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第 5 章 燃料噴霧液滴の空間分布

5.2 高圧場噴霧における噴霧特性

5.2.3 液滴間距離の評価

42

ール圧においても噴霧下流の方が液滴サイズは小さく,z = 6から12mmの間で 液滴が分裂したことを示す.また,いずれの計測位置においてもレール圧が高 い方が液滴サイズは小さい.これはレール圧が高い方が液滴速度は速いため,

液滴の分裂が活発であったことが原因であると考えられる.

43

圧力においてもデータ数比Nup-down / Nupは下流の方が大きい.これは,噴霧の下 流に比べて噴霧の上流の方が液滴分裂が活発であり,2つの焦点を別の液滴が通 過しているものと考えられる.

図5.12 は平均液滴数密度 NDの軸方向変化を示す.いずれのレール圧,雰囲 気圧力においても液滴数密度は下流に向かうに従い減少している.これは噴霧 液滴が分散したため液滴数密度が減少したのだと考えられる.しかし,図 5.10 において液滴は噴霧下流に向かうに従い分裂していることを示しており,液滴 数密度が下流に向かって減少することに矛盾する.

図5.13は画像から求めた噴射期間中の平均噴霧幅を示す.いずれのレール圧,

雰囲気圧力においても噴霧幅は下流に向かうにつれ増加している.噴霧幅の増 加は液滴の分散を示す.これより,液滴数密度に及ぼす液滴の分散の影響は液 滴の分裂の影響に比べて大きいと判断される.

Fig. 5.11 Spatial distributions of data number

0

0.1 0.2 0.3 0.4

3 6 9 12 15

Nup-down/ Nup

Distance from nozzle exit[mm]

1.0MPa 2.0MPa 3.0MPa Pamb

80MPa 120MPa Pinj

44

数密度の減少は液滴間距離の増加を意味する.z = 12mmの位置での液滴間距 離Lmは液滴数密度に基づいて次式により算出される.

Fig. 5.12 Spatial distributions of number density

Fig. 5.13 Spray width evaluated by the spray images

0

200000

400000 600000 800000

3 6 9 12 15

Nunber density[1/mm3 ]

Distance from nozzle exit[mm]

1.0MPa 2.0MPa 3.0MPa Pamb

80MPa 120MPa Pinj

0

2

4 6 8

3 6 9 12 15

Width[mm]

Distance from nozzle exit[mm]

1.0MPa 2.0MPa 3.0MPa Pamb

80MPa 120MPa Pinj

45

3 1

12

1 

 



mm z

m ND

L (5.1)

液滴間距離は液滴の分裂および分散によって変化する.z = 6mmの位置での液 滴間距離に対して,z = 6から12mmの間での液滴サイズおよび噴霧幅の変化を 考慮することで,z = 12mmの位置の液滴間距離Leは次式により推定される.



 





 





 



z mm

mm z mm

z mm z mm

z

e W

W dp

dp L ND

6 12 12

6 3

1

6

1 (5.2)

第 1 項は z = 6mm の位置で L2F 計測により得られた液滴間距離を,第 2 項は

z = 6mmと12mmの液滴サイズの比を,第3項はz = 6mmと12mmの噴霧幅の比 を示す.

Fig. 5.14 Measured and estimated distances between droplets.

5 10 15 20 25

5 10 15 20 25

Lm [µm]

Le

[µm]

80MPa 120MPa

+20%

- 20%

46

図5.14はz = 12mmの液滴間距離の推定値Leと計測値Lmの比較である.図中 の破線はLe / Lmが1の場合を示し,また破線は誤差が20%の場合を示す.図中 の黒丸および白丸はレール圧が 80 および 120MPa の場合を示す.黒丸および 白丸はそれぞれ 3 点プロットされており,それぞれは雰囲気圧力が 1.0,2.0 お

よび3.0MPaの場合を示す.レール圧120MPaのときの雰囲気圧力が 3.0MPaの

場合を除いたすべての計測条件において,見積もった液滴表面間距離Leは, L2F 計測により得られた液滴表面間距離Lmの20%以内の値を示している.これより,

下流における液滴間距離は上流における液滴間距離液滴にサイズの変化と噴霧 幅の変化を考慮することで見積もることができる.L2Fにより計測された液滴数 密度の空間分布およびその時間変化は数値解析を検証するための基本情報とし て利用できると判断される.

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