• 検索結果がありません。

資源管理制度(TAC・TAE)

ドキュメント内 漁港水産物情報システム調査研究 (ページ 114-121)

はじめに、水産資源管理の基本的な考え方、管理手法等について整理する。

(水産庁webサイト1)からの抜粋)

--- 1 水産資源管理の基本的な考え方

水産資源を適切に管理し、持続的に利用していくためには、資源の保全・回復を図る

「資源管理」の取組が必要です。

2 水産資源管理の手法

資源管理の手法は大きく3つに分けられる。

(1)「インプットコントロール」(投入量規制):漁船の隻数や馬力数の制限等によって 漁獲圧力(資源に対する漁獲の圧力)を入口で制限。

(2)「テクニカルコントロール」(技術的規制):産卵期を禁漁にしたり、網目の大きさ を規制することで、漁獲の効率性を制限し、産卵親魚や小型魚を保護。

(3)「アウトプットコントロール」(産出量規制):漁獲可能量(TAC)の設定などにより 漁獲量を制限し、漁獲圧力を出口で規制。

これらの管理手法のうち、どの手法に力点をおくかは、漁業の形態や漁業者の数、水産 資源の状況、さらには前提となる資源評価の精度等によって異なる。

3 我が国の水産資源管理の枠組み

我が国では魚種や漁業種類の特性に応じ、都道府県による漁業権免許、国、都道府県に よる漁業許可、漁獲可能量(TAC)制度等の公的規制と漁業者による自主的な資源管理を 組み合わせることで、多様な漁業者による漁場利用を調整し、水産資源を効果的に管理し ている。

(1)公的な資源管理

漁業権漁業における資源管理

(略)

許可漁業における資源管理

(略)

TAC(漁獲可能量)制度、TAE(漁獲努力可能量)制度

漁獲量が多く、国民生活上重要である、資源状況が悪く緊急に管理を行う必要があ る、我が国周辺水域で外国漁船による操業が行われているなどの観点から指定されたサ ンマ、マアジ、サバ類、マイワシ、スルメイカ、スケトウダラ、ズワイガニの7魚種に 加え、太平洋クロマグロについて「海洋生物資源の保存及び管理に関する法律」に基づ く産出量規制として、年間の採捕量の上限を定める漁獲可能量(TAC)制度が導入されて いる。また、同法に基づき投入量規制として、漁獲努力量の総量規制(TAE)制度も導入 されている。

---

※TAC制度導入(7魚種):1997年1月~ (クロマグロ):2018年1月~

TAE制度導入:2003年4月~

1) http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/index.html

111 1.1 漁獲可能量(TAC)

TAC制度の概要2)を図1.1.1に示す。TAC制度は、魚種ごとに年間の漁獲可能量を定め、水

資源の適切な保存・管理を行うための制度である。TAC は、同じ対象魚種(第1種特定海 洋生物資源として政令で指定)であっても漁業の種類によって、農林水産大臣が配分する 大臣管理分と、都道府県知事が配分する知事管理分に分かれている。前者分については、

漁業者から市場・所属団体を経由して大臣へ採捕数量が報告されることになっている。後 者分については、漁業者から市場・所属漁協経由で知事へ採捕数量が報告され、当該知事 管理分をまとめて大臣へ報告される。

報告の結果(例)1)を表1.1.1に示す。大臣管理分については、当該月の末までに漁業者 から農林水産大臣に報告があった採捕数量を、知事管理分については、漁業者から都道府 県知事に報告があった採捕数量として、当該月の末までに都道府県から水産庁に報告され た数量を掲載している。

(1)漁獲管理システム

一般社団法人漁業情報サービスセンター(JAFIC)では、TACを管理する「漁獲管理シス テム」を運用している。このシステムは、日本周辺の生物資源を適切に管理保存するため

のTAC(漁獲可能量)制度を迅速に把握することを目的とした全国システムであり、大臣管

理漁業のTACを漁業団体からの電子報告で、知事管理漁業のTACを県庁からの電子報告と して受信して、データベース化して管理している。

図1.1.1 TAC制度の概要

2) 一般社団法人漁業情報サービスセンター作成(水産庁監修)「TAC制度紹介パンフレット」

112

本システムでは、報告する機関に応じて報告する情報のデータフォーマットを定めてい る。データフォーマットの例3)を図1.1.2に示す。また、報告義務となっている情報は採 捕数量(漁獲量)であるが、適切な管理を図る上で、関連するデータも報告するようにな っている。

