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第 4 章 ヒト・ノイラミニダーゼ-2−シアル酸誘導体の複合体形成に伴う全自由エネルギー

4.2 解析方法

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活性値より求まる全自由エネルギー変化の変動をLERE-QSAR解析から定量的に説明でき たこと, (2) その変動を支配する特定のエネルギー成分を明らかにしたこと, (3) oseltamivir の結合選択性を担う相互作用様式を定量的に明らかにしたのでそれらを中心に以下に述 べる [18, 21, 249].

4.2 解析方法

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6 peramivirg CH(CH2CH3)2 NHC(=NH2+)NH2 0.33

7 oseltamivirh OCH(CH2CH3)2 NH3+ 5

a Taken from ref. 244 (in mM).

b Isobutyl ether DANA mimetic.

c 3-Hydroxypropyl ether DANA mimetic.

d 2,3-Dihydroxypropyl ether DANA mimetic.

e 2-Deoxy-2,3-didehydro-N-acetyl-neuraminic acid.

f Relenza.

g Rapiacta.

h Tamiflu.

4.2.2 hNEU2−シアル酸誘導体の複合体構造のモデリング

現在, PDB に登録されている hNEU2 の立体構造として, 14 件の X 線結晶解析構造 (PDB codes: 1SNT, 1SO7, 1VCU, 2F0Z, 2F10, 2F11, 2F12, 2F13, 2F24, 2F25, 2F26, 2F27, 2F28, 2F29 [239])が 利 用 可 能 で あ る. こ の な か に は, 表 4.2 に 示 す compound 7 (oseltamivir)以外の compounds 1–6 と hNEU2 の複合体の立体構造があるが, 特に compound 4 (DANA)とhNEU2の複合体構造 (PDB code: 1VCU, 図4.2 (a))は, 欠落アミノ 酸残基が最小であるため, これを各化合物の複合体の初期構造として使用した. なお,

1VCU は crystal packing により野生型ホモ二量体の構造として存在するが, 通常その酵素

機能は単量体hNEU2が担うと考えられるため, 実際には単量体B鎖構造を使用した. 欠落 アミノ酸残基が最小である 1VCU の B 鎖構造においても, 一部のアミノ酸残基 (Ser284–

Gly287, Leu378–Gln380)の座標に欠落が確認されたため, SYBYL7.0 [198]を用いて補完し た. hNEU2−compound 4の複合体構造 (complex 4)におけるcompound 4とcompound 1 (IEM, PDB code: 2F11, complex 1), 2 (HEM, 2F12, 2), 3 (DEM, 2F13, 3), 5 (zanamivir, 2F0Z, 5), 6 (peramivir, 2F10, 6)および7 (oseltamivir, 2HU4, 7)とhNEU2の複合体構造にお ける化合物同士の座標の重ね合わせ操作から, compound 4の座標をそれぞれの化合物の 座標に置き換えることで, 各化合物の複合体の初期構造を構築した.

一方で, complexes 2, 4, 5におけるそれぞれの化合物のfragment A部位の近傍に位置す る構造領域 (loop A: Ile103–Thr122, loop B: Val265–Ser275)において, 特にloop A部位に 有意な構造変化を確認できる (図4.3). なかでも, complex 2のloop Aの構造は, complexes 4, 5 のそれらと比べて大きく異なり, これは化合物の fragment A 部位の構造の違い (compound 2: R1 = OCH2CH2CH2(OH), 4, 5: CH(OH)CH(OH)CH2(OH))に起因する相互作 用様式の差異を反映していると考えられる. また, complexes 1, 3, 6におけるloop A部位の 座標は欠落していることから, loop Aは柔軟な構造領域であることが示唆される. 実際, この

loop A あり, リ complex わち, fr 示唆され compou complex

4.3 (a) Co

また, 線結晶解 hNEU2 びW2の ぞれ0.3 存在し, N1-NA guanidin (compou なお, 各 ン化状態 に準ずる 合体の系 (14: 5 に準じ, fragmen (a)

