Title
「地方分権としての一国二制度」(二)−沖縄を国際自
由都市・フリーポートに−
Author(s)
平良, 朝男
Citation
沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 21(1): 1-77
Issue Date
1999-03-19
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6823
「地方分権としての一国二制度」(二)
-沖縄を国際自由都市・フリーポートに-
消費者主権の向上のために 日本の経済社会構造改革のために 国民・県民の生活はこうなる 沖縄大学法経学部教授平良朝男
目次 節節節節 1234 章第第第第 序 大変革の時期 大変革の秘策 沖縄の命題 一国二制度的な経済主権を持つ「国際自由都市(フリーポート)」 と「沖縄コミッション」 第一章世界の現状と課題 第1節今曰の世界の経済社会状況 第2節高所得追求型経済発展の限界 (1)曰本の経済社会の仕組みの欠陥 (2)デフレ経済学試論 第3節アジア地域の経済発展と問題点 -1-第二章日本の果たすべき役割
第1節新しい曰本外交のスタンス(外交理念)の構築
第2節ODA(政府開発援助)の現状
(1)1997年度の予算 (2)援助のランク(グランド・エレメント) (3)曰本の援助に対する批判第三章沖縄県の果たすべき役割と経済社会開発の方向
一国際交流、国際貢献、国際ビジネス、国際観光・保養のキーストーンの
形成をめざして-第1節国際交流、国際貢献、国際ビジネス、国際観光・保養のキーストー
ンの形成 第2節地元産業の現状と課題第3節一国二制度的な経済主権を持つ「国際自由都市(フリーポート)」
(1)FTZの形態 (2)大義・戦略・ねらい (3)克服すべき課題 (4)FTZの中身と管理運営主体 (5)インフラの整備 (6)経済活動 (7)物価と消費者と地元企業・産業界 (8)県内企業。産業界の反応・対応 (9)国際機関・機構 (10)教育 (11)治安 (12)基地 (以上、前回掲載) -2-第4節「沖縄コミッション」の掌握範囲 第5節経済活動の自由化と庶民生活への影響 第四章具体的提案 第1節沖縄の教育改革一バイリンガル県をめざして- (1)英語の公用語化 (2)「沖縄国際学園構想」 第2節アジアユニバシアードセンター(AUC)の設置 一各国の地方自治体・団体との交流促進をめざして- (1)「留学生10万人受け入れ計画」 (2)アジアユニパシアードセンター(AUC)の設置 (3)その他の機構 (4)アジアユニバシアードセンター(AUC)の規模と機能 第3節土地問題と新しい土地利用計画一土地神話の崩壊をめざして- (1)施策の提言(1)-沖縄全島買い取り (2)基地の功罪 (3)施策の提言(2)-米軍基地の北部への集約 第4節物流コンプレックスの形成と「国際入札センター」の併設 一日本の高物価構造社会の崩壊をめざして- (1)ハブ港湾の建設と「便宜置籍船の母港化」宣言 (2)流通改革も消費者主権で 第5節「アジア安保機構」と「アジア開発機構」の設置 一紛争抑止と「平和の配当」をめざして- 第6節「国際人材銀行」の設置 一人材・ノウハウの交流・触発を求めて- 第7節国際観光・保養地の形成 一低価格・長期保養・長期滞在型観光地をめざして- (1)長寿の島づくり -3-
(2)民族文化芸能の振興 一島喚文化芸能の保存とその振興を求めて- (1)発想・生活・価値観の多様性 (2)プロモーターとしての沖縄 第8節ニュービジネス・ベンチャービジネスの興隆 一アジア太平洋におけるビジネスのキーストーンの形成をめざして- (1) (2) (3) 第9節 沖縄の情報産業の戦略 マルチメディア社会 マルチメディア巨大市場の出現 200万人都市の形成 一他民族同居型都市形成をめざして- 資料編 -4-
第4節「沖縄コミッション」の掌握範囲
「一国二制度・フリーポート型」にした場合、「沖縄コミッション」の国内 外政治・経済・社会諸活動の掌握範囲を明確にしておくことが『経済主権を持 つ「一国二制度・フリーポート」』の理解にも繋がるものと思われるので、そ の概要を表に要約してみた。 衷斗1「沖縄コミッション」の掌掴範囲 1997年10月四日沖縄大学・平良朗男作成 -5- 各分野 Ni薮 中央政府 政治 外交 防爾 福祉 司法・厚生・医療 ・自衛隊 地方自治体 ICCC-●●●●●●●。●●ローC●●●。 ̄ ̄● ̄の●。■ ̄ ̄● ̄ ̄ ̄ 沖縄コミッション *日本/沖縄/APEC〆 ンバーでWI成 会 員会会鈩会議会
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謹瀧 WTO、APECの決麟を遵守・先行遂行. パナマのような「便宜船籍地宣言」を行う WTO、APECの決殴を遵守・先行逆行;鑿蕊慧
体に任す 外交ピザは対象にしない雛蕊鵜:綴
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中央政府 地方自治体,Rii露醗一
ティー創造 ヨロ境庁地方目治体 中央露自治体
基地 防i府庁・沖i;1W蕊l濡村
*中央政府 経済主権を持つ「一国二制度・フリーポート」とはいえ、日本国民として曰 本国憲法の下で政治、外交、社会保障制度、司法制度は日本国のルールに従う。
従って、対応する中央各省庁の管轄下である。例えば、従来のように一定数の
国会議員を国会に送りだし、各地方自治体は従来のような代議員制の政治活動
をおこなう。外交の場合、例えば亡命のような政治ピザは発給しないが、経済ピザ(例え
ば観光ビザ)は発給する。福祉・厚生・医療については、曰本国民として社会保障制度の恩恵に浴する。
司法についても日本の法体系の下に日本のルールで裁判を行う。しかし、今後
民事分野では国際慣行の影響も受けてこよう。 *地方自治体(県及び市町村)地方自治体には上記の国家行政としての委任事務と各地方自治体独自或いは
国との連携での土地利用、産業政策、民政部門のサービスがある。点線までの
①~④が国家委任事務であり、点線以下の⑤~⑨は県独自或いは連携の事業で
ある。この部分から「沖縄コミッション」に委ねる。 *沖縄コミッション 土地利用・産業政策・住宅政策等これは例えば⑤の土地利用は土地問題の根幹に触れるものであり、日本の
