143
144
図 5.11 THERBによる表面温度およびCFDによる対流熱伝達率計算結果
[0-2回目の比較]
図 5.12 THERBによる室温計算結果[0-2回目の比較]
図 5.13 CFDによるゾーン間の移流量の計算結果[0-2回目の比較]
0 2 4 6 8 10 12 14 16
12 12.5 13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Heat Transfer Coeffient[W/m2K]
Temperature[℃]
Room Number
0Time 1Time 2Time
0Time 1Time 2Time
Temperature
Heat Transfer Coefficient
13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Temperature[℃]
Room Number
0Time 1Time 2Time
[m3/h]
measured value
-800 -600 -400 -200 0 200 400 600 800
flow8 flow9 flow1 flow3 flow5 flow7
Matual Ventilation
Cross section 0Time 1Time 2Time [m3/h]
145
・0回目_ゾーン毎に対流熱伝達率を入力
CFDで計算した対流熱伝達率をTHERBで分割したゾーン毎に導入するのか,平均の対流熱
伝達率を導入するかで計算誤差は生じるのかを確認する目的で検討を行った。ここでは,
THERBで分割したゾーン毎にCFDで計算した対流熱伝達率を入力する検討を行った。
図 5.14にCFDによるゾーン間の移流量の計算結果を示す。反時計回りに巡回流が発生し ている様子が確認できる。ケース毎の誤差に関しては,最大で90m3/h程度となっているが 概ね一致している。
図 5.15 にゾーン毎に対流熱伝達率を入力したTHERB による表面温度およびCFDによる 対流熱伝達率の計算結果を示す。ゾーン毎の対流熱伝達率は最大と最低の差が Room5 を除
けば0.3W/m2K程度の範囲で推移しており,表面温度も概ね一致する結果が得られた。Room3
では,ヒーターによる発熱により,放射の影響で表面温度が高くなっている。
図 5.16にゾーン毎に対流熱伝達率を入力したTHERBによる室温の計算結果を示す。室温 測定ゾーンはRoom3である。室温の計算結果は16℃の実測結果に対して,概ね一致する結 果が得られた。初期条件として THERB に入力しているゾーン間の移流量は適当な値を入れ ていてもCFDの計算する移流量には影響が無いことが確認できた。
図 5.14 CFDによるゾーン間の移流量の計算結果[ゾーン間移流量の比較]
-800 -600 -400 -200 0 200 400 600 800
flow8 flow9 flow1 flow3 flow5 flow7
Matual Ventilation
Cross section 168.5 336.9 20
[m3/h]
146
図 5.15 THERBによる表面温度およびCFDによる対流熱伝達率計算結果
[ゾーン間移流量の比較]
図 5.16 THERBによる室温計算結果[ゾーン間移流量の比較]
0 2 4 6 8 10 12 14 16
12 13 14 15 16 17
0 2 4 6 H
eat Transfer Coeffient[W/m2K]
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
168.5 336.9 20
Temperature
Heat Transfer Coefficient [m3/h]
13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
[m3/h]
measured value
147
・0回目_全てのゾーンの平均対流熱伝達率を入力
THERB で分割した全てのゾーンに CFD で計算した対流熱伝達率の平均値を入力する検討
を行った。
図 5.17 に全てのゾーンに平均の対流熱伝達率を入力した THERB の計算した表面温度お よび CFD による対流熱伝達率の計算結果を示す。平均化するとケース間の対流熱伝達率の 最大と最低値の差は 0.02W/m2K と非常に小さい値を示している。表面温度も概ね一致する 結果が得られた。
図 5.18に全てのゾーンに平均の対流熱伝達率を入力したTHERBの室温計算結果を示す。
