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計画に関わるメガフロート研究の成果と整理

第 2 章 :研究の背景と目的

2.4 計画に関わるメガフロート研究の成果と整理

2.4.1 基本計画フロー

第1章では,メガの研究では浮体空港に特化している旨を述べたが,良く調査すると 一般的な浮体計画にも適用できると思われる内容もあるので以下にそれらを紹介する.

図2.15 メガフロートの基本計画フロー

図2.15はメガ研究の中で示された基本計画フロー4)で,解かりやすくまとまっている.

しかし,具体的には今回対象にする石炭浮体に適用しようとすると,特に上流部では簡

単ではないことが解る.即ち図2.15のA6の「浮体基本形状の選定」では全く新しい形 状も想定されるので,この選定作業では可能性のある多くの形状に対して主要寸法の設 定,構造計画,運用方法の設定,超概算見積りなどを実施して初期段階でのより好まし い形状を選定せねばならない.

例えば浮体の長さが500.0mを超える大型浮体の構造主要目を決定(選定)するため に,図2.15に従い流力弾性応答の解析プログラムを使用すると,大変な手間がかかり,

納期(時間)と検討作業の費用が設定されていて作業時間が限られている初期計画の段 階では事実上不可能という状況になる.大型浮体を採用したプロジェクト提案が少ない のはこのような状況にも一因があると思われる.

そこで本論文では,第3章で詳述するように,より簡便なまた構造解析で良く使われ

ているNASTRANプログラムを使った静解析により初期計画を行って構造要目を決定

したので,その手順を紹介しプロジェクトのスタートのために必要な初期計画では有効 であることを示す.その場合の検討のフローを「第4章 構造強度の初期計画」の項目 で示す.また,その場合の解析精度を検証するために別途実施した流力弾性応答プログ ラムを使った計算結果との比較・検証を第3章の最後に述べる.

なお,以下にはメガ研究の成果から流力弾性応答の一般特性を示す部分を抜粋し,

NASTRAN プログラムによる静解析でも初期計画段階での弾性応答状態を安全側で解

析できる根拠を示す.

2.4.2 弾性応答を示す浮体の剛性と大きさについて

H10 年度自主研究「メガフロート設計用基礎的データベース整備 第C編 弾性応 答計算のデータベース化」5)を参照.

2.4.3 メガフロートの基本特性について

メガフロート技術研究組合では弾性応答という複雑な現象を一般の人にも理解して もらう為の資料6)を作成したので,参考までに図2.16~2.18に紹介する.

出典:メガフロート技術研究組合,メガフロートの基本特性

図2.16 振動波形(弾性波長と水面波長)7)

出典:メガフロート技術研究組合,メガフロートの基本特性

図2.17 鉛直運動特性7)

出典:メガフロート技術研究組合,メガフロートの基本特性

図2.18 付加水重量7)

何故上記を引用したのか?それは大型石炭浮体の構造がメガフロートのような単純 な箱型構造でなく,多数のばら積船を平面的に寄せ集めたような形状になることが予想 されたからである.その場合今まで開発された異方性一様平板を対象に開発された弾性 応答プログラムを適用して構造検討するのは膨大な時間と費用が掛かり注文主の要求 に応えられない恐れがあった.更に石炭浮体は一様平板とは言い難く,単純にメガフロ ート用の弾性応答プログラムを適用するには相当無理があると思われた.

そこで比較的に扱い易く,かつ構造特性を適切にモデル化できる既存の構造解析プロ グラムであるMSC/NASTRANの使用を想定した.その場合NASTRANによる解析結 果が安全側に出るかどうか,検討する必要があった.勿論それぞれで解析して比較すれ ば判定できるのであるが,そのための検討時間はさらに膨大になるので,簡易的に安全 側かどうかを上記弾性応答の一般特性から推定した.即ちNASTRANでは,計画上の 最大波高の水波をサイン波でモデル(浮力バネ)化して,その上に浮体が乗っている状 態を静的に解いて各部の応力や撓みを算出する.

一方実際の弾性応答状態では波と浮体が一体化して運動(振動)状態に入るが,その 時の浮体構造の振動状態での振動波長(弾性波長)は本来の水面波長よりはるかに長い