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第7節 観光立県=国際観光・保養地の形成 一低価格・長期滞在型観光地をめざして-
観光とは何だろうか。その定義は難しい。しかし、各地からそこに来るとい うことは何らかの観光の価値があるからであろう。
沖縄の場合は亜熱帯特有の自然環境、青い海、青い空、珊瑚礁、植生、これ らの織りなす自然景観、そこで展開されてきた歴史、住民の生活習慣、伝統文 化、生活観、食文化、特産物等々数え上げれば際限がない。これらは自前の観 光資源だが、これらを人為的な知恵で組み合わせて産業化しているのが観光産
業のようである。
この場合も他所から来た者が住民の生活に“ゆとり”を感じ、そこで生活し ている者がホスピタリティ(授愛)をもって産業を営んで欲しい。
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(1)長寿の島づくり
暮らしが豊かになり、医療が発達したお陰で曰本人の平均寿命は80才(男子 76才、女子83才)と格段に延び、世界一の長寿国家になった。そして、沖縄県 は日本一の長寿県である。この事実が全国のみならず世界の医学界、産業界、
社会学会等から注目を集めており、いわば豊かな社会の震源地になっている。
ひと昔は俗に「人生50年」と言われて、60才まで生きることを喜びとし、還 暦を盛大に祝ったものである。因みに、約40年前(1949~50)の平均寿命は男 子56.2才、女子59.6才であった。
戦後、日本は経済の復興と共に食生活も豊かになり、栄養水準、衛生水準の 向上や、医療施設の充実等で平均寿命が次第に延びたことは事実だが、所得水 準も低く、従って医療施設も他府県よりは低いはずの沖縄県が他府県よりも平 均寿命が長いのは何故か?ということは謎である。多分、温暖な気候風土、
食生活、おおらかな県民性等がその素地ではないかと言われているが、定かで はない。これらはいずれにしても、期せずして観光地としての要素にもなって いる。
前述のように、日本の社会が豊かになるに従って、社会環境、生活環境も高 齢化社会、核家族化、少子化現象、晩婚化、離婚率の上昇、家事・育児の平等 化等といった変化に伴って、社会的のニーズも変化し、生活様式、余暇の過ご し方も変わってきた。豊かで元気なシルバー層の出現、家族型レジャーへの変 化、生涯学習への意欲等という形での需要の芽生えが見られる。
以上のような観点から有効だと思われるアイディア、コンセプト等を上げる と次のようなことが考えられる。
*低価格宿泊施設の大量提供
本県はこれまでの施策の展開で地価は激減し、物価も下がる。このような利 点を創り出し、低価格滞在が出来るような施策を推し進め、より多くの人がよ り多くの国から来て、長期滞在が出来るようにする。これは国際交流のコンセ プトであったが、国際観光のコンセプトも同じである。
商品販売・流通においても特定銘柄や老舗を強調した商法で値段を高くする
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ことによって利益を高めようとする、いわばデパート方式が薄利多売のスーパ ー方式に押されて来ているが、観光産業分野の宿泊施設に於いてもこれと似た ような現象は出てこよう。
昨年の11月の大阪で開催されたAPECで、大阪はこの機会を活用して大阪 を宣伝しようと外国のメディア関係者へあらゆる便宜を提供した。しかし、日 本の宿泊費の高さに長居できず、APECが終わると彼等は一斉に曰本を去っ
た。空港でマイクを向けられ日本の印象を聞かれたたマレーシアの記者などは、
はっきりと「日本での一泊の値段は私の一ト月の給料です」と述懐していたの が印象的である。このことからも伺えるように、宿泊費の高さは所得水準の低 い国にとっては大きな障壁なのである。
また、毎年「世界ウチナーンチュ大会」を開催し、盛況を博し、国際交流の
実績を上げているような印象を受けるが、ここにも同様な状況があることを見 逃してはならない。沖縄滞在中、親戚縁者のある人はそこで世話になることが 出来るが、親戚縁者の居ない者や自費で来ている者にとっては宿泊費や物価高
は大変である。
我々は世界一の所得と物価高の中で、鉄筋(借金)コンクリート住宅を目一
杯のローンを払って“ゆとり”無く生活しているが、この世界一の所得と鉄筋
