第3章 シミュレーションによる有効性の検証
3.3 システムの安定性の判別及び補償性能の検証
3.3.3 補償性能の検証
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
i L
L
fController Voltage
source
i s
i c
L
L5L
sR
sPower smoothing system
L
L6C
L5C
L6R
L5R
L6Load3
C
aC
bv
c_av
c_b図
3.17
電力平準化システム(d軸,q軸解析)i
s0i L
L
fi s
i c
L
L7L
sR
sR
L7C
aC
bv
c_av
c_bi
g0L
L8R
L8Voltage source
Power smoothing system
ControllerLoad4
図
3.18
電力平準化システム(0
軸解析)
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
表
3.7
負荷パラメータLoad3
AC
リアクトル:LL5(L
L6) 0.5[mH]
コンデンサインプット型整流回路
:RL5,CL5
(R
L6,CL6) 20[Ω]
,200[μF]
Load4 R
L7,L
L7(
三相不平衡)
8[Ω]
,4[mH](u
相) 20[Ω]
,10[mH] (v
相)
2[Ω],1[mH] (w
相)R
L8,LL810[Ω], 5[mH]
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
d
軸は,脈動補償効果及び高調波抑制効果について検証するため,脈動成分及 び各次高調波に対するゲインについて検証する。ここで,脈動成分に対するゲ インをg
m,各次高調波成分に対するゲインをg
nとし,デシベル値で表わすと次 式となる。
] [ log
20
_ _
10 dB
I g I
g
n L
n s n
m
(3.1)
d
軸伝達関数の閉ループボード線図を図3.19
に示す。図3.19
のゲイン特性か ら読み取ったゲインを解析結果の値として扱う。シミュレーションにより得ら れた電流波形をFFT
解析し,電源電流及び負荷電流の脈動成分及び各次高調波 成分について値を読み取って,式(3.1)により算出したゲインをシミュレーション 結果の値として扱うこととする。なお,シミュレーション結果については1Hz
の脈動を与えた際の1, 3, 5, 7Hz
成分に対する補償効果を読み取ることとする。比例ゲイン
K
1_dの値は14.25[V/A],28.5[V/A],57.0[V/A]と変化させた場合の
脈動補償効果の比較結果を表3.8
に,高調波補償効果の比較結果を表3.9
に示す。表
3.8
よりゲインを上げることで補償効果は向上していることが確認できる が,シミュレーション結果と解析結果に大きな誤差が生じた。この誤差は補償 性能を考慮した設計を行う上で問題となるが,原因は不明である。表
3.9
より5
次,7次成分の高調波電流に対する補償効果についてはシミュレ ーション結果と解析結果で大きな誤差はないが,11次,13次成分については比 例ゲインK
1_d=57.0[V/A]の際に誤差が大きくなった。これは K
1_d=57.0[V/A]に設
定した際に,インバータへの電圧指令値がキャリアの振幅を超えてしまう部分 が存在しており,指令値の飽和によって補償効果が失われているためと考えら れる。この結果から,与えられた負荷条件の下では比例ゲインK
1_d の値は57.0[V/A]より小さく設定しなければ,11
次,13
次などの高調波成分に対しては第3章 シミュレーションによる有効性の検証
要求する補償性能が得られないことがわかった。
p h as e [d e g] magn itu d e [d B]
K
1_d=14.25[V/A]
K
1_d= 28.5[V/A]
K
1_d= 57.0[V/A]
frequency[Hz]
図
3.19
閉ループボード線図(d軸ブロック)第3章 シミュレーションによる有効性の検証
表
3.8 d
軸脈動補償効果の比較(①シミュレーション結果と②解析結果)g
m[dB]
比例ゲイン
K
1_d1Hz 3Hz 5Hz 7Hz 14.25[V/A]
①
-28.6 --27.5 -26.9 -26.2
②
-50.2 --43.2 -38.8 --35.8
28.5[V/A]
①
-35.5 --32.0 -29.0 -26.9
②
-54.4 -49.1 --44.8 -41.9
57.0[V/A]
①
-39.6 -34.0 --30.3 -27.6
②
-57.6 -55.1 -50.8 -47.9
表
3.9 d
軸高調波補償効果の比較(
①シミュレーション結果と②解析結果)
g
n[dB]
比例ゲイン
K
1_d5
次7
次11
次13
次14.25[V/A]
①
-7.26 -3.93 -3.11 -0.63
②
-6.10 -4.11 -2.13 -1.63
28.5[V/A]
