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第4節 国際ハブ港湾の造成と「国際入札センター」の設置 一曰本の高物価社会構造の崩壊をめざして-
(1)ハブ港湾の建設と「便宜置籍船の母港化」宣言
この構想の狙いは、世界の流通市場価格と破格に違う日本の物価を下げる事 によって、デフレ効果を産み出し、全国の消費者の生活を豊かにすることにあ る。
シンガポールや香港と同程度のハブ港湾形成をめざし、中城湾全域を対象に 最新の技術とスケールメリットを最大限に追求した大深水バース、ガントリー クレーン、コンテナーヤード、専用船バース、サイロ、その他関連サービス等 の施設を備えた-大流通基地を造成する。また、パナマやリベリアのように
「便宜置籍船の母港化」宣言を行い、商船協会、海上保険会社、オフショアー バンク等の関連企業の優遇措置を図りつつ「流通コンプレックス」の形成を10
~15年計画で進める。投資規模は1.5兆円規模となろう。これを国策として推 進する。これを国策として推進する理由は、
①日本経済社会の高物価構造社会の改善
②沖縄は貿易立県をめざしており、基本インフラとしてのアジア経済圏で通 用する規模の港湾(ハブをめざす)は不可欠である。
このために1.5兆円規模の膨大な投資が必要になるが、次の経済計算で十分 役割を果たし得る。
1993年の曰本の人口は1億2,358万人で、-世帯約3人程度であるから、約4, 100万世帯である。また、勤労者世帯の可処分所得は474,000円で、実支出(食 料費を含む消費支出352,000円、税金等の非消費支出90,000円)計442,000円を 支出すると残りは32,000円で、住宅ローン等を払っていると余裕がない、とい
うのが平均的な曰本人の生活実感である。
ここで生活物価下落により-世帯当たり1万円の“ゆとり”をもたらすこと が出来れば、4,100万世帯であるから4,100億円の効果を曰本社会にもたらした ことになる。2万円の“ゆとり”をもたらせば8,200億円の効果をもたらした ことになる。3万円の“ゆとり',をもたらせば、1兆2,000億円であるから、
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1年強でペイ出来るわけであり、極めて投資効率が良い。これが発想の原点で
あり、施策の原単位である。更に言うならば、日本の基準で積算した工事金額は国際入札すると3~5割 安になるというから超投資効率の良さである。
しかし現実の所、アジア経済圏に於いて貨物の積み降ろし費用等が高い日本 の港湾は敬遠され、トランシップ比率は年々低下してきている。これは中国や シンガポールなどアジア諸国・地域が大規模な港湾整備を進め、集積地として のハブ(拠点)機能が年々向上しているからである。こ壁をクリアーするため
には
①パナマやリペリアのように「便宜置籍船の母港化」宣言を行う。
②コンテナー(40フィート)の積み降ろし価格が150ドル(ちなみに日本は 350ドル、シンガポールは150ドル)を切れるようなスケール、機能、施設等
であること、
③24時間港湾であること、
④コンテナー船一隻の積み下ろしを5時間で行う
等が前提である。従って、こういった実状を克服し、既存のハブ港湾機能を凌駕するためには、
「国際入札センター」の設置が有効不可欠である。この「国際入札センター」
は各国の農業団体、商社、企業等が各自の農産物、商品、製品を入札・落札す るばかりでなく、世界の農産物、製品、部品等の情報交換・集積・発信のセン ターにする。国際貿易センター沖縄も認証を得ているのでこれらの機能を相互 に働かせる事によって相乗効果を発揮してこよう。
このためには当然初期作業として、港湾の造成、ヒンターランド、導線等の 道路ネットワーク等のインフラの整備から始まるわけだが、この時点からすべ て工事は“国際入札”とし、「国際入札センター」の土壌づくりに資するよう
にすることが肝要である。また、副次的な効果として流通部品をローコストで入手することが出来れば、
家電製品、パソコン等のアッセンブル産業の萌芽も期待される。
香港は1997年に中国へ返還されるが、これはいわばその逆を行く構想で、
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「沖縄の香港化」とも言える。
