第2章 システム化業務フロー システム化業務フロー
システム化業務フローの表記例は次ページ以降で 3 つのパターンを表す。
3.4.1 書き方のコツ(補足)
システム化業務のシナリオにおいて、利用者が行うことを明確にするには
SD3001:「システム化業務のシナリオを、利用者とシステムに分けて記述する。」 システム化業務に付随する条件を明確にするには
SD3002:「事前条件と事後条件を記述する。」 システム化業務のパターンを網羅するには
SD3003:「基本・代替・例外の3シナリオを考える。」 ある1つのシステム化業務の全体を把握するには
SD3004:「基本・代替・例外の3シナリオを併記する。」 分岐処理をわかりやすく記述するには
SD3005:「箇条書きの番号に、連番ではなく枝番を使用する。」システム化業務説明書
3.4.1 書き方のコツ
システム化業務のシナリオにおいて、利用者が行うことを明確にするには
SD3001:「
システム化業務のシナリオを、利用者とシステムに分けて記述する。」¾ シナリオの主体が明確になる。
シナリオ
ユーザ情報の一覧を要求する。
ユーザ情報の一覧を返す。
変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報を要求する。
ユーザの詳細情報を返す。
ユーザ情報の変更を要求する。
該当するユーザ情報を変更する。
×望ましくない例 ○望ましい例
■利用者のアクション ■システムのアクション 1:ユーザ情報の一覧を要求する。
2:ユーザ情報の一覧を利用者へ返す。
3:変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報 を要求する。
4:ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
5:ユーザ情報の変更を要求する。
6:該当するユーザ情報を変更する。
基本シナリオ
シナリオの記述に工夫がない。 利用者とシステムのシナリオを分けて記述している。
特に工夫することなくシナリオを記述する 方法だと、各シナリオの主体を一目で把
利用者とシステムのシナリオを分けて記 述していると、シナリオの主体を一目で把
システム化業務説明書
3.4.1 書き方のコツ
システム化業務に付随する条件を明確にするには
SD3002:「
事前条件と事後条件を記述する。」¾ シナリオと条件を同時に確認できる。
システム化業務説明書
プロジェクト名 A社殿向け人事システム システム名 A社人事システム 工程 外部設計
ドキュメントID JPS0002 作成者 田中一郎 作成日付 2007/11/20
ドキュメント名 A社人事システム 外部設計書 更新者 更新日付
システム化業務ID S0001 システム化業務名称 ユーザ変更 バージョン 1.0
概要
事前条件 管理者権限を持ったユーザでログインしている
こと。 事後条件
入力データ ユーザ情報(画面) 出力データ
2:ユーザ情報の一覧を利用者へ返す。
5:ユーザ情報の変更を要求する。
4:ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
■利用者のアクション
1:ユーザ情報の一覧を要求する。
3:変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報を要求する。
基本シナリオ
■システムのアクション
ユーザの情報を変更する。
ユーザ情報が変更されること。
ユーザ情報(テーブル)
事前条件と事後条件を、構成要素
に記述する。
3.4.1 書き方のコツ
システム化業務のパターンを網羅するには
SD3003:「
基本・代替・例外の3シナリオを考える。」¾ 3つのシナリオを常に意識することで、仕様もれの防止が期待できる。
ドキュメント名 A社人事システム 外部設計書 更新者 更新日付
システム化業務ID S0001 システム化業務名称 ユーザ変更 バージョン 1.0 概要
事前条件 管理者権限を持ったユーザでログイ
ンしていること。 事後条件
入力データ ユーザ情報(画面) 出力データ
基本シナリオ
■システムのアクション ユーザの情報を変更する。
ユーザ情報が変更されること。
ユーザ情報(テーブル)
6:該当するユーザ情報を変更する。
■利用者のアクション ■システムのアクション
■利用者のアクション
1:ユーザ情報の一覧を要求する。
3:変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報を要求する。
2:ユーザ情報の一覧を利用者へ返す。
代替シナリオ
5:ユーザ情報の変更を要求する。
4:ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
1':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。
2':ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
3':ユーザ情報の変更を要求する。
2'':指定されたユーザが存在しない場合、エラーメッセージを利用者へ返す。
4':該当するユーザ情報を変更する。
例外シナリオ
■利用者のアクション ■システムのアクション
1'':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。
基本シナリオ
・成功して完了する1つのシナリオ
・利用者の目的が達成される典型的なシナリオ 代替シナリオ
・基本シナリオ以外の有効なシナリオ
・成功して完了するシナリオ
・基本シナリオのバリエーションを表す。
例外シナリオ
・成功を妨げる 条件下での シナリオ
代替シナリオと例外シナリオは、
複数存在するケースもある。
【基本:代替:例外 = 1:m:n 】
システム化業務説明書
3.4.1 書き方のコツ
ある1つのシステム化業務の全体を把握するには
SD3004:「
基本・代替・例外の3シナリオを併記する。」¾ 複数個所を探すことなく、全体を把握することができる。
シナリオの場合
■利用者のアクション ■システムのアクション
1:ユーザ情報の一覧を要求する。
2:ユーザ情報の一覧を利用者へ返す。
3:変更するユーザを選択し、ユーザの詳細情報を要求する。
4:ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
5:ユーザ情報の変更を要求する。
6:該当するユーザ情報を変更する。
■利用者のアクション ■システムのアクション
1':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。
2':ユーザの詳細情報を利用者へ返す。
3':ユーザ情報の変更を要求する。
4':該当するユーザ情報を変更する。
■利用者のアクション ■システムのアクション
1'':ユーザIDを指定し、ユーザの詳細情報を要求する。
2'':指定されたユーザが存在しない場合、エラーメッセージを利用者へ返す。
基本シナリオ
例外シナリオ 代替シナリオ
3つのシナリオ を併記するこ とで、全体を把 握しやすくなる。
システム化業務説明書
3.4.1 書き方のコツ
分岐処理をわかりやすく記述するには
SD3005:「
箇条書きの番号に、連番ではなく枝番を使用する。」¾ 分岐処理の確認が容易になる。
×望ましくない例
■利用者のアクション ■システムのアクション
1:ユーザIDとパスワードを入力し、ログインボタ ンを押す。
2:入力されたユーザIDとパスワードで、認証処 理を行う。
2-a:2の結果で認証に成功したら、トップページ を表示する。
2-b:2の結果で認証に失敗したら、ログイン画 面を表示する。その際、「ユーザID、または、パ スワードが違います。」というエラーメッセージ を表示させる。
3:メニュー一覧から、ユーザ情報変更のリンクを 選択する。
基本シナリオ
■利用者のアクション ■システムのアクション
1:ユーザIDとパスワードを入力し、ログインボタ ンを押す。
2:入力されたユーザIDとパスワードで、認証処 理を行う。
3:2の結果で認証に成功したら、トップページを 表示する。
4:2の結果で認証に失敗したら、ログイン画面を 表示する。その際、「ユーザID、または、パス ワードが違います。」というエラーメッセージを 表示させる。
5:メニュー一覧から、ユーザ情報変更のリンクを 選択する。
基本シナリオ
分岐処理があっても連番を使っている。
○望ましい例
分岐処理には枝番を使っている。
全て連番にすると、分岐処理であることが わかりにくい。
「2、2-a、2-b」というように、分岐処理に対して枝番を 使うと、分岐処理であることが容易にわかる。
枝番の例 : 2-a 、 2-b
システム化業務説明書
ただし、分岐後のそれぞれ
の処理が大きく異なる場合
は、分岐処理を代替シナリ
オとして記述する。
コラム2
システム化業務と出力の関係をマトリックスで記述する。(1/2)
状況
出力される印刷物の種類が多く、システム化業務との関係を明確にする必要がある。
関連するコツ なし
補足
システム化業務に対する出力内容を把握しやすくなった。
発注者側の試験へのインプットとして使用することができた。
システム化業務説明書