①
-11.9 -8.53 -6.01 -5.29
②
-11.2 -8.57 -5.43 -4.53
57.0[V/A]
①
-18.2 -13.9 -7.83 -6.79
②
-16.9 -14.1 -10.4 -9.11
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
q
軸は,無効電流抑制効果について検証するため,無効電流の基本波に対する ゲインについて検証する。ここで,無効電流の基本波に対するゲインをg
q1とし,デシベル値で表わすと次式となる。
] [ log
20
1 _
1 _ 10
1 dB
I g I
q L
q s
q
(3.2)
q
軸伝達関数の閉ループボード線図を図3.19
に示す。図3.19
のゲイン特性か ら読み取ったゲインを解析結果の値として扱う。シミュレーションにより得ら れた電流波形をFFT
解析し,無効電流の基本波成分について値を読み取って,式(3.2)により算出したゲインをシミュレーション結果の値として扱うこととす る。
表
3.10
より,補償効果はシミュレーション結果と解析結果で概ね等しくなっ た。第3章 シミュレーションによる有効性の検証
frequency[Hz]
p h as e [d e g] magn itu d e [d B]
比例ゲイン: 28.5[V/A],積分ゲイン: 285[V/A・s]
比例ゲイン:71.25[V/A],積分ゲイン:712.5[V/A・s]
比例ゲイン:71.25[V/A],積分ゲイン:142.5[V/A・s]
比例ゲイン:142.5[V/A],積分ゲイン:1425[V/A・s]
図
3.20
閉ループボード線図(q軸ブロック)表
3.10
無効電流抑制効果の比較(①シミュレーション結果と②解析結果)PI
ゲインg
q1[dB]
比例ゲイン:28.5[V/A]
積分ゲイン:285[V/A・s]
①
-25.4
②
-25.1
比例ゲイン:71.25[V/A]
積分ゲイン:712.5[V/A・s]
①
-31.5
②
-33.1
比例ゲイン:71.25[V/A]
積分ゲイン:142.5[V/A・s]
①
-34.8
②
-33.1
比例ゲイン:142.5[V/A]
積分ゲイン: 1425[V/A・s]
①
-38.5
②
-39.1
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
0
軸は,零相電流補償効果について検証するため,零相電流に対するゲインに ついて検証する。ここで,零相電流成分に対するゲインをg
0とし,デシベル値 で表わすと次式となる。
] [ log
20
0 _
0 _ 10
0 dB
I g I
g
s
(3.3)
0
軸伝達関数の閉ループボード線図を図3.21
に示す。図3.21
のゲイン特性か ら読み取ったゲインを解析結果の値として扱い,シミュレーションにより得ら れた零相電流i
s0及びi
g0の波形をFFT
解析し,基本波成分(50Hz)について値を読 み取って,式(3.3)により算出したゲインをシミュレーション結果の値として扱う こ とと する。比例ゲインK
1_0 の値 は14.25[V/A]
,28.5[V/A],71.25[V/A]と142.5[V/A]と変化させた場合の補償効果の比較結果を表 3.11
に示す。表
3.11
より,補償効果はシミュレーション結果と解析結果で概ね等しくなっ た。また与えられた負荷条件におけるシミュレーションでは,比例ゲインK
1_0を
285[V/A]まで上げるとインバータへの電圧指令値が飽和した。
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
p h as e [d e g] magn itu d e [d B]
K
1_0=14.25[V/A]
K
1_0= 28.5[V/A]
K
1_0=71.25[V/A]
K
1_0=142.5[V/A]
frequency[Hz]
図
3.21
閉ループボード線図(0
軸ブロック)
表
3.11
零相電流抑制効果の比較(①シミュレーション結果と②解析結果)比例ゲイン
K
1_0g
0[dB]
14.25[V/A]
①
-18.5
②
-18.8
28.5[V/A]
①
-25.0
②
-24.8
71.25[V/A]
①
-32.0
②
-32.8
142.5[V/A]
①
-36.7
②
-38.8
第3章 シミュレーションによる有効性の検証
d
軸,q 軸,0 軸について補償性能の検証を行った結果,脈動補償効果を除い て,閉ループボード線図を用いて行った解析結果とシミュレーション結果と概 ね等しくなった。この解析結果をもとに補償対象に対して望みの補償効果が得 られるようなゲイン設定を行うためには,脈動補償効果における解析結果とシ ミュレーション結果の誤差の原因を調べ,改善する必要がある。また,このモデルではインバータへの電圧指令値の飽和について考慮してお らず,そのようなケースについては評価していない。