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記述確認では、設計書の記述や表現に注意すべき事項について、次の 2つの章に確認事項の一覧表としてまとめました。

第2章 コツのチェックリスト

第2部 記述確認では、設計書の記述や表現に注意すべき事項について、次の 2つの章に確認事項の一覧表としてまとめました。

„ 第1章 網羅性のチェックリスト

¾

設計書を作成する上で積極的に確認すべき観点を一覧表にまとめました。プロジェクトの 進捗状況により適宜参考にしてください。

„ 第2章 コツのチェックリスト

¾

第1部 表現 の各章に記した「書き方のコツ」「確認のコツ」を一覧表にまとめました。

第1章 網羅性のチェックリスト

‡ 網羅性のチェックリストは、設計書を作成する上で積極的に確認すべき観点を一覧表に まとめたものである。

„

主に、 「第1部 表現」の検討過程において、“コツには至らないが、 重要な観点である”と判断 した事項を集約したものである。このため、各チェック項目内容にはばらつきがあるためご留意 いただきたい。

‡ 網羅性のチェックリストは次の分類により整理されており、各チェック項目に対する補足説 明を補足事項欄に記している。

1.

工程成果物について共通的な事項

¾

各工程成果物に対して共通に確認すべき事項。工程成果物ごとに確認する。

2.

工程成果物間の関係に関する事項

¾

ある工程成果物と別の工程成果物が関連する箇所に対して確認すべき事項。関係のある工程成果物 を確認する。

3.

