3.1 漁港・市場の概要
漁港名:宮城県志津川漁港(第2種漁港)
市場名:南三陸町地方卸売市場 開設者:南三陸町
卸売業者:JFみやぎ(宮城県漁業協同組合志津川支所)
買受人:33人(2018年7月時点)
(1)震災からの復旧
第2種漁港である志津川漁港は、南三陸町管内に所在する23漁港の中で流通拠点として の機能を果していたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災により、南三陸町管内の すべての漁港が壊滅的に被災した。翌年度末までには、部分的にも陸揚げ機能が回復したも のの、流通拠点である志津川漁港については、閉鎖型建物構造の高度衛生・品質管理に対応 した魚市場の整備が進められることになった。震 災 後 、 仮 設 魚 市 場 で 魚 の 水 揚 げ や 入 札 ・ せ り な ど を 行 っ て い た が 、2014年7月に着工し2016年6月に完成した。陸揚げ量 の回復状況を図3.1.1に示す。
高度衛生管理型漁港・市場の整備に合わせて、市場取引の効率性、省力化等の観点から、
ICTを活用した市場取引市システムの導入さが行われ、システムのフル稼働に向けて取り組 んでいるところである。
図3.1.1 南三陸町内の各漁港における陸揚げ量の推移
193 (2)高度衛生管理施設・設備
高度衛生管理や鮮度保持の向上に伴い、新たな施設・設備の整備(図3.1.2)が行わ れ、2018年1月には優良衛生品質管理市場・漁港の認定を受けている。衛生管理や関係者 の指導を行う専門職員が配置され、衛生管理項目の結果の記録・保存が行われている。衛 生管理項目の確認については、以前は紙ベースであったが,現在は現場においてタブレッ トから入力し方式となっている。
(3)市場取引業務の電子化・ネットワーク化
市場取引業務の電子化・ネットワーク化の概要を図3.1.3に示す。
(入船情報の収集と提供)
電話等で受けた船主からの情報を職員が入札監理室のPCから入力し、場内モニターに 表示する。
(荷受け・選別・計量・販売原票作成)
水揚げおよび陸送された商品を荷受けし、人力または自動選別機で選別・計量・仕分け する。タンク入りで販売するものは、計量スケール付きフォークリフトを使用し、スラリ ー氷・水、又は砕氷・水を入れたタンクで計量する。事前に計量した風袋重量等を差し引 くことで実重量を算出する。その結果は入札記録帳に記入し、入札原簿を作成する。計量 結果を書いた紙はタンクにも投函または貼付される。トロ箱等で販売するものは、市場職
図3.1.2 衛生管理施設・設備
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員が移動式スケール(台秤)を使用して、選別・計量し、ロットごとにトロ箱に仕分けす る。
荷受け、選別、計量作業を通じて、船名、漁場、魚種、規格、数量等を書いた各々の紙 がトロ箱に投函または貼付される。これら紙に記載されている内容を読み取り、タブレッ トから入力し、販売原票を作成する。入札・せり販売情報は場内モニターに計量速報とし て表示する。
(入札・せり・荷渡し)
入札・せりは、朝7時から8時の間に行われるが、季節により昼前や昼の3回行われる ときもある。少量多種類のものはせり、同一魚種で多量のものは入札で取引される。
入札は商品が陳列されている場所で紙入札を行い、落札者が決まると、落札者名を書い た紙を容器に投函または貼付する。入札が一通り終了した段階で、販売情報をPCから入 力し、その結果を場内モニターに表示する。
せりは、下げせり方式であり、せり人がウェアラブルカメラを着用してせりの映像と音 声を記録している。落札者が決まると、落札者名を書いた紙を容器に投函または貼付す る。随伴している市場職員がせり結果をタブレットに入力する。せりが全て終了した段階 で、入札事務室において、モニター映像・音声を再生し、タブレットに入力した内容を確 認する。相対取引は、PCより入力入して記録・保存する。
荷渡しは、容器に投函または貼付されている紙の内容で確認して行われる。
図3.1.3 市場取引業務の電子化・ネットワーク化
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(鮮度管理)
水揚げと同時にスラリー氷を入れたスカイタンクやプラスチックの魚箱に投入される。
スラリー氷を使用しているのは、魚体が早く冷えること、タンクや魚箱の上部だけでなく全 体がよく冷えること、氷の場合のような接触面が氷焼けすることがないことが理由である。
なお、ミズダコはネットに入れて魚倉に投入されている。カニは船上で発泡スチロール箱詰 めされている。