室温は,ゾーン毎に対流熱伝達率を入力したケースと比較して0.3℃程度高い値が計算され た。実測機器の精度の誤差を考慮すれば,簡易的な平均値の入力であっても許容できる誤差 だと考える。ゾーン毎ではなく,平均の対流熱伝達率でも許容できる計算結果が得られるこ とが確認できた。しかし,表面温度の3次元熱流を考慮すべきかどうかには課題が残る。
図 5.17 THERBによる表面温度およびCFDによる対流熱伝達率計算結果
[ゾーン間移流量の比較]
図 5.18 THERBによる室温計算結果[ゾーン間移流量の比較]
0 2 4 6 8 10 12 14 16
12 12.5 13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 2 4 6
Heat Transfer Coeffient[W/m2K]
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
168.5 336.9 20
Temperature
Heat Transfer Coefficient [m3/h]
13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
[m3/h]
148
・0回目_全てのゾーンに4W/m2Kを入力して計算
ESで一般的に対流熱伝達率の固定値として使用される4W/m2Kを入力値とした場合に計算 精度は確保できるのかを確認する目的で検討を行った。
図 5.19に全てのゾーンに固定値である4W/m2Kを入力したTHERBによる表面温度の計算 結果を示す。4W/m2K をTHERB の入力条件とした場合は,表面温度がCFD計算の対流熱伝達 率を使用した場合と比較して1℃以上小さい値を示している。
図 5.20に全てのゾーンに固定値である4W/m2Kを入力したTHERBによる室温の計算結果 を示す。室温は全てのゾーンで実測値である16℃と比較して2℃程度低い値を示している。
これは,表面温度が低い値を示しているため,CFDの境界条件として適していなかったため だと推察する。
図 5.19 THERBによる表面温度計算結果[ゾーン間移流量の比較]
図 5.20 THERBによる室温計算結果[ゾーン間移流量の比較]
0 2 4 6 8 10 12 14 16
12 12.5 13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Heat Transfer Coeffient[W/m2K]
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
168.5 336.9 20
Temperature
Heat Transfer Coefficient [m3/h]
13 13.5 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17
0 1 2 3 4 5 6
Temperature[℃]
Room Number
168.5 336.9 20
[m3/h]
measured value
149
・[2回目の精度検証結果]
図 5.21に3月5日の10時の各シミュレーションツールと実測値の精度検証結果を示す。
青色が CFD の測定点における温度と,黄色が THERB のゾーンの温度を示している。CFD の
Measuredは室内の測定点の温度,BalkのCFDはゾーン全体の体積加重平均温度(メッシュ
の平均値)を示している。測定機器の誤差を考慮しても,測定点の温度の誤差が 0.02℃と なっており,温度が非常に高い精度を示している。加えて,CFDの全ゾーンの体積加重平均
温度がTHERBの計算値に近いかどうかを検証した。検証結果は0.2℃の高い精度であること
を確認した。
図 5.22に2回目のCFDの計算結果を示す。内部発熱により室内が一定の温度に保たれて いることが確認できる。風速分布では,室内上部で0.2m/s程度の値を示している。
図 5.23にTHERBによる実測期間の室温の精度検証結果を示す。非定常計算結果は実測値 を捉えているが,9:00 頃からハンチングしている様子が見受けられる。これは,実測中に 人が出入りをして外気が流入したためだと考えられる。外気流入後の室温のカーブは合っ ており,人の出入りが無ければ変動は追えるものと考える。
図 5.21 3月5日の10時における精度検証結果 15.85
15.90 15.95 16.00 16.05 16.10 16.15 16.20
Calculated Measured THERB CFD
Temperature[℃]
CFD Balk
150
図 5.22 2回目のCFD計算結果
151
図 5.23 THERBによる実測期間の精度検証 -10.0
-5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0