将来の社会改造に大きな影響を与える試金石である。
⑥の産業政策は将来の沖縄の振興と大きく関わる。⑦、⑧、⑨は民生部門
だが、これらも⑤と同様国家社会改造の試金石としての期待がかけられる分
野である。 貿易活動 関税、IQ、輸出入手続き、内航・外航等の分野 -6-経済活動 ①~⑤まではこれまでにも県やその他の提案で取り上げられてきた。しか し、経済活動はそれ以外にも重要な分野があり、特に金融をどう引き込む か、法人組織をどうするか等で経済活動の枠組みが決まってくる。⑨は国際 化の中で土木建築基準を含めて国際スタンダードをどう取り込むかという問 題を含んでいる。⑩は沖縄振興の戦略的インフラ整備であり、最重要課題で ある。 国際活動 構成メンバーであるAPECが加わっている「沖縄コミッション」を通し て、「交流、人権、平和、共生、環境」の五項目を曰本外交の理念として発 信する。従来のODAのあり方を抜本的に見直す機会にもなる。外交分野で あるから、外務省との協力・連携は不可欠。 「沖縄コミッション」を通して援助活動をすることによって、これまでの曰 本の消極的な対応、偏った配分、フォーローアップ、技術移転等の面でこれ までのODA活動がバランスの取れたものになって行くはずである。 治安・防疫 前に触れたので割愛する。
第5節経済活動の自由化に伴う庶民生活への影響
私は規制を緩和し経済活動を自由にすることの一義的なねらいは、あらゆる 流通物資を国際市場価格で市場で売り買いすることによって庶民の生活を“ゆ とりのある”ものにすることにある、と述べてきた。そこで、ここでは経済活 動の自由化が庶民の生活にどのような影響を与え、どのように変わって行くの かを中心に眺めて見たい。 -7-M(m-In.-LLトN=′we筆画瞳Kい`W-ユーLA辻1噸煙・勲NWI燭e鬮睾(lR糾叶十匹||+'11m躯憲駅蝿) 「蝉鍬八蒸弓閑弓閑〆函朝 塗出緬ぶぺK/で陛墾廻 如壇”しFK隆.圃鬮鶏 “瑚聾へ蝦幽陛圃等1迷- 寵→→入野㈱→回→くい一・匝 聾溝鼻噛又→→響→聾興心匝唖 聾“凹瓢鰍一戦→垣一両掴Ⅱ八掛仁砿 →駆幽漣・→ト臼→倒目→→¥潮騒, 鵜軽牌匿紳絲、竺磯頬憧鴎×喚一巾蓉N 臼,“侶憎倒八如黒0.Hや肛愚く僧 玉鵜側・馴謂P匪煙鏑灘剰ド隆殿殿仏
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造っている)
これはまたかっての曰本の農産物の輸入自由化の経過を見ても伺えよう。最
初アメリカがオレンジの輸入の自由化を迫った時、日本はミカン農家が潰れる
と抵抗した。しかし、実際に輸入してみるとミカン農家は潰れず、品質は向上
し、ミカン農家の足腰は強くなり、国際競争力がついた。日本のミカンは冬場
ならば一人で幾つも食べるが、曰本人でオレンジを一人で幾つも食べる人はいない。地元の人に馴染んだ嗜好は、外部の供給者よりも本気になれば地元の供
給者が強い例である。以後、牛肉、米についても同様であった。
では、畜産についてはどうか?地元産の豚肉1,000円、台湾産700円、フィ
リッピン産500円と産地指定を義務付けて消費者の選択に任せばよい。これは
他の食品や農産物についてもいえる。防疫検査は-通り行うが万全ということ
はない。健康面や安全・安心面を考える消費者ならば少々高くても健康面や安
全・安心できるものを家族のために選択するであろう。少し趣は異なるが、さ
さにしきやこしひかり等の自主流通米は高くても品質や嗜好で選択されて自由
化の過程でも消費者に好まれ、十分に国際競争力を持っている。これなどは自
由化が品質を向上させ、国際競争力を育んだ好例と言えよう。
ガソリン等の燃料・エネルギー等も円高効果等も加わって国際価格は現在の
半値程度といわれているから、交通費や輸送コストも下がってこよう。現に個
人タクシー等は自主的に通常価格よりも低い値段で客にアピールしているのも
見かける。このような状況の中で現在すでに施工段階にあるモノレール事業は
大丈夫だろうか?路線を含めてこれからでも再考の余地があるのではないか?
庶民感覚として入ごとながら心配になってくる。
貿易の輸出入申請手続きも簡素化をするためには、国際スタンダードに沿っ
て英語で記入・申請させた方が合理化も早い。輸出入品目は3万点にも昇ると
言うから、これを英語で処理するとなると税関の職員達は「これは大変だ」と
狼狽するかもしれないが、通常取り扱う品目はせいぜい100~150品目で復帰前
はそうしてきた。そうだと決まれば、すぐ慣れるものである海運・貿易は沖縄の場合、県策ないしは国策として育てなければならないか
ら、この分野の雇用は増えてくる。この場合、外航・貿易は国際スタンダード
-10-で行われるわけであるから、業務処理文書等は当然英語である。必然的に海運 ・貿易分野で英語のニーズが高まってくる。 ①人口→急増 a・年金生活者であるシルバー層・若者が殺到する。例えば、年金が月20 万円の年金生活者を考えた場合、東京で20万円で生活するよりは、同じ 20万円ならば物価が安く、温暖な沖縄で生活した方がいいからである。 また、若者にとっても閉塞感の漂う本土よりも、国際化の先陣を切って 変化があり、可能性のある場の方が賃金は安くても魅力がある。 b・本土で働いている者も郷里・沖縄に新しい国際化の波が広がり、ビジ ネスチャンスも多いという状況になれば、本土で一定のレベルの技術を 身につけ、ノウハウを持った県出身者のUターンも増えることは目に見 えている。また、海外に留学し、コスモポリタンとして世界に通用する レベルの人材も、彼等の受け皿があれば帰郷して沖縄の発展に尽くした いという人は多い。 c・外国人居住者も増えるだろう。この場合、無差別に入れるのではな く、カナダやオーストラリアが居住権を与える場合と同様、-定額の資 本の携帯を条件にする。或いは事業展開を条件にする等によっても居住 権の取得を望む者は多い。 d・貿易商社や外国との取引が増大すると、その国に精通したその国の出 身者を採用するケースや、合作等によって-定量の外国人の雇用は必要 になってくる。 以上のようなことから、人口の急増が予想され、成り行きに任せておくと 混乱を生じるので、一定の秩序あるコントロールが必要になってこよう。 ②雇用→急増 低物価、低賃金圧力が支配的になってくるが、雇用は確実に急増する。貿
