第 3 章 ガウスの法則 19
4.4 ラプラス方程式
となる。導体2を接地し,導体1のポテンシャルを一定として,二つを近づけると,二つ の間の電位差が一定なので電場が大きくなる。この状況にガウスの法則を適用すると,
二つの距離を近づけるとQ1, Q2が大きくなることがわかる。よって,dが小さくなる とC11, C21が大きくなる。同様にC12, C22も大きくなる。もしポテンシャルが同じなら 二つを近づけてもQ1, Q2はほとんど変わらないだろうから,C11≈ −C12,C22≈ −C21 である。対称性からC12=C21なので
C11≈C22≈ −C12 =−C21 (4.26) となる。こうして近似的に
Q1 =−Q2=C(V1−V2) , C = Q1
V1−V2 (4.27)
となる。高校時代に習った平行平板コンデンサは非常に特殊な例である。
Problem 4.3 平行平板コンデンサの場合,C = 0A
d であることを示せ。A=d2とし て,d= 0.1μmのときのCを求めよ。また,e2
2C はどの程度か?
ここで物理でこれからよく出てくるデルタ(δ)関数を導入しておく。
Δ1
r = 0(r = 0) (4.32)
で,しかしガウスの定理より
−Δ1 rdV =
div
r r3
dV = 4π (4.33)
である。つまり,原点に無限大のポテンシャルがあり,0× ∞=有限 となっていなけ ればいけない。これをデルタ関数とよびδ(x)と書く。
δ(x) =
0 x= 0
∞ x= 0 , η
−η
δ(x)dx= 1 , for all η >0 (4.34) である。これから
−Δ1
r = 4πδ(x)δ(y)δ(z)def= 4πδ(r) (4.35) がわかる。また,δ関数の変数が0になる瞬間だけ意味をもつので
f(x)δ(x−a) =f(a) (4.36)
である。ただし積分範囲はaをまたぐようにとる。
δ関数を使えば,(4.31)が確かにポアッソン方程式の解になっていることがわかる。
解が球対称,円柱対称の場合などは,ラプラシアンが作用するのはf(r) =f(x, y, z) でなく,f(r)であり,簡単になる。
Problem 4.4 系が円柱対称のとき,ポテンシャルはf(r, z)と書ける。f(x, y, z) = f(r, z)のとき,ラプラシアンは
Δf(r, z) = 1 r
∂
∂r
r∂f
∂r
+ ∂2f
∂z2 (4.37)
となることを示せ。
Problem 4.5 系が球対称のとき,ポテンシャルはf(r)と書ける。f(x, y, z) =f(r)の とき,ラプラシアンは
Δf(r) = 1 r2
∂
∂r
r2∂f
∂r
(4.38) となることを示せ。
4.4.1 無限に広い金属板
無限に広い金属板の場合,ポテンシャルは平面に垂直な方向のみに依存する。平面 に平行な方向はどこも同等だから,どこかにその方向を向いた電場があるのは‘不公平
”だからである。このとき,ラプラス方程式は d2Φ(z)
dz2 = 0 (4.39)
である。よって解は
Φ(z) =a+bz (4.40)
となる。電場はこれを微分するので一定となる。
4.4.2 円柱対称
無限に長い導線の周りのポテンシャルは円柱対称となる。このとき,
∂
∂r
r∂f
∂r
= 0 (4.41)
から,
Φ(r) =a+blogr (4.42)
である。
4.4.3 球対称
同心円の二つの導体球(半径a, b, b > a) の作るポテンシャルは球対称である。この 場合,
∂
∂r
r2∂f
∂r
= 0 (4.43)
なので,
r2dΦ
dr =C1 , Φ(r) =−C1
r +C2 (4.44)
となる。外側の電位をVb,内側をVaとすると Va =−C1
a +C2 , Vb =−C1
b +C2 (4.45)
となる。これから
C1 = (Vb−Va) ab
b−a , C2 = Vbb−Vaa
b−a (4.46)
となる。
Problem 4.6 内側の球の電荷は
qa =−4π 0
Vb−Va b−a
ab (4.47)
となることを示せ。
球の外側の電位は,無限遠でΦ = 0,r =bでΦ =Vbより,Φ =bVb/rとなり,電場 はE =bVb/r2となる。これより,2つの球の外側でガウスの法則を適用すると
qa+qb
0
= 4πbVb (4.48)
となり,
qb = 4π 0
bVb−aVa b−a
b (4.49)
となる。こうして,
qa qb
=
⎛
⎜⎝
4π 0ab
b−a −4π 0ab b−a
−4π 0ab b−a
4π 0b2 b−a
⎞
⎟⎠
Va Vb
(4.50)
となる。
こうして,同心球の電気容量(正確には相互容量係数)は(4.47)式から Cab =Cba=−4π 0 ab
b−a (4.51)
となる。