1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00
Temperature[℃]
Time[h]
Calculated Measured Outside Temperature
152
・[夏季および冬季における移流量の計算結果および考察]
HygrabeとBES_Exの年間計算を行うために必要なヒーター発熱無しの際の夏季および冬
季のゾーン間の移流量を計算することを目的として検討を行った。
図 5.24 に夏季と冬季の表面温度および対流熱伝達率の計算結果を示す。表面温度は,夏
季が15℃程度で冬季は4℃程度といった結果が得られた。これは,夏季と冬季で外気温度が
異なり,盛土内温度に相違が見られるためだと推察する。対流熱伝達率は1〜1.5W/m2K を 推移しており,大きな相違は見受けられない。
図 5.25に夏季および冬季の移流量の計算結果を示す。移流量が最大で500m3/h程度なの に対して冬季は80m3/h程度と低い値を示している。夏季は表面温度が高いため,精度検証 時とそこまで変わらない。冬季は表面温度が低いため,風速の低い流れ場になっているから だと推察される。
図 5.26に夏季の内部発熱無の温度分布および速度分布を示す。夏季は表面温度が15℃程 度と高いため,温度分布も高い温度となっている。ヒーターの発熱が存在しないので,温度 成層が形成される様子が見受けられる。速度分布では,窓面付近に局所的な対流成分が見受 けられるが,日射の影響と浮力による影響を受けていると推察する。
図 5.27 に冬季の内部発熱無の温度場および速度場を示す。温度場は,表面温度が4℃程 度と低いため,室温も3℃前後となっている。温度が低いため,成層が形成される様子は見 受けられない。速度分布では,表面温度が低く浮力が発生していない様子が見受けられる。
153
図 5.24 夏季と冬季の表面温度および対流熱伝達率計算結果
図 5.25 夏季および冬季の移流量計算結果
0 2 4 6 8 10 12 14 16
0 2 4 6 8 10 12 14 16
0 1 2 3 4 5 6
Heat Transfer Coeffient[W/m2K]
Temperature[℃]
Room Number
Summer Winter
Summer Winter
Temperature
Heat Transfer Coefficient
-800 -600 -400 -200 0 200 400 600 800
flow8 flow9 flow1 flow3 flow5 flow7
Matual Ventilation
Cross section Summer Winter
[m3/h]
154
図 5.26 夏季の内部発熱無の温度場および速度場
155
図 5.27 冬季の内部発熱無の温度場および速度場
156 (2) 室温年間計算
Hygrabe をBES_Exに導入することによって自然状態および電熱ヒーター稼働時の室温を
比較し,建物性能を評価することを目的として検討を行う。
図 5.28に1月15日の盛土内温度および室温の計算結果を示す。盛り土温度の計算値は 図 5.5の5番を参照している。内部発熱の有無によらず,室温は外気温の変動の影響を受 けないことが確認できる。ヒーターによる発熱無では,室温が0℃を下回っており,内部発 熱しないと使用に支障があると推察する。内部発熱有では,14℃前後を推移しているため,
使用に差し支えないと考える。盛り土内温度は,外気温度の変動の影響を受けておらず,3℃
程度で安定している。
図 5.29に4月15日の盛土内温度および室温の計算結果を示す。内部発熱の有無によら ず,室温は外気温の変動の影響を受けないことが確認できる。内部発熱がなくても1月の結 果と比較すれば,5℃程度大きな値を示している。これは外気温度が1月と比較して高くな っていることが原因であると推察できる。ヒーターによる発熱によって十分な室温が得ら れることが確認できた。盛り土内温度は外気の変動の影響を受けておらず,5℃程度で安定 している。
図 5.30に7月15日の盛土内温度および室温の計算結果を示す。外気温度は最大で30℃
と高い温度になっているが,室温は15℃ほどで安定している。盛り土内温度は10℃程度と 安定しており,外気温度の変動による影響を受けておらず,最大で 20℃程度も低い温度で 安定している。
図 5.31に10月15日の盛土内温度および室温の計算結果を示す。4月と外気温は同じよ うな傾向となった。室温は5℃前後になった。内部発熱有では,20℃程度の室温となってお り,十分使用用途に耐える温度と考える。盛り土内温度は外気の変動によらず 10℃程度で 安定している。