易や経済活動面での制度改革により進出企業も出てこようし、起業、投資、
増資、合併、倒産、転業・廃業等と多様な変化が起きてきて、雇用機会は確
一11-実に急増するが、これまであまり起こらなかった転職や転業が増えてくるこ
とが予想される。また、小資本でできる流通、小売り業部門が雨後の竹の子のように発生
し、ダブルジョブ現象が生まれてこよう。ビジネスチャンスが増えるので、
低賃金現象をカバーするようにダプルジョブで賃金の減少傾向を補う者も増
加してこよう。一方、雇用機会が増え、完全雇用が達成されると、シンガポール等に見ら
れるように、3K(危険、汚い、きつい)の職業分野に働く者が極端に減
り、低賃金労働者を-定量導入しなければならない状況も起きてこよう。例
えば、高齢化社会の結果として寝たきり老人の介添婦、ホームメイド、公共
土木工事の増加に伴う危険な作業部門、尿尿終末処理作業現場等の労働者の
不足が問題になってくる。 ③家庭生活a・低物価という環境で、一般的には“ゆとり”が出てくる。しかし、収
入源である賃金は横這い、ないしは低下傾向が続く。
b,家賃も長い目では低下傾向を辿るだろう。貸しアパートや貸し事務所
の空きがあちらこちらで目に付くようになってきた。地域によっては30
%もの空き室があるともいわれており、値崩れを起こしかねない状況で
ある。しかし、空き室や家賃が物価の下落ほど急速に現れないのは、事
務所、アパート或いはマンションの建築が、かつての金利高、借り入れ
金を頼りに作られているため、返済が固定されており、これを下げると
言うことは不足分を自己負担しなくてはならないという事情があるから
である。しかし、一般的に言って10室の内、6~7室埋まっているとい
うのが損益分岐点であるといわれているから、他が下げると損益分岐点
を割らない処までは下げてくる可能性はある。人口が増え需要は増える
が、デフレ時代で低価格指向がトレンドになってきているので、高家賃
は敬遠される。地主、家主層はこれまで不労所得分を享受してきたが、
この分が今後減少するわけである。 -12-c、一般的には諸物価の下落で生活に“ゆとり”が出てきて、貯蓄も増え る。貯蓄が増えると、マネービル・財テク現象がおきてくる。 。.しかし、従来のような土地神話は崩壊してくるので、土地への投資は 敬遠され、ハイリターン・ハイリスクを前提としながらも株や証券への 関心が高まってこよう。 そして、小金をため、小資本で起業ができる貿易やルート販売、小売 業等のサイドジョプが増えてこよう。これによって一般庶民はサイドジ ョブが禁止されている公務員よりは潤ってくるはずである。 ④消費 a・貿易や経済活動の自由化により、外国の生活様式の輸入に伴う関連商 品、スポーツ・レジャー用品、旅行、教養、公演、ショウビジネス等の 増大、“ゆとり”の増大により消費需要は拡大して行く。 b・車、ステレオ、ポート、ヨット、家電製品、家具等の商品も従来は国 内産が主流であったが、価格も安いものから高級品まで、国内産から外 国製品までと多種多様化してこよう。 c、aで述べたように自由化により外国との交流が増え、個人的趣味・嗜 好も国際化・多様化してきて、この分野の支出も増えてくる。 d、これまでのトレンドで海外旅行も安くなり、海外旅行も量的拡大が起 きる。また、従来の曰本型パック旅行だけでなく、目的型グループ旅 行、個人旅行等の多様化も出てくる。さらに、仕入れ、買い出し型半ビ ジネス、半観光の仕入れ・買い出し旅行といった形態も予想される。 ⑤文化 ここでまた、生活観の多様化現象も出てこよう。以前のような立身出世を 人生の至上のものとする風潮は昨今はかなり薄れている。更に、「社長にな りたい」という拝金思想も以前より薄れてきているように思える。すべての 面でおしなべて平準化してきたせいか、地位や身分や金の多寡が生活の質や 生き甲斐・人生観を大きく左右したりする状況がなくなってきている。その -13-
かわり、家庭のあり方や個人の生き方、こだわり、主義、主張等で存在感を
誇示する傾向が出てこよう。良く言えば精神面の豊かさ、個性を尊ぶ風潮が
顕在化してこよう。例えば、旅行好きなある家族は、余暇が出来ると世界各
地に旅行する。ただし、先進国の一流ホテルを渡り歩くのではなく、家族全
員でワゴン車を駆り、野営しながらローコストで発展途上国を旅するのを主 義としている。また、ある家族はどういう訳か春夏の高校野球選抜試合の下働きで郷土チームの応援をしており、寄付金集め、安い食料品集め、応援団
の人集めに凝っている。そして、その年のヒーローのプロマイドづくり、販
売をしている、これが必ずしも家計のたしになっているわけではない、とい
った具合に、である。個人的なレベルでは今でも音楽や旅行、菜園、車、絵画、郷土芸能、果て
はボランティア等に凝っている者は多い。特に郷土芸能・伝統文化が沖縄の
アイデンティティーの基礎をなすものとして見直されてきているし、若者の
間で新たな興隆が起きている。趣味のレベルからこだわり、生き方までこれ
らで装飾したり、執着したりして個性や魅力を醸している。こういった個人
の生き方、主義、主張が、図ゆとり”がある分また家庭や家族のあり方へと
繋がって行くであろう。a、国際化の影響を受けて、外国留学の傾向は高まってこよう。大学進学
も本土指向が強かったが、これからはアメリカを中心とした外国指向が
強まってくる。これまでは、外国留学しても沖縄に彼らを受け入れる企
業や機関が無かったため、外国留学の動機が薄かった。台湾では台湾大
学や精華大学の卒業生の3割方がアメリカ留学をする。高雄特別加工区
や新竹科学工業園区での進出企業の外国語特に英語のニーズが現実にあ
り、語学を修得していることが高所得に繋がるという現実があるからである。沖縄の場合も今後の進め方次第で国際機関や外国企業の進出が期
待され、これまで以上にその予兆も実感されてきている。-つでも国際
機関の設置や外国企業進出が起これば触発されて、外国留学指向は高ま
る。b、現在でもりんけんバンド、ディアマンテス、喜納昌吉、パーシャクラ
