11

G

11

1

I

1

I

12

e f

g h

j i

5.2.3: (5.2.1)における分岐図.

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

e(ω= 0.650, B= 0.020)f(ω= 0.700, B= 0.020)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

g(ω= 0.750, B= 0.040)h(ω= 0.550, B= 0.045)

5.2. FHNモデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析 45

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

i(ω= 0.528, B= 0.045)j(ω= 0.5245, B= 0.045)

5.2.4: 5.2.3の各点における位相平面図と時間波形.

5.2.3.1 0.26≤ω 0.4 の領域

0.26 ω 0.4の領域における分岐図を図5.2.5に示す.また,図5.2.5上の点 e〜l に対応す る位相平面図と時間波形図を図5.2.6に示す.図5.2.5において,接線分岐により,同期化領域が 形成されており,その領域内の点e では,1 周期解が観測され,波形は,周期的な単一スパイク 応答となっている.また,周期倍分岐により,点 f では,2 周期解となり,波形は,周期的な単 一スパイク応答,点 gでは,周期倍分岐連鎖により,バーストタイプのカオスとなっている.ま た,同領域内の点hでは,連続発火している1 周期解が周期倍連鎖により,点iでは,連続発火 している2周期解,点jでは,バーストタイプのカオスが観測される.一方,同期化領域外では,

前節と同様の結果となっている.次に,点 e〜j,lが存在する B = 0.07 に固定し,最大リヤプ ノフ指数を求めた.求めた図を図5.2.7に示す.この図から,点g,j,lにおいて最大リヤプノフ 指数がそれぞれ正の値をとっていることからもカオスであることが確認できた.これらの結果か ら,同期化領域内において,連続発火,または周期的な単一スパイクを形成する1 周期解が存在 し,それぞれが周期倍連鎖によりバーストタイプのカオスとなっていることが分かった,

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

0.26 0.28 0.3 0.32 0.34 0.36 0.38 0.4

B

ω → G

12

G

12

I

13

I

14

f e h g

j i

k l

5.2.5: (5.2.1)における分岐図.

5.2. FHNモデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析 47

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

e(ω= 0.370, B= 0.070)f(ω= 0.355, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

g(ω= 0.330, B= 0.070)h(ω= 0.310, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

i(ω= 0.298, B= 0.070)j(ω= 0.296, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

k(ω= 0.381, B= 0.030)l(ω= 0.381, B= 0.070)

5.2.6: 5.2.5の各点における位相平面図と時間波形.

5.2. FHNモデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析 49

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2

0.26 0.28 0.3 0.32 0.34 0.36 0.38 0.4

ν →

ω →

l

j g

5.2.7: 最大リヤプノフ指数.

5.2.3.2 0.19≤ω 0.26 の領域

0.19≤ω≤0.26の領域における分岐図を図5.2.8に示す.また,図5.2.8上の点 eoに対応す る位相平面図と時間波形図を図5.2.9に示す.これらの図から,図5.2.8において,これまでと同 様にG13により,同期化領域が形成されているが,これまでの結果と違い同期化領域形成に関わっ ていない G14 が存在している.そのG14 の内部の点e では,1 周期解が観測され,波形は,周期 的な単一スパイク応答が観られまた,周期倍連鎖により,点f では2 周期解,点gではバースト タイプのカオスとなっている.そして同期化領域内の点 hで観られるスパイクが2つ連続に発生 するバーストが観られる 1 周期解,また,点 k で観られる,連続発火している 1 周期解が周期 倍連鎖により,それぞれ点 jmにおいて,バーストタイプのカオスが観測される.次に,点 e f,gが存在する B = 0.095,点h〜m,oが存在するB = 0.07にそれぞれ固定し,最大リヤプノ フ指数を求めた.求めた図を図5.2.10,5.2.11に示す.この図から,点g,j,m,oにおいて最大 リヤプノフ指数がそれぞれ正の値をとっていることからもカオスであることが確認できた.これ らの結果から,同期化領域内において,連続発火,または,スパイクが2つ連続に発生するバー ストを形成する1 周期解が存在し,また,振幅 B が大きい所では,周期的な単一スパイクを形 成する1 周期解が存在し,それぞれが周期倍連鎖によりバーストタイプのカオスとなっているこ とが分かった.

0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1

0.19 0.2 0.21 0.22 0.23 0.24 0.25 0.26

B

ω → G

13

G

13

G

14

I

16

I

15

I

17

e

i h

n k o

g f

m j l

5.2.8: (5.2.1)における分岐図.

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

e(ω= 0.255, B= 0.095)f(ω= 0.253, B= 0.095)

5.2. FHNモデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析 51

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

g(ω= 0.252, B= 0.095)h(ω= 0.230, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

i(ω= 0.2205, B= 0.070)j(ω= 0.2195, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

k(ω= 0.205, B= 0.070)l(ω= 0.2019, B= 0.070)

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

k(ω= 0.2012, B= 0.070)l(ω= 0.238, B= 0.030)

5.2. FHNモデルを用いたバースト発振モデルの構築と解析 53

-2 -1 0 1 2

-3 -2 -1 0 1 2 3

y

x

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400

x

t

k(ω= 0.238, B= 0.070)

5.2.9: 5.2.8の各点における位相平面図と時間波形.

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2

0.25 0.252 0.254 0.256 0.258 0.26

ν →

ω → g

5.2.10: 最大リヤプノフ指数.

-1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2

0.19 0.2 0.21 0.22 0.23 0.24 0.25 0.26

ν →

ω →

m j o

5.2.11: 最大リヤプノフ指数.