コンクリート住宅だけを見せ、日本・沖縄の繁栄を誇示するだけで、この辺の配慮を欠いていはしないか?短い滞在ではあるが、“ゆとり”の無い生活と もてなしを見抜き、低所得だが低物価で“ゆとり”と人間味のある自分たちの
国に郷愁と愛着を感じつつ帰ったのではあるまいか?数十年前からヨーロッパ各国にはユースホステルが各地にあって、極めて低 廉で、クリーンで便利な宿泊施設になっているようである。その当時から数年
にわたってヨーロッパ各地を遊学してきたある女性の話によると、ヨーロッパ にはスリースター(三つ星)からファイプスター(五つ星)と高級で快適なホテルもあるが、低廉でクリーンで便利なユースホステルが各地にあったため安 心して数年にわたってヨーロッパ各地を観光というよりは異文化を楽しみなが
ら遊学し、永居できた、と述懐していた。
地価が前述のようにただ同然になれば、造成費と上部構造のコストだけであ
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る。従って、運営のコストも安く押さえられ、宿泊費も民宿並或いはそれ以下 で抑えられよう。炊事、洗濯、風呂場等が完備され、娯楽施設が備わって研修 ができる程度の施設を適切な場所に多数つくり、運営は民間に委託する方式を とる。こういった施設は本土からの団体、グループや外国からの団体、グルー プ、家族、個人へ提供できるようにする。例えば、前述のアジア芸能大会出場 のためのアジア諸国からの団体、グループ等へはこういった施設を提供し長期 滞在が出来るようにする。宿泊料は素泊まりで千円か二千円程度にし、前述の 国民所得の低い国に対しては一定の割引もあり得るようにする。
*高齢者層の交流の場の提供
多種多様の趣味の中で共通の趣味を持つグループを全国に募り、大会を行い、
交流を深める。
例えば、ゲートポール大会、カラオケ大会等から一般教養、マネージメント、
環境問題、リサイクル活動、街づくり、農業問題、菜園、盆栽、釣り、等とい った趣味を対象にした大会・交流を、国民休暇村等の安くて多目的に活用でき る施設で1週間前後の曰程で開催する。ついでに観光をし、保養をし、人間ド ック等の医療検査も行う。
大会十交流十観光十保養十医療=1週間 こういう企画を旅行社が企画し、恒常化を図る゜
*定年後の人たちが
「経験・余力を社会にどの程度還元できるか」
「定年後の人生の過ごし方」
「匠になろう」
等のテーマで恒常的に勉強会・研究会・シンポジウムを開催する。
*スポーツの振興
温暖な気候を売り物に各種スポーツの練習場の提供を行う。そのためには夜 間照明灯、宿泊、炊事、風呂場等の施設のついたスポーツ施設の充実を図り、
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ローコストで長期間滞在ができるように配慮する。
*「空手のメッカづくり」
空手の発祥地としての歴史的事実を基に、各流派を統合してランクを設定し、
2年に1度の割で大会を開催し格付けを行う。このような行事を盛り上げ、権
威付けを行いメッカづくりをする。「空手道大学」構想も有望である。戦後、空手は世界的に非常に普及しており、300万人の空手人口がいるとい われている。このような武道家の発祥地に対する憧れは熱く、機会があれば発 祥の地・沖縄を訪れたいという思いは強い。このようなニーズに応えて正しい 武道としての空手道を伝授することは空手道の望ましい発展にもつながるし、
観光の一助にもなる。
*従来のイベント等の活性化
◎サントピア沖縄
大手旅行エージェントがスポンサーになって温暖な気候を生かし、冬場に各
種スポーツ行事や文化的行事を開催している。今年は11月19曰~12月17日の29日間、第一回ジュニアオープン卓球大会、大 京オープンゴルフ等、13種目のスポーツイベントが予定されている。
◎世界ウチナーンチュ大会
去年は第2回世界ウチナーンチュ大会が11月16日~19日に開催され、沖縄芸
能交流祭、海外県人会長会議、国内県人交流会、ワールド・ウチナーンチュ・フォーラム、ジュニア・サミット等多彩な催しが行われ、恒例化し、年々盛り
上がりを見せ、観光立県のアトラクション化してきている。
(2)民族文化芸能の振興
一島喚文化芸能の保存とその振興を求めて-
(A)発想・生活・価値観の多様性
アジアの地図を広げてみると、中国のような膨大な人口を抱えた広大な大陸、
ジャングルにおおわれたカンボジア、ベトナム、島喚国家のフィリピン、イン
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