ー14-ブ、ネーネーズ、アヤメパンド等に見るように伝統芸能を根にもつ現代 風若者の庶民芸能は発生し、若者の共感を呼び覚ましてきている。 ロックは米軍の若者達の影響もあって全国的にもレベルは高いと言わ れており、喜屋武マリー、ジョージ紫、コンディション・グリーン等は 全国的にもかなりの集客力を持っている。 また、安室奈美江、SPEED、MAX等を中央芸能界に売り出した 沖縄アクターズスクールの例に見るように、沖縄キャラクターの魅力を 中央の芸能界に持ち込み、インパクトを与えている例もある。 この分野では沖縄は内発的なエネルギーを持っているし、外部からの 触発によってもかなりのインパクトを与える可能性を持っている。従っ て、より国際的な外部からの触発はそれなりの国際性を持った芸能、シ ョウピジネスを生み出す可能性を秘めている。 c・国際化し、観光地・保養地化し住み心地が良いと、国内的にも国際的 にも有名人、著名人が長期滞在したり、住み着いたりするようになる。 こういった人たちがまた沖縄キャラクターを磨いたり、沖縄キャラクタ ーに加わったりして新たな沖縄文化の素地を造る。
こういった国際感覚を身につけた人材の増加で、ややもすると閉鎖的
指向の強かった沖縄の文化やアイデンティティーも国際感覚を帯びてこ よう。これがまた従来持ち合わせていると言われている沖縄の外国人へ の受容性よりも、高められ、広げられた形で定着して新たな国際受容性 を育み、新たな沖縄のアイデンティティーを生み出してゆこう。 d、国際都市というのはある程度の異民族の居住を前提としている。食文 化を売り物にした中華街、インドネシア、マレーシア、タイ等の食材・ 飲食店街、香港テーラー街、インドテーラー街、台湾家電・パソコン街 等々とそれぞれの文化や工業製品、商品を持ち込んでこよう。これはま た、彼らの生活習慣、冠婚葬祭、宗教をも持ち込んでくることをも意味 する。そしてこれらの風習もまた沖縄文化のファクターとなって行くは ずである。 このようにして沖縄の持つ内発的な文化が異文化をも取り込んで新た -15-な沖縄のアイデンティティーをつくりだして行くはずである。 ⑥その他 a・人口が急増すると、水の使用量も増えてくる。現在ダムが随所につく られ、最大限に降水量を取り込むようにしているが、限られた水源には 限界がある。特に宮古のような水源の少ない離島は問題である。地下水 はあるが、カルシューム濃度は高く、農薬の汚染も進んでいるという。 海水の淡水化も考えられるが、コスト高である。同時に下水処理も多額 の投資を必要とする。 b・ゴミ処理、塵芥処理、生活排水、終末処理、産業廃棄物等は現在でも 受け入れ市町村が無く大きな問題となっている。これらの問題は常に環 境問題とぶつかってこよう。 社会活動面
生活意識や教育水準の向上、国際化の進展に伴って庶民の消費者主権の意識
も高揚してくる。それに伴って市民・庶民意識も高まり、賃金アップ要求型の
労働組合運動も“ゆとり”要求型へと変化を見せ、婦人団体活動、市民活動が 活発化してくる。また、国際化に伴いNGO、人権、平和、援助活動等の市民 レベルの国際交流、団体活動も活発になるだろう。これまでの諸活動が中堅層 であったのに対し、これからの活動は若者、シルバー層も加わった多面的なも のになるだろう。特に女性のウーマンパワーは社会諸活動の中心となってこ よう。 資源の浪費を生活観を変えることによって考え直そうという「エコロジー運 動」を推進している婦人グループもいる。江戸時代までは人間が生活をしてい く上で、ほとんど捨てるものは無かったそうである。人糞・家畜の排泄物を± に戻し、そこから野菜、穀物の恵みを受け、家畜を養い糧にする、という輪廻で衣食住を満たし、質素に生き、精神文化に人間としての重きを置いていた、
と言う。そこまでいかないにしても、資源の浪費を至上とするがあまり、化学
肥料を使わざるを得ない現代生活を反省し、自然の輪廻に則した有機肥料で我
-16-々の食生活を保証する「エココミュニティー」づくりを読谷村で展開している。 一方、多種多様の変化の過程で時代の変化について行けない層もでてくる。 そもそもの変革のねらいが低所得でも“ゆとり”を生み出してゆこうという事 であったから、構造的な貧富の差を生み出すものではない。従って、貧困層は 従来よりは遥かに少ない構造になるはずであるが、ゼロではない。 治安・防疫 ,従来型犯罪と違った密輸、密航、麻薬、売春、武器等の国際犯罪は出てこよ う。また、食材、動植物の輸出入も増えるため、食中毒、病害虫等の問題もこ れまでよりは多発する可能性はある。 しかし、前に述べたようにシンガポールや香港という先輩国があり、彼らの ノウハウを活かして未然に防止する方策を練ることができる。 環境 人口増、企業進出に伴うゴミ処理、終末処理、生活排水、産業廃棄物等の問 題は、即自然環境問題とぶつかる。自然環境問題が重視されればされるほど、 これまでのような国際都市形成構想の進展も抑制されてこよう。環境保護か保 全かで絶えずこの分野の議論は産官学及び市民を巻き込んで是非を問う議論が 展開されよう。 失われた緑空間、緑を増やすための「みどりの公団」のような、シルバー層 を対象にした海浜の整備、保養地の植栽、都市部の緑化、都市景観の創成等を 目的とした、低賃金で緑空間、緑を増やす営利団体ができないものか? 前述の「エココミュニティー」づくりは自然と共生する-つのモデルとして 注目に値する。 -17-
第四章具体的提案
アジア太平洋圏域の中での沖縄の地政学的有利性を認識し、その高度かつ多
面的活用を考えるならば、沖縄はこのような“国際自由都市(フリーポート)”
になることが、我が日本・沖縄のためになるばかりでなく、アジア太平洋圏域
の経済社会諸活動のためにも最良の選択である。それは、下記の役割を担いつつ「沖縄コミッション」が采配する経済振興政
策に基づいて産業の振興を図り、高失業を解消し経済自立を達成する事が出来
る。その過程で沖縄がめざす国際都市形成が出来上がってくることになるから
である。①日本は経済大国であるが、国際化の潮流の中でかなり立ち後れている。そ
のために経済社会活動面で閉塞感に悩まされている。現在進められているフ
リートレードゾーン(FTZ)の議論は「地域限定型」か「全県型」かにと
どまっているが、「一国二制度的な国際自由都市(フリーポート)」まで押
し進める事によって日本図4-,-,新しい国土構造のイメージ図
