第 4 章 自治体間協力による人的支援の評価構造モデルの検証-受援自治体データ
4.3 考察
4.3.1 被災自治体の評価と神戸市派遣職員の評価との比較
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総職員数に占める死亡・行方不明職員数の比率の項は,回帰係数が正である.行政機能 の被害が大きい自治体ほど,全体的評価感が高くなることを示している.その有意水準は 1%であった.陸前高田市や大槌町など行政機能が完全に麻痺した被災自治体は,初動期に,
自衛隊や岩手県などが本来は被災自治体が主体的に行う業務を担ったことに対して,最大 級の謝意を述べている(黒澤 2012).このことを反映して,全体的評価感に対して,被災 自治体の行政機能の被害が有意な正の値になったと考えられる.
各独立変数が全体的評価感にどれだけ強く影響を与えているのかについて,標準偏回帰 係数で見ると,総職員数に占める死亡・行方不明職員数の比率を統制しても,支援力と受 援力は大きな効果を持っていることがわかる.
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を見ると,神戸市派遣職員による評価が正の有意な値(
B=2.438,p<0.1)となっている.
また,切片が負でもあることから,被災自治体は,神戸市からの派遣職員よりも高い評価 をしている.
図 14 全体的評価感についての比較
4.3.1.2 支援力の評価の比較
まず,前述の支援力の
32
項目の各評価について,本研究で実施した質問紙による社会調 査結果と神戸市が派遣職員を対象に実施した質問紙による社会調査結果それぞれに平均値 を求めた.ついで,被災自治体による評価を従属変数とし,神戸市派遣職員による評価を 独立変数とする回帰分析を行った.その結果は図15
のとおりである,調整済みR
2は0.683,
0.1%水準で有意である.標準化されていない回帰係数を見ると,神戸市派遣職員の評価が
正の有意な値(B=0.710, p<0.01)となっている.また,切片が正でもあることから,被災
自治体は,神戸市からの派遣職員よりも低い評価をしている.これは,神戸市は阪神・淡 路大震災の経験を生かすことができたが,今回支援した自治体の大半は,災害対応経験が 乏しいため,災害対応業務に不慣れであったことによるものと考えられる.また,支援を 受けた自治体の中には,災害対応を経験している自治体があり,その自治体では,経験を もとに,支援力を低く評価したことも考えられる.例えば,インタビュー調査(神戸市 2012b)において,自治体支援に対して感謝の言葉を述べる一方で,災害対応に追われている中で 業務の割り振りは難しかったなど,被災地の負担を増やす支援もあったという意見が出さ れた.
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図 15 支援力についての比較
4.3.1.3 受援力の評価の比較
まず,前述の受援力の
3
項目の各評価について,本研究で実施した質問紙による社会調査 結果と神戸市が神戸市各局に対して実施したインタビュー調査結果(神戸市 2012a)それ ぞれに平均値を求めた.ついで,被災自治体による評価を従属変数とし,神戸市派遣職員 による評価を独立変数とする回帰分析を行った.その結果は,図16
とおりである.図 16 受援力についての比較
調整済み
R
2は0.959,10%水準で有意である.標準化されていない回帰係数を見ると,
神戸市派遣職員の評価が正の有意な値(B=0.996,p<0.1)となっている.また,切片が正
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でもあることから,被災自治体は,神戸市からの派遣職員よりも低い評価をしている.な お,受援力の評価項目が