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格付の方法と格付担当者

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第 3 章 有機加工食品の生産行程管理者の認定の技術的基準

3.4 格付の方法と格付担当者

JAS 規格制度では規格適合検査をすることを「格付」と読んでいる。有機の場合は、生 産行程の記録の検査により行なうので、「記録のダブルチェック」と捉えることもできる。

認定生産行程管理者が自ら格付を行なうため、組織内に格付を行なう部門を作り、格付 の手順を定め実行する。この格付を行なわずに、格付の表示(有機JASマーク)を付した 製品を出荷することはできない。(出荷前格付の徹底が必要)

格付の業務は以下の内容を含んでいる。

① 生産行程の検査を行ない、合格品にJASマークを貼る。

② 表示が適切であることを確認する。

③ 合格品は出荷可能の指示を出し、不合格品についてはその処分方法を指示する。

④ 上記の記録を作成・保持する。

これらの業務を行なうのが格付担当者である。格付を行なうにあたっては、格付規程を 作成し、その規程にしたがって業務を行なうことが認定の技術的基準で要求されている。

以下、担当者、規程、具体的な業務について順次解説する。

3.4.1 格付担当者 (1) 資格要件

格付担当者にも資格要件が定められている。学歴・職歴としての資格要件は生産行程管 理担当者と同じである(3.3.1 P52)。加えて、格付担当者の場合は人数に関わらずその全員 が格付に関する、認定機関の指定の講習会を修了する必要がある。

製造2課 (蒸煮~包装)

業務課 (出荷管理) 製造1課

(選別~磨砕)

品質管理部 営業部

生産行程管理 担当者(課長)

生産行程管理 担当者(課長)

生産行程管理 担当者(課長)

格付責任者 格付担当者

(部員2名)

(2) 格付担当者の位置づけ

平成17年の全部改正前の「製造業者の認定の技術的基準」においては、格付部門は「製 造部門及び営業部門から実質的に独立した組織及び権限を有すること」という要件があっ たが、平成 17 年以降の生産行程管理者の技術的基準ではこの制約はない。しかしながら、

格付の業務の趣旨から考えて、引き続き製造と営業から離れた立場の第三者的部門の者が 格付担当者になるよう考慮することが望ましい。

格付は出荷前に行なう必要があることから、交代勤務が生じたり夜中に常時出荷する製 品の場合には、実際に格付を行なうことのできる担当者を業務の実態に応じて複数人選定 する必要がある。複数の担当者が担当する場合には、担当者による業務内容の違いがない ように規程などで具体的に手順を作成する必要がある。

3.4.2 格付規程の整備と格付規程に基づく業務の実施

認定の技術的基準には、以下のような事項について格付規程を整備し、その規程に基づ いて業務を行なうことが要求されている。

(1) 生産行程についての検査に関する事項 (2) 格付の表示に関する事項

(3) 格付後の荷口の出荷又は処分に関する事項 (4) 記録の作成及び保存に関する事項

(5) 認定機関による確認等業務の適切な実施に関し必要な事項

内部規程の項でも説明したが、格付規程についても具体的かつ体系的に記載する必要が ある。

異なる種類の製造品目がある場合は、品目ごとの格付手順書を定める必要がある。以下、

上記の各項目について解説する。

ア.生産行程の検査

生産行程の検査とは何をすべきか、については「有機農産物、有機加工食品、有機飼料 及び有機畜産物の生産行程についての検査方法」(最終改正:平成24年4月27日農林水産 省告示第1183号)に記載されている。

その内容を一覧にまとめると次のようになる。

事項 内容・手順

①だれが 格付担当者

②何を 格付・出荷しようとする製品の記録

③ ど の よ う な 単位で

生産荷口ごと

(生産荷口=同一の方法での生産と認められる単位。製造ロットとほぼ同 じと考えてよい)

④いつ 出荷前に

⑤どのように 生産行程の管理記録が作成されていることの確認

当該生産荷口の記録であることの確認

当該生産荷口においてJAS規格に準拠した生産がされていることの確認 上記の手順について、自社での業務内容に即して格付の手順を具体的に作成する必要が ある。以下主な注意点を述べる。