経済社会改造の先導的役 割を効果的に果たすこと が出来る。 ②アジア太平洋圏域では アジアNIESをはじめ アジア経済発展のダイナ ミズムが起きているが、 一方では発展のきっかけ を掴みかねている多くの 国々がある。これらの国 々への経済社会分野での 協力・支援の発信地とし ての役割を担うことによ って国際貢献が出来る。 -18-③アジア太平洋圏域での協議・調整・協力機能としての国際機関(アジア安 保機構、国際貿易センター、アジア人権センター等)を集積することによっ て、経済活動のみならず、社会活動面での“場”を提供する事が出来る。 このように沖縄は世界的就中アジア太平洋圏域でのパラダイムシフトのな かで、日本経済社会改造の先導的役割を担う先導地域、アジア太平洋圏域で の諸活動のための“場”づくりを指向すべきである。 このような観点から、沖縄が一国二制度的な経済主権を持つ国際自由都市 (フリーポート)になるになるために必要な施策の提案を行う。 (1)沖縄県は日本語を国語とし、英語を公用語とする。 (2)学生国際交流のセンターとして「アジアユニバシアードセンター(AU C)」を建設する。併せて、外務省・ODAのアジアプランチを置く。 (3)商業地、住宅地、市街化調整区域、軍用地を除く農地、原野、山林を公 用化ないしは県有化する。
(4)アジア太平図4-1-2沖縄県の経済社会開発の将来像づくり
-第4の軸木±-沖縄一東南アジアへの架け橋の形成一 洋圏域で通用 するハブ港湾 を建設、「物 流コンプレッ クス」を形成 し、「国際入 札センター」 を併設する。 (5)中南部にあ る軍用地を全 面返還し、大 浦湾を中心と した地域に移 設集約する。(6)米軍基地のプレゼンスを前提として、沖縄に「アジア安保機構」と「ア ジア開発ファンド」を置く。 (7)低価格・長期保養・長期滞在型の国際観光・保養地の形成
(8)国際機関集積型ニューピジネス・ベンチャービジネスの醸成
(9)200万人都市の形成(1)、(3)、(7)、(8)、(9)は地元沖縄県あるいは地元産業界が主体的に進め
るべきものであるが、他は国策として国が財投を組みバックアップして推進す
べきものである。以上の提言は、従来型の47都道府県の一角としての沖縄、今まで培われてき
た横並び的な発想からすると奇抜に映るかもしれないが、これまで述べてきた
事情を認識すれば最良の地理的条件にある沖縄に課せられた当然の使命である。
地方分権化、規制緩和がトレンドとなり、国際化が進展している今日、遅れ
ている現状を取り戻すためには、この程度の施策の展開をしないと、沖縄は地の利を活かし、上述の理念を踏襲した国際貢献は果たしてゆけない。
また、五全総においても、「これまで国主導だった地域づくりから自主的な
地域づくりへの転換や地域同士の連帯強化を図る事を強調。地方中枢都市に空
港や港湾、世界水準の学術・研究施設を整備して、情報発信する新たな広域国
際交流圏をつくるなどして地域の自主性を高めることを戦略的課題に挙げてい
る」と、開かれた、活力のある、自主的な地域づくりを強調し期待している。
第1節沖縄の教育革命
一バイリンガル県をめざして-
(1)英語の公用語化シンガポールや香港がアジアのビジネスセンターとして栄えているのは、自
由貿易に加えて英語が公用語であったことに負うところが大きかったことは明
白である。 -20-「国際都市構想」を掲げ、国際化を推進し、国際的にビジネスを展開して行 くためには国際言語としての英語の公用化は不可欠である。これは国際ビジネ ス、国際交流等の促進を阻んでいる言語障壁を取り除くことを意味するからで ある。 これはまた、本県が離島県であること、歴史的経過等から他府県では考えに くいが、沖縄県でならば出来る施策だからである。 この場合も、国語が日本語であることは当然だが、英語を公用語とし、公文 書はすべて日本語、英語を併記する。従って、これまで通り曰本語だけでも用 は足せるし、加えて英語でも用は足せるような社会環境をつくる。 この先例は幾つかある。シンガポールが一番良い例で、中国語・英語・マレ ーシア語を公用語とし、そのどちらかを使えば良いことになっている。しかし、 実際には国際取引が英語でなされる場合が大半で、職業や高所得を得るために は英語能力を身につけていた方が有利なため、やはり英語がメインになって いる。 古くはスイスは以前からフランス語・ドイツ語・英語が公用語として使われ ている。また、アジアに点在するモリジブ共和国、フィジーやミクロネシア、 メラネシア、ヒマラヤ山中のブータン、その他の弱小の独立国は英語が公用語 である。 英語を公用語にするというと一瞬戸惑うかもしれないが、県民が一斉の英語 を使え、ということではない。国際化して行く過程では、アジア-円で行われ る国際会議にしても、国際入札・落札、貿易上の申請業務、銀行取引、契約等 の国際ビジネスにしても英語がコミュニケーション手段、商取引の公文書とし て行われる場合が多くなってくる。このようなことから、公的機関はそれを先 導して行く立場から、公文書を曰本語と英語を併記し、どちらでもビジネス、 その他諸活動が行える環境づくりに勤める必要がある、ということを強調して いるのである。例えば、県庁の各部署の表示くらいは今からでも日本語と英語 で表示しておくと、外国からの訪問者もアクセスしやすくなるし、職員や県民
に対するデモンストレーション効果にもなる。職員採用に当たっては即刻英語
