第 7 章 膝スクリューホームムーブメント計測システムの開発 48
13.3 運転行動データ解析まとめ
て交差点を通過する車両は,安全確認を前方の車両に任せていると考えられる.このような 運転は前方車両が衝突したり急ブレーキを踏んだりした場合に,前方の車両に追突する危険 性が高く,前方車両との間に歩行者や自転車などが入ってきた場合,これを避けることは難 しい.このことより,追従運転についてもその危険性を教育する必要があると考えられる.
第 14 章
Web システムを用いた管理者・運転 者のための安全運転管理・教育シス テムの開発
ASSIST搭載車両の運転行動を確認するソフトウェアとして,実時間管理ソフトウェア
(図11.5),運転行動再生ソフトウェア(図11.6)および第13章で述べた不安全運転行動解 析ソフトウェアがあった.実時間管理ソフトウェアでは,ASSIST搭載車両の運転行動を実 時間で監視することが可能である.運転行動再生ソフトウェアに不安全箇所検索機能を追加 した不安全運転行動解析ソフトウェアでは,記録された全運転行動を再生し,また,安全運 転教育に適した箇所のみを検索,表示することができ,運転後の効果的教育が可能である.
しかし,これらソフトウェアではPC(Windows OS搭載PCに限る)にソフトウェアのイ ンストール作業が必要である.また,不安全運転行動解析ソフトウェアはソフトウェアのイ ンストールに加えて,再生や検索をしたい運転行動データをASSIST車載システムから取 り出す必要があった.これらのソフトウェアは安全運転管理者の利用を想定しており,管理 専用の PCを設置する必要があった.また,これまでのASSIST車載装置では運転者情報 を記録できなかったので,運転者が自分自身の走行結果を確認することは困難であった.さ らに,走行後に教育を行う場合には,車載システムから運転行動データを取り出す必要があ るため,基地へ帰還後即座に運転者へ教育することも困難であった.
近年の情報通信技術の発達とスマートフォンの普及により,外出先からでもWebページ を容易に見ることが可能となった.よって,Webシステムをベースに構築することによっ て,インターネットに接続された端末とWebブラウザがあれば,管理者はWebページから の情報により,運転者の教育に利用することが可能になる.また,運転者が自分自身の走行 結果を確認することも容易になるため,安全運転について十分に理解をしている者は,自己 管理を行うことが可能である.さらに,第13章 にて行った解析手法の実装を行うことによ
り,効果的に教育を行うことも可能であると考えられる.
そこで本章では,Webシステムを用いた管理者・運転者のための安全運転管理・教育シス テムの開発を行った.
14.1 設計
運転者ごとに管理・教育を行うために,誰がいつに運転を行ったのかを記録する必要が ある.そこで,運転者識別のために非接触 IC 媒体(以下 FeliCa)を用いることにした.
FeliCaは携帯電話や電子カードなどに多種にわたり利用されており,複数登録しておくこ
とで,一方を忘れたとしても代用可能である.電源投入直後にFeliCaの読み込みを可能と するために,FeliCa リーダと確認用のスピーカを持つ運転者識別インタフェースを車載シ ステムに追加した.また,運転者情報を記録するために,車載コンピュータに運転者記録ソ フトウェアを追加した(図14.1).
運転行動通信ソフトウェアは遠隔地にあるサーバソフトウェアにファイルを送信するソフ トウェアである.実時間で管理・教育を行うためには過去数秒間の走行状況の情報が必要で ある.また,それら情報を評価することで運転者の運転動向を知ることも可能であると考え た.さらに,走行後教育のためには,車両が戻ってきた際に即座に運転記録の確認を可能に する必要がある.それゆえ,走行中にセンサ情報と前方画像を5秒間隔でサーバに送信する 機能と,未送信であるセンサ情報と運転者情報を1分間隔でサーバに送信する機能を運転行 動通信ソフトウェアに追加した.そして,Webページで情報提供を行うために,サーバに Webサーバ(apache 2.3),データベース(MySql 5.5.24)およびセンサ情報の集計とデー タベースへ登録を行う運転行動集計ソフトウェアの追加した(図14.2).
運転者は自分自身の運転を改善するためには,走行一覧を見ることや過去の走行を確認す ることが可能である必要がある.また,危険であった場所の確認が可能である必要がある.
管理者はすべての運転者の情報を見ることや,不安全な運転者を即座に認識することで教育 が可能でなければならない.さらに,個々運転者の走行についての走行確認ページや,実時 間における管理のための実時間車両状況表示ページが必要である.このようなことを可能に するには,情報提供用のWebページは全車両の管理が可能な管理者用ページと運転者個人 の情報のみ確認可能な運転者用ページに分ける必要がある.これらの機能を持つWebペー ジの作成を行った(図14.3).
図14.1運転者識別インタフェース
図14.2 Web版ソフトウェア構成
図14.3 画面遷移