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課題研究「四日市学」卒業生意識調査の分析

ドキュメント内 地域と向き合う商業教育の創造 (ページ 30-34)

第3章 課題研究「四日市学」

第4節 課題研究「四日市学」卒業生意識調査の分析

1)基本調査から

まず回収結果について触れておきたい。卒業生39名に対して30名前後を期待したが、19名とい う結果に終わった。昨年(2012年)3月に卒業した生徒から8年の年月を経過した生徒まで、多様 な進路を歩んだ生徒たちに思いを巡らせれば、19名の生徒たちの回答は、貴重なものである。ま

た回収数は年度により多少の違いはあるが、年度による未回収が皆無であった。2006年度は、講 座が不成立で空白となっているものの、各年度から2通以上の回答を集めることができた。

卒業後の進路では、就職6名、進学13名である。四年制大学が多いことが印象に残った。「期 待通りだったか」の問いには「よかった」レベル5が10名で50%超、4が7名37%と好評である。

「目的や意義が理解できましたか?」では、レベル5が8名、4が6名、3が6名とやや分かれ た。このことは「四日市学」の学びが、意義や目的だけではない、それ以外の要素が生徒たちの 評価「期待どおりでした」10名「50%超」という結果につながったと思われる。

2)研究/調査活動について

「研究/調査活動について」の自由記述に、活動をどのように見ていたか、また研究調査が彼 らをどのように変えたかを知ることができる。特に「③高校生のうちに、地域の方とふれあう機

資料 21 調査協力者 進学者が多数

Ⅱ.課題研究「四日市学」について

1.3年生での課題研究「四日市学」の印象 「期待どおりでしたか?」

不満 1・2・3②・4⑦・5⑩ よかった

2.「目的や意義が理解できましたか?」 できなかった 1・2・3⑥・4⑥・5⑦ よくできた 資料 22 講座は好印象 意義は分かれる

3.課題研究「四日市学」の授業での「あなたの役割やとりくみの印象・感想」を述べてください 研究/調査活動について

①路面電車による地域活性化だったけどまあまあできた

②メンバーがなかなかそろわず大変だった

③高校生のうちに、地域の方とふれあう機会があったのは、とても成長できて良かった 5名

④商店街を「自分たちで変えたい」と強く思いながらとりくんだ

⑤大人の方に調査をしたり、話しを聞いたりする時はすごく緊張した 発表活動について

①5人しかいなくて大変だったが楽しかった

②プレゼンでどのようにしたら人に伝わるのか、どのように話せばいいのか難しかった

③発表のおかげで、大勢の人の前で話しをすることは得意となり、いろいろな活動に役立っている

④スピーチ担当でした。話し方や表情など気をつけた。予想以上に緊張した。

資料 23 研究・調査活動について

Ⅰ.基本調査 回収数 19名/39名 * 集計は○内の数 1.年度別回答者数 [2005④ 2007② 2008④ 2009② 2010④ 2011③] [ 男 ① 女 ⑱ ] 2.卒業後の進路 [ a.就職⑥ b.進学⑬ c.家事手伝 d. その他 〕

出典:課題研究「四日市学」卒業生 意識調査より

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会があったのは、とても成長できて良かった」と、5名の生徒が同じ記述である。また④は、こ れまで立ち寄ることのなかった商店街を身内や親せきのことのように感じている。調査を通じて、

問題意識が共有されたことを物語るものである。「自分たちで変えたいと強く思いながらとりく んだ」は、彼らにとって授業を超えた時間であったことが推察できる。商店街を歩道として使う ことがあっても、それ以上のものではなかった。お店に入り、そこで暮らす人とのふれあいが彼 らを、単なる通行人から地域を考える高校生に変えたのである。

3)研究発表について

研究発表の場は、夏休みの県大会、東海大会、全国大会の計3回である。もちろん県予選で優 勝しなければその後の大会はない。校内で開催する3学期の課題研究発表会のみで終わる。内容 が優秀であれば校内を含め計4回の機会が与えられる。2008年から3年連続全国大会を経験した。

貴重な経験を積んだことが自由記述からも理解できる。緊張しながらも何がしかの喜びと達成感 を味わったことだろう。研究発表は、プレゼンテーション技術のみを学ぶ場ではない。主体的な 学習の場、「知識と行為」の統一的な学習そのものであると考えられる。

「調査活動が地域への認識を変えましたか?」の問いに対する回答は、レベル2~5までと大 きく分かれた。「大きく変わった」が3名に対して、「そうでもなかった」のレベル2が3名と いう結果に終わっている。地域に出れば認識が深まる、といった単純なものではないことが分か る。レベル4「変わった」が7名39%。「四日市のことは全く知らなかったけれど地域の抱える 問題を理解することができ、何とかしたいと思うようになった」という表現の回答が3名から あった。調査活動を通して認識が変わったことを物語っている。

大会での発表は、緊張するものの彼らのやる気につながっていることが5_⑥からもうかがえ る。自分たちが地域にとって大切な存在であること、また地域への大きな励ましになったことを 理解したのだろう。「6.四日市学で進路意識が変わりましたか?」の次頁の問いでは「変化な し」のレベル1が9名50%と半数に達している。またレベル4「変わった」は、4名にとどまっ ており、進路意識まで変えるには至っていない。大学への進学とその選択に、地域が深く関わる ものではないようだ。地域への思いがとりくみによって深まったことは、8の④である。それは

「地域にしか無いもの」があることに気づき「活性化への手がかりに」との思いにつながってい 4. 調査に参加して、あなたの地域社会についての認識に変化がありましたか?

