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計算結果および考察

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 100-138)

(1) 執務室の実測結果

THERB for HAMにおける熱負荷計算の精度確認を行う。外界気象および隣室の温湿度は

実測値を,室内の設定温湿度は全計測点を体積加重平均したバルク温湿度を入力した。隙間 風による外部風の入力条件は0.95回/hとした。図 4.11に顕熱負荷と潜熱負荷および二つを 合計した全熱負荷を,図 4.12 に後述の CFD との連成解析で必要となる表面温度の実測値 の計算値の経時変化を示す。

顕熱負荷について,変化の傾向はおおむね計算値は実測値をとらえているものの,早朝夜 間の低負荷運転時は実測値よりも400W程度低い値を示している。なお,条件Bの8/19の ピーク時においては計算値が実測値より常に500W程度大きい値を示した。

潜熱負荷について,ピーク時は条件A,Bともに精度よく再現できているが,低負荷運転 時において実測では潜熱負荷がない時間帯にも400W程度,潜熱負荷を算出した。これは,

設定湿度を空間のバルクの実測値としたため,吸い込みの湿度と違いがあるからと考えら れる。

全熱負荷については,おおむね計算値が実測値を捕捉することを確認した。

CFD と連成する際の境界条件となる壁体の表面温度は,東壁と天井における計算値と実 測値の差が大きいものの,いずれの面も実測値を捕捉している。東壁については実測を棚の 無い北側でしか行っておらず,棚の影響を計算していない。従ってTHERBでは,計算値で 夕方の西日の当たる時間帯に表面温度が高くなっている。天井については最上階であるた め屋上からの日射の影響が大きく,変動が大きいと考えられる。なお,隙間風に関しては実 測値は無いが計算結果は実測値をおおむね捉えていることから,妥当であると判断する。

96

図 4.11 実測値を入力条件としたTHERBの顕熱と潜熱の計算結果

0 1000 2000 3000 4000

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

Heat Load[W]

8/28 8/29

[Sensible Heat Load] Measured Culculated [Latent Heat Load] Measured Culculated

0 1000 2000 3000 4000 5000

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

Heat Load[W]

8/28 8/29

[Total Heat Load] Measured Culculated

0 1000 2000 3000 4000

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

Heat Load[W]

8/18 8/19

[Sensible Heat Load] Measured Culculated [Latent Heat Load] Measured Culculated

0 1000 2000 3000 4000 5000

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 0

Heat Load[W]

8/18 8/19

[Total Heat Load] Measured Culculated

a.i 【条件A】 顕熱負荷と潜熱負荷の経時変化

a.ii 【条件A】 全熱負荷の経時変化

b.i 【条件B】 顕熱負荷と潜熱負荷の経時変化

b.ii 【条件B】 全熱負荷の経時変化

97

図 4.12 実測値を入力条件としたTHERBによる表面温度の計算結果

22 26 30 34 38 42

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

a. South Window

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

b. West Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

c. North Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

d. East Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

e. Floor

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/28 8/29

f. Ceiling

22 26 30 34 38 42

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

a. South Window

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

b. West Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

c. North Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

d. East Wall

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

e. Floor

24 26 28 30 32

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

SurfaceTemperature[] Measured Culculated

8/18 8/19

f. Ceiling

【条件 A】 【条件 B】

98

(2) ACモデル精度検証

電力中央研究所によって開発された空調機器特性モデルを用いて計算を行った。機器特 性モデル(以下ACモデル)では、全熱負荷および室内機・室外機の吸い込み温湿度を入力 条件として計算を行う。図 4.13に条件Aの実測値を入力した機器特性モデルの吹出温湿度 および消費電力量・COPの計算結果を,図 4.14に条件Bの実測値を入力した機器特性モデ ルの吹出温湿度および消費電力・COPの計算結果を示す。条件Aでは,吹出温湿度はおお むね計算値をとらえている。消費電力は,午前中および夜間の時刻で若干の誤差が生じてい る。COPに関しては,午前中および夜間に 2 程度の誤差が生じている。これは,消費電力 の誤差の影響によるものと考えられる。条件 B も同様の傾向が見受けられる,消費電力が 日中と夜間で若干の誤差が生じている理由としては,冷凍機の成績係数の比(理論成績係数 と実成績係数)を冷房能力の 2 次式で近似している関係から室内機の制御を完全にとらえ ることができていないことに起因すると推察する。

