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gap junction によって結合される MFHN モデルと分岐

0 0.1 0.2 0.3 0.4

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

g

z

2

G SN

s

I

LC

G G G G G

I

I

I I

I

I

1 1

2

2

3

4 6 5

2 3

4

5

6

6.2.2: z2-g平面における平衡点とリミットサイクルの分岐図.

と分岐を経てニューロン1は発火し,上部I2より上では,図6.2.3-(2)に示す周期解が観測され る.また,両モデルの発火タイミングの位相のずれが生じている.この周期解はI2を経て2周期 解となり,分岐直後は,2巻きとも0以上のピーク値をもつが,gの減少により1巻きが徐々に減

少し,図6.2.3-(3)に示す2つのピークのうち1つが発火した波形となる.さらに,gを減少させ

ていくと,近接して存在するGIの分岐集合を通過するごとに,図6.2.3-(4)–(7)に示すように 1周期中の巻き数が3巻き,4巻きと巻き数が1ずつ増加している.しかし,スパイク数は変わら ず1つだけであり,発火間隔が巻き数分だけ長くなっている.そして,さらにgを減少させG6よ りも下部のパラメータ領域では,ニューロン1は閾値下振動を示す.

6.2. GAP JUNCTION によって結合されるMFHNモデルと分岐 85

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(1): z2 = 0.5,g= 0.1

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(2): z2 = 0.6g= 0.26

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(3): z2 = 0.6g= 0.23

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(4): z2 = 0.8,g= 0.20

6.2.3: 6.2.2の各点において観測される時間波形図.

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(5): z2 = 0.8g= 0.17

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(6): z2 = 0.8,g= 0.15

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(7): z2 = 0.8,g= 0.115

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(8): z2 = 0.9g= 0.2253

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(9): z2 = 0.63,g= 0.179

6.2.3: 6.2.2の各点において観測される時間波形図.

これら巻き数が異なる周期解の棲み分けの役割を果たしている近接するGIの分岐集合は,

お互いが交差する点が存在し,それらの位置的関係の違いにより両曲線に囲まれる領域にみられ る現象が異なる(図6.2.4).まず,Gが上部,Iが下部に存在する領域では,巻き数が1つ少ない 周期がgを減少させることにより,Iを経て周期倍分岐が発生するが,安定に存在せず巻き数が1 つ増加した解へと系の状態は移行し,この状態からは,gを増加させるとGにより周期解は消滅 し,巻き数が1つ少ない周期へと系の状態は移行する.つまり,GIの曲線に挟まれた領域で は,巻き数の数が1つ異なる周期解が共存する.一方で,Gが下部,Iが上部に存在する領域で は,巻き数が1つ少ない周期がgを減少させることにより,Iを経て周期解分岐が発生し2周期 解となり,その後,周期倍分岐連鎖によりカオスとなる.例として,G3I4に挟まれる領域で

6.2. GAP JUNCTION によって結合されるMFHNモデルと分岐 87 観測されるカオスを図6.2.3-(8)に示す.このカオスは,下部のGにより消滅し,巻き数が1つ増 加した解へと系の状態は移行する.また,下部のI2ラインに沿って幾つかの分岐曲線が収束して いるが,この領域近辺においても,上記の分岐構造により図6.2.2-(9)に示すカオスが存在してい る.以上の結果から,gが大きなところでは,単純なスパイク列のみが観測されるが,gを減少さ せていくと,分岐現象により巻き数が1つずつ増加していく,つまり,スパイク間隔が大きくな ることが明らかとなった.これは,単体モデルがClass 1の発火特性をもつため,つまり,刺激電 流に対する発火周波数範囲が広いために発生している現象であると考えられる.また,異なる巻 き数の周期解が存在する領域の境界線となる接線分岐と周期倍分岐の位置関係により,巻き数が 1つことなる周期解が共存する領域や周期倍分岐連鎖によりカオスへと進展する領域が存在する ことが分かった.さらに分岐現象を介さず周期解の大きさが変動する現象があり,スパイク列と して時間波形を捉えた時にその現象の前後で時間波形の持つ意味が変わることが明らかとなった.

bistability

"n" peaks

(in subthreshold oscillation)

"n+1" peaks

(in subthreshold oscillation)

G

I

chaos

"n" peaks

(in subthreshold oscillation)

"n+1" peaks

(in subthreshold oscillation)

I

G

6.2.4: 接線分岐と周期倍分岐によって囲まれた領域の模式図.