変化なし 1・2③・3⑤・4⑦・5④ 大きく変った

5.「3・4・5」の方へ具体例・思い出があればご記入ください

①普段あまり商店街に行かないので、商店街のほとんどがシャッターをおろしているので驚いた

②育った町なのでより誇りを持てたような気がした

③鈴鹿市で住んでいるので、四日市のことは全く知らなかったけれど地域の抱える問題を理解する ことができ、何とかしたいと思うようになった 3名

④経済学の講義で「どうしたら経済は活性化していくのか?」という議題をだされた時一番に考え た事が四日市学で学んだ(取り組んだ)地域活性化の事でした

⑤今でも大学での地域活動に参加しています。発表とかはないのですがボランティアとしての達成 感はやなり気持ちいいものです

⑥路面電車の提案で住民の方の意見を聞く大切を知りました。若い世代が街へ顔を向けることで元 気を与えることが出来たと思います。一部、意見を聞きっぱなしで申し訳なかったです。

資料 24 地域の認識が変わった

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る。さらに⑦は、地域の発展が自分のことのように感じているようすが推察できる。卒業後、そ れぞれの年月を過ごした彼女たちに、四日市学について感想を尋ねて回答が得られるか心配だっ た。しかし寄せられたアンケートから、四日市学の学びが無駄ではなかったことを強く感じるこ とができた。2013年6月、本町通り商店街でのとりくみが新聞で紹介されていた。小学生対象の

「キッズビジネス」小学生の職業体験イベントである。本町通り商店街振興会の協力を得て、成 功させることができた。商店街活性化のとりくみが後輩たちにも理解され、引き継がれているこ とを喜びたい。

調査の「8.地域への愛着」では、「② 四日市がもっと活性化してほしい ③ 四日市のこと が大好きになった。今も学校以外の時間は四日市でバイトをしたり、話したりしている。たまに 慈善橋即売場に行きます。④大型スーパーやコンビニができたために寂れていきますが、「地域 にしか無いもの」があることに気づきました ⑤ まだまだ知らないことがたくさんあることを 知りました。「こんないいことがあるだ」を見つけたときは、すごく楽しかったです、とあった。

小 括 -生徒だけでなく教師も成長-

教室とは大きく異なる学びがあることを、課題研究「四日市学」で気づいた。検定や定期考査 のように、100点満点の評価や合格証書の発行はないが、形に残らない学びである。そのことは、

卒業生意識調査でも明らかになった。卒業しても彼らの心に何かを残している。単語や公式とは 6.課題研究「四日市学」で「あなたの進路意識が変わりましたか?」

変化なし 1⑨・2②・3③・4⑤・5 大きく変った 資料 25 進路意識は変わらず

7.「3・4・5」の方へ具体例・思い出があればご記入ください

①高校生は地元に残りますが、地元を活性化させたいならばもっと高度な資格・免許・地位 (政治家)を目指すべき

②今、名古屋の大学に通っていますが、就職は地元でと考えています

③特になにができるか、よくわかりませんが四日市に住んでいる限り地域の行事に参加したいと 思います

④大正百年祭で袴をはくことができてうれしかった。お店の人たちとの交流もできた 8.地域への愛着

①四日市に住んでいないので、それほど愛着が深くなったわけではないが、四日市のいろいろな 姿を学べてよかった

②四日市がもっと活性化してほしい

2

③四日市のことが大好きになった。今も学校以外の時間は四日市でバイトをしたり、話したり している。たまに慈善橋即売場に行きます

④大型スーパーやコンビニができたために寂れていきますが、「地域にしか無いもの」があること に気づきました

⑤まだまだ知らないことがたくさんあることを知りました。「こんないいことがあるだ」を見つけ たときは、すごく楽しかったです

⑥買い物はできるだけ地元でしようと思いました。いろいろなことに興味をもつようになった。

⑦四日市学をやるまでは四日市について何も思わなかった。でも四日市学をしてからは、四日市 に新しい施設が増える毎に何か嬉しくなった。

資料 26 地域のよさを再認識

出典:課題研究「四日市学」卒業生 意識調査より

ドキュメント内 地域と向き合う商業教育の創造 (ページ 30-34)