第 5 章 燃料噴霧液滴の空間分布
5.2 高圧場噴霧における噴霧特性
5.2.2 速度とサイズ
図5.7は噴孔からの距離が12mmの位置における液滴速度を時間窓0.2ms毎に 算術平均し,時間変化として示した.レール圧は80MPaであり,雰囲気圧力は
それぞれ1.0,2.0および3.0MPaである.雰囲気圧力によらずT = 3.4ms以前に
おいて平均液滴速度はゆるやかに変化しており,T = 3.6ms以降において平均液 滴速度はやや減少している.雰囲気圧力が1.0MPaの場合は液滴がT = 4.0msま で出現しているのに対し,雰囲気圧力が3.0MPaの場合,液滴がT = 5.6msまで 出現している.これは雰囲気圧力の増加に伴い噴霧の貫徹力が減少したため,
Table 5.3 Test condition
Injection pressure 80 and 120MPa
Ambient pressure 1.0, 2.0 and 3.0MPa
Ambient temperature 296K
Injection duration 3.0ms
Injection interval 330ms
Table 5.4 Measurement positions
z[mm] x[mm]
6 0 (Center)
12 0 (Center)
40
噴霧全体が計測点を通過するのに時間がかかったことが原因と考えられる.
図5.8は噴孔からの距離が12mmの位置における液滴サイズを時間窓0.2ms毎 に算術平均し,時間変化として示した.レール圧は80MPaであり,雰囲気圧力 はそれぞれ1.0,2.0および3.0MPaである.T = 3.4ms以前において,雰囲気圧力
が1.0MPaの場合に比べて3.0MPaの場合の液滴サイズが小さい.これは雰囲気
圧力の増加に伴い雰囲気密度が増加し,噴霧液滴のWe数が増加したため液滴が 分裂し易く,液滴サイズが小さくなったことが原因と考えられる.
噴射期間の間に計測点に到達した液滴の速度とサイズを用いて算術平均液滴 速度とサイズを算出した.図5.9は平均液滴速度の軸方向変化を示す.雰囲気圧 力はそれぞれ1.0,2.0および 3.0MPaである.実線はレール圧が 80MPa の場合 を,破線はレール圧が120MPaの場合を示す.いずれのレール圧および雰囲気圧 力においても噴霧下流の方が液滴速度は小さい.また,雰囲気圧力3.0MPa,噴 孔下流12mmの位置を除いて,いずれの計測点および雰囲気圧力においてもレ
Fig. 5.7 Time variations of velocity of droplets; z = 12mm, Pinj = 80MPa
0
50 100 150
200250
0 1 2 3 4 5 6
Velocity[m/s]
Time[ms]
Pamb=1.0MPa
Pamb=2.0MPa
Pamb=3.0MPa41
ール圧が高い方が液滴速度は速い.
図5.10は平均液滴サイズの軸方向変化を示す.いずれの雰囲気圧力およびレ
Fig. 5.8 Time variations of size of droplets; z = 12mm, Pinj = 80MPa
Fig. 5.9 Spatial distributions of velocity of droplets
0
5
1015
0 1 2 3 4 5 6
Size[μm]
Time[ms]
Pamb=1.0MPa
Pamb=2.0MPa Pamb=3.0MPa
0 50
100150 200
3 6 9 12 15
Velocity[m/s]
Distance from nozzle exit[mm]
1.0MPa 2.0MPa 3.0MPa Pamb
80MPa 120MPa Pinj
42
ール圧においても噴霧下流の方が液滴サイズは小さく,z = 6から12mmの間で 液滴が分裂したことを示す.また,いずれの計測位置においてもレール圧が高 い方が液滴サイズは小さい.これはレール圧が高い方が液滴速度は速いため,
液滴の分裂が活発であったことが原因であると考えられる.