学校給食
Ⅳ 食中毒・異物混入への対応
【参考事例】ノロウイルスによる食中毒
【発生場所】区立小学校
【原因食品】特定されず
【発生経過】下痢・嘔吐・発熱といった食中毒症状の児童生徒の発症が2日間に集中した。
各学年、各クラスから発症者が出たこと、校内では全クラスの児童生徒が一 堂に会するような行事がなかったこと、給食を食べない児童生徒には症状が なかったこと、接することがなかった調理員と被害を受けた児童の遺伝子型 が一致したこと、学校給食以外に共通食がなかったことなどから(保存食か らはウイルスは検出されなかったが)、学校給食が原因による食中毒と断定さ れた。近年、ノロウイルスによる集団感染性胃腸炎が多発しているが、児童 生徒が体調を崩すと、学校給食が原因ではないかと疑われることが多い。
1.学校給食衛生管理基準
平成8年の腸管出血性大腸菌O157による食中毒事故を契機に、文部科学省は平成9年 4月1日に「学校給食衛生管理の基準」を策定し、通知した。平成15年と17年に一部を 改正し、現在に至っている。東京都においても、毎年4月1日付で「学校給食における安 全・衛生管理について」を作成し、全校に通知している。
2.食中毒の動向
最近の学校給食による食中毒では、学校直送品による食品(実際に起こった事例として、
バターロールパンや冷凍ゼリーなど)が原因で起きたり、ウイルスによるものが主流にな ったりするなど、調理場だけで防止することが困難になってきている。
今後、校長をはじめとした教職員がさまざまな情報を得ながら、衛生管理に深くかかわ らなければ、食中毒を防止することはできない。
3.平常時の対応
(1)衛生管理の徹底
日常点検票に基づいて健康管理や衛生管理を行い、作業工程表による作業管理の実施や 作業区分ごとの手洗いの徹底など、一人ひとりが食中毒菌に関する知識をもち、日頃から 食中毒防止に取り組む
(2)校内の連絡体制
緊急時の連絡体制については、校長が不在の場合など、さまざまな想定を考慮して、い かなる場合でも対応できるよう、校内体制をきちんと整えておく必要がある。
(3)保護者との連携
学校給食において何か異常を発見したとき、とくに健康被害を及ぼすようであれば、迅 速な対応が求められる。保護者あての通知文などをマニュアル化しておき、有事に備えた 体制を整えておく必要がある。
(4)学校医、学校薬剤師との連携
学校医、学校薬剤師とは日頃から連携を密にし、児童生徒の健康管理や調理室の衛生管理 など、常に指導・助言を受けるように努め、有事に備えた連絡体制を整えておく必要がある。
4.食中毒発生時の対応
激しい腹痛・嘔吐・下痢などの症状が集団で発生した場合は食中毒を疑い、最寄りの病 院などで診察を受ける(課外授業や移動教室時も同様)。
診察の結果、食中毒が疑われた場合は、病院から保健所に連絡することが義務づけられ ているが、当該学校においても状況が分かり次第、教育委員会などに連絡する。
◎緊急連絡体制の整備
校内緊急連絡体制を整えておく
(1)学校の初動対応
校内での緊急対策会議を招集
①児童生徒の欠席情報および、その理由の把握・調査
②教職員、調理従業員の欠席情報および、その理由の把握・調査
③児童生徒の出席者の把握
④保護者への対応
・保護者への連絡・報告
・必要に応じて保健所と連携し、保護者会を設定
⑤教育委員会との連携
⑥臨時健康診断の実施の検討
・学校医、学校薬剤師との連携
(2)保健所との連携
保健所からの指示に沿った校内体制の整備
(3)患者への対応
①児童生徒の出席停止
「校長は、感染症にかかっており、かかっている疑いがあり、又はかかるおそれのある児 童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」
(学校保健安全法第19条)
②腸管出血性大腸菌O157 の場合、患者は病原体を保有しきれなくなるまで(24時間以上 の間隔をおいた連続2回の検便で、いずれも病原体が検出されなくなるまで)、無症状病 原体保菌者については1回の検便で病原体が検出されなくなるまで、登校は制限される。
③食中毒の被害にあった児童生徒および教職員が、いじめの対象とならないよう、人権や プライバシーの保護に十分な配慮をする。