99

図 4.13 実測値を入力した機器特性モデルの吹出温湿度および消費電力量・COPの計算結果

[条件A]

12 14 16 18 20 22 24

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/28 8/29

Measured Culculated

Outlet Air Temperature[]

0 20 40 60 80 100

8 10 12 14 16 18

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/28 8/29

[AH]Measured Culculated [RH]Measured Culculated

Outlet Air Absolute Humidity[g/kg(DA)] Outlet Air Relative Humidity[%]

0 200 400 600 800 1000 1200

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/28 8/29

Energy Consumption[W]

Meisured Culculated

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/28 8/29

Measured Culculated

COP []

a.iv 【条件A】 COPの経時変化 a.iii 【条件A】 消費電力の経時変化

a.ii 【条件A】 室内機吹出湿度の経時変化

a.i 【条件A】 室内機吹出温度の経時変化

100

図 4.14 実測値を入力した機器特性モデルの吹出温湿度および消費電力量・COPの計算結果

[条件B]

0 200 400 600 800 1000 1200

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/18 8/19

Energy Consumption[W]

Meisured Culculated

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/18 8/19

Measured Culculated

COP []

12 14 16 18 20 22 24

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/18 8/19

Measured Culculated

Outlet Air Temperature[]

0 20 40 60 80 100

8 10 12 14 16 18

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

8/18 8/19

[AH]Measured Culculated [RH]Measured Culculated

Outlet Air Absolute Humidity[g/kg(DA)] Outlet Air Relative Humidity[%]

b.i 【条件B】 室内機吹出温度の経時変化

b.ii 【条件B】 室内機吹出湿度の経時変化

b.iii 【条件B】 消費電力の経時変化

b.iv 【条件B】 COPの経時変化

101

(3) ES+AC連成による潜熱負荷への影響

ES では一般的に潜熱負荷の予測には一定値を入力した空調設定湿度を用いる。しかし,

正しい潜熱負荷を予測するには実測値を設定値にするのが理想である。機器特性モデルで はエアコンの冷媒温度の変動による除湿量を計算することが可能である。そこで,機器特性 モデルでエアコンの除湿量を計算し,THERBに受け渡す連成の検討を行い,潜熱負荷の計算 精度への影響を確認する。図 4.15に条件Aにおける除湿量連成の有無による顕熱および潜 熱負荷の計算結果の比較を示す。顕熱負荷に関しては,実測値を設定温度としているため,

高い精度で捉えることができている。潜熱負荷に関しては,連成無の場合は連成有の場合と 比較して夜間で潜熱負荷が400-500W程度と高い値を示しており,実測値では潜熱負荷が出 ていないことを再現できていない。これは,実測のエアコンが低負荷運転であったか,除湿 されるほどの冷媒温度の低下がみられなかったためであると推察する。

102

【ES+AC連成計算(除湿量連成有無の比較_湿度60%一定)】

図 4.15 除湿量連成の有無による顕熱および潜熱負荷の計算結果の比較[条件A]

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Sensible HeatLoad[W]

8/28 8/29

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Latent HeatLoad[W]

8/28 8/29

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Total Heat Load[W]

8/28 8/29

a.i 【条件A】 顕熱負荷の経時変化比較

a.ii 【条件A】 潜熱負荷の経時変化比較

a.iii 【条件A】 全熱負荷の経時変化比較

103

図 4.16に条件Aにおける除湿量連成の有無による消費電力量・COP計算結果を示す。消 費電力の計算結果には連成の有無では大きな相違は見られない。COP 計算にも大きな相違 は見られないことが確認できる。COP 計算は消費電力の計算結果に大きく依存しており,

