第2章 防災体制の整備 ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 31
第9節 ライフライン確保体制の整備 ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲ 51
5 電気通信(西日本電信電話株式会社)
災害発生時において、し尿及びごみを適正に処理するため、施設強化、災害廃棄物の処 理体制の確保に努める。
し尿処理施設、ごみ処理施設ともに、施設整備にあたっては耐震性とともに浸水対策等 の配慮に努め、既存施設については耐震診断の実施などにより耐震性向上、不燃堅牢化、
浸水対策等に努める。また、災害時の人員計画、連絡体制、復旧対策を含めた災害対応マ ニュアルを整備し、補修資材や通常運転に必要な燃料、薬剤などの資材の確保、施設の被 災に備えた周辺市町村との協力体制の整備に努める。
(1) し尿処理
ア 災害時における上水道、下水道、電力等ライフラインの被害想定等を勘案し、し尿の 収集処理見込み量及び仮設トイレの必要数を把握する。
イ 大阪府と連携し、仮設トイレの必要数の確保に努める。
(2) ごみ処理
あらかじめ一時保管場所の候補地を検討しておく。また、一時保管場所の衛生状態を保 持するため、殺虫剤、消臭剤等の備蓄に努める。
(3) 災害廃棄物等処理
ア あらかじめ仮置場の候補地、及び最終処分までの処理ルートを検討しておく。また、
仮置場の衛生状態を保持するため、殺虫剤、消臭剤等の備蓄に努める。
イ 大阪府と連携し、災害廃棄物からのアスベスト等の飛散による環境汚染に備えて、あ らかじめモニタリング体制を整備しておく。
ウ 周辺市町村等との協力体制の整備に努める。
第2節 水害予防計画
担当 都市建設部、上下水道部、環境部、市長公室
市及び関係機関は、河川・ため池における洪水等の被害を未然に防止するため、計画的な 水害予防対策を実施する。水防管理者は、水防法第33条第1項に準じて水防活動上必要な 監視、警戒、その他水防上必要な事項について「水防実施計画」を策定する。
1 河川の改修
(1) 猪名川(近畿地方整備局、猪名川河川事務所) 〔資料表 4-1〕
ア 平成 19 年8月に策定された淀川水系河川整備基本方針により、200 年に一度発生す る可能性のある降雨(268 ㎜/日)による洪水を対象として、計画的な河道改修や洪水 調節 施設の建設を行う。(猪名川の基準地点小戸(おおべ)において上流域 の対 象日雨 量を268㎜として基本高水のピーク流量を3,500 /sec とし、このうち洪水調節施設 で、1,200 /sec を調節し、計画高水流量を 2,300 /sec とする。)
イ 当面は、平成 21 年3月に策定された淀川水系河川整備計画に基づき、戦後最大洪水 である昭和35 年8月の台風16号による洪水(基準地点小戸で 2,100 /sec)を安全 に流下させるため、築堤・護岸及び河道掘削等の河川改修を行う。
ウ 流域対策として、猪名川流域整備計画(昭和 57 年3月策定)に基づき、関係地方公 共団体及び地域住民とともに、流域貯留施設の整備をはじめ流出抑制策等必要な対策を 進める。
(2) 余野川、箕面川、石澄川(大阪府) 〔資料表 4-1〕
ア 100 年に一度の豪雨(1時間雨量 80 ㎜程度)に対応できるよう計画的な河川改修を 実施する。
イ 当面はおおよそ10年に一度の降雨(1時間雨量 50 ㎜程度)に対応できるよう治水 施設の整備を進める。
*余野川:改修について 50 ㎜対策は既成している。
*箕面川:石橋の基準地点の高水量を 400 /sec(100 年確率)として河川改修が進 められている。また、治水専用ダムとして昭和47年度から建設に着手していた箕面 川ダムが昭和57年度に完成している。
*石澄川:河川改修については概成
(3) 市管理河川 〔資料表 4-2〕
市管理河川は、河川改良事業を積極的に推進してきた結果、普通河川の改修状況は、す べて完了しているが、今後ますます都市化されていく中で、全河川の改修や貯留施設の整 備 を 推 進 する 。 特に 、 準 用 河 川 江原 川 に お いて は 、 平 成9 年 度 よ り1 0 年 に 一 度 の 降 雨
(1時間雨量 50 ㎜程度)に対応すべく改修を実施した。
国、府による洪水予報、水位周知河川の避難判断水位(特別警戒水位)到達情報の発表、
水防警報の発表、浸水想定区域の指定・公表、洪水リスクの開示に対応して、市では避難 体制の整備等を行う。
(1) 浸水想定区域における円滑かつ迅速な指定緊急避難場所の確保
市は、浸水想定区域において、次の事項を定め、住民に周知させるためハザードマップ を作成し、市内全戸に配布する。
ア 洪水予報等の伝達方法
イ 指定緊急避難場所その他洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な事項 ウ 浸水想定区域内の地下階等で洪水時に利用者の円滑かつ迅速な避難の確保及び浸水の
防止を図ることが必要なもの、又は主として避難行動要支援者等、特に防災上の配慮を 要する者が利用する施設で洪水時に利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図ることが必 要なもの、大規模工場等の所有者又は管理者から申出があった施設で洪水時に浸水の防 止を図る必要があるものについて、これらの施設の名称及び所在地
