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安定性の判別

ドキュメント内 電気二重層キャパシタを用いた (ページ 31-39)

第3章 シミュレーションによる有効性の検証

3.3 システムの安定性の判別及び補償性能の検証

3.3.2 安定性の判別

d

軸,q 軸,0 軸それぞれの制御ブロックに対して,その制御の安定性につい て開ループナイキスト線図によって判別する。表

3.5

にシステムパラメータの値 を,表

3.6

にそれぞれの検証において変化させていない制御パラメータの値を示 す。なお,

d

軸の直流リンク電圧制御ブロック及び

0

軸のキャパシタ電圧アンバ ランス補償ブロックの

PI

制御器のゲインは電流制御に影響を与えないような値 に設定している。

d

軸,q軸,

0

軸のナイキスト線図をそれぞれ図

3.14,3.15,3.16

に示す。d軸 及び

0

軸のナイキスト線図については,(a)にゲインの変化に対する軌跡の変化 を,(b)に(-1,j0)点付近を観測した図を示す。なお,d 軸及び

0

軸については開 ループ伝達関数の極が右反平面に

2

つ存在するため,拡張ナイキストの安定判 別法[7]を適用して安定判別を行う。そのため,d軸及び

0

軸については,ωを-∞

から+∞まで変化させた軌跡を示すこととする。

3章 シミュレーションによる有効性の検証

3.5

システムパラメータの値

線路インピーダンス:

R

s,Ls

0.13[mΩ],0.23[mH]

フィルタリアクトル:

L

f

5[mH]

C

a

C

b 静電容量

4.5[F]

3.6

制御パラメータの値

LPF

1カットオフ周波数:f1

0.01[Hz]

LPF

2カットオフ周波数:f2

0. 1[Hz]

PI

2ゲイン 比例ゲイン

0.1[A/V]

積分ゲイン

0.005[A/V・s]

LPF

3カットオフ周波数:f3

0. 1[Hz]

PI

3ゲイン 比例ゲイン

1.0[A/V]

積分ゲイン

0.1[A/V・s]

減衰率:ζ

0.7

3章 シミュレーションによる有効性の検証

d

軸は,電流制御ブロックに対して直流リンク電圧制御ブロックの操作量が外 乱として入ってくる構成となっており,ここでは本来の目的である脈動制御を 行う電流制御ブロックの比例ゲイン

K

1_dをどの程度まで上げられるかを検証し

た。図

3.14(a)より,ゲインを上げることによって,より大きな軌跡を描いてい

ることがわかるが,図

3.14 (b)より(-1, j0)点付近についてはほとんど軌跡が変化

しないことを確認した。このナイキスト線図に拡張ナイキストの安定判別法を 適用し,安定判別を行う。開ループ伝達関数は右反平面の極の数が

2

つ存在し ており,ω を-∞から+∞まで変化させたときに軌跡が(-1,j0)点を反時計回りに

2

回まわっていることが確認できる。よって,与えられた比例ゲイン

K

1_dの条件 では

d

軸制御ブロックが安定と判別できる。

なお,K1_d

<0.0043[V/A]の際に不安定となり,それ以上のゲインを用いれば制

御ブロックが安定と判別された。しかしながら,実際のシステムでは

K

1_dを大 きくしていくとインバータへの電圧指令値がキャリアの振幅を超え,飽和して しまう可能性があるため,実用上は指令値の飽和を考慮して設計する必要があ る。なお,補償性能を考慮したゲイン設計を行うという観点においては,不安 定となるゲインの領域の値は用いることは実用上考えられない。

さらに,補償対象の成分に対する補償性能を考慮したゲイン設定が必要であ り,次節で説明する。

3章 シミュレーションによる有効性の検証

Imag in ar y A xi s

Real Axis

K

1_d

=28.5[V/A]

K

1_d

=142.5[V/A]

K

1_d

=285[V/A]