つまり、経済活動に関する関税 障壁及び規制を完全に撤廃し、
経済活動に対しては世界に門戸 をオープンにする。そして、シ ンガポールが展開しているのと 同じように優遇措置を講じなが ら本社機能の誘致を進め、本社 機能、本部機能の集積をも併せ て図ろ。
このような総合的な「流通コ ンプレックス」を造成すること によって、業界の持つ集積の利 益を産み出して行くことが関連 企業や業者に取っての魅力にも なり、フィーズビリティーの醸 成にも繋がる。
図441流通コンプレックスの造成
エアカーゴ 本土 那覇空港
上海・韓国
アモイ
li
ムロ 湾
東南アジア
太平洋
・プラスチック産業
・包装・梱包産業
(参考)
かつて曰本は海運王国であったが、その地位が急速に低下してきている。20 年程前までは神戸はロッテルダムに次いで世界第二でアジアのハブポートの位 置にあったが、’95年の世界の港のコンテナー貨物取り扱い量は①香港、②シ ンガポール、③高雄(台湾)、④ロッテルダム、⑤釜山(韓国)の11頂になって いる。ハブ港湾をめざすのであればコンテナー船の大型化に対応してマイナス 15メートルの大深水港湾施設が必要である。現在、世界のコンテナー貨物の6 割はアジアを経由しており、今後ともその割合は高まる傾向にある。このよう な趨勢を反映して、アジアではすでに香港は4バース、シンガポールは6バー スのコンテナーターミナルを持っている。それにひきかえ曰本は昨年神戸に2 パースが完成したばかりで、日本の港湾整備は国際水準から大きく遅れをとつ
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ている。このように日本が抱えるさまざまな問題解決の突破口として「沖縄を
便宜置籍船の母港に」という提案もなされている。(1)
図44-2「中城広域港湾(ハブ港湾)」.「国際入札センター」及び
柵iiiカーゴ・エアポート」関連図
に:①
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(2)流通改革も消費者主権で
以前から曰本の物価高の元凶は「規制」とそれを前提とした大手商社を中心 とした大手流通業者の割拠にあると言われていた。つまり、国内産業を保護・
育成するために輸入品目に対して国内産業育成・保護政策に基づく軽重に応じ て関税をかけ、輸入量を決めていた。そして、輸入量は大手商社を中心とする 輸入業者の実績や体力に応じて入札を行わせたり、輸入割り当てを行っていた。
いったん輸入割当を貰った親会社はこれを子会社に割り当て、子会社は孫会 社に割り当てる。曾孫会社は更に製造工場、卸業者、中小流通業者、小売業者 そして消費者と、外国の安い原料や製品・商品が消費者にわたるまで複雑な流 通経路を経て到達する仕組みになっている。その都度流通マージンが上乗せさ れるので輸入価格100円のものが消費者の手元では1,000円に跳ね上がっている という結果になっている。因みに米は国際価格の5倍、砂糖は10倍だといわれ ているし、国内流通を見ても、例えば25インチカラーテレビの向上引き渡し価 格は7万円程度であるが、電気専門小売り店では25~30万円の価格がついてい
る。物によって多少の相違はあるが状況はほぼ似ている。
このような状況が何故手つかずであったかというと、これら大手流通業者に 対する配慮と中間流通業に携わる人達の大量失業問題があった。つまり、業界 を守るか国民の生活の向上を図るかの選択であるが、後者を進めなければなら ないのは当然である。
具体的にどう進めるかということで提案されたのが物流コンプレックスの形 成を前提とした「国際入札センター」の設置である。その資格、基準、義務、
遵守事項をまとめてみると次のような事が考えられる。
①入札資格基準を東南アジア諸国の中間程度の業者、各種団体(自治体、農 協、漁協、工連等)が参加出来る程度に落としてゆく。
②申請(資格、入札等)手続きを簡素化・標準化する。
③原則として英語を使い、ドル価格で取引する。
④「国際資格基準局」及び「国際取引保障機構」への加盟を義務づける
⑤商品、製品、原材料、部品等の見本を展示する。
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