(2) 洪水リスクの周知
公表された洪水リスクを住民に周知させるため、説明会・講習会等の必要な措置を講じ るように努めるとともに、洪水時の円滑な迅速な避難の確保を図るために必要な措置に関 する計画を策定する際に参考とする。
(3) 防災訓練の実施・指導
防災週間、水防月間、土砂災害防止月間等を通じ、積極的かつ継続的に防災訓練等を実 施するとともに、定期的な防災訓練を様々な条件に配慮し、居住地、職場、学校等におい てきめ細かく実施又は行うよう指導し、住民の風水害発生時の避難行動等の習熟を図る。
第3節 土砂災害予防計画
担当 都市建設部、環境部
市及び防災関係機関は、五月山山麓を中心に、地すべり、山崩れ、土石流等による災害が 予測される地域について、土砂災害を未然に防止するため、危険箇所の調査と把握及び危険 箇所における災害防止対策を推進するものとする。
1 地すべり対策
市域で地すべりの恐れがあるとされる地すべり危険箇所は1箇所となっている。
〔資料表 3-1〕
① 梅雨、台風期等豪雨が予想されるときは、随時に防災パトロールを実施し、地すべ りの徴候(亀裂の有無、陥没、湧水、地表水等)について把握するものとする。
② 「地すべり危険箇所」の把握・周知に努める。
③ 災害情報の収集及び伝達、避難、救助等の活動が迅速かつ的確に遂行されるよう警 戒避難体制の整備に努める。
2 急傾斜地崩壊対策
市域で、急傾斜地の高さが5m以上、傾斜角度が 30 度以上あり、人家に危害が生じる 恐れのある「急傾斜地崩壊危険箇所」は 36 箇所ある。 〔資料表 3-2〕
① 崩壊 危険区域内においては、「崖地」の崩壊助長又は誘発する 原因 となる行為は 、 法律に基づき禁止・制限する。
② 崩壊危険区域内における居住用建物に関しては、必要に応じて建築基準法に基づく 建築制限(災害危険区域)を行うとともに、崩壊防止工事を府をはじめ関係機関に要請 する。
③ 危険箇所等の崩壊による災害を未然防止し、被害の軽減を図るため、梅雨、台風期 等豪雨が予想されるときは、随時に防災パトロールを実施し、土砂災害の兆候(亀裂 の有無、陥没、湧水、地表水等)について把握するものとする。
④ 急傾斜地崩壊危険箇所の把握、周知に努める。
⑤ 災害情報の収集および伝達、避難、救助等の活動が迅速かつ的確に遂行されるよう 警戒避難体制の整備に努める。
3 土石流対策(砂防)
市域で、土石流発生の危険性があり、人家に被害が生じるおそれのある「土石流危険渓
流」は 42 箇所ある。 〔資料表3-3〕
① 梅雨、台風期等豪雨が予想されるときは、随時に防災パトロールを実施し、土砂災 害の兆候(崩壊、湧水、地表水等)について把握するものとする。
② 「土石流危険渓流及び危険区域」の把握・周知に努める。
③ 災害情報の収集および伝達、避難、救助等の活動が迅速かつ的確に遂行されるよう 警戒避難体制の整備に努める。
④ 土石流による災害について、市民の防災意識の普及に努める。
⑤ 避難対象家屋の把握、避難場所の設定に努める。
4 土砂災害警戒区域等における防災対策
市域では、土砂災害により危害のおそれのある「土砂災害警戒区域」は163箇所、著 しい危害のおそれのある「土砂災害特別警戒区域」は150箇所ある。 〔資料表 3-5〕
警戒区域ごとに土砂災害に関する情報の収集・伝達、避難及び救助等、警戒避難体制に 関する事項を定めるとともに、円滑な警戒避難が行なわれるために必要な事項を、印刷物 の配布などにより住民に周知する。また、警戒区域内に主として高齢者、障がい者、乳幼 児その他特に防災上の配慮を要するものが利用する施設がある場合には、円滑な警戒避難 が行わ れる よう土砂災害に関する情報、予報 及び警報の伝達 方法を定める 。(土砂災害防 止法第7条)
土砂災害特別警戒区域に建築物がかかる新築、増築等を行う場合には、必要に応じて建 築基準法に基づく建築規制を行う。土砂災害から人命を守るため、土砂災害のおそれのあ る地区等についての危険の周知、警戒・避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制、既存 住宅の移転促進等のソフト対策を推進する。
5 山地災害対策
林野庁の「山地災害危険地区調査要領」に基づく調査の結果、山腹の崩壊、崩壊土砂の 流出による災害が発生する危険のある森林で、その危害が人家又は公共施設に直接恐れの ある山地災害危険地区は、市域で8箇所となっている。 〔資料表 3-4〕
① 池田市五月山景観保全条例による景観保全を通して山林の持つ公益機能の維持を図 る。
② 松くい虫等による被害地については、伐採駆除等を行い、森林の保全に努める。
6 造成地防災対策
(1) 市は、 府の協力を得て、宅地造成に伴い災害が生じるおそれの 著しい市街 地又 は市街 地になろう とする土地の区域を「宅地造成工事規制区域」(宅地造 成等規制法第3条)に 指定する。
(2) 市は、 府の協力を得て、宅地造成工事規制区域内において、開 発事業者に 対し て、宅 地造成に関する技術基準に適合するよう指導するとともに、必要に応じて監督処分を行う。
(3) 市は、 府の協力を得て、宅地の災害発生を未然に防止するため 、宅地防災 パト ロール を実施し、危険な宅地については防災措置を指導する。
(4) 市は、 府の協力を得て、大規模盛土造成地の位置の把握を行い、住民等へ周知を図る。