表1.1.1 第1種特定海洋生物資源の採捕数量(2018年12月31日までの報告数量)

3) 一般社団法人漁業情報サービスセンターwebサイトhttp://www.jafic.or.jp/tac/index.html

図1.1.2 漁獲管理システムのデータフォーマット(例)

113 (2)市場・所属漁業団体から報告されている項目

実際に行われている報告のやり方について、大臣管理分の例を図1.1.3に示す。市場か ら報告されている項目は、船名、魚種、水揚げ数量と金額のみである。これが毎日、市場 から速報および日報として所属漁業団体にFaxで送られてくるが、陸揚げ港、市場は明ら かである。所属漁業団体では、各市場から送られてくるデータをExcelファイルに入力し て取りまとめ、これを電子メールでJAFICへ送る。所属漁業団体では、団体としての活動 や事業の関係で、独自に市場から漁獲に関する詳しい情報を入手(図1.1.4)している。

JAFICへの報告の中に「採捕年月日」があるが、これについては、特定が難しい場合に

は、独自の報告データに基づいて報告している。

太平洋クロマグロについての市場から所属漁業団体への報告の例を図1.1.5に示す。項 目は、水揚げ日、船名、所属県、大きさ別の水揚げ数量(本数と数量)のみである。

以上より、相当数の項目のデータは既定値であり、実際に報告されている項目は、ある 程度限られていることがわかる。

図1.1.3 市場から所属漁業団体と所属漁業団体からJAFICへの報告(例)

図1.1.4 漁業団体が独自に市場から報告を受けている情報項目(例)

114

図1.1.5 漁業団体が独自に市場から報告を受けているデータ(例)

115 1.2 漁獲努力量(TAE)

資源回復計画を推進するため、2003年4月から漁獲努力量の総量管理制度(TAE制度)

を導入している。これは、資源状態が悪化している漁業資源を早急に回復するために資源 回復計画の対象となる魚種について、採捕する漁業種類ごとに、期間、海域を定めて設定 される漁獲努力量(例えば隻日数など)の上限を「漁獲努力可能量」として定め、その範 囲内に漁獲努力量を収めるように対象漁業を管理する制度である。

対象魚種:第2種特定海洋生物資源として政令で指定。

アカガレイ、イカナゴ、サメガレイ、サワラ、トラフグ、マガレイ、マコガレイ、ヤナ ギムシガレイ、ヤリイカ

(1)漁獲努力可能量管理情報処理システム

JAFICでは、TAEに関する情報を効率的かつ迅速に収集・解析するシステム「漁獲努力

可能量管理情報処理システム」(図1.2.1、1.2.2)を構築し、2003年度にTAE管理団体に 導入して運用を開始している。本システムは、 TAE制度対象漁業者(漁協や事務所),中 央団体(大臣管理)または都道府県庁(知事管理),JAFICおよび水産庁を結ぶネットワー クを構築し、漁業者が入力したTAEデータを管理団体およびJAFICのデータベースに収集 し、記録・保存するとともに、解析結果を水産庁へ提供している。

4) 一般社団法人漁業情報サービスセンターwebサイトhttp://www.jafic.or.jp/tae/about.html http://www.jafic.or.jp/tae/report.html

図1.2.1 漁獲努力可能量管理情報処理システムの概要4)

116 (2)同システムの報告方式

TAE制度対象漁業者(漁協や事務所)から、中央団体(大臣管理)または都道府県庁

(知事管理)への報告方法としては、報告をする側、受ける側のシステム環境に応じて、

次の5つの方式から選択できるようになっている。

マークシート方式

Fax-OMR(optical markcard reader)方式 電子メール方式

Web方式 - 漁業者(漁協または事務所)用web方式 管理団体用web方式

ここでFax-OMR方式とは、漁業者が漁協,事務所等のFaxを用いて管理団体に送信する

と、管理団体では受信後自動でOMR処理(マークシートを読み取って、コンピュータへ入 力するシステム処理)、重複エラー等のチェックを行い、データベースへ登録する。そし てデータの承認処理実行後、JAFICへ送信する。

都道府県庁(知事管理)については、Fax-OMR方式、電子メール方式および管理団体用 web方式が推奨されている。

図1.2.2 漁獲努力可能量管理情報処理システムの概要4)

117

ドキュメント内 漁港水産物情報システム調査研究 (ページ 114-121)