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会社経営者 13. 8%となり非労働者の比率が高い。また会社経営者であっても実 際は個人で活動するフリーランスと変わらないケースも多いといわれる。経済

5.2 アニメーターの労働市場についての考察

5.2.2 調査の概略

(1) 研究手法について

本研究では、社会科学における定性的調査の手法を採用した。まずアニメ産 業、アニメーターを含むクリエーターの労働について関連領域を含む先行研 究・雑誌など関連書籍、

WEB

上での情報サーベイ、業界セミナーやシンポジウ、

45 日本芸能実演家団体協議会(2011)で、池添は実演家の労働環境や処遇の改善の取り組 みにおいては、労働法分野の法律学者による契約の研究だけではなく、統計的手法に通じ た計量分析精通した研究者と、ヒアリング調査に精通した研究者の協力が必要と指摘して いる(日本芸能実演家団体協議会, 2011, 131ページ)。これは、芸術家・クリエーターの労 働市場についての研究全般に当てはまることである。また、日本アニメーター・演出協会

(2015)では、アニメーション制作者の中でもフリーランスとして就業している者につい てはアンケート調査だけではなく、より詳細な実態や特徴について解明の必要性が指摘さ れる(日本アニメーター・演出協会, 2015, 32-35ページ)。

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イベントなどへの参加も行なった。

次にアニメ制作会社、フリーランスのアニメーター、日本動画協会などの業 界団体、専門家、専門学校など教育機関へのヒアリング調査を行った。制作会 社へのヒアリング調査協力依頼については、まず日本動画協会のサイト、ウィ キペディア、各制作会社の

WEB

サイトなどを参照し、制作に参加している作品 や制作会社の規模、メールアドレスの有無などを確認する。調査協力依頼状を メールで送付し、適時電話で確認作業を行う。ヒアリング調査協力への許諾を 経た後、訪問インタビューを行うという形をとっている。制作会社によっては 制作スケジュールなどの理由から訪問インタビューが難しい場合もあり、アン ケート形式の質問項目をEメールで送り、後日返信してもらうという形をとっ た。

(2) 調査経過について

2012

年度

1

月から、先行研究、文献、WEB上情報のサーベイ収集・分析を 開始した。2013年

1

月から

2013

10

月までヒアリング調査を行った。2013 年

2

月中旬より制作会社

52

社に調査協力依頼状をメールで送付した。そのうち メールでのコメント

2

社、電話での質疑応答

1

社、アンケート形式での調査

2

社、インタビュー4社(編集

1

名、プロデューサー3名、制作進行

1

名、アニメ ーター4名―作画監督

2

名、動画チェック

1

名、新人動画

1

名、アニメーター・

CG

アーティスト

1

名)となっている。他、日本動画協会にインタビュー(総務

1

名)、JAniCAにインタビュー(JAniCA理事・アニメーター・演出家

1

名)

フリーランスのアニメーター・演出家

1

名にインタビューを行っている。また 専門学校については

2013

4

月下旬に

13

校へ調査協力依頼状を送付し、その うち電話でのコメント

1

校、インタビュー3校(事務局長

1

名、講師・アニメー ター2名、教務・アニメーター1名)、となっている。各インタビュー時間は

2

~4時間となっており、ケースによってはかなり長時間となった。アニメ産業の へ調査の他、文化庁や経済産業省による人材育成について電話で確認をとった。

関連領域として映画産業におけるスタッフのケースとして日本映画監督協会と 日本映画撮影監督協会にもヒアリング調査を行った(ヒアリング調査について は章末のヒアリング調査実施概要を参照)。

(3) データ収集の方針・範囲、備考

本研究において、ヒアリング調査の対象はアニメ産業の制作現場におけるア ニメーターのみならず、監督・演出家、制作進行、制作会社社長(プロデュー サー)、専門学校の講師46・職員となっている。この理由としては、第

1

に直接

46アニメーターなどを育成する専門学校では現役のアニメーター、アニメーター経験者が講

80

個人のアニメーターに連絡を取るなどのプローチが難しかったということがあ る。第

2

に、本調査の目的に適ったヒアリング調査協力者が、若いアニメータ ーよりは業界で長い経験を持ち、アニメ産業内部の労働市場、アニメーターの 人材育成、キャリアプロセスについてある程度客観的な視点を持つことできる 作画監督や監督・演出家、プロデューサー、あるいは制作現場と少し距離を置 いた専門学校の講師などの方が適していたという点がある。第

3

に、アニメー ターは個人で創造活動を行い、市場に作品を送り出すのではなく、制作会社お よび他のスタッフとのコミュニケ―ションを通じて、制作プロセスの中で仕事 をしている。これらの理由から、本研究においてはアニメーターを含む様々な 立場の関係者にもヒアリング調査を行い、多角的にデータ収集することが最適 だと判断した。

ヒアリング調査上の問題としてアニメ産業における制作部門の体質の問題が ある。概して日本のアニメ産業の制作会社は業界外部からの調査に対して協力 的ではないといわれるが、今回の調査でもアニメ産業制作会社から積極的に調 査協力を得られたとは言い難い。理由としては、会社の制作スケジュールの問 題からヒアリング調査協力の時間をとれない、あるいは会社の方針として研究 者・個人の研究については協力しない、研究テーマが制作会社の公開したくな い情報の開示につながってしまうなど様々である。また近年、日本動画協会、

JAniCA

といった業界団体がまとまった調査や、人材育成関連事業を行ってきて

いるため、直接個々の制作会社に調査協力を求めるのではなく、こうした業界 団体にヒアリング調査を行ってほしいというコメントも数社からあった。筆者 が京都在住のため、わざわざ東京にヒアリング調査にきてもらうのは忍びない と敬遠されるケースもあった。また、筆者の調査を通じた感想として、制作会 社はアニメーターの契約や人材育成の問題について外部の調査者によって問題 視されるような点があると判断した場合、こうした内部事情について公開した がらない傾向がある。そのため今回ヒアリング調査協力を得ることができた制 作会社は、多くの制作会社の中でもアニメーターの労働市場における対価や待 遇、人材育成のあり方について問題意識を持っていたり、何らかの対応策を講 じていたりする制作会社であった。今後、動画協会や

JAniCA

のような団体が 発達し、制作部門の労働市場について調査研究を行い、アニメーターを含む芸 術家・クリエーターの労働問題についての意識が高まれば、制作部門における 調査協力の状況が変わっていくだろう47

師を務めていることが多い。

47 例えば、Christopherson and Storper(1989)、Dex et al(2000)などアメリカ、イギリス における映像産業のスタッフの労働市場への調査研究は、労働組合など業界団体が収集し たデータや調査協力がベースになっている。優れた研究蓄積のためには業界団体の発達と 協力が必要だろう。

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