次に,Class 2特性を示す単体モデル同士をgap junction結合した系について解析を行う.パラ メータは.a= 0.88, b= 1.0, c= 3.0, d= 2.2と固定し,先程同様にNeuron-1に対する外部刺激 電流をz1 = 0.3と固定している.z2-g平面において求めた分岐図を図6.2.5に示す.ここで,図 中の記号AHは,subcritical Andronov-Hopf分岐,Gは周期解の接線分岐,Iは周期倍分岐を表 しており,右下添え字は,同じ分岐記号を区別するためのものである.

図6.2.5において,AH曲線より左側の領域は,両ニューロンとも静止状態である.この状態でか

つ,gの値が小さいパラメータ領域からzを増加させることによってAHを越えると,図6.2.6-(1) に示すように,両ニューロンとも小振幅を示す発振状態へと移行する.この時,直接外力が加え られていないNeuron-1は平衡点付近の非常に小さな振幅を示している.さらに,この状態から zを増加させると,Neuron-2のみが大振幅発振を示す(図6.2.6-(2)).一方,gが比較的大きい領

域では,Neuron-2から受ける影響も大きいため,両ニューロンの振幅はほぼ同じ値を示してる.

(6.2.6-(3),図6.2.6-(4)) また,これら分岐の過程において,AH直後に幾つかの接線分岐,周 期倍分岐曲線が密接しており,非常に狭い領域で様々な発火現象が観測される.

0 0.1 0.2 0.3 0.4

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1

g

z 2

G AH

2

I

I I

1

3 2

G

1

6.2.5: z2-g平面における平衡点とリミットサイクルの分岐図.

6.2. GAP JUNCTION によって結合されるMFHNモデルと分岐 89 次に,zgともに大きい領域からの発火現象の変化を観測する.まず,図6.2.6-(5)に示す両 ニューロンが発火している状態から,gを減少させることにより,I1を通過させる.この周期倍 分岐により,1周期中に2つのピークがあり,そのうちの1つが発火している周期解へと変化す る(6.2.6-(6)).さらにgを減少させると,I2により1周期中の巻き数が1つだけ増加した周期 解へと変化する(6.2.6-(7)).この解が周期倍分岐連鎖によりカオスへと進展する(6.2.6-(8)) しかし,このカオスは非常に狭い領域でのみ存在し,G2により別の周期解へと系の状態がジャン

プする(図6.2.6-(9)).このように,gを減少させていくと様々な発火現象が観測されるが,G1

越えると両ニューロンとも小振幅発振へと系の状態が移行し,発火していない状態になる.これ らの結果から,閾値下振動に対する応答の違いによって入力周波数と同期しにくいことが知られ

ているClass 1ニューロンモデル同士の結合では,様々な同期現象が分岐曲線によって領域分けさ

れており,それだけ様々な同期現象が観測されることになるが各ニューロンが同期しにくいこと を示している.一方で,Class 2ニューロンモデルの結合系に存在する分岐現象の数がClass 1同 士を結合した系に比べて少なく,観測される同期現象の種類も少ない.これは,入力刺激に対し て同期しやすいモデルであることを示していると考えられる.また,双方の分岐図から発火直前 の静止状態にあるx1が相手側からの入力信号の増加によって発火する分岐曲線と発火した後に,

結合係数の値が減少することによって発火できなくなる分岐の接点を比べるとClass 2モデルの 法がその値が低い.これは,入力信号の振幅が小さくなってもClass 1よりもその信号に対して 反応できていることが分かる.

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(1): z2 = 0.3765g= 0.05

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(2): z2 = 0.5,g= 0.05

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(3): z2 = 0.417g= 0.3

6.2.6: 6.2.5の各点において観測される時間波形図.

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(4): z2 = 0.5,g= 0.3

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(5): z2 = 0.9g= 0.3

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(6): z2 = 0.9g= 0.2

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(7): z2 = 0.9,g= 0.1255

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t

(8): z2 = 0.9g= 0.12544

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

1

t →

-2 -1 0 1 2

0 100 200 300 400 500

x

2

t →

(9): z2 = 0.9,g= 0.1

6.2.6: 6.2.5の各点において観測される時間波形図.