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電気容量

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第 3 章 ガウスの法則 19

4.3 電気容量

高校時代にさんざん,コンデンサの問題をやっていると思うが,それは平行平板コ ンデンサが主であった。ここでは平行平板コンデンサでなく,一般の形の多数の導体 からなる系での電気容量を議論する。

N個の導体が空間である配置を取っていたとする。電荷が存在するのは導体表面だ けだとする。導体iに与えられた電荷はQiとする。

電荷が与えられているのでポテンシャルは一意的に決まる。(もちろん定数だけずら す任意性があるので,無限遠や適当な境界を0ととっておく。)この系の静電ポテンシャ ルΦ(r)を導体の電荷で書くと

Φ(r) =F(r;Q1, Q2,· · · , QN) (4.12) で表される。F は導体の配置で決まる関数である。別の電荷分布,{Qi}が与えられると Φ(r) =F(r;Q1, Q2,· · · , QN) (4.13) となる。では,{Qi}={Qi+Qi}が与えられたときのポテンシャルはどうなるであろ うか?すなわち

Φ(r) =F(r;Q1, Q2,· · ·, QN) (4.14) はどうなるか?

そこでf(r) = Φ(r) + Φ(r)とする。divgradΦ = divgradΦ = 0なのでdivgradf = 0 である。また,fは導体i上で一定の値を取る。なぜならΦ,Φがそれぞれ一定である から。

このとき,

0

Vi

dVidivE = 0

Si

dSigradf ·ni = 0

Si

dSi(gradΦ + gradΦ)·ni =Qi+Qi (4.15) なのでfは電荷Qi+Qiが与えられたときの解になっている。解の一意性により,

Φ(r) = F(r;Q1+Q1, Q2+Q2,· · · , QN +QN) (4.16)

= F(r;Q1, Q2,· · · , QN) +F(r;Q1, Q2,· · ·, QN)

j

Q1

Q2

Qj

Qi

が成立している。これが重ね合わせの原理である。

重ね合わせの原理が成り立っている場合,

Φi = n

j=1

pijQj (4.17)

でなければならない。まず,すべての導体でQi = 0ならポテンシャルは0である。

(x= 2xとなるから。) 2次関数以上だとだめになるのは代入してみればよい。

(4.17)を逆に解いて,

Qi = n

j=1

CijΦj (4.18)

をうる。Ciiは静電容量係数,Cij は静電誘導係数とよばれている。Cij の物理的な意味 は,接地した複数の導体を考え,そのうち一つだけ,接地せずに1Vの電位を与えたと きに誘起される電荷である。

ここでCij の対称性について述べておく。Vj = 1でその他は接地されている場合の 電荷密度をσj(r)とする。このとき,

Cij =Qi =

Si

dSσj(r) (4.19)

である。つぎにVi = 1とした状況を考える。このとき,Φi(r) = 1が導体i上で成り 立っている。他の導体上ではΦi(r) = 0である。よって

Cij =Qi =

k

Sk

dSkΦi(rj(r) (4.20) である。積分はすべての導体表面上で行うので

がついている。(0をかける,1をか けるのでこれが許される。) ここで

Φi(r) = 1 4π 0

n k

dSk

σi(r0)

|r−r| (4.21)

d Q

1

R

V

1

Q

2

V

2

を用いると,これらより,

Cij = 1 4π 0

n k,k

dSkdSk

σj(ri(r0)

|r−r| (4.22)

となる。この式の右辺はi, jを入れ替えても不変なので,Cijは対称である。CとP は 逆行列の関係にあるので,Pij も対称である。

Cij の符号は以下のようにして決まる。正の電位をiに与えれば,そこから電場が出 てくる。その周りでガウスの法則を適用すればQiが正なことがわかる。よってCiiは 正である。iからでた電場はj に入るので導体jの周りでガウスの法則を適用すれば,

導体j の電荷Qj は負だとわかる。よってCij 0, (i =j)である。電場は無限に逃げ てしまうものもあるので,正の電荷の周りにあった電気力線が必ずしも負の電荷に吸 い込まれるわけではないので,

iQi 0が成立する。

一個の孤立した電荷の場合は

Q=CV (4.23)

である。例えば半径Rの導体球の電位はV = Q

0R なので

C= 4π 0R (4.24)

である。球からずれていてもだいたいこれくらいの大きさになっているのを知ってお くとよい。

導体が2個あるときが高校時代にやったコンデンサーである。二つの導体の大きさ はR程度で,その距離はdとする。この場合,

Q1 Q2

=

C11 C12 C21 C22

V1 V2

=

C11V1+C12V2 C21V1+C22V2

(4.25)

となる。導体2を接地し,導体1のポテンシャルを一定として,二つを近づけると,二つ の間の電位差が一定なので電場が大きくなる。この状況にガウスの法則を適用すると,

二つの距離を近づけるとQ1, Q2が大きくなることがわかる。よって,dが小さくなる とC11, C21が大きくなる。同様にC12, C22も大きくなる。もしポテンシャルが同じなら 二つを近づけてもQ1, Q2はほとんど変わらないだろうから,C11≈ −C12,C22≈ −C21 である。対称性からC12=C21なので

C11≈C22≈ −C12 =−C21 (4.26) となる。こうして近似的に

Q1 =−Q2=C(V1−V2) , C = Q1

V1−V2 (4.27)

となる。高校時代に習った平行平板コンデンサは非常に特殊な例である。

Problem 4.3 平行平板コンデンサの場合,C = 0A

d であることを示せ。A=d2とし て,d= 0.1μmのときのCを求めよ。また,e2

2C はどの程度か?

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