第 5 章 業種別ポイント
5.7 製茶(仕上げ茶)
同時に、出入り口を開放しないこと、窓には網戸を設置することなどの対策が重要である。
5.6.6 格付
格付は製品完成後出荷されるまでの間に実施されねばならない。乾麺や半生麺は出荷ま でに比較的時間の余裕があるが、生麺、茹で麺、蒸し麺は日配品であり、製品完成後出荷 までの時間は短いと思われる。有機生麺等の製造と同時進行で記録類を作成し、麺の完成 と記録類の完成がほぼ同時でなければ格付の検査は出来ないと考えられる。作成しやすく、
確認しやすい記録書式を製作することが望まれる。
荒茶を低温倉庫で保管するのが普通である。クラフト紙製の大袋(大海)に入れられた状態 で入荷した荒茶の一部はすぐに原料として使用されるが、保存期間が長くなるものについ ては紙袋から窒素充填するためにポリエチレンラミネート袋などに詰め替えが行われる ことがある。有機荒茶も同様の詰め替え作業が行われるが、大海袋に貼付してあったJAS マークや生産行程管理者名やロット番号はこの段階で表示されなくなってしまうことに なる。
製造業者は有機荒茶の詰め替え作業をするときは元のロット番号や生産者名が詰め替 え後の荒茶と結びつけることが出来るようにしなければならない。有機荒茶管理簿を作成 し、詰め替え作業前のロット番号等と詰め替え後に自社で付与した番号を対照できるよう にする、または大海袋の表示部分を切り取って新しい包装袋に貼り付けるなどの方法があ る。
また倉庫内では有機品(荒茶、碾茶、玄米など)専用の棚を設置し、他のものと明確に区 別をすることも取り違え防止に有効な方法である。
5.7.2 水
茶の製造で水を添加する工程は無い。しかし清掃等に使用する清潔な水は確保されてい ることは必要である。なお茶飲料を製造する工場では飲料水として適切な水が使用されな ければならず、定期検査結果を保持していなければならない。
5.7.3 原材料の使用割合
(1) 煎茶、玉露、ほうじ茶、番茶、抹茶、粉末緑茶、抹茶入り緑茶
いずれも有機荒茶、有機碾茶が100%でなければならない。製茶工程で合組される場合 が多いが、合組するお茶はすべて有機 JAS マークの付いた原料茶を使用しなければなら ない。抹茶入り緑茶を製造する場合は、有機荒茶に全体量の5%以下の非有機抹茶(有機 が手に入らない場合)を添加することは認められる。ただし有機抹茶と非有機抹茶を混合 して添加することは認められない。
(2) 玄米茶、抹茶入り玄米茶
玄米茶の素(玄米を焙煎したもの)を緑茶とほぼ同重量入れるのが通常である。したがっ て有機玄米茶を製造するには有機緑茶とともに玄米茶の素も有機加工食品でなければな らない。有機荒茶と有機玄米茶の素に抹茶を添加して調製する場合は全原料の5%以下で あれば非有機の抹茶(有機が手に入らない場合)が利用できる。
5.7.4 製造方法 (1) 製茶
作業開始時に数種類の荒茶を混合して合組する場合は、使用するすべての荒茶が有機荒 茶であることを確認する必要がある。火入れ時は火入機内部に残存物(前に火入れした茶
葉)が無いことを確認してから行う。総合仕上機や選別機も同様で、有機茶以外のものが 残存していないことを確認する。
火入機と総合仕上機がパイプ等で接続されていない場合、火入れの終了した茶葉を一旦 茶箱等に移して人が運ぶことになる。このとき複数の機械がある工場の場合、非有機茶も 同様の取り扱いがなされる。有機茶であることを表示して、取り違えを防止する必要があ る。
総合仕上機から排出される本茶以外の芽茶、粉、とび、けばを有機茶として扱う場合は それぞれの出口に配置する茶箱や袋が完全に空になっていることを確認しなければなら ない。本茶にだけ注意が払われ、それ以外のものは荒茶の品質に関係なく一緒に扱われる ことがあるので有機茶製造時には注意が必要である。
(2) 抹茶、粉末茶