(a) K

1の変化による軌跡の変化

Imagi n ar y A xi s

Real Axis

ω = 0 ω = -∞

ω = +∞

(b) (-1

j0)

点付近

3.14

開ループナイキスト線図(d軸ブロック)

3章 シミュレーションによる有効性の検証

q

軸は,電源力率改善のための無効電流を抑制する電流制御ブロックのみの構 成である。なお,q 軸開ループ伝達関数の極はすべて左反平面に存在するため,

ナイキスト線図を描いた際にその軌跡が(-1,j0)点を左側に見れば安定である。

3.15

よりナイキスト線図により描いた軌跡が(-1,

j0)点を左側に見ているた

め安定と判別できる。また,電流制御ブロックの

PI

制御器のゲインを変更して も制御系は安定であることから,補償性能とインバータへの電圧指令値の飽和 を考慮してゲインを設定すればよいと考えられる。

比例ゲイン: 28.5[V/A],積分ゲイン: 285[V/A・s]

比例ゲイン:71.25[V/A],積分ゲイン:712.5[V/A・s]

比例ゲイン:71.25[V/A],積分ゲイン:142.5[V/A・s]

Imagi n ar y A xi s

Real Axis

ω = +∞

ω = 0

3.15

開ループナイキスト線図(q軸ブロック)

3章 シミュレーションによる有効性の検証

0

軸は,零相電流抑制制御を行う電流制御ブロックに対して,キャパシタ電圧 アンバランス補償ブロックの操作量が外乱として入ってくる構成となっており,

ここでは

d

軸ブロックと同様に,零相電流抑制制御を行う電流制御ブロックの 比例ゲイン

K

1_0をどの程度まで上げられるかを検証した。

3.16(a)より,ゲインを上げることによって,より大きな軌跡を描いている

ことがわかるが,図

3.16 (b)より(-1, j0)点付近についてはほとんど軌跡が変化し

ないことが確認できた。このナイキスト線図に拡張ナイキストの安定判別法を 適用する。開ループ伝達関数の右反平面の極の数が

2,ω

を-∞から+∞まで変化 させたときに軌跡が(-1,j0)点を反時計回りに

2

回まわっていることが確認でき る。よって,与えられた比例ゲイン

K

1_0の条件では

d

軸制御ブロックが安定と 判別できる。

なお,

K

1_0

<0.00019[V/A]の際に不安定となり,それ以上のゲインを用いれば制

御ブロックが安定と判別された。なお,

d

軸と同様に補償性能を考慮したゲイン 設計を行うという観点では,不安定となるゲインの領域の値は実用上考えられ ない。そのため

0

軸についても,

d

軸及び

q

軸と同様に,補償性能とインバータ への電圧指令値の飽和を考慮してゲインを決定すればよいと考えられる。

3章 シミュレーションによる有効性の検証

Imag in ar y A xi s

Real Axis

K

1_0

=28.5[V/A]

K

1_0

=142.5[V/A]

K

1_0

=285[V/A]

(a) K

1の変化による軌跡の変化

Imagi n ar y A xi s

Real Axis

ω = 0 ω = -∞

ω = +∞

(b) (-1

j0)

点付近

3.16

開ループナイキスト線図(0軸ブロック)

3章 シミュレーションによる有効性の検証

d

軸,q軸,0軸についてそれぞれ安定判別を行った結果,d軸,0軸について は不安定となるゲインは存在するものの,電流制御ブロックのゲインを上げる ことによって制御が不安定となることはない。また,それぞれの軸の制御がす べて安定であれば,システム全体としての制御も安定であると考えられる。

この結果から,電流制御ブロックのゲインは次項で説明する補償性能を考慮 し,インバータの電圧指令値の飽和に注意しながら設定すればよいと考えられ る。

3章 シミュレーションによる有効性の検証

ドキュメント内 電気二重層キャパシタを用いた (ページ 31-39)

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