部位を含む ガンドの結 xes 16にお ragment A

れる. その unds 1, 3

x 2のそれに

3 Compoun omplex 2 (H

インフルエ 解析構造

との間の相 の酸素原子 33 Å (n = 7 , リガンドと のモデリン no (NHC(= unds 14, 7 各複合体に 態の決定,

. 本解析 系全体の電

, 57: 4個 表 4.3 の nt A 部位

む構造領域 結合に伴い おけるloop

部位の構造 ため, com については に置き換える

nds 2, 4, 5HEM, 2F12),

エンザウイル (PDB code 相互作用を媒 子の位置の根 7)および0.4hNEU2

ング方法と

=NH2+)NH2) 7), W1: guan における解離 末端残基の においても 電荷状態 (c

)を加え, の計算条件に

との水素結

域は, リガンド い大きく構造 B部位は, l 造に応じて, mpound 2 の は, その複合

ることで,

fragment (b) Complex

ルス・NAの場 s: 2F11, 2F 媒介する水 根平均二乗

44 Å (n= 8 との間の相 同様に, fr )基)に依存す

nidino基 ( 離性のアミノ

の処理および , particle m compounds

エネルギー に基づき行 結合ないしは

(b)

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ド非結合の 造変化する

loop Aほど その近傍の の fragmen 合体中におけ

複合体構造を

t A部位の近 x 4 (DANA,

場合と同様 F12, 2F13, 水分子 (W1, 乗変位 (roo 8)であること 相互作用を媒

fragment C する特異的 (5, 6))を考慮

酸残基 (A び溶媒効果 mesh Ewald

s 14: −5, ー極小化計 行った. Step

は静電相互

hNEU2に ることが報告

の大きな構 の構造領域 t A 部位と ける loops

を再構築し

近傍に位置 1VCU), (c)

, hNEU2−

2F25, 2F27 , W2)が確認

t mean squa とから, これら

媒介すると 部位 (hy 的な水分子

慮してそれぞ Asp, Glu, Ly

果については (PME)法 57: −4)を 算を行った ps 3, 4 にお 互作用に関

おけるdiso 告されてい 構造変化は確 域に変化が生 と類似した部

A, B 部位 した.

置する構造領 Complex 5 (

−リガンド複 7, 1VCU)に 認された (

are deviatio ら水分子は 考えられる ydroxyl (OH

(W1, W2: h ぞれの複合 ys, Arg)の取

, 3.2.2 節 [200]を使用 を中性に保つ た. その手順

おける極小 与するアミノ

(c)

order領域の る [239].

確認されない 生じている可

部分構造を 位の座標を対

領域 (loops (zanamivir, 2

複合体の複数 において,

図4.4 (a)). W on: RMSD)は はほぼ同等な

. そのため H), amino

hydroxyl, a 合体構造を構

取扱い, His 節のモデリン 用するために

つように N 順は, 3.2.2節 小化計算では

ノ酸残基 (

の一部で 一方で, . すな 可能性が を有する 対応する

s A, B) 2F0Z).

数個のX リガンドと

W1およ

, それ な位置に め, 先の (NH3+), amino基 構築した.

のプロト ング方法 に, 各複 a+イオン 節の方法 は, 特に (Glu111,

Tyr179, 束 (10

(a) 相互

4の相互 近傍のア

表4.3 MM sim Force fi Solvent Cut-off Step 1. M

Step 2. M

Step 3. M

Step 4. M

a Ser284

b The at harmoni

(a)

, Tyr181, G kcal/mol/Å

図4 互作用を媒介

互作用様式. W アミノ酸残基

hNEU2−シ

mulation ield

effect

MM

MM

MMb

MMb

4–Gly287 and tomic position ic potential o

Glu218, Gln Å2)を設けるこ

.4 シアル酸 介する水分子

W1およびW

を表す.

シアル酸誘導

parm99 (hN TIP3P octa 10 Å 水素原子お (SD: 1,000 水分子とカ (SD: 1,000 阻害剤とア (SD: 1,000 系全体の極 (SD: 1,000 最急降下 d Leu378–Gl ns of Glu111 of 10 kcal/mo

n270) (図4 ことでX線結

酸誘導体の (PDB code

W2は水分子

導体の複合

NEU2), GAF ahedron wate

および欠落ア 0 cycles, CG:

カウンターイオ 0 cycles, CG:

アミノ酸残基の 0 cycles, CG:

極小化 0 cycles, CG:

(SD)法, 共役 ln380.

