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確認のコツ システム化業務フロー

第2章 システム化業務フロー システム化業務フロー

システム化業務フローの表記例は次ページ以降で 3 つのパターンを表す。

2.4.2 確認のコツ システム化業務フロー

コラム1

‡ 状態遷移図、処理動作一覧を記述する。(1/2)

„ 状況

システム化業務において、内部で使用されるデータの状態に応じてシステム化業務の 動作が変わることがある。

„ 関連するコツ なし

„ 補足

システム化業務において、状態を変更できる処理動作および条件が把握しやすくなっ た。

システム化業務フロー

処理動作ID 処理動作名 利用者 処理動作を実行できる条件 実行後の状態 関連す る シス テ ム 化業務

C0001 作成 申請者 - 未申請 申請書作成

C0002 申請 申請者 状態が「未申請」である。 承認待ち 申請書作成

C0003 却下 上長 状態が「承認待ち」である。

項目XXX、YYYが未入力である。

却下 申請書承認・却下

C0004 承認 上長 状態が「承認待ち」である。

項目XXX、YYYが入力されている。

承認済み 申請書承認・却下

コラム1

‡ 状態遷移図、処理動作一覧を記述する。(2/2)

„具体例

状態遷移図および処理動作一覧を作成する。一覧表には状態を変更可能な利用者も併せて記述する。

また、その処理動作で状態を変更できる条件(ビジネスルール)を明確にすることで、発注者との仕様の 齟齬をなくすことができる。

状態遷移図の例

処理動作一覧の例

状態遷移図を作成しておくと、データ状態が どのように変化していくのか、視覚的に把握 できる。

状態を変更可能な利用者を 記述すると、誰が変更できる のか明確になる。

状態の遷移が発生する処理動作 を記述すると、その状態へ遷移す るタイミングが明確になる。

実際のシステム開発では、条件が複雑で一覧 には収まりきらない場合が多い。

そのような場合は別紙にまとめ、処理動作

ID

システム化業務フロー

未申請 承認待ち 承認済み

作成 申請

却下

承認

第3章 システム化業務説明書

‡ この章では、「システム化業務説明書」とは何かを定義し、その構成要素と表記 例を解説する。

‡ 発注者とのコミュニケーションを促進するために、「システム化業務説明書」の内 容を、効果的に書くコツを解説する。

‡ 発注者とのレビューに備えて、「システム化業務説明書」の内容を、齟齬なく確 認するコツを解説する。

システム化業務説明書

3.1 工程成果物の定義

‡ システム化業務説明書は、利用者とシステム間の相互作用に関する仕様書である。

‡ システム化業務説明書の役割

„ 機能とシステム利用作業の内容を、簡潔な文章で表す。

‡ システム化業務説明書を作成する目的

„ 機能とシステム利用作業の内容を明確にし、発注者との齟齬をなくす。

‡ システム化業務説明書では、次の情報を記載範囲とする。

„ システムによって自動化される処理(=「機能」)

„ 人とシステムのやり取りに関わる処理(=「システム利用作業」)

システム化業務説明書

3.2 工程成果物の構成要素

分類 項番 記述内容 記述内容の説明

共通情報 - プロジェクト名、システム名、工程名、ドキュメントID、ドキュメント名、作成者、作成日付、バージョン、更新者、

更新日付

1 システム化業務のID システム化業務を一意に識別するためのコード 2 システム化業務の名称 システム化業務の名称

3 概要 システム化業務の範囲、目的を説明する。

4 事前条件 システム化業務開始時にシステムに課せられる制約を記述する。

5 事後条件 システム化業務の正常終了時にシステムに課せられる制約を記述する。

6 入力データ

システム化業務への入力情報。データの種類に応じて、以下の区分も合わせて記 述する。

・画面

・エンティティ

・ファイル

・テーブル

7 出力データ システム化業務からの出力情報。データの種類に応じて、区分を記述する。

※区分については「入力データ」を参照のこと。

8 基本シナリオ ベースとなる処理の流れを記述する。

9 代替シナリオ 基本シナリオから派生した、その他の処理の流れを記述する。

10 例外シナリオ 業務的な例外が発生した場合の処理の流れを記述する。

システム化業務

構成要素

11 備考 補足的に記述すべき情報があれば、記述する。

書誌情報

‡ システム化業務説明書の構成要素

システム化業務説明書

3.3 表記例(サンプル)

‡ システム化業務説明書の表記例

プロジェクト名 A社殿向け人事システム システム名 A社人事システム 工程 外部設計

ドキュメントID JPS0002 作成者 田中一郎 作成日付 2007/11/20

ドキュメント名 A社人事システム 外部設計書 更新者 更新日付

システム化業務ID S0001 システム化業務名称 ユーザ変更 バージョン 1.0

概要

事前条件 管理者権限を持ったユーザでログインしている

こと。 事後条件

入力データ ユーザ情報(画面) 出力データ

2'':指定されたユーザが存在しない場合、エラーメッセージを利用者へ返す。

4':該当するユーザ情報を変更する。

例外シナリオ

■利用者のアクション ■システムのアクション

1'':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。

2':ユーザの詳細情報を利用者へ返す。

3':ユーザ情報の変更を要求する。

2:ユーザ情報の一覧を利用者へ返す。

代替シナリオ

5:ユーザ情報の変更を要求する。

4:ユーザの詳細情報を利用者へ返す。

1':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。

■利用者のアクション

1:ユーザ情報の一覧を要求する。

3:変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報を要求する。

基本シナリオ

■システムのアクション

ユーザの情報を変更する。

ユーザ情報が変更されること。

ユーザ情報(テーブル)

6:該当するユーザ情報を変更する。

■利用者のアクション ■システムのアクション

システム化業務説明書

3.4 設計書記述のポイント

‡ この節では、システム化業務説明書固有の設計記述やその確認ポイントを記述する。