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第 4 章 :構造強度の初期計画

4.6 石炭浮体の初期構造計画

4.6.4 単位ユニットの設定

石炭浮体の当初の計画では,浮体全体を建造ドッグに入る大きさのユニットに分割し て日本で建造して現地へ曳航し,現地でユニットを接合して全体を完成させるという条 件(計画フローの中では制約条件に相当)になっていたので,長期曳航も考慮せねばな らなかった.このような曳航では様々な方法が考えられるが,ユニットを直接海に浮か べてバージのように曳航するのが最も合理的と考えた.単位ユニットは建造ドッグに入 る最大のサイズが,ユニットの総数が少なくなり好ましいが,ユニットの曳航中の強度 が不十分であれば強度補強や水密区画の確保等曳航のための工事が必要となり不要な コストが大きくなる.そこで今回はユニットの大きさは,遠洋航海用バージ並みの強度 を確保できるサイズに設定にした.従って単位ユニットは単体で曳航できるように1つ の貨物艙を囲むようなサイズとし,それぞれが海上で浮かびかつ洋上接合を施工する場 合,部材の突合せが単純になるよう設定した.

構造強度の検討がユニットの強度検討から始まったのは上記理由によるものである.

ユニットの大きさをどのように設定するかは,石炭浮体のような大型浮体の初期計画に おいて重要な要素である.(医療浮体で一体建造が可能),またユニットへの分割の仕方 は洋上接合の手順と洋上施工のコストにも大きく関係するが「第6章:浮体建造法の検 討」で説明する.なお,ユニットのサイズについては3.3.4に述べているので参照のこ と.最終的なユニット分割図を図4.24に示す.

図4.24 石炭浮体のユニット分割図および接合順序

4.6.5 1貨物艙満載時の縦通隔壁の横強度の確認

1 貨物艙に石炭を満載した状態では,隣接した貨物艙は空なので,130.0mと縦方向 に長い縦通隔壁に大きな横方向への圧力が掛かる(3.3.3

石炭浮体,一般配置図(Model-4)参照).その時の静水中の水平方向の変位(静的横強度解析)と応力を3次元FEM

モデルで直接強度計算を実施し応力状況を確認した.

計算条件等を下記にしめす.なお,各部の部材詳細は,次節を参照.入力モデル図は 省略した.

横強度計算書(1ホールドモデル)

1. 概要

貯蔵バージの1UNIT分(1HOLDモデル)による,横構造の強度を検討す る

為に,三次元FEMモデルにより直接強度計算を実施し各部材の応力状況を 計算した.尚,解析は汎用解析プログラムMSC/NASTRANを使用した.

2. 計算モデル

2.1 モデル範囲と制御寸法 Fig.2-1~Fig.2-5 2.2 拘束条件

Fig.2-6 3. 荷重条件

図4.25 静的横強度計算書

COAL FULL d

図4.26 静的横強度計算結果

最大応力は当然であるが上甲板に発生しており,その値は約 175.4 N/mm2 であり,

許容応力範囲内であるが,波浪中での状態も別途検討する必要があることが判った.

4. 許 容 値

'4- 1 応 力 度 評価

          各部 材 の 許容 応 力を 下記 に 示 す。

σ l σ t・σ v σ e

外板 、内 底 板 、 縦通 隔 壁 板 10 0/ k 1 45 /k 14 5/ k

ガ ー ダ - - 17 5/ k

スツ ー ル 斜板 、 横 隔 壁板 - 1 45 /k 17 5/ k

( 備 考 )

1 . 単 位 : N/ m m2

2 . σ e : √ ( σ l2- σl ・σ t+σ t2+ 3τ2) ( 縦 強 度部 材 )        : √ ( σ v2-σ v・ σt+σ t2+3 τ2) ( 横 強度 部 材 )

  σ l : 船 長 方向 に お け る直 応 力    σ t :   船 幅 方向 に おけ る 直 応 力   σ v : 船の 深 さ方 向 に お け る 直 応 力

  τ : 船 長 船 幅 方 向 に お け る 面 内の せ ん 断 応 力 3 . 各 応 力 の 検 出 位 置 は 、要 素 中 心 と する 。

4 . K は 、 使 用す る 鋼 材 の 種 類 に 応 じ た 係 数で 以 下に よ る 。      M S ・・ ・1 . 0  、  H T32 ・・ ・0 . 78   、  HT3 6 ・・ ・0 . 72 5 . モ デ ル 構 成 上で 出 来 る、 微 小な 要 素に は 適用 し な い 。

5.計 算 結果

単位 : m m , N /m m2

U PP ER D EC K

       ・変 形 図 7 2. 1 m m F ig. 5 - 1

       ・等 価 応 力 分布 図 17 5. 4 N /m m2 F ig. 5 - 2        ・せ ん 断 応 力 図 8 1. 7 N/ m m2 F ig. 5 - 3

全 体 TRA N S F ig. 5 - 4

中 央 TRA N S①

       ・変 形 図 8 0. 7 m m F ig. 5 - 5

       ・等 価 応 力 分布 図 12 0. 9 N /m m2 F ig. 5 - 6        ・せ ん 断 応 力 図 5 2. 4 N/ m m2 F ig. 5 - 7 中 央 TRA N S②

       ・変 形 図 8 0. 4 m m F ig. 5 - 8

       ・等 価 応 力 分布 図 10 8. 3 N /m m2 F ig. 5 - 9        ・せ ん 断 応 力 図 5 3. 2 N/ m m2 Fi g. 5 - 1 0

項 目 結果

板 構 造 モ デ ル の 許 容 応力

17 5/ k

-

-縦 強 度 部 材

横 強 度 部 材 フ ロ ア、 クロ ス デ ッ キ、 クロ ス デッ キ 桁 材

対象 部 材

4.6.6 全体剛性検討のための構造断面の決定と断面図の作成