その精度は重要である。またピーク時刻のハンチングの影響を捉えておらずCOPは2-3程 度低い値を示している。細かいエアコンの ON/OFF までは機器特性モデルではモデル化出 来ていないことが要因である。しかし,相当に時間間隔を小さくしなくては変動を追うこと は難しいため,汎用性という観点で考えれば取り扱いは難しい。

図 4.16 除湿量連成の有無による消費電力量・COP計算[条件A]

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

EnergyConsumption[W]

8/28 8/29

0 2 4 6 8 10 12 14

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

COP[-]

8/28 8/29

a.iv 【条件A】 消費電力の経時変化比較

a.v 【条件A】 COPの経時変化比較

104

図 4.17 に条件 Aにおける除湿量連成の有無による吹出温湿度の計算結果の比較を示す。

除湿量連成無しの場合には,空調設定相対湿度を 60%一定として入力している。吹出の温 湿度は除湿量を連成した方が実測値を捉えていることが分かった。除湿量を連成しない場 合は,吹き出し温度では2℃程度の誤差,吹き出し絶対湿度は0.002kg/kg程度の誤差が生じ ている。これは入力している 60%の相対湿度が実測値と 5%程離れていることに起因する と考える。

図 4.17 除湿量連成の有無による吹出温湿度の計算結果の比較[条件A]

8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

Supply Air Temperature[]

Measured Uncoupled Coupled

8/28 8/29

0.006 0.008 0.01 0.012 0.014 0.016 0.018 0.02 0.022

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Supply Air Absolute Humidity[kg/kg(DA)]

Measured Uncoupled Coupled

8/28 8/29

30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20 0

Balk Air Relative Humidity[%]

Measured Uncoupled Coupled

8/28 8/29

a.vi 【条件A】 吹き出し温度の経時変化比較

a.vii 【条件A】 吹き出し絶対湿度の経時変化比較

a.viii 【条件A】 バルク相対湿度の経時変化比較

105

図 4.18に条件Bにおける除湿量連成の有無による顕熱および潜熱負荷の計算結果の比較 を示す。顕熱負荷に関しては,設定温度に実測のバルク温度を使用しているため,除湿量連 成有無で相違ない結果が得られた。8/19は熱負荷が合っていないが,これはエアコンの高負 荷運転が切り替わる温度に達していなかったのを機器特性モデルでは再現できていないこ とに起因すると推察する。機器特性モデルではエアコンのステップ変動についてモデル化 が出来ていないことが課題ではあるが,機器により異なる制御方式を汎用的に再現するこ とは一考を要する。潜熱負荷に関しては連成無しの方が100-200W 程度実測値より 大きいことが確認できる。全熱負荷は潜熱負荷の誤差によって高い値を示している。

図 4.18 除湿量連成の有無による顕熱および潜熱負荷の計算結果の比較[条件B]

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Sensible HeatLoad[W]

8/18 8/19

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Latent HeatLoad[W]

8/18 8/19

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

Total Heat Load[W]

8/18 8/19

b.I 【条件B】 顕熱負荷の経時変化比較

b.ii 【条件B】 潜熱負荷の経時変化比較

b.iii 【条件B】 全熱負荷の経時変化比較

106

図 4.19に条件Bにおける除湿量連成の有無による消費電力量・COP計算を示す。消費電 力量に関しては,除湿量連成をした方が精度は良いが COP 計算に関しては夜間の時間帯に 除湿量を連成しない方が良いといった結果が得られた。これは,全負荷の影響も受けている ので,COP計算を厳密に行うことは相当な精度が要求されることを示している。

図 4.19 除湿量連成の有無による消費電力量・COP計算[条件B]

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

EnergyConsumption[W]

8/18 8/19

0 2 4 6 8 10 12 14

0 4 8 12 16 20 0 4 8 12 16 20

Measured Uncoupled Coupled

COP[-]

8/18 8/19

b.iv 【条件B】 消費電力の経時変化比較

b.v 【条件B】 COPの経時変化比較

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 100-138)