これらを製造するには有機碾茶又は有機荒茶が原材料のすべてである。抹茶を製造する 石臼からは微粉末となった茶が出てくるので、風の影響を避けるため数台並べてケースに 入れられていることが多い。有機抹茶を製造している石臼の隣で非有機の抹茶を製造して いると抹茶が混合されてしまう恐れがある。有機抹茶を作る場合は他の抹茶の製造はしな いことが望ましい。ボールミルで粉末茶を製造する場合は密閉された状態なので混合の恐 れは尐ない。
5.7.5 清掃洗浄
茶製造工場の機械類は水を使用した洗浄は原則的にできない。有機茶等に非有機のものを 混入させないために、有機茶等の製造開始前には清掃が十分にされなければならない。
火入機や合組機のようにドラムを回転させる構造の機械はドラム内壁と茶葉の摩擦によ り静電気が発生する。そのため使用後すぐにエアガン等で残存物を吹き飛ばすことは出来 ない。数時間放置して静電気が消失してから清掃をする必要がある。
総合仕上機には数種類のふるいが組み込まれている。これらのメッシュに目詰まりした 茶葉は空運転やエアガンを使用しただけでは完全には除去することはできない。ブラシや へらを使用して目詰まりした茶葉を落とすことから始めなければならない。
バケットエレベーター(昇降機)のケースの底部には茶葉が溜まりやすい。またバケット を取り付けたベルトに茶埃が付着しやすい。これらはエアガンで吹き飛ばしてもケースの 中で舞うだけで除去できない。掃除機で吸引しながら空運転を繰り返すと除去できる。
スクリューコンベアはその構造上どうしてもケースとスクリューの間に隙間がある。そ の隙間に砕けた茶葉が残存する。空運転しても除去できない。ケースに点検口があればそ れを開けてエアガンや掃除機で除去できる。点検口が無い場合、残存している非有機茶葉 を除去するには有機茶葉を使って押し出すか、空運転しながらケースを外側からたたいて その振動で下に落下させてしまう必要がある。なお押し出しに使用した有機茶葉は有機性
を失っているので非有機として取り扱わねばならない。
玄米茶の素を自家製造する機械として玄米を砂に混合して焙煎するものがある。この機 械を有機と非有機で兹用するときは砂の清掃を徹底して行わねばならない。砂だけが通過 できるメッシュを用意し、残存する非有機玄米のかけらを取り除く。
茶臼の溝やボールミルの内壁やボールには微細な茶葉が付着しているので、清潔な布等 で十分ふき取る必要がある。
製茶工場では鼠や害虫の発生はあまりないようである。原料の茶が餌になりにくいから ともいわれる。また茶は湿気を嫌うので工場内が乾燥しているためにカビの害も無いとい う。衛生管理は特に行っていない工場も多いようである。
しかし食品工場に一般に求められる事項として、工場内に堆積した茶埃が製品に混入す るのを防止するために工場内の清掃をこまめに行う、飛来昆虫の侵入を防ぐために窓にネ ットを付けるなどが必要であろう。
ただし玄米茶の素やその原料である玄米は鼠や害虫を呼び寄せるので、密封できる金属 製容器を使用するなどの対策が不可欠である。
5.7.6 格付
格付の検査は有機荒茶の確認から始まり、最終製品の包装終了後にすべての工程の記録と 包装袋の表示を確認しなければならない。
荒茶は入荷時期が限られ保管期間は長い。そこで入荷した有機荒茶は入荷時に品質管理 担当者が作成した入荷リスト等と現物を見てすべての有機荒茶の予備格付をしておく方法 がある。製品の完成後、荒茶倉庫で汚染がなかったか、どの有機荒茶を使用したものか、
製造開始前に器具類が清掃されていたか、荒茶使用量と製品出来量に問題は無いかを品質 管理記録等で確認し、完成した製品の表示事項に問題が無いかを確認する。すべての事項 に問題が無ければ出荷できる旨を生産行程管理責任者に伝えて格付記録を作成する。
作成した格付記録は格付の検査に使用した記録類及びその根拠となる帳票類とともに当 該原料を使用した製品が出荷された日から 1 年以上保管されていなければならない。