各工程成果物に関する事項

¾

各工程成果物に対し個別に確認すべき事項。工程成果物ごとに確認する。

‡ 各チェック項目は、実際のプロジェクトにおいて適宜具体的なチェック方法に置き換えてご

使用いただきたい。

第1章 網羅性のチェックリスト

ID 分類 チェック項目 補足事項

システム化業務一覧 システム化業務フロー システム化業務説明書 共通ルール

1 共通 発注者が使う業務用語を用いて工程成果物が記述されている か確認する。

①業務用語一覧があることを確認し、その一覧を使って工程成果 物をチェックする。

②発注者の言葉を使用することによって工程成果物がわかりや すく表記されているか。

○ ○ ○ ○

2 共通 工程成果物で、類似用語の確認を行い、用語が統一されてい ることを確認する。

①同じ意味なのに違う言葉を使っていないか、違う意味なのに同 じ言葉を使っていないかを確認する。

②類似用語で仕様の認識違いを起こさないように明確に使い分 ける。

○ ○ ○ ○

3 工程成果物間 一定間隔で起動されるシステム化業務には、全ての起動周期 が書いてあることを確認する。

同じシステム化業務でも、日次処理や月末処理、年度末処理と いった、違う処理パターンが存在する場合は、全て記述している か確認する。

○ ○ ○ ●

4 工程成果物間 記述の粒度および階層化が工程成果物間で一致した方針に 基づいているか確認する。

①事前に階層化のルールが決めてあるか。

②階層化の書き方のルールが決めてあるか。 ○ ○ ● ○

5 工程成果物間 工程成果物に現れるシステム化業務には、IDがついているこ とを確認する。

それぞれのIDは一意か、システム利用作業のIDと機能のIDを区 別しているか、また、それぞれの階層ごとにIDがわかりやすい か。

○ ○ ○

6 工程成果物間 システム化業務ごとの制約は、システム主体の表現でなく、発 注者主体の表現で書いてあることを確認する。

制約事項は、「発注者(利用者)がXXしてはいけない」と表現して

あるか。 ○ ○ ○

7 工程成果物間 システム振舞いを理解する前提として、システム構成における 範囲が書いてあることを確認する。

ハードウェア、ミドルウェア、外部連携システム等を含むシステム アーキテクチャの定義内で、開発対象システムの設計範囲が書 かれていること。

○ ○

8 工程成果物間 システム化業務一覧、システム化業務フローでは、作業とシス

テム化業務を区別して書いてあることを確認する。 システム化業務一覧では作業が一覧に無いことを確認する。 ○ ○ ●

9 工程成果物間 システム化業務一覧とシステム化業務説明書では、オンライン

処理とバッチ処理を区別して書いてあることを確認する。 ○ ○

10 工程成果物間 システム化業務フロー(に現れるシステム化業務)には、関連

する入出力が書いてあることを確認する。 ● ○ ○

11 工程成果物間 システム化業務フロー(に現れるシステム化業務)には、処理 の起動元が書いてあることを確認する。

開発対象外である外部システムからの連携であれば起動元が外

部システムであることを明記してあること。 ● ○ ○

チェック対象の工程成果物

※「○」チェック対象。「●」チェック時に参照。

ID 分類 チェック項目 補足事項

システム化業務一覧 システム化業務フロー システム化業務説明書 共通ルール チェック対象の工程成果物

※「○」チェック対象。「●」チェック時に参照。

12 工程成果物間 システム化業務フロー(に現れるシステム化業務)には、デー タベースの格納情報と処理期日が書いてあることを確認する。

レビューにおける合意形成の仕掛期で、システム化業務の処理

記述の認識を合わせることが目的。 ○ ○

13 工程成果物間 システム化業務フローでは、表記が一貫した方針に基づいて いることを確認する。

事前に書き方を共通ルールとして決めてあるかを含めて確認す

る。 ○ ○

14 システム化業務一覧 システム化業務一覧とシステム化業務フローの双方には、同

じ利用者が書いてあることを確認する。 ○ ●

15 システム化業務一覧 複数ページにまたがるシステム化業務一覧には、各ページに

同じタイトルがついていることを確認する。 ○

16 システム化業務フロー システム化業務フローでは、オンライン処理とバッチ処理のシ

ステム化業務の境界線が示されていることを確認する。 ● ○ ●

17 システム化業務フロー システム化業務フローでは、新機能と改造機能を区別して書

いてあることを確認する。 ● ○ ●

18 システム化業務フロー

1つのシステム化業務に対するシステム利用作業や機能群の 内容は、処理の形態(オンライン、バッチなど)に関わらず、1つ の様式にまとめてあることを確認する。

1つのシステム化業務が、複数のオンライン処理とバッチ処理に 整理されているか。オンライン処理とバッチ処理のつながりが明 らかになっているか。

○ ●

19 システム化業務フロー システム化業務フローには、開始と終了(始点と終点)が書い てあることを確認する。

複数枚に渡ってシステム化業務フローを書く場合に、図面間の接

続記号と始点及び終点が区別できることが目的。 ○

20 システム化業務説明書 システム化業務説明書に記述されるシナリオには、システム

利用作業が書いてあり、機能を書いていないことを確認する。 ● ○

21 共通ルール 発注者の業務特有のルールだけでなく、業界の慣習や法律を

考慮する。 ○

第2章 コツのチェックリスト

‡ コツのチェックリストは、「第1部 表現」 の各章に記した「書き方のコツ」「確認の コツ」を一覧化したものである。

‡ 実際のプロジェクトにおいて採用することとなった「第1部 表現」に記したコツが、

設計書に適用されているかどうかを確認できるよう、チェックリストの形式に整理 した。

‡ 設計書作成過程における備忘録として、またはレビュー実施前の確認リストとして 適宜ご利用いただきたい。

‡ なお、 「第1部 表現」に記したコラムは、状況に応じて要否が異なるので、この

チェックリストには含めていない。必要に応じて含めてもよい。

第2章 コツのチェックリスト

ID 分類 コツ種類 コツID コツ内容 補足事項 プロジェクトにおける採用

方針 適用確認欄

1 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1001 システム化業務一覧の中のシステム化業務 を、階層構造に分けて記述する。

関連したシステム利用作業、機能をグループ化するために、こ のコツを適用するとよい。このコツを使うと、

①機能分類単位で機能のグループ化が可能となり、機能の重 複ともれの発見が容易になる。

②業務ごとの機能がわかりやすくなる。

2 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1002 機能分類(オンライン、バッチ等)の列を追加す る。

システム化業務への利用者の関わりを明確にするために、こ のコツを適用するとよい。このコツを使うと、

システム化業務ごとに利用者が処理を起動するのか、システム 側が自動的に処理を起動するかが明確になる。

3 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1003 システム化業務一覧で、システム利用作業に 対応する利用者を記述する。

システム化業務への利用者の関わりを明確にするために、こ のコツを適用するとよい。このコツを使わない(利用者の記載 がない)と、

どのような立場の利用者を想定するのか、または利用を許可 するのかがわかりづらくなる。

4 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1004 業務と機能の関係を表す場合、関連する機能 は、処理の順序に従って整列させておく。

業務と機能の関連付けをわかりやすく見せるために、このコツ を適用するとよい。関連する機能を記述する場合、このコツを 使う(一般的な処理の順序など、予め記述する 順序のルール を決めておく)と、

業務を実現する機能のレビューが行いやすくなる。

5 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1005 システム化業務一覧について、業務一覧と業 務フローを使い、系統立てて記述する。

業務一覧と業務フローを用いてシステム化業務一覧を作成す るために、このコツを適用するとよい。このコツを使うと、

業務を起点として機能を抽出・整理できるので、機能に対する 発注者の理解も深まり、 整合性のとれた一覧を作成しやす い。

6 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1006 システム化業務一覧に関連する業務を確認 し、備考欄等を使い補足する。

システム化業務一覧で補足情報を有効に活用するために、こ のコツを適用するとよい。このコツを使うと、

機能がどの業務で利用されるかが明確になり、使われない機 能を発見しやすくなる。

7 システム化業務一覧 書き方のコツ SD1007 システム化業務一覧に事前条件や事後条件な どの情報を備考欄等を使い、記述する。

システム化業務一覧で補足情報を有効に活用するために、こ のコツを適用するとよい。このコツを使うと、

機能仕様のもれや不整合の確認が容易になる。

8 システム化業務フロー 書き方のコツ SD2001 システム化業務フローは、業務フローの1業務 に対応させる形で記述する。

業務におけるシステム化業務の位置づけ・役割を明確にする ために、このコツを適用するとよい。このコツを使う(業務フロー と対比させて記述する)と、

詳細なシステム化業務が全体のどの業務に対するものかが直 感的にわかりやすくなる。

9 システム化業務フロー 書き方のコツ SD2002 システム化業務フローの詳細を隠蔽して大きな 流れ記述する。

全体の大きな流れを捉えるために、このコツを適用するとよ い。このコツを使うと、

全体の大きな流れを掴むことができるため、システム化業務フ ローを発注者が理解しやすくなる。

10 システム化業務フロー 書き方のコツ SD2003 システム化業務フローを部門等の役割に基づ き対応する区画に記述する。

システム化業務フローのもれを少なくするために、このコツを適 用するとよい。このコツを使うと、

各役割毎に関与する部分に着目できるので、不足しているシス テム化業務が見つけやすくなる。