の科目を義務づけるべきである。 -21-また、将来とも英語のニーズが高まって来ることに備えて、より多くの県民 がバイリンガルとして国際ビジネス、国際活動に主体的に参画できるように沖 縄独自の教育体系をこれから準備する事が不可欠である。 実は、復帰前にも英語の公用化論争はあった。しかし、当時の英語の公用化 論は為政者のアメリカに媚びたものであった。しかし、今回は国際化を推進し て行くという自主性に基ずくもので明らかに背景が違う。従って、日本国民と しての自覚とアイデンティティーを喪失するものではなく、大いに進めるべき である。 47都道府県の中で沖縄県だけが画一的な基準から逸脱することになるが、地 域主義、地方分権、国際化のトレンドの中で、国際化の進んでいるアジア地域 の近傍にある沖縄県としては自然の選択であり、むしろ遅きに失した感がある。 ここの所にこそ、あせりを感ずるべきである。 事実、大分県の平松知事は「アジア太平洋地域の人材育成の拠点」として、 在学生の半数を外国からの留学生が占める「立命館アジア太平洋大学」(仮称) 構想を発表している(朝曰新聞、’96年9月26日)。 従って、今や英語を公用語にしただけでは、遅れを取り戻せない状況にあり、 英知を働かせて地域貢献をする教育関連産業を考えるとすれば、後述する「国 際資格基準局」や「国際取引保証機構」等は有望である。 公用語化がもたらす在来型の産業としては印刷・出版業がある。シンガポー ルは周辺の発展途上国及び弱小独立国の英語関係の出版物を一手に引き受け、 周辺諸国の印刷出版センターの役割を果たしてかなりのビジネスを形成して いる。 また、地中海にマルタという人口35万人程の小さな独立国があるる。この国 はかつてはイギリス海軍の基地があって、基地収入に依存していた。しかし、 基地撤去後、独立して、観光と周辺アラブ諸国への英語関係の出版で国の経済 を成り立たせている。 実施に当たっては色々なアイデア、コンセプト等が考えられるが、此処が知 恵の出しどころでもある。 沖縄が国際都市をめざし、国際交流の拠点になることを指向するのであれば、 -22-
国際的諸活動のコミュニケー ションの手段として、英語の 公用語化は必然的な流れであ る。コミュニケーションがス ムーズに行われることがビジ ネス及び諸活動を容易にし、 これらビジネス及び諸活動の 集積を進め、これがまたコミ ュニケーションの重要性を高 める、といった相互作用が働 き、自然に国際貿易の場の形 成、国際交流の場の形成に寄 与する、といった好循環を生 み出して行くはずである。国 図4-1-3英語の公用語化による波及効果 際的なビジネス、交流や観光が行われ、その量的拡大にしたがって、質的にも 高度化してくると、国際見本市や国際会議、コンベンション活動も増えてくる。 このように量的拡大と同時に質的高度化が進めば、沖縄はまさに国際ビジネス、 国際会議、国際諸活動のキーストーンになる。 この場合、これからの国際的な経済社会活動はインターネット等のマルチメ ディアをベースにした大量で高速な物流・情報流・サービス流そして金融の流 れであり、これらの活動は当然マルチメディアを駆使したビジネス活動で、巨 大なマルチメディア市場になってゆくはずである。 また、これらに呼応した曰本・アジア太平洋をカバーする報道活動、その他 各種活動に付随するニュービジネスが誕生する、といった循環で日本・アジア にまたがるビジネス及び社会活動が展開され、ビジネスに限らず人間諸活動の 豊穣をもたらす。 そして、これらの諸活動を支える人材は、英語が話せるバイリンガルで、マ ルチメディアを駆使でき、世界に通用する専門知識を備えたコスモポリタンで あることが必要であり、このレベルの人材の需要が高まってくるはずである。 -23-
(2)「沖縄国際学園」構想 これまで述べたことから国際ビジネス、国際機関・機構等への人材供給、外 部から流入してくる高学歴な人材の子供達のための“英語とインターネットを ベースとした”幼児から小学校、中学校、高校、大学、大学院までの世界で通 用する一貫した教育機関の設置が不可欠になってくる。 我が国の教育体系は戦後先進国へのキャッチアップ段階では、わが国の経済 社会発展に大きく貢献してきたことに異論をはさむ者はいない。 しかし、先進国の仲間入りを果たし、ある面では先進諸国を凌駕するまでに なった現在、これまでの教育体系は創造性、国際感覚を欠き、人間形成の面で も情操性は希薄で、コミュニケーションの手段としての語学教育は効果を上げ ず、国際化が進展している現代社会でその硬直化がもたらす弊害が顕在化して 来ているのが現状である。 文部省その他教育関係者もこういった状況を打開すべく努力はしている。し かし、その実体は相変わらず問題の元凶である知識偏重の過密カリキュラムの 削減に手着けずである。従って、これらがもたらす情操教育の欠落による校内
暴力、体罰、いじめ、登校拒否、自殺等の社会問題はむしろ増幅している。
屋上屋を重ねるように、これまでの過密カリキュラムに加えて更なる中教審
勧告の追加。そして現場の指導面では情熱を持った教師の体罰への社会の過敏 な反応、その結果資格はあるが情熱を失った教師群等といった悪循環の呪縛構 造から抜けきれないのが現状である。 このような日本の教育の現状に絶望したが、私のこれまでの考え方に共鳴し沖縄独自の教育体系を構築する事に情熱を燃やす者が私の処に寄ってきている。
OCEAN21の酒元謙二氏やアメリカン大学・沖縄の上地昇氏等である。酒元氏は現在、県の委託を受けて起業家育成プログラムを作成し、企業家育成に取
り組んでいるが、数年以内にアメリカの起業家育成の分野で実績と権威を持つ
セントトーマス大学と連携し国際的に通用する起業家を育成する大学院づくり をめざしている。また、上地氏は文部省の認可を受けることを諦めて、開き直 ってアメリカのいくつかの大学と提携し、英語で教育を行っている。理由は、既存の文部省型教育体系では今日の国際化社会にふさわしい国際感
-24-覚をもった人材は育てられない、という危機感と、沖縄で改革の範を示し、先
導役を果たしたい、という情熱からである。 文部省型教育は時代にそぐわなくなっているにもかかわらず、今なお権威主 義に徹し、学部新設に際しては膨大な申請資料と莫大な資金(-学部新設する のに5~60億円)がかかる。 それよりも、教育の分野での規制緩和が進んでいるアメリカやその他の先進国の大学との単位互換協定を結び、図4-1-4沖縄国際学園組織.運営図
教授陣の交流に力点を置いて相互鶯
に交流し、国際レベルを維持する ことに努めた方がいい。今曰のよ うにコンピューターやインターネ ット等のマルチメディアが発達し てくると、英語を公用語としイン ターネットをペースとした教育体 系を構築すれば、教育に国境はな いのである。 カリキュラムも従来の知識偏重 の教育体系を大幅に改める必要が ある。従来の知識伝授部門を二つ の言語を使用することを配慮して 3分の1程度にし、その応用や人 間としての行動力、協調性、創造 性、哲学、倫理観を重視し、家庭 や社会を取り込んだフィールドワ ークに重点を置いた教育体系を構!