・複数の担当者が業務を分担して各工程を記録確認する場合にはそれぞれの業務について 明記しておくことが望ましい。

・生産荷口ごとの格付ということは、最終的には最終製品が包装された単位(その日の製 造)ごとに確認することになるが、醸造製品のように最終製品までの行程が長かったり、

荒茶の合組のようにその前の行程が大きな単位だったりする場合には、工程ごとに確認 を済ませればよい。ただし、すべての工程が確実に検査されていることが明らかである 必要がある。

・ いくつか例を挙げて生産行程の検査をすべき時点を検討してみる。

例1:煎茶

最終製品の包装が受注によって行なわれる場合、仕上げ終了までの行程は前もって検査 し、そこまでの合否を明確にしておく。お茶の場合、あるロットの残りを別のロットと合 わせて新しいロットにすることは日常的に行なわれているので、各ロットの生産行程の検 査がきちんと終了していることを順次転記するなどして記録上も明確にしておく必要があ る。

例2:豆腐

製造工程は一日であるため、検査も出荷前に一度に行なわれるのが普通である。ただし、

夜中に出荷を行なう業者の場合にはいつ生産行程の検査が可能かをあらかじめ検討してお く必要がある。原材料の受入れを数日に一度行なう場合には、原材料については受入れご とに検査を済ませておくほうが合理的である。

なお、豆腐の場合には、一日での製造とはいえ、製造開始から終了までは日をまたぐこ ともありえる。記録する日付については出荷日、その作業を行なった日などあらかじめ規 定しておく必要がある。(そうでないと、検査の際に当該しない日の荷口の記録を確認する ことになる)

例3:大規模工場での製造の場合

複雑な工程を必要とする製品であったり、製造部門が複数の課に分割しているような場 合にはまず格付担当者の適切な配置を考える必要がある。記録の収集も 1 箇所に集めて検

査を行なうのは無理である場合があり、だれがどの記録を保管し、検査を行ない、工程ご との連絡をどのように行ない、最終的にはだれが確認するのかという手順を詳細に規定す る必要がある。

このように検査するタイミングは業者によって異なるため、格付規程で具体的に規定し ておく必要がある。

格付検査時に、求められている記録は以下のとおりとされている。自社の記録書式がこ れらの内容をカバーしているかどうかを確認し、含まれていない場合には、記録書式を検 討する必要がある。

1. 生産施設の配置

2. 生産する加工食品の種類、製造日、製造内容、原材料及びその使用割合 3. 使用した食品添加物及び薬剤等の名称及び使用量

4. 使用した機械器具の名称及び管理方法 5. 製造、加工などの工程での管理方法

ある製品についてのこれらの記録がすべて 1 箇所に保管されていることは尐なく、格付 担当者は適切な時期に現場から記録を集める又は集まるようにする。記入し終わった記録 は格付担当者に提出するという手順を定めている業者もいる。

上記の記録のうち、1についてはあらかじめ有機の製造で使用する施設が定められてお り、そこで製造したことがわかるようになっていればよい。例えば、製造の記録様式に工 場や施設の名称、ラインなどが記載されていればよい。

2の生産する加工食品の種類は、どのような製品を生産したのかは記録に必ず記載され ているはずなので特に新しく考慮する必要はない。ただし、現場で符牒などを使用する場 合にはその内容について格付担当者も把握している必要がある。例えば単に「有キ」と記 載されている場合、それが有機加工食品である場合と、単に有機原材料を使用している場 合(強調表示製品)の両方に使われていたりする。どの記録が当該ロットのものであるかを確 認する必要がある。

2のうち、製造日及び製造内容はこの検査の中心である。

まず、出荷しようとしている製品と確認している記録が一致していることを確認する必 要がある。これは、製造ロット番号などで確認することが多い。製造内容については、3.2.4 (P50)で述べたとおり、有機性の保持が確認できる内容が記載されている必要がある。つま り、生産行程の検査においては、単に記録が保持されていることではなく、有機性が保持 されていることが明確になっているかどうかを確認しなければならない。従って、単に数 量の確認を行なっただけでは生産行程の検査とは言えない。

4及び5の内容については、多くの場合製造記録に含まれている。独立した清掃記録など に記載されている場合にはその記録も確認する必要がある。場合によっては、外部委託を

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