, Tyr179, Tyr l/Å2.

96 .4 (b))に対 結晶解析構

のhNEU2に es: 2F11, 2F1 子を, pockets

合体構造に対

FF (compoun er box (12 Å)

アミノ酸残基a 1,000 cycles オンの極小化 5,000 cycles の側鎖原子の

5,000 cycles

5,000 cycles 役勾配 (CG r181, Glu218

(b)

対して, 調和 構造からの大

に対する結合 12, 2F13, 2F s A, B, C,

対するエネル

ds 1–7)

aの極小化

s, PBC)

s, PBC) の極小化

s, PBC)

s, PBC) G)法, 周期境

8, and Gln270

ポテンシャル 大きな逸脱を

合相互作用 25, 2F27, 1V

それぞれf

ルギー極小

界条件 (PBC 0 were constra

ル型の原子 を防いだ.

様式 VCU), (b) Co

fragments A,

小化計算

C)

rained with a

子位置拘

ompound , B, C

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4.2.3 LERE-QSAR 解析 (hNEU2−シアル酸誘導体)

シアル酸誘導体と hNEU2 の複合体形成に伴う実測の全自由エネルギー変化 (ΔGobs)の 変動を支配する相互作用様式を明確にするために, LERE-QSAR 解析 [16–21]を行った. 2.1節において構築したLERE-QSAR解析の基本式 (2.6)において, 結合相互作用エネル ギーΔEbind (= ΔEbind0 + Edisp)はFMO/MP2/6-31Gで算出し, ΔEbind0およびEdispはそれぞれ

ΔEbindFMO/HFおよびEcorrにより評価した. 水和自由エネルギー変化の極性項ΔGsolpolarは阻害

剤の結合部位以外の微小な構造変化に対して敏感であるため, この効果を 200 ps の production molecular dynamics (MD)より得られるダイナミクストラジェクトリから統計平均値 (<ΔGsolpolar>)として (MD後半150 psのダイナミクストラジェクトリから3.0 ps間隔で抽出した 50 個の構造に基づき)算出することで考慮した. これは, 前節で確認したように, 阻害剤の

fragment A 部位の近傍に位置する構造領域は柔軟であるため, この変化に起因する

ΔGsolpolar を評価するためである. なお, <ΔGsolpolar>は古典的連続誘電体モデルである

Poisson−Boltzmann/generalized Born-OBC I (PB/GB-OBC I)法で評価した. 解離自由エネ ルギー変化ΔGdissは, シアル酸誘導体のfragment C部位 (hydroxyl (OH), amino (NH3+), guanidino (NHC(=NH2+)NH2)基)の自由エネルギー変化として, self-consistent reaction field-conductor-like polarizable continuum model (SCRF-CPCM)/HF/6-31+G(d,p)により評価 した. なお, シアル酸誘導体の fragment B 部位 (carboxyl (COO)基, pKa ∼ 2.4)および fragment C部位のguanidino基 (pKa ∼ 13)については, 至適pH (= 5.6) [244, 250]における

hNEU2との複合体形成の前後ではほぼ完全に解離していると考えられるため, 本解析では

compound 6 (oseltamivir)の amino 基 の 解 離 自 由 エ ネ ル ギ ー 変 化 の み を 評 価 し た.

<ΔGsolpolar>を除く各エネルギー項は, 前節のモデリング方法に従って構築したhNEU2−シア ル酸誘導体の複合体構造に基づき算出した. 最終的に式 (2.6)から下式 (4.1)を導出し, こ

れをhNEU2−シアル酸誘導体に対するLERE-QSAR解析における基本式とした.

ΔGobs1EbindFMO/HF+ Ecorr+<ΔGsolpolar (PB/GB-OBC I)>) +γ2ΔGdiss+ const3 (4.1)

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