大学 施股メンテナンス 短大マルチ・メンテナンス 一ソに里尺亡直い7こ叡同14糸とI再週宮方針築する必要がある。・国際水箪の教育レベルを維持しつつ、コストを下げる努力をします。
・属lWl効果を上げるように努力します。具体的な理念やコンセプトもあ・アジア太平洋地域を舞台にした起業家を効率よく育成します。
.この教育体系を通して国際化を促進します。 るが、ここでは割愛しイメージを.フィールドワークを機軸に教育改革を進めます。 ・既存関連機関との有機的連携を図ります。 まとめたのが右の図である。.近い将来に「バーチャル大学ネットワーク」の構築をめざします。 -25-教育も独占状態で唯一無二と言うのでは時代のニーズに合った自己改革やサ
ービスを怠る。NTTを民営化し第二電電をつくったのも同じ理屈である。今
や教育と言えども独占状態にしておくのはこれまでの経過からしてよくない。
今閉塞状況にある日本教育も文部省と対時した教育体系を創り、競争を生み出
すことに依ってしか改善出来ない。二期目のクリントン大統領は21世紀へ向けての教育改善を最優先に掲げ、す
べての8歳児が読書出来るようにすること、保護者の学校選択の自由を拡大す
ること、米国内のすべての教室と図書館をインターネットで結ぶこと等の10項
目の改革案を提唱している。この中で「保護者の学校の選択の自由を拡大すること」の意味は、既存の教
育体系が唯一無二ではなく、親が子供の将来の幸せを考えて、既存の学校体系
にやるのか、新しく構築された学校体系へやるのかを選択できるようにする、
ということで教育体系の多様化を促している。もはや教育も硬直した教育体系
に隷属する必要はなく、選択の時代に入ったといえる。
また、台湾は今や世界のパソコン市場の覇者になっているが、台湾の「新竹
科学工業園区」には、台湾出身でシリコンバレーで働いていた高学歴の技術者
達が移り住み、台湾のエレクトロニクス技術、特にパソコンの分野で台湾の国
際競争力のレベルアップに貢献していることはよく知られている。この高学歴
技術者達がこの工業園区に移り住む条件は所得面の待遇よりも、彼らの子供達
が「英語をペースとした国際水準の教育を受けられるように保証する」という
ことが条件であったことは、沖縄の今後の教育体系を考える場合にも示唆に富
む例である。(3)「国際資格基準局」と「国際取引保証機構」の設置
公用語が英語になることによって、多様なニュー・ビジネスが発生する。
これは現在、アジア経済圏は華僑ネットワークが支配しており、アジア経済
圏の繁栄に貢献した役割は大きいものがあった。しかし、-部資本の論理が優
先しすぎて経済活動、商取引の場面で、発展途上国の努力が正当に反映されず、
必ずしもフェアーで近代的とは言えない部分がある。このため自助努力による
-26-発展の萌芽を阻害している場合が多いのも事実である。この様な部分の近代化 を図り、公正で透明な商取引市場を形成することは共通の利益をもたらすこと にも繋がる。これらの機構や機能は後述する「国際入札センター」等との関連 で相乗効果を生み出すものであり、英語の公用語化がもたらす新たなビジネス ・チャンスの造出でもある。このレベルのことを発想し、プロモートするのが 先進国らしい態度であり、知恵である。 また、アジアには多様な文化を持つ多くの国々があり、発展途上にある国も 多い。この様な地域で貿易、商取引を行う場合、取引上のリスク、文化の違い や商慣行の違い等が介在し、お互いの経済面での交流の妨げになっている事が 予想される。事実、アジアは経済のダイナミズムが起きてきているが、経済犯 罪の多発地帯でもある。 「国際資格基準局」は、商取引や契約条項の標準化を図り、その履行を確実 なものにすりことによって、この様な状況を改善することを目的に設置するも のである。このように商圏の商取引を標準化・近代化する事はその地域の経済 活動の効率を高めることになり、各国に利益のも繋がるものである。具体的に は各国の各種の資格を持った者を対象に、国際入札や契約・履行の業務が行え る資格を持つ者の養成を行うための研修。訓練施設を設置し、そこで一定の研 修・訓練を受けた者に資格を授与し、権威づけを行う。 「国際取引保証機構」は国際取引の正常化を図るため、リスクを回避し、そ のことによって国際取引の安全を保障し、信頼を高めるためのものである。 これらの機関の設置を経団連、曰本商工会議所や沖縄商工会議所、工業連合 会等で組織し、アジア地域諸国へ呼びかけ、推進する。
第2節「アジアユニバーシアードセンター」(AUC)の設立
一各国の地方自治体・団体との交流促進をめざして-
(1)「留学生10万人受け入れ計画」 中曽根政権の時、中曽根総理は「21世紀までに10万人の外国留学生を受け入 -27-れる」と言明した。これを受けて昭和58年8月の「21世紀への留学生政策に関 する提言」及び昭和59年6月の「21世紀への留学生政策の展開について」の二 つの有識者からの提言等を踏まえ、10万人の留学生の受け入れを目途に「留学
生受け入れ10万人計画」が進められており、平成6年度時点で53,787人の留学
生を受け入れているが、昨今の円高の影響を受けて受け入れ人数が鈍化し始め
ている。なお、このうちの85%(45,577人)が私費留学生であり、アジア地域からの留学生が全体の9割を占めている。(「文部省学術国際局留学生課」平
成7年度) これまでの留学生受け入れには反省がなければならない。これは日本に留学 したいという学生を自然発生的・消極的に受け入れているにすぎず、日本の外 交政策のスタンス(理念)を反映していない、という点である。日本への留学 生には国費でくる者と私費でくる者がいる。国費でくる者は帰国するとその国 のエリートとして上層部に居座るため、中間層や下層部への関心はあまり持た ない。また、私費で来る者も莫大な金をかけてきているため、その回収に努めるため実業分野での成功が最大の関心事になり、両方とも真の意味の社会改革
・民主化への働きは薄い。 (2)「アジアユニバシアード(AUC)」の設置 これは最貧国を中心に発展途上国の中間層の啓発に重点をおき、前述した曰本外交の理念「交流、平和、人権、共生、環境」の普及・実現を目指すもので
ある。これはまた、曰本外交の具体化を五全総の中の第四の交流軸一沖縄・東
南アジアラインのソフト面の核をなすものであり、ODAの全面的なバックア
ップを前提としている。 これは、これまでの発展途上国への援助が底辺層の底上げを狙いとしてきた にもかかわらず、これまでの成果の大方が上層部を潤すのみで底辺へは行きとどかなったという反省からである。発展途上国の経済社会発展の鍵は国レベル
のトップ層の民主化・意識改革ではなく、その国の中間層の民主化・意識改革
及び生活水準の向上がその本質であり、この分野をターゲットにする方が即効
性がある。 -28-また、これは日本の外交理念の展開の施策であり、これらの推進のためには アジア地域の前方展開の要に当たるODAのアジアプランチ(事務局)は欠か せない。
アジア地域の最貧国を中心に発展途上国の中間層(地方自治体及び諸団体)
の派遣する職員ないしは留学生を対象に受け入れをし、二年間は地元大学との
連動で日本語及び諸科目を学ばせ、次の二年間で自国の出身地域の状況に参考
になるような地域選定を行い、そこで研修を行わせる。研修現場は生産現場も あり得るし、地方自治体或いは各種団体の場合もあり得る。受け入れ研修現場へは一定の補助を行う。また、留学生レベルの交流を促進するためには、低価
格宿泊施設等を設置し、アクセス、滞在の便宜をはかることが必要であること
は言うまでもない。関連する具体的な諸機関を含めて総合的に図化したのが次の図である。特に
筆頭に揚げた「アジアユニバーシアードセンター(AUC)」はその先兵的役
割を果たす者であり、次のような役割と内容を想定している。 図4-2-1「アジアユニバシアードセンター」と関連機構 ユニバーシアード・フォラム アジアユニバーシアードセンター (留学生の拡大・交流) (留学生の拡大・交流) 行政・団体研修センター 地元大学その他 国際コミュニケーション学部 アジア 外務 漁業研修センタ ・ブランチ 省・ODA アジア技術研修センター (平板技術の移転) アジア技術研修センタ 農業研修センタ 工業研修センタ アジア教育支援センター (教育水準の向上・支援・援助) アジア保健医療サービス・センター (衛生・保健・医療のサービス) $。 -29-(1)アジア周辺地域の最貧国からの留学生を優先し、-定量受け入れる(世
界に在住しているウチナーンチュ二世、三世も考慮)。
(2)各国の地方自治体・団体からの推薦を優先する。
(3)2年に-度の割で、前述の新しい日本外交の理念をテーマに学生による
「アジア・フォーラム」を開催し、アジア地域の環境保全、人権問題、民
主化、貧困の解消等のコミュニケを発表する。(4)併せて、「アジア・モール(アジア市場)」を開催し、各国の庶民文化
の交流を図る。(5)これらのイベントは原則として留学生達が中心になって取り行う。(外
務省の指導もあり得るが)(6)500人程度の留学生を収容し、(1)~(5)が行える規模の「アジアユニバ
ーシアードセンター(AUC)」を建設する。(7)将来(2010年)は、沖縄の既存の各大学に500人程度収容規模の留学生会
館を建設し、合わせて沖縄で2,000人程度の外国人留学生を受け入れるよ
うにする。このようなコンセプトで構想されたのが「AUC」であり、新しい曰本外交
の実証として早期実現が望まれる。この構想を“時期尚早”といぶかる向きも
あるが、決してそうではなく、経済社会発展の面で離陸し始めている国と取り
残されている国のギャップが拡大しつつある現実を見ると、むしろ遅いくらい
である。また、国内的にも前述のような「立命館アジア太平洋大学」構想など
が出始めているくらいである。
これは、1999年開校、アジア太平洋学部、国際マネージメント学部の2学部、
入学定員各学部400人規模、在学生3,200人規模、教員の2~4割を外国から招
聰する。大分県の大学誘致活動に答え、別府市から土地提供の同意を得て実現
した。文部省の大学設置事務室も「これだけの規模で留学生が半数を占めるの
は例がないのではないか。意欲的な構想」と評価しているとのことである。と
いった具合である。また、国連開発プログラムのアジア・太平洋地域の地域ビューロー・チーフ
-30-のナイ・フトン(NayHtun)氏は'95年10月に来曰し、同地域担当の曰本政府 の要人との協議の際、世界には1,100~1,200万人の貧困層がいるが、そのなか の60%(約700万人)は同地域が占めている事を強調した上で、 (1)同地域の発展途上国のインフラの整備への援助だけでなく、人材育成へ も力を注ぐべきであること。 (2)貧困の解消、不平等の解決、活力の醸成と生活水準の向上に繋がるよう なプロジェクトの実施。 (3)地域経済発展の成果は、あまねく等しく地域国民に分配されるべきこと。 さらに、これからの若者の教育に当たっては、 (4)これまでの教育システムを抜本的に変え、社会及び環境問題を考慮に入 れた経済開発を行うような教育のシステムを構築すべきこと。 (5)環境問題は同地域に於いてもかなりの広がりを見せているが、今度はこ れをいかに実現して行くかが課題であること。 (6)日本のような先進国はもっと環境にフレンドリーであるべきで、曰常生 活から産み出されるゴミを減らす工夫をすべきであること。 等を要請している。(TheJapanTimes’95年10月20日) 建設用地としては県都である那覇市近郊(例えば、南風原町の新川森近傍等) に建設することが望ましい。理由は、 (1)現在すでに宜野湾市にコンベンションセンターもあるが、沖縄の行政、 経済、その他諸活動の中心であり、人口が最も多い那覇市からのアクセス に難点があり、車の収容能力も400台程度で車社会の沖縄の現状に適して いない。 (2)那覇近郊に位置し、高速道路のインターチェンジに近く、各地域からの アクセスも良い。 (3)駐車場用地を多めに取る必要があり、用地の確保が容易であること。 (4)沖縄大学が上述の趣旨に添って「国際コミュニケーション学部」の設置 を予定していること。 等である。 -31-
(3)その他の機構 一平板技術の移転の移転により、 最貧国